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第一章 みんなとの出会い
シロクロと会ったちょっと後のやり取り
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「あ、また会ったね、転校生くんちゃん」
「うん、佐紀君もこんにちは。これから授業?」
「うん、これから教室移動。 あ、あのさ、シロとクロに会った?」
「…あーうん、会った。あの子超ヤバいね」
「うん、あの子超アレでしょ。…まあ何やっちゃったかもう知ってるよね?」
「…うん、十分すぎるくらい知ってる」
「…うん、じゃあ言うけどさ、まあ僕達シロの強制アレ事件知った瞬間からさ」
「きょ、強制アレ事件」
「まあうん、強制アレ発覚直後から、もう全員心の底から同情してさ、もう任務の時以外はずっと寄り添って励ましてあげて、良く抱きしめて寝てたんだけどさ」
「…うん」
「…で、当然しばらくシロも相当罰を受けて、一人で隔離されて謹慎してたんだけど。 …あの子本当に優しい良い子だからさ」
「シロに早く会いたい、シロ何しちゃったのって、ずっと言っててさ。…言える訳ないし、本当に可哀想だったんだ」
「…うん、可哀想だね」
「…うん、顔は避けたとはいえ、それはもうめちゃくちゃされたから、全身傷だらけになっちゃったしさ。何とか生まれつきって事にしたけど」
「…生まれつきなのに、何でこんな傷だらけなんだろうって、良く不思議がってて、 …本当に、本当に可哀想だった」
「…うん」
「…本当に全員、気づいてやれなくて、強制アレ事件阻止できなくて、本当にごめんって思ってたんだ」
「…だろうね」
「…今はもう全部傷も消えて、普通に過ごせるようになって本当に良かったんだけどさ」
「それでも数十年間、本当に辛い思いをさせてしまった」
「…今は普通に過ごせてるとは言っても、…分かるとは思うけど全然幸せじゃないしさ」
「…うん、そうだよね」
「…いつかはどうにかして、本当に幸せになって欲しいんだけどね」
「…僕はそういう事するの大嫌いな訳だけど、…本当に、あの時ばかりは」
「あの時ばかりは、思い切り罰を与えてやろうかと思った」
「…でも僕は臆病者だから。どうしても、出来なかった」
「…うん、佐紀君も皆凄く良い子だから、仕方ないよ」
「…あの時は本当に、臆病者な自分が、大嫌いになった」
「相当経った今も、大嫌いなんだ」
「…まあ、例のあの人にもしてやりたいんだけど。臆病だから出来ないしね」
「…あー、うん。 佐紀君何も悪くないし、仕方ないよ」
「…本当に、意気地なしでごめんね」
「…いいよ、みんな分かってると思うし、謝らないで」
「…ありがとね。じゃ、またね」
そう言って、またひらひらと手を振って佐紀君は去って行った。
(…シロ君も相当アレだけど、…本当皆、可哀想だな)
同じ頃、シロとクロの部屋にて。
「あー、強制イベント始まったー。もうアイテム少ないのにうっざいなー」
「…」
「んー?何クロ、ちょっとしんどそうにして」
「…良く分からないけど、強制って聞くと、嫌な思い出があった気がする」
「えー?ほらお前生まれつきな訳だし、強制な事なんてある訳ないじゃん。気のせい気のせい」
「…うん、そっか」
「ほら、一緒にゲームやろうよ。ゲームバランス結構アレだけど面白いよ」
「…うん、やる」
「それにさお前、大好きな僕と毎日毎晩一緒でもうとっくの昔に何でも出来るし、超幸せじゃん!」
「…うん、そうだね。幸せだね」
「うん、佐紀君もこんにちは。これから授業?」
「うん、これから教室移動。 あ、あのさ、シロとクロに会った?」
「…あーうん、会った。あの子超ヤバいね」
「うん、あの子超アレでしょ。…まあ何やっちゃったかもう知ってるよね?」
「…うん、十分すぎるくらい知ってる」
「…うん、じゃあ言うけどさ、まあ僕達シロの強制アレ事件知った瞬間からさ」
「きょ、強制アレ事件」
「まあうん、強制アレ発覚直後から、もう全員心の底から同情してさ、もう任務の時以外はずっと寄り添って励ましてあげて、良く抱きしめて寝てたんだけどさ」
「…うん」
「…で、当然しばらくシロも相当罰を受けて、一人で隔離されて謹慎してたんだけど。 …あの子本当に優しい良い子だからさ」
「シロに早く会いたい、シロ何しちゃったのって、ずっと言っててさ。…言える訳ないし、本当に可哀想だったんだ」
「…うん、可哀想だね」
「…うん、顔は避けたとはいえ、それはもうめちゃくちゃされたから、全身傷だらけになっちゃったしさ。何とか生まれつきって事にしたけど」
「…生まれつきなのに、何でこんな傷だらけなんだろうって、良く不思議がってて、 …本当に、本当に可哀想だった」
「…うん」
「…本当に全員、気づいてやれなくて、強制アレ事件阻止できなくて、本当にごめんって思ってたんだ」
「…だろうね」
「…今はもう全部傷も消えて、普通に過ごせるようになって本当に良かったんだけどさ」
「それでも数十年間、本当に辛い思いをさせてしまった」
「…今は普通に過ごせてるとは言っても、…分かるとは思うけど全然幸せじゃないしさ」
「…うん、そうだよね」
「…いつかはどうにかして、本当に幸せになって欲しいんだけどね」
「…僕はそういう事するの大嫌いな訳だけど、…本当に、あの時ばかりは」
「あの時ばかりは、思い切り罰を与えてやろうかと思った」
「…でも僕は臆病者だから。どうしても、出来なかった」
「…うん、佐紀君も皆凄く良い子だから、仕方ないよ」
「…あの時は本当に、臆病者な自分が、大嫌いになった」
「相当経った今も、大嫌いなんだ」
「…まあ、例のあの人にもしてやりたいんだけど。臆病だから出来ないしね」
「…あー、うん。 佐紀君何も悪くないし、仕方ないよ」
「…本当に、意気地なしでごめんね」
「…いいよ、みんな分かってると思うし、謝らないで」
「…ありがとね。じゃ、またね」
そう言って、またひらひらと手を振って佐紀君は去って行った。
(…シロ君も相当アレだけど、…本当皆、可哀想だな)
同じ頃、シロとクロの部屋にて。
「あー、強制イベント始まったー。もうアイテム少ないのにうっざいなー」
「…」
「んー?何クロ、ちょっとしんどそうにして」
「…良く分からないけど、強制って聞くと、嫌な思い出があった気がする」
「えー?ほらお前生まれつきな訳だし、強制な事なんてある訳ないじゃん。気のせい気のせい」
「…うん、そっか」
「ほら、一緒にゲームやろうよ。ゲームバランス結構アレだけど面白いよ」
「…うん、やる」
「それにさお前、大好きな僕と毎日毎晩一緒でもうとっくの昔に何でも出来るし、超幸せじゃん!」
「…うん、そうだね。幸せだね」
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