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第一章 みんなとの出会い
ハッピーチャイルド
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「おはよ、カズサ君」
「あれ?転校生ちゃん、今日は男の子の恰好なんだ」
「あー実は僕ね、特殊な体質で。どっちでもないし、どっちにもなれるの」
「だから、その時々で、好きな恰好になってるの」
「でも20歳くらいになったら、完全にどっちになるか決めなきゃいけないんだけどね、まだ迷ってるんだ」
「へー、そうなんだ。でも珍しいけど、そういう人もいるって聞いた事がある」
「うん、じゃあ皆にもそう伝えとくね。俺、君の事転校生くんちゃんって呼ぶね!」
「うん、それでよろしくね!」
「でさ。放課後、別のユニットの子が挨拶したいってさ。会ってあげてよ」
その放課後。
「初めまして。僕、輪廻幸野」
「お友達数名と、ハッピーチャイルドってユニット組んでるんだ。結構人気なんだよ」
「まあ複数形だから本当はチルドレンなんだけどね。何となくこっちの方がいいかなーってこの名前になったの」
その子は短めでふわふわの黒髪の、かわいい子だった。
「でさ、僕実は、前世の記憶があるんだ。ある時突然思い出したんだけどね」
「へー、そうなんだ。どんな前世だったの?」
「うん、あの有名な都市伝説の、だるま男みたいな感じ」
「まあそういう目に遭って、そのまま助からなくて死んじゃったみたいなんだよね」
「…た、大変な目に遭ったね」
「うん、まさに中学でその都市伝説をアウトローな先生から教えて貰った瞬間に思い出したんだけどさ」
「もう思い出してしばらくは本気でしんどかったし、何度か吐いちゃったりもしたんだけど」
「まあ今世ではすごく幸せだし皆優しいし、元気にユニット活動も順調にやってるしさ」
「まあ今となっては全部良い思い出かなーっと思ってるんだ」
「…ま、前向きで良かった」
「でさ、そんな訳で僕、思い出してからはそういう奴心の底から大嫌いになってさ。なんか思い出した影響なのか体も強くなったし」
「ほらこの国、今は良くなってきてるとは言え昔相当色々あったじゃん。だから現代でも仇討ち例施行されてるし、他人の奴やっても良いし」
「その日から早速、僕そういう奴らのリスト見るようになったんだ」
「…そ、そうなんだ」
「うん。今日もこれから、手頃なそういう奴ぶっ殺しに行こうと思ってるし。今日何にしようかなー。よし、大きいナイフとショットガンにしよ。報酬出るから色々武器買えるし」
「そういう訳で、これから行ってくるからまたね!」
「…い、行ってらっしゃい」
彼はとても楽しそうに物騒な物を持って出て行った。
その少し後。
「あ、こんにちはお兄さん」
小学生くらいの、小さな男の子がやって来た。
「僕、坂上雄一。ゆういちクンって呼んで」
「うん、よろしくねゆういちクン」
「僕ね、小学生だけどかなりお勉強出来るから、特例で飛び級して、ここの高校1年なんだ」
「へー、すごいねゆういちクン」
「うん、で、幸野クン達とユニット組んでるの。僕踊るの得意だよ。ピエロみたい」
「すごいねー。今度見せてね」
「いいよ。でさ、僕の親、幸野クンの前世程ではないにせよ、相当なクソでさ」
「殺されかけた所をどうにか保護されて、そいつら捕まったの」
「でもさ、潰されたり殺されたりはしてないから、そこまで長期間はぶち込まれなかったの」
「まあだからさ、あいつら出てきたらぶっ殺しに行こうと思ってたんだけど、まだ僕子供だしさ」
「悔しいけど数年は我慢かなーっと思ってたら、それ知った幸野クンがいっしょにぶっ殺してくれたの」
「やーアレほんとに爽快だったなー。もう包丁であらゆる所めった刺しでひき肉状態だったし」
「流石に悪趣味だからやめたけど、これでハンバーグ作ろっかって二人で爆笑したし」
「そういう訳で僕、幸野クン大好きなの!!」
「…な、仲良くてよかったね」
