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金髪碧眼美少女むちむちお嬢様がオークに憑依された挙句、精神融合してしまい人生を乗っ取られるが主人公が気付けない御話

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 夜闇に覆われた世界であっても、燦々と煌めきを散らす満天の星空は、眩いばかりの輝きで大地を照らしていた。

 そんな夜空の元で僕は気が付けば草原に居た。

 普段通りに学校に通い、そして普通に授業を受けて、これまた終礼を終えてから下校と相なった一日。

 平素からの様に、それで家に帰宅して課題をこなしてからご飯を食べて風呂に入り就寝と思っていたのも束の間の事。

 そう、いつの間にか目の前にだだっ広い広大な緑の草木が現れたと思いきや、空には砕けた巨大な月。

 そして無数に様々な色を帯びて空に浮かんでいる星々がある光景が、突如として視界一杯に広がったという塩梅だった。

 特段何か兆しの様なものがあるわけではなくて、本当に次の瞬間にはこの場所に居た。

 それも装いは学生服に鞄一つという非常にラフな格好で。

 無論ドッキリや夢かとも疑ったが、それらは種明かしされる事はなく、いつまで経ってもこの身は草原に立っていた。

 だから当然このままでは危ういのではなかろうかと否が応にも思い、その時は取り敢えず近くを散策した。

 今思えばそれは完全な悪手であったのだが、けれどサバイバルの知識など無いから致し方無い。

 とはいえ結局の所、少しばかり足を運ぶと次第に灯りが見えてきて、街があったものだから殊更に当時は幸運であった。

 それでいざ街の中に入ろうとすれば検問で呼び止められて、服装の奇抜さから門前払い。

 怪しまれてしまい、挙句の果てに不審者扱いもされてしまった。

 これには参ってしまって、食料と呼べる物は唯一鞄に入っている買い食いの時のパンひとつしか無く、非常に心許なかった。

 だからその時の僕はなるだけ空腹に耐えて食べるのを我慢していたが、それでも飢餓感は強くなる一方で、次第にどうしようもなく腹が減るもので、結局その日のうちに手持ちの物は食べてしまった。

