はーとふるクインテット

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第二章 みんなとのアレな日々

佑真の苦悩の日々

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「あー、今日もアレな人とアレな事件に囲まれて相当鬱だ…俺、鬱キャラじゃ無いはずなのに…」

「あー、佑真おはよ」
「あ、お夏君おはよー」

「あー僕の猫ちゃん義肢アップデートしてさ、尻尾も付けたの。可愛いでしょ」
「うん、可愛いね。…どうやって付けてるのか考えるとアレだけど」
「まあこういう国だし、全然痛く無かったし別に良いよ。手術費安かったし」

「でも安いって言っても俺達バイトしてないし、弱小だしお金出すの大変だったでしょ」
「あーでも僕さ、猫ちゃん義肢優秀で結構戦えるし、幸野君とかも大体ついて行ってくれるしアレな仕事結構頑張ってるから、そのくらいは余裕だよ」

「そ、そっか。それなら良かった」


「佑真もそんなに普通が嫌なら、どっか身体改造したら?僕お金ちょっとならカンパするよ」
「…き、気持ちは嬉しいけどそれはそれで何か怖いから良いや…」

「そなの?お前本当ここでは変わってるよね」
「…うん、自覚は十二分にある…」

「あーじゃ、そろそろ授業始まるよ。受けよ」
「うん、アレ授業受けよ」


ほぼ同時刻、別の教室にて。

「えー、まあ皆さま物心付いた時から何べんも聞かされて耳にタコが出来ているとは思いますが、最重要必修科目ですので再度述べさせていただきます」

「…この国には、太古より国産みの夫婦神がおりました」


「あー、またこの話か。でも悲しい話だよね」
「そうだね、転校生くんちゃん。神様とは言え人間だから、そういう事もあるよね」

「この夫婦が大喧嘩しちゃったせいで、この国は完全にアレになっちゃったんだよね」
「うん、そういう事だね」

「…旦那さん相当アレな事しちゃった訳だから難しいけど、どうにか仲直りしてくれないかな」
「…うん、いつかは和解して欲しいよね」

「仲直りしてくれたら、この国も少しはアレじゃなくなるのかな」
「うん、きっとそうだと思う」

「…誰か、何か奇跡を起こしてくれないかなぁ」


放課後、シロとクロのレッスン室にて。

「おーし今日のダンスも完璧!僕達最強!」
「うん、そうだね」

「やー、僕達の出会いってほんと奇跡だよね。そう思わない?」
「…うん、そうだと思う」

「このクソ過ぎる国を産んだのは許しがたいけどさ、クロと出会わせてくれたのだけは神様に感謝しないとね」
「…うん、感謝しないとね」


数日後、体育館にて。

「えー、今日からこの学校に新しい転校生がやって来ました。本当は3年生程度ですが、事情がアレなので特別に2年に編入します。学力が若干アレなのでたまに1年の教室でも授業を受けますのでよろしくお願いします」

「おー、数年間アレ過ぎる狂人に拉致監禁されて手足と両目アレされてアレな生活送らされてたけど、保護後サイボーグになって出てきた狂人全身ぶった切ってぶっ潰してとどめにロケットパンチで胴体ぶち抜いた子かー。元気そうで良かった良かった」

「…ま、また強烈過ぎる子が来た…」

「…佑真君本当に可哀想…」
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