「うん、その時の報酬ほとんどくれたし、もう幸野クン宇宙一好き!」
「あ、僕レッスンあるからまたね。今度また遊ぼうね!」
そう軽やかにスキップして、ゆういちクンは出て行った。
またまたその少し後。
「ああ、こんにちは。あなたが転校生くんちゃんですね」
眼鏡をかけた幸野くんより少し年上そうな、穏やかな美少年だった。
「僕は彼らとハッピーチャイルドに所属する、2年の五百蔵しんらと言います」
「よろしくね、しんら君」
「僕達やっぱり過去やユニット名的に、幸せについて常日頃考えているんだけど」
「やっぱり一瞬だけど僕も、相当しんどい事があってね」
「…そうなんだ」
「うん、ある朝突然、ご飯を食べてたら何の味もしなくなって。気づいたら耳も聴こえなくなって」
「匂いもしないし、触角も無いし、声も出ないし。目は見えたんだけど、それ以外の五感が完全に消失しちゃったんだ」
「…すごく、大変だったね」
「うん。気づいたときは本当に焦ったし悲しかった。急いで親になんとか筆談で伝えて、すぐに病院に連れて行ってもらって。この国そういう分野すごく発展しているから、1週間くらいで治ったから良かったんだけど」
「それからは、普通に感じて、普通に暮らせるこの世界に心から感謝したんだ」
「…うん、治って、本当に良かった」
「珍しいけどこの国昔から色々あるから、たまにそういう人もいるらしいんだよね。他の子も昔結構そういう事あったし」
「…そうなんだ。みーな君もだけど、皆大変だね」
「うん、だからさ、僕普通に暮らせるのに、それを幸せと感じない人大嫌いなんだ」
「そういうありきたりの幸せを享受できずつまらない事でぐちぐち言ってる人を見ると、殺すまではいかないまでも2・3発ひっぱたきたくなるんだ。実際たまにひっぱたくし」
「そ、そうなんだ」
「うん。だからユニットの子達皆相当昔色々あったけど、今すごく幸せなんだ!」
「いつも世界中に全力で幸せを伝えられるよう、頑張って歌ってるんだ。今度聞きに来てね。じゃあ、またね」
そうひらひらと手を振り、彼は出て行った。
「…ぼ、僕、ここでやっていけるかな」
「あれ?転校生ちゃん、今日は男の子の恰好なんだ」
「あー実は僕ね、特殊な体質で。どっちでもないし、どっちにもなれるの」
「だから、その時々で、好きな恰好になってるの」
「でも20歳くらいになったら、完全にどっちになるか決めなきゃいけないんだけどね、まだ迷ってるんだ」
「へー、そうなんだ。でも珍しいけど、そういう人もいるって聞いた事がある」
「うん、じゃあ皆にもそう伝えとくね。俺、君の事転校生くんちゃんって呼ぶね!」
「うん、それでよろしくね!」
「でさ。放課後、別のユニットの子が挨拶したいってさ。会ってあげてよ」
その放課後。
「初めまして。僕、輪廻幸野」
「お友達数名と、ハッピーチャイルドってユニット組んでるんだ。結構人気なんだよ」
「まあ複数形だから本当はチルドレンなんだけどね。何となくこっちの方がいいかなーってこの名前になったの」
その子は短めでふわふわの黒髪の、かわいい子だった。
「でさ、僕実は、前世の記憶があるんだ。ある時突然思い出したんだけどね」
「へー、そうなんだ。どんな前世だったの?」
「うん、あの有名な都市伝説の、だるま男みたいな感じ」
「まあそういう目に遭って、そのまま助からなくて死んじゃったみたいなんだよね」
「…た、大変な目に遭ったね」
「うん、まさに中学でその都市伝説をアウトローな先生から教えて貰った瞬間に思い出したんだけどさ」
「もう思い出してしばらくは本気でしんどかったし、何度か吐いちゃったりもしたんだけど」
「まあ今世ではすごく幸せだし皆優しいし、元気にユニット活動も順調にやってるしさ」
「まあ今となっては全部良い思い出かなーっと思ってるんだ」
「…ま、前向きで良かった」
「でさ、そんな訳で僕、思い出してからはそういう奴心の底から大嫌いになってさ。なんか思い出した影響なのか体も強くなったし」