 すると余計に満たされない感覚に苛まれ、街の前での野宿で如何にか一晩は超えたものの、翌日朝を迎えてもうだめだとなっている所を冒険者に救ってもらった。

 僕を助けてくれたおっさんは傍目に見てもダンディーで、食べ物もくれたし、この世界のノウハウを教えてくれた。

 恐らくは僕の世界の基準で見れば、そのおっさんの容姿は白人に類するだろう。

 尖った迫力のある鷲鼻に、全体的にみて彫りの深い顔立ちは強面な印象を受ける。

 加えて背中に人の身の丈以上もある巨大な大剣を担いでいたので僕は自ずと圧倒されてしまった。

 けれど実際に話してみるとただで食べ物など恵んでくれる慈善活動家な良い人だった。

 なんでも信仰している神様が人には慈悲を与えなさいなどと、教訓として説いているらしい。

 曰く、可哀想な貧しき者にはまず与え、その満たされない心を救うことこそが、そんなおっさんの生き甲斐なのだとか。

 そして報われない人々を彼自身の手でも救済し、最早それ自体に意味を見出していると言っていた。

 終始そんな具合に語ったおっさんだったから、僕はその善意にここぞとばかりにつけ込んだ。

 親切心を利用して良心が痛まないと言えば流石に嘘になるが、僕はその時一杯一杯だったのだからそれも仕方が無い。

 故に僕は幾度と無くおっさんへと質問をして、果てには衛兵の人に代わりに交渉してもらった。

 それで無事に街へと入れたので、そのウィドとかいうおっさんにこの世界の話を聞いたというわけだった。

 なんでも迷い人だか、異邦人やら、異世界人とか転移者などは、今まで見た事がなくて物珍しかったんだと。

 それで僕みたいな役立たずな何の取り柄も無い者を気まぐれに拾って、何をするかと思えば、冒険者として育ててくれたのだ。

 その結果、立派な冒険者とはとても言い難い、うだつの上がらない僕の様な二流どころか三流傭兵の出来上がりという具合だった。

 否、ひとえに傭兵といっても色々で僕みたいなのは実質何でも屋とでも称してしまった方が余程正しいだろう。

 そう言い切ってしまっても良いくらいには実力においての一流など夢のまた夢である。

 やはり傭兵としての腕ではそこらへんの者達よりも遥かに劣る。

 だがそれも僕が、少し前まで平凡な現代日本人だった事を鑑みると何らおかしな事ではない。

 寧ろ必然ですらあるだろう。

 何故ならば部活や習い事などの運動を全くと言っていい程していなかった自身だから、必然的に手や足は貧弱で、筋肉など望むべくもない。

 故にそんな実力も無ければ、大した知識もない様な新参者の僕が、任される仕事などたかが知れている。

 当然ながら猫探しもするし、街のどぶさらいの依頼だって喜んで引き受ける。

 そんな雑用と称して差し支えない事などをして、日々を食い繋いでいた。

 とはいえ一応は冒険者組み合いにこれまた驚くべき事にウィドの口添えが相まってか、加入出来た。

 無論ただ所属しているだけであり、この世界において福祉などは無く、あくまで所属しているだけだった。

 そう、この世界における冒険者組合という組織の形態としては、いわば現代日本でのハローワークみたいな所と言っていい。

 要するに職業斡旋所の様なもので、通称ギルドなどと言われてもいるが、依頼の内容はピンからキリまである。

 そんな中で異世界に来てから初の歴とした冒険者的依頼を今日、僕は請け負う事になった。

 というのも、突如としてこの辺鄙な街に見つかった古代の遺跡とやらの斥候をして欲しいとの事である。

「それではユウさん。此方の依頼内容をお読みになった上で、地形や、魔物の生態などの調査をよろしくお願い致します」

 すると想起している僕へと眼前のギルドの受付を挟んで嬢が言葉を与えてくる。

「どうしてまた僕なんかに‥」

 沈んでいた思考を如何にか浮かび上がらせて、次第に鮮明になる意識の中で、己の心中に未だ抱いていた疑問を端的に口とした。

 咄嗟に喉からこぼれ出てしまったその質問を受けて、淡々とした素振りで受付嬢は応対した。

「ギルド長からの指示で、あなたが一番この依頼に適しているとお聞きしました」

 だからその理由を言えと言っているのだが、そこそこ端正な顔立ちの女は一言そう言うと此方の問い掛けを一蹴してしまう。

 こうなると彼女は特段埒が明かなくなってしまい、恐らくはお高く止まっているのだろう。

 何せ少女はこの冒険者組合の男達からある種アイドル扱いされていて、それなりに優遇されている。

 だから僕の様な底辺冒険者は相手にする価値もないと思っているに違い無い。

 その証左として自らの爪を眼前に掲げて心底から暇そうに眺めている受付嬢の姿は、傍目から見ても酷く腹立たしい。

 とはいえ僕も今回の不可解な依頼が意味している所に対して概ね予想を立てる事が出来た。

 要するに僕は捨て駒なのだ。

 未踏の地である古代の遺跡の危険度は実際に探索しなければ分からない。

 そこでどの様な魔物が出るか、そして地形さえも安全確保の為、遠目にしか確認出来ないとあらば、八方塞がりだった。

 けれど、只々手をこまねいているわけにもいかず、いずれにせよ国からのお達で役人も調査の結果の報告をしなくてはならない。

 という具合だから、其処で捨て駒にしても痛くも痒くも無い新参者の僕が斥候として任命されたという訳だろう。

 そんな思考を改めて巡らせた所で次第に怒りが湧いてきた。

 と、次の瞬間には理不尽を強制された腹いせの発散の為、眼前のこのいけすかない女に意趣返を送る。

「僕がもしも大成したらきみをクビにして豚の餌にしてやる」

「健闘をお祈りしております」

 すると受付嬢はその職種にあるまじき此方を心底から舐め切った態度でそう返してきた。

 僕を見る事すらせずに彼女は、自身の爪の方が余程気になるのか光に照らして眺めていた。

 いつか本当に泣かせてやるからなと、その場で吐き捨てて、これ以上はお互いに不毛なので僕は踵を返した。

 無論ギルドからの強制依頼は受けないと罰則があるが為に、渋々ながらも従わなければならないのだった。


 ─勘弁してくれよ


 などと自ずと内心で呟いてしまうが、不意にギルドの酒場の方から声が聞こえてきた。

「わたくしは民の為、自らノブレスオブリージュを果たさねばなりません。分かりますね?イル」

「はッ、さすがはお嬢様ですね。高貴なお方自らその様な些事にお気を割かれるなど、大変慈悲深くあらせられます」

「ええ、そうでしょう。ですがお父様はわたくしの行いにはとてもではありませんが理解をお示しにはなられないでしょうね‥。嘆かわしきことです‥。下賤の者達の事は下の者たちに任せろとばかり、手をこまねいているだけなのです」