「ほらこの国、今は良くなってきてるとは言え昔相当色々あったじゃん。だから現代でも仇討ち例施行されてるし、他人の奴やっても良いし」
「その日から早速、僕そういう奴らのリスト見るようになったんだ」
「…そ、そうなんだ」
「うん。今日もこれから、手頃なそういう奴ぶっ殺しに行こうと思ってるし。今日何にしようかなー。よし、大きいナイフとショットガンにしよ。報酬出るから色々武器買えるし」
「そういう訳で、これから行ってくるからまたね!」
「…い、行ってらっしゃい」
彼はとても楽しそうに物騒な物を持って出て行った。
その少し後。
「あ、こんにちはお兄さん」
小学生くらいの、小さな男の子がやって来た。
「僕、坂上雄一。ゆういちクンって呼んで」
「うん、よろしくねゆういちクン」
「僕ね、小学生だけどかなりお勉強出来るから、特例で飛び級して、ここの高校1年なんだ」
「へー、すごいねゆういちクン」
「うん、で、幸野クン達とユニット組んでるの。僕踊るの得意だよ。ピエロみたい」
「すごいねー。今度見せてね」
「いいよ。でさ、僕の親、幸野クンの前世程ではないにせよ、相当なクソでさ」
「殺されかけた所をどうにか保護されて、そいつら捕まったの」
「でもさ、潰されたり殺されたりはしてないから、そこまで長期間はぶち込まれなかったの」
「まあだからさ、あいつら出てきたらぶっ殺しに行こうと思ってたんだけど、まだ僕子供だしさ」
「悔しいけど数年は我慢かなーっと思ってたら、それ知った幸野クンがいっしょにぶっ殺してくれたの」
「やーアレほんとに爽快だったなー。もう包丁であらゆる所めった刺しでひき肉状態だったし」
「流石に悪趣味だからやめたけど、これでハンバーグ作ろっかって二人で爆笑したし」
「そういう訳で僕、幸野クン大好きなの!!」
「…な、仲良くてよかったね」
「うん、その時の報酬ほとんどくれたし、もう幸野クン宇宙一好き!」
「あ、僕レッスンあるからまたね。今度また遊ぼうね!」
そう軽やかにスキップして、ゆういちクンは出て行った。
またまたその少し後。
「ああ、こんにちは。あなたが転校生くんちゃんですね」
眼鏡をかけた幸野くんより少し年上そうな、穏やかな美少年だった。
「僕は彼らとハッピーチャイルドに所属する、2年の五百蔵しんらと言います」
「よろしくね、しんら君」
「僕達やっぱり過去やユニット名的に、幸せについて常日頃考えているんだけど」
「やっぱり一瞬だけど僕も、相当しんどい事があってね」
「…そうなんだ」
「うん、ある朝突然、ご飯を食べてたら何の味もしなくなって。気づいたら耳も聴こえなくなって」
「匂いもしないし、触角も無いし、声も出ないし。目は見えたんだけど、それ以外の五感が完全に消失しちゃったんだ」
「…すごく、大変だったね」
「うん。気づいたときは本当に焦ったし悲しかった。急いで親になんとか筆談で伝えて、すぐに病院に連れて行ってもらって。この国そういう分野すごく発展しているから、1週間くらいで治ったから良かったんだけど」
「それからは、普通に感じて、普通に暮らせるこの世界に心から感謝したんだ」
「…うん、治って、本当に良かった」
「珍しいけどこの国昔から色々あるから、たまにそういう人もいるらしいんだよね。他の子も昔結構そういう事あったし」
「…そうなんだ。みーな君もだけど、皆大変だね」
「うん、だからさ、僕普通に暮らせるのに、それを幸せと感じない人大嫌いなんだ」
「そういうありきたりの幸せを享受できずつまらない事でぐちぐち言ってる人を見ると、殺すまではいかないまでも2・3発ひっぱたきたくなるんだ。実際たまにひっぱたくし」
「そ、そうなんだ」
「うん。だからユニットの子達皆相当昔色々あったけど、今すごく幸せなんだ!」
「いつも世界中に全力で幸せを伝えられるよう、頑張って歌ってるんだ。今度聞きに来てね。じゃあ、またね」
そうひらひらと手を振り、彼は出て行った。
「…ぼ、僕、ここでやっていけるかな」
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