 これらの言葉が気になって僕はまるでロバの様に耳をそばだてた。

 声の主と思われる女は目深に外套を被り、その容姿は窺い知る事は出来ない。

 ただその甘ったるい声色から察するに、十代後半程の少女であろう。

 けれどその者の傍に侍る様にして立つ騎士然とした少女の姿から鑑みるに、恐らくは貴族様か何かだろうか。

 胸の辺りに紋章を施されているものの、未だこの世界に来たばかりの僕にとっては何処の家なのかは分からない。

「わたくしは今から試練に挑まなくてはなりません。イル、あなたはわたくしの騎士です」

「はい。レイティアお嬢様」

「共に来てくれますか?」

「無論で御座います。わたしは既にお嬢様に仕える身。どこまでもお供いたします」

 だがそんなやり取りを傍目に見ている観衆の目も憚らずにやっているから、如何しても僕は気になってしまった。

 なる程、どうやら彼女たち二人はやんごとなき立場の者らしい。

 主従関係にあるのか外套を被るレイティアという者の前でイルと呼ばれていた少女騎士は、丁寧に礼を払っている。

 物凄くこの場からは浮いている存在の、そんな彼女達は、暫くすると不意にギルドの出口へと足を運ばせた。

 一体何処へ向かうのか単純に興味があったので、僕は二人の背後から気取られない様に建物の陰に身を隠しながら死角を取った。

「しかしお嬢様、これから向かうのは未だ人の手が入っておりません故、どうか先陣はこのわたしにお任せください」

「いいえ、わたくしはこれでも一国の王女。この身に変えてもあなた一人くらい守り切って見せますわ」

「‥お嬢様。どうか御考え直しを‥。その様な事を仰らずに‥」

 すると、彼女達二人の背中を眺め、その後を追っている僕へと再びそんな声がもたらされた。

 どうやらお嬢様と呼ばれる方は随分と高尚な精神をお持ちの様で、なんでもノブレスオブリージュを掲げているのだとか。

 そんな自らの主に少女騎士は愕然とした様子を見せて肩を落とし、再考を求めている。

 傍目から見ていても彼女たちはなんだか面白い二人であり、余計に僕は好奇心を唆られた。

 それにまさかこの世界のお貴族様を前に出来るとは夢にも思わなかった。

 だからだろう。

 否が応にも強烈な好奇心に苛まれ、その衝動に身を委ねた僕は自ずと足を動かして、気が付けば彼女たち二人の後を尾けていた。

 その背中を視界へと納め、けれど絶対に気配を気取られない様に充分に距離を取り、身を隠しながら後を追う。

 慎重に足音を立てないように、抜き足差し足忍足といった塩梅に、足を運ばせていく。

「お嬢様、ここからはわたしが前を行きます。どうかお気をつけ下さい。そしてわたしの側を絶対に離れないでください」

「‥分かりました。イル、後ろはわたくしに任せなさい」

 そして、一体何処へ行くのかと思えば彼女たちはこの街を出て、その外れにある近隣の森の中へとその姿をくらませた。

 そんな彼女達の背後を相変わらず僕は、気配を出来るだけ忍ばせて後を追った。

 其処は森といっても日本とは根本的に異なり、生息している生き物達の大きさは皆規格外であり、サイズは端的に称して極めて巨大である。

 だがそんな自然あふれる中を、前をゆく二人の少女達は全く怯む様子も無く、道を切り拓いていった。

 そして驚くべき事ではあるがどういう神の悪戯なのか、あのお嬢様達が進む先には僕が請け負った依頼、そう件の遺跡がある場所なのだ。

 つまりは目の前の彼女達が向かう先は前人未踏の地である。

 其処までの道を彼女達は殊勝な事に切り拓いてくれている。

 青々として緑の芳香が香る中、生い茂る草木を眼前の少女騎士は一刀両断した。

 そんな塩梅に次々と人が通れるだけの空間が、このみっちりと自然で覆い尽くされた森へと誂えられた。

 御苦労なことに、僕が後を尾行しているとは夢にも思わない彼女達はそのままに、この森の探索を続けている。

 当然ながら特別僕はする事はなく、強いて言うのであれば突然の魔物の急襲を警戒するのみであるが、それもこの付近では心配には及ばないだろう。

 だからだろう。

 正直に言って僕は油断していた。

 そう、あまりに退屈で欠伸をしていたのも束の間の事。

 突如として前方の彼女達から悲鳴が上がる。

「お嬢様ッ!」

「きゃっ」

 その声につられて視線を移すと、其処は丁度草木がない場所で、先程まで鬱蒼と乱立していた大木や咲き乱れる草花が途切れていた。

 よく見ると今し方まで剥き出しであった茶色の地面では無く、其処は重厚な石造りのある種祭壇みたいな床になっていた。

 そして、その上に身を置いていた少女達の周囲が突如として青白い光に包まれたのだ。

「転移陣ッ!!」

 それは迷宮における罠の一つであり、これに掛かると大抵は死を覚悟する必要がある。

 何せ其処に立っていただけなのにも関わらず、気が付けば次の瞬間には此処とは違う何処かにその身を飛ばされてしまうのだから。

 以前ギルドで聞き及んでいた話を想起して思わず僕は叫び、身を潜ませていた死角となる木の陰から飛び出していた。

 これは特段助けようとしたわけではなく、ただ身体が動いていたというのが正しい。

「其処から離れろッ!!」

 勢いよく森を駆け抜けて、少女達が居るその場へと距離を詰める。

「なッ」

 これに反応して咄嗟に身構えた少女騎士のイルと呼ばれていた方が外套を被る少女の前に立ちはだかった。

 ─馬鹿かっ、そんな事している場合じゃないだろっ

 何故ならばこっちを警戒している間にも着々と転移陣は完成されていき、それが展開されればその場から動けなくなるのだ。

「退けッ!!」

「くッ」

 幸いにして未だ剣を鞘から抜き放つ前に僕は少女騎士の間合いに入り込む事に成功した。

 そして思い切り体重を乗せたタックルで、彼女をこの場から突き飛ばす。

「なにをっ」

 すると思いの外少女の体重は軽く、転移陣の中から出すにはそれだけで事足りた。

 とはいえ彼女は依然状況を掴めないらしく、地面に尻もちをついた姿勢で大きく叫んだ。

 だがそれに構っている程事態に猶予は無く、早く僕も含めて傍らの外套を羽織る少女もこの場から連れ出さないといけない。

 お嬢様と呼ばれていたからにはさぞかし高貴な身分なのであろう。

 ならば此処で助ければ相応の報酬を期待しても良いのではなかろうか。

 などと一瞬でも甘い考えに浸ったのが運の尽きで、その油断した刹那の事。

「あなたは‥」

「おいおい、マジかよ‥」

 外套の少女から声を掛けられた所で、最早時既に遅く、周囲には青白い光の紋様が浮かび上がっていた。

「お嬢様っ、レイティアお嬢様ッ!!」

 そんな光景を見て何事かを悟ったのか少女騎士は此方に近づいて来ようとする。

「くッ、どうしてッ」

 だが眼前に透明な何かが彼女の道を阻み、其処を通れなくしていた。

「はは‥まさかこんな所で死ぬとはね」

 そう、先程まで構築されていた転移陣が此処に展開されてしまい、完成した其処からは出られないし、外部からの干渉すらも受け付けない。

 だから思わずそんな絶望的な状況を目の当たりとして否が応にも渇いた笑いが込み上げてくる。

「大丈夫です。わたくしがあなたを死なせません」

 ただ、そんな暗澹たる心地の僕へと背後から柔らかな声が与えられた。

 その声色は他者を安心させる為、酷く穏やかでありながら、それと同時に厳かな響きであった。

 耳たぶに心地良い、慈愛の溢れた鈴の音のような声。

 だがそれを耳にした所で現状が変わるわけでもなく、次第に青白い光も強くなり、この場を埋め尽くそうとしていた。

「お前っ、レイティアお嬢様を此処から出せっ。さもないと」

「無理だよもう遅い。君だって知っているだろう?一度発動した転移陣は止められない」

 するともうすぐで転移しそうな矢先、少女騎士が僕を物凄い形相で睨み付けてくる。

「やめなさいイル。このお方は貴女を助けてくれたのですよ。それ以上はわたくしの流儀に反します」

「ですがお嬢様っ、このままでは」

「いいのです。わたくしは必ず生きて帰ってきます」

 次いでそんな少女騎士に対応したのは背後のお嬢様で、気丈にも彼女は未だ諦めていない様だった。

 その証左として彼女の外套の隙間からわずかに見える大きな瞳の碧眼には、強い意志の光が宿るのが垣間見えた。

 そしてこのやり取りを最後にして次の瞬間には目の前がホワイトアウトして、眩いばかりの青白い光一色に視界は塗りつぶされた。

 輝きの残像が瞼の奥を瞬時に焼き尽くし、すると意識は暗転し─





 *



 次に目覚めた時には案の定何処かも分からない場所で、漆黒が支配するまるで洞窟の様な所で僕は横になっていた。

 否、これは洞窟と称するより何方かというと遺跡と言った方が的確だろうか。

 それ程までにまるで人の手が加えられたかの様な、明らかに人工物であろう空間が其処には広がっている。

 取り敢えずは即死する様なトラップはまず仕掛けられていないみたいで、ひとまず安堵のため息を吐く。

 先程までは本当に死ぬかと思って未だ未練がありながらも一応は相応の覚悟はしていたのだ。

 そのつもりだったが、にも関わらず僕は依然生命をつなげた事実に感動し、自ずと強く握っていた手に力を緩めた。

「ふぅ‥」

 そうやって一度口から息を吐き出すと、改めてこの場をつぶさに、そして隅々まで観察した。

 当然である。

 何故ならば何か一つでも見落としがあれば恐らく何かしらの罠を踏んでしまい、すぐさま死に至るであろう。

 それを今し方体験して身につまされて理解しているが故に、幾度も同じ轍を踏む訳にはいかないのだ。

 それだけ転移陣に飛ばされた時は命の危機をこの身に感じていた。

 とはいえ結果的に助かったのは大変尭孝であり、そして重要なのは此処からで、如何にしてこの場から脱出するのかが問題だった。

 そう、確かお嬢様と呼ばれていた少女と僕は共に転移をしたわけで、都合同じ場所に飛ばされてきた筈だ。

 ならばすぐ隣に彼女が居てもおかしくないのだが、けれど現実はそうも簡単にはいかない様で、其処には誰の姿もない。

「そんな‥」

 あまりにも幸先が悪い事に、現状この場には僕一人の姿しか見えず、どうにかして自分の力だけでこの逆境を切り拓かなくてはいけない様だった。

 仮にあの少女が本当の貴族であればきっと魔術が使える筈だと目星をつけていて、それが正直な所頼みの綱であったのだが、そうは問屋が下さなかったみたいで現実は厳しい。

 こうなると一縷の希であったその前提は初っ端から見事に頓挫して、どうやら結局僕一人でこの場から出なくてはいけないらしい。

 そのあり得ない事実を受けて、一体何が楽しくて神様は僕にこんな残酷な仕打ちをするのかと一人、途端に憤りたくなってきた。

 だがそれでも今はそんな気分ではなくて、この重厚な分厚い石造の壁に閉じ込められた現状を如何にか打開する事こそが僕に課せられた最大の優先事項であった。

 故にまずは周囲の探索から始める必要があると思い、取り敢えずは懐からギルドで手渡された例の遺跡について記載されている用紙を取り出した。

 なんでも初心者の僕への配慮であるのか遺跡内においてのノウハウなどが其処には記されていた。

 一応はその遺跡の外観の形状から予測された通路などが書かれていたが、正直言って当てにはならないだろう。

 何せこれはあくまで予想であり、実際に入ってマッピングした訳でもないのだから大方出鱈目だ。

 流石は新人冒険者を斥候という名の生贄に仕立て上げる組織のやる事で、全てが適当だ。

 その振る舞いは最初から人権など僕には必要無いのだとでも言わんばかり。

 とはいえ実際の所その通りで、何故ならば正真正銘此処は異世界で、日本の様に個人の命が尊重されている訳では無いのだ。

 寧ろ貴族でも無い限り、僕の様な何処ぞの馬の骨とも知れぬ輩など、有象無象の一人に過ぎず捨て駒にするには丁度よかったのだろう。

 という具合だからやはりその用紙は期待していた程当てにはならず、お陰で自らの勘だけでこの遺跡を探索する事になった。

 そう、どうせ此処は依頼書にある遺跡に違い無いのだ。

 でなければあんな所に転移陣が偶然に罠として仕掛けられているとは考えにくい。

 恐らく僕が転移陣から飛ばされた先は、あの調査対象の遺跡なのだろう。

 きっとその考えに間違いは無い筈だ。

 だとしたら都合、僕は何の食糧も無しに、この遺跡でサバイバルをする事になる。

 幸いにして平素から腰の剣帯に吊るしている安物の剣くらいは装備しているが、たかがこれ一つでは心許ないのは明らかだ。

 故にこれら要素を鑑みて、必然的に僕の現状を詰みの状態だった。

 けれどもだからと言って此処でただ待つばかりではいずれ空腹で飢えてしまい、野垂れ死ぬだけであろう。

 ならば最後には死ぬと理解していても、例えそれが無謀だとしても、己の出来る限りは抗うべきでは無いだろうか。

 そう僕は自らに言い聞かせて何とか勇気を奮い立たせると、自ずと気が付けば身を起こして立ち上がっていた。

 そして一見しただけでも分かる、恐らくは誘いだろうと理解出来る、露骨な一本道を歩む。

 石造りの二つの巨大な壁が聳え立つ、その中央を敢えて靴裏の音を大きく鳴らしつつ、それを反響させて漆黒に包まれた空間を認識する。

 其処で眼前を注意深く観察しても尚、肉眼では最奥の闇が覆う場所までは目視できない。

 だが周囲を見渡してみても道は一つだけしか無く、どう足掻いても此処を通るしかなさそうだった。

 ならばと思い、腰に吊っていた剣帯から剣を抜き放ち、その残りの鞘を確認の為に眼前の暗闇へと投げ入れた。

 すると、


 ─カランっ、カランっ


 などと物が軽く落ちた後に転がる音がしたので、どうやら道はまだ続いている様だった。

 それならと思い、慎重にゆっくりとすり足で歩みを進ませて、確かに目の前に床があるのを幾度も確認してから先を行く。

 先程強い光に瞳を焼かれたせいも相まってか、依然僕の瞳は暗闇に暗順応を果たしていなかった。

 故に前が見えないのだ。

 だから物を予め投げ入れておき、それで脅威が無い様ならそれで先に進むという事を繰り返した。

 そして幾度もこれを続けて、漸く最奥と思しき場所に辿り着くと、思いの外呆気なく出口と思われる場所に出た。

 そう思い、油断した矢先の出来事であった。

「あっ‥んんっ、気持ちいいっ‥おっ、すっごぉい‥あんっ‥いいっ‥」

 僅かながらの陽光が差し込むその場所から、確かに少女の声と思しき、そう嬌声が聞こえてきたのだ。

「だめっ、わたくしはあなたのような邪悪になどっ‥ヒヒっ、最高だなこの身体っ‥おおっ‥イグッ‥ああっ‥あんっ‥いいっ‥気持ちいいっ‥」

 それから何だかよくわからない曖昧な言葉が聞こえてきて、けれど未だ距離が離れているせいか判然としない。

 そんな異様な状況に、なぜだか胸騒ぎを覚えた僕は取り敢えず地面の鞘を再び腰の剣帯へと吊るすと、また足を運ばせた。

 今度は僅かではあるものの光が差し込んでいるので、特別道の有無を確認せずとも歩みを進ませられた。

 だから今し方に聞こえてきた声の主の正体も次の瞬間には自ずと明らかとされた。

 そう、薄暗闇の中にその黄金の少女は居た。

 そして驚くべき事に、仰向けになり艶やかな眩いばかりの金色の長髪を四方へと散らした端正な顔立ちの少女は、どういうわけか自らの股間へと指先を這わせていたのだ。

 そんな場違いな少女の格好はまさしく全裸と呼ぶに相応しく、ニーソだけ身に付けている姿はこんな状況だというのに思わず見惚れてしまう程に美しい。

 露出した乳房は勿論、くびれた腹部や尻肉には程よく女性としての脂肪が乗っていて、傍目から見ても少女の身体は魅力的だった。

 次いでよくよく目を凝らすと、少女としての股間の花弁は未だ男を知らないのか一本の綺麗な筋が入っているのみで、その肌は初雪の如く純白である。

 加えてその上にはしっかりと身綺麗にしているのか、アンダーヘアーの処理が行き届いていて、この異世界にあるまじき事に、金色の陰毛はこれまた形の良い逆三角形に下腹部の下へと生え揃っていた。

 だがそれらにも増して目を惹くのは単純に少女の容姿で、その顔立ちは正に一国の美姫と称して過言ではない程にまるで人形の様に整っていた。

 それはその少女が、仮に100人の人とすれ違えば必ず100人の者達が口を揃えて一切の偽りなく美しいと自ずと口とするだろう確信が持てるまでの圧倒的な美だった。

 だからだろう。

 僕は否が応にも己の視線を少女の自慰をする姿へと釘付けにしてしまう。

「あんっ‥いいですっ‥気持ちいいっ‥」

 するとどうした事か、次の瞬間にはくちゅくちゅと水気を帯びた淫らな音を立てて、その少女は自らの膣口へと指を入れ始めた。

 にも関わらず、僕はそんな最中にもこの異常な事態を受け入れているのか、少女の痴態に意識を虜にされていた。

 何故なら彼女の極めて美しい容姿からは、この様な自慰などという下品な行いをする様にはとても見えない。

 そんな印象などかけらも想像させないにも関わらず、少女は確かに僕の目の前であられもない生まれたままの全裸を晒し、痴態を繰り広げている。

 そのギャップに僕は驚きと同時に、それよりもはるかに強い興奮を己の心中へと自分自身でも理解出来る程に感じていた。

 そう、あれ程までに見目に優れた少女の美しい裸体をこの目にすることが出来るなど、これからの自分の人生においてあり得ないだろう。

 だからもっと見たいという感情が胸の内から段々と湧き出して、次第にそれが制御できなくなるのが自分でも理解出来た。

 心臓の鼓動はばくばくと早鐘を打ち鳴らし、自ずと足を前に一歩、更にまた一歩と気が付けば動かしていた。

「ああっ‥良いっ‥良いですっ‥わたくしはっ‥もうっ‥おおっ‥おほっ‥イグッ‥イグッ‥イっちゃうッ‥」

 一筋の陽光に照らされる元、少女はくちくちとその股間のぴっちりと線の入ったマン筋へと五指を伝わせている。

 むにぃとそのマン肉を指腹で擦り、彼女はだらしなく蕩けさせた面持ちを無様に晒していた。

 弛緩した表情で口端から舌を垂らし、その元来の美貌を下品に、台無しにしていた。

「イグッ゛イグッ゛イグッ゛イグッ゛イグッ゛イグッ゛イグッ゛イグッ゛おっほおおおおぉぉぉぉぉぉぉッ゛」

 彼女は艶やかな薄桃色の唇から唾液をこぼし、石畳の床の上でビクンっビクンっと身体を痙攣大きく痙攣させる。

 自らの股間を虚空へとへこっへこっと突き出して、膣の割れ目からぷしっぷしっと愛液を吹き散らかした。

 応じてその飛沫は股を向けた方向へと四散して、地面へと濡れた跡を残す。

 そんな一連の姿から鑑みるに、どうやら少女は自らの指で果ててしまった様だった。

 床の上でピンと仰向けになり、ブリッジをした状態のままの少女は股間に指を這わせたまま、絶頂を迎えてしまったのだ。

「あっ‥んんっ‥ああんっ‥すごぉっ‥この身体っ‥ひひひっ‥おッ゛‥またイグッ゛‥」

 その証左として彼女は自らの膣内に入れていた指先を抜くと、その刺激で再び身体をのけ反らせて股間から潮を噴き散らかした。

 また床に愛液が飛び散ると、次いで少女は絶頂の余韻からかその金髪を地面へと放り出し、今度こそ身体から力を抜いた。

 すると途端にイキのせいで伸ばしていた四肢は弛緩して、背中を床の上へと置いた。

「はぁっ、はぁっ‥」

 そんな光景を前にして僕の呼気は興奮から荒くなっているのが理解出来た。

 そして気がつけば次の瞬間には身を潜めていた漆黒から躍り出て、僕は仰向けの少女へと覆い被さっていた。

「きゃっ」

「おとなしくしろよ。お前の無様な痴態を町中にばらされたくはないだろう?なぁ?お嬢様?」

 そう、彼女は確かに先程僕と共に転移した例のお嬢様だった。

 現にそれを証明する様に、この場の傍らには少女の容姿を隠していた外套が、衣服と下着と混じり乱雑として床の上に脱ぎ捨てられている。

「あ、あなたは‥。ああ、貴方ですか。先程はわたくしを助けようとしてくださったのですよね?」

「ああ、そうだよ。でも今のあんたの姿はどう見ても誘ってるだろう?」

「それは‥。ええ、そうですね‥」

 彼女は僕の脅しに対して驚きながら、何事かを考える様にして、その大きな碧眼をパチクリとしていた。

「少しくらいご褒美があっても良いだろう?なぁ、ヤらせてくれよ」

 思わずそう僕は自分でも驚いてしまう様な低俗な言葉を自ずと口としていた。

 否、少女の容姿は今までに見た異性の誰よりも美しいし、それにその魅力的な身体は、此処で強引に迫っても、例えそれが無理矢理にでも手に入れたかったのだ。

「‥貴方は、それ程までにわたくしの貞操が欲しいのですか?」

「ああ、僕は君が欲しい」

 問い掛けを受けて、反射的に頷いたそんな僕の返答に、不思議そうにしていた少女の瞳が刹那、妖しく細められる。

「ふふ‥ふひ‥んんっ、そうですか‥。それなら、ええ、構いませんよ。ノブレスオブリージュです。貴方がそう望むのであればこの身を捧げましょう」

 そして一瞬だけ彼女の口端が吊り上げられたがその表情も束の間、すぐさま慈愛に満ちた面持ちを露わとした。

 彼女の頬にかかっていた金糸の如きサラサラとした長髪が艶やかな肌を伝い、そして滑り落ちた。

 どうやらこの世間知らずのお嬢様は僕の口車にまんまと乗せられてしまい、この脅しを信じ込んでしまった様だ。

 本来であればただの下級冒険者の言葉など誰も信じやしないし、ましてや証拠も無しに僕の言葉に耳を貸す者などいないだろう。

 にも関わらず、眼前に押し倒している少女はそんな簡単な事すら分からないのか、身体からはぐったりと力を抜かせて、自らのその貞操を僕へと、その言葉通りに捧げたのであった。

 あまりにも浅慮で愚かに過ぎる振る舞いだが、得てしてこの世界の貴族とは人の悪意に触れた事がないからか、皆こうなのやもしれない。

 恐らくは音質育ちであるから人の嘘を容易く信じてしまう様な少女なのだきっと。

「んんっ、そこはぁっ‥」

 だから遠慮なく、そしていたいけな少女を蹂躙する背徳感に身を委ね、彼女の真っ白な下腹部へと手を這わす。

 すべすべとした白魚の様な柔らかなお腹を指腹に感じながら、次第に下へと五指を持っていく。

「あんっ‥だめですぅ‥ああっ‥すごい‥殿方の手がっ‥ああっ‥んんっ‥」

 金色の彼女の陰毛はアンダーヘアーでありながら、存外にもサラサラとしていて触り心地が良かった。

 刈り整えられた其処を超えると、一本の縦筋へとようやく指先が至り、湿り気を帯びた膣の入口へと肌が触れた。

 一度絶頂を迎えた後であるから濡れていて、ツルツルとした花弁に僕の無骨な指を落とす。

 傍目に見ても其処は薄桃色の膣粘膜が見えていて、男を知らないであろう事が理解出来た。

 つまりはこの黄金の少女の初めては僕と言う事になる。

 そう、もしも肌を他者に一度も許した事がないのであれば、彼女に触れた最初の男は己なのだ。

 そして更に五指を這わすと、土手になっている浮き出た股間部分は、その恥丘を鮮明に露わとしていた。

 彼女が恐らくは外見からして十代である事から、恥骨が内部から張り出し、隆起したその女性器は、思春期特有の膨らみであるのだろう。

 ねっとりとしていて、しとどに水気の乗った膣口に僕は遂に指先を挿入してしまう。

「んんっ‥入ってますぅっ‥あっ‥だめぇッ‥」

 するとどうだろうか。

 少女はその真っ白な純白の肌を外気へと晒しながら、均整の取れた端正な顔立ちを歪ませた。

 応じて完璧な美貌が無様にも弛緩して、その張りのある色白い乳房が弾力的に揺れた。

 とはいえ彼女の身体は程よく引き締まっており、これに加えて女性的な脂肪も乗っているから大変魅力がある。

 そう、尻の上のくびれは少女のスタイルの良さを鮮明に示しており、それらを支える太腿もまた健康的な艶が見られた。

「すごい‥」

 思わずそう一人ごちてしまう程に、僕は初めて触れる異性の、少女の完璧な身体に感嘆の意を示していた。

 本来であれば一生触れる事すらできなかったその可愛らしい膣へと触れて、更にその上にある突起にも指先を伝わせてみる。

「ひぎっ、んんッ、そこはだめですぅっ‥ひっ‥」

 しかしそうしてみるとどうやら流石に敏感であるらしくクリトリスを摘んでやると彼女は引き攣った嬌声をあげた。

 と、其処までしていながら僕は己が失念を悟る。

「君の名前を教えて欲しい」

 そう、言の通り傍目には聞き及んでいたものの本人の口からは未だ教えて貰っていない。

「あっ、んんっ‥な、名前ですか。えっと‥わたくしは、わたくしの名はレイティア・アッシェルトです。レイティアで構いません」

 すると僕の言葉に応じてレイティアはその真っ白な肢体をよじり、自らの名を薄桃色の唇から口とした。

「そうかなら、レイティア」

 その嬌声混じりの声色を受けて、僕は自分でも口端が吊りあがるのを自ずと理解した。

「あっ‥んんっ‥はい」

 次いでそんなレイティアは投げ出していた四肢を大きく痙攣させ、ビクリと白い肩を震わせて僕を上目遣いに見上げている。

「随分と感じやすいんだな」

 そして己の意思次第で少女をどの様な風にも好きに出来ると思うと、自ずと五指が少女の敏感な部分を撫でる。

「あっ、それはっ‥」

 仰向けに金色のサラサラとしたその長髪を床に流す彼女は、そうして与えられた刺激を受けて更に身を跳ねさせた。

 都合彼女の美しい顔は上を向く事となり、艶かしい喉が僕の眼前へと露わとされた。

 だがそれも一瞬の事で気をやっていた少女はすぐさま僕を観察でもするような眼差しで真正面から此方を見据えてきた。

「あ、あまりその様な事を仰らないでください‥恥ずかしくて‥その、困ります‥」

 そして次の瞬間には自らの唇を手で覆い隠し、可愛らしくも潤ませた瞳で手加減を懇願した。

「へぇ、ということはここが弱いんだね」

 けれどその嘆願めいた言葉を僕は意に介さず、髪色と同色の金色の艶やかな睫毛に彩られた眦を切なそうに垂れている少女の膣奥へと指先を入れた。

「ひっ‥んんっ‥あっ‥どうして‥あんっ‥」

 するとにゅるりとした感触と膣粘膜の暖かさを指先に得て、レイティアは甘ったるい脳裏へと響く声を口からこぼした。

 閉鎖的なこの岩壁に包まれている同所へと、その彼女の喘ぎ声は殊更に反響した。

「‥ひぅっ‥あっ‥んんっ‥」

 応じて少女の形の良い眉が八の字に寄り、彼女は傍目に見ても明らかに快感に苛まれている様に見える。

 そう、レイティアは痛みを覚えている訳ではなく身体の芯に指を差し込まれて、その身に快楽を感じていたのだ。

 だからそれに喜悦を見出して、執拗に僕はレイティアのよがる姿を窺いながら、膣内をこねくり回した。

 そしてそれと同時に、彼女の白い肌にはたまになった汗が浮かび、やはりこれまた甘い柑橘の様な体臭が僕の鼻腔を擽る。

「‥ん‥あの‥」

 だがそんな風に少女の肢体を味わっていたのも束の間の事で、不意に彼女から此方へと声が与えられる。

「ん?どうかしたのかな?」

 彼女は薄桃色の唇を震わせて、太腿を内股に声を挙げた。

 それを受けて僕は、レイティアの膣を愛撫しながら受け答えた。

「もうわたくし‥我慢できません。あっ‥切ないのです‥ですからどうか御慈悲を‥」

 どうやら彼女の細められた艶やかな碧眼と、その言葉から鑑みるに、此方の焦らしによって情動を昂らせているらしい。

 その証左として僕が五指を挿入した少女の膣口はより一層濡れている様に感じられた。

「言われずともそうするさ」

 そんな自らオスの象徴を懇願する少女のその姿に、僕は己の陰茎に対して血が巡り、すぐさま勃起するのが理解出来た。

 そう、鮮やかな紅の線が引かれたレイティアの唇は、鮮明な色香が感じられ、其処を僕で穢してしまいたい衝動に自ずと駆られてしまう。

「んむぅ‥ちゅる‥れぇ‥れろぉ‥」

 だから次の瞬間にはそのオスとしての本能からか身体が勝手に動いて、レイティアの唇奪っていた。

 気がつけば彼女の唇を無理矢理にこじ開けて、その口内へと舌を這わせていた。

「やぁっ‥あんっ‥んんっ‥れぇ‥じゅる‥れろぉ‥じゅる‥れる‥れぇ‥れろぉ‥」

 とはいえ彼女の方も男を受け入れるのには流石に抵抗があるのか、初めは僅かながらに身を竦ませていた。

「んん‥あっ‥じゅる‥れぇ‥れりょぉ‥じゅる‥」

 ただそれも一瞬の事であり、すぐさま僕の舌肉をその口腔粘膜へと迎え入れると、後はされるがままに蹂躙を許していた。

 そしてそんなレイティアも甘い唇を貪る度に僕の男根は硬さを帯びていき、今にも暴発してしまいそう。

「ちゅる‥れぇ‥れろれろ‥れぇ‥じゅる‥ちゅる‥」

 だから更に、それこそ唇の境界も曖昧になる程に深く口付けた僕は、レイティアの口内を隅から隅まで侵し尽くした。

「ああっ‥んじゅる‥れろぉ‥べろぉ~っ‥」

 それは歯茎の裏や頬裏の粘膜から、喉の辺りまでにも及び、加えて僕は己の唾液を少女の穢れなき鮮やかなピンク色の口腔粘膜へと送り込んだ。

「あんっ‥だめぇ‥んんっ‥ちゅ‥れろぉ~っ‥れぇ~っ‥べろおぉぉぉ‥れるれるれる‥じゅる‥んんっ」

 そう、最早隙間すら無くなる程に唇を重ね合わせ、レイティアの形の良い眉根が苦しそうに寄せられるまで、濃厚な口付けを交わした。

「ちゅる‥れりょぉぉぉ‥れろぉ‥じゅる‥じゅる‥れるれるれるれるれるろぉぉぉぉ‥」

 こうして互いに舌を絡ませ合い、唾液を交換した僕とレイティアは、僅かながらに差し込む陽光の元で深く興奮を高めた。

「ちゅぱっ‥んんっ‥初めてです」

 そして流石に僕も息継ぎが必要になり、濃厚にしていた口付けをやめて、レイティアの唇から舌を抜いた。

 際しては互いの顔の間に唾液の架け橋を作り、如何にして深い口付けを僕とレイティアが交わしていたのかを物語る。

「え‥?」

「‥殿方との口付けは、あなたが初めてです」

 だがここで衝撃の言葉がもたらされて、僕は一度思考を放棄した。

 何故ならば男に肌を許したことはないというのは予想していた事だが、まさかキスも初めてとは夢にも思わなかった。

 貴族である以上は未だその年齢が幼いといえど、婚約者くらいは居るのだと思っていたが、それも誤りだっただろうか。

 すると僕はこの美貌の少女の初めての全てを奪えるという事か。

 傍目に見てもまるで一国の美姫とも称して差し支えない容姿の少女、そんな彼女を僕だけが穢すことが出来るだなんて、なんて喜ばしい事なのだろうか。

 そう考えただけでも口腔からは唾液が溢れ、焦燥にも似た欲望がこの身を苛んだ。

 そして気が付けば次の瞬間には、自ずと喜悦がゾクゾクとした快感を背筋へと生じさせると、遂に僕は己が男根を外気へと露出させ手にすると、次の瞬間には少女の膣口へとその先端をあてがってしまったのだ。

「あっ‥」

 応じて、膣粘膜に接した所から確かに水気を帯びたくちゅりとした音が、其処から響いては聞こえた。

「‥あつい」

 ぽつりと眼前の少女の美貌が少しばかり歪み、彼女はそう一言可愛らしい艶やかな唇からこぼした。

「入れるよ」

 そんなレイティアの耳元で僕は男根を膣口へと挿入させながら囁いた。

「あっ‥はんっ‥んんッ‥いっ‥」

 眼前の彼女はその言葉に抵抗する事なく従順に頷いて見せたが、その胎に入る異物感には流石に身を捩らせた。

 けれども迎え入れる膣の途中には僕の陰茎を阻む粘膜の壁が其処にはあった。

 これで少女が純潔、つまりは生娘であることが確定し、僕はくにゅくにゅとしたその膜を次の瞬間には突き破っていた。

「あっ‥ひぅっ‥」

 すると応じて少女は僕の背中に白い腕を回してくる。

 痛みを散らそうとしているのか、彼女の指先の爪が肌に食い込むのを感じた。

 だが僕は身に余る過剰な興奮からか、それすらも気にならずに、レイティアの膣奥へと己の男根の先端を至らせた。

 くにゅりと亀頭の部分へと少女の胎の感触を直に感じて、自ずと僕の背筋へとゾクゾクと快感が走る。

 既に濡れている、にゅるりとした膣粘膜が男根へとねっとり絡み付き、やはり少女は男を知らないせいか、随分と締め付けてくる。

 自然、穢れなき乙女をこの手でその純白に色を落とす事に、僕は陰茎が更に硬さを増すのが理解出来た。

「大丈夫か?」

「はっ‥はい‥。平気です‥」

 けれども漸く我に立ち返り、改めて眼下にあるレイティアの顔を見ると、その美貌を歪ませていた。

 どうやら彼女は破瓜の痛みを覚えている様で、僕に純潔を奪われてしまった事実を確かにその身に刻んでいた。

 そう、この僕こそが少女の初めてのオスだという事を理解させ、絶対にこの瞬間を胡乱になどさせない。

「あっ‥ああ‥んんっ‥」

 だが流石に無理矢理は趣味では無い為、暫くの間動くのはよしておこうと少女の膣内へと男根を納めた上で、その場で身体を静止させた。

 寧ろその痛みに喘ぐ最中よりも、平静である状態の方が遥かに彼女の意識が鮮明になり、僕という存在をより一層奥深くへと根付かせるに違い無い。

 そしてこうしている間にも、少女の神聖なる本来であれば不可侵の胎の奥へと執拗なまでに僕は己の醜悪なる赤黒いペニスを密着させたままに突き入れたままだった。

 それ故彼女は顔を上向けたままに僕を只々仰見て、身体の芯を貫かれた状態で陶酔したかの様な蕩けた美貌を晒していた。

 その表情は彼女の高貴な貴族という身分に反して、対称的なまでに艶やかでいて、これが更なる興奮をもたらした。

「いっ‥ん‥ひぅっ‥だめです‥わたくし、お腹が熱くてもうっ‥」

 すると僕はあくまで腰を動かしておらず、只々膣内へと男根を挿入させているだけにも関わらず、レイティアはその身を震わせた。

 そう、少女は膣奥で陰茎をきゅうきゅうと締め付けて、まるでその粘膜は貪欲に子種を欲しているかの様だった。

 無論、依然として少女は僕以外の男は知らない為、それ故に欲望の白濁液を受ける感覚など知る筈も無い。

 けれども、確かに少女の初雪の様な割れ目からは破瓜による紅が溢れている。

 つまりは純潔を僕が奪い去った事によって少女は出血をしている訳である。

「動いてもいいかい?」

「は‥んっ‥はい。どうぞ貴方様のお好きにしてくださいませ」

 そしてそんな彼女はしかし、初めこそ破瓜の痛みに美貌を歪ませていたものの、現在ではその素振りは無く、僕の言葉にも従順に頷いてみせた。

「あっ‥すごいです‥大きくて‥熱くて、とても硬いです‥」

 次いで、膣奥へと断続的に男根の先端で打ち据えられていて尚もレイティアは、やはり特段痛がる素振りを見せない。

 どうやら心底から興奮を覚えている様で、その証左としてきめ細やかな白い肌には紅が刺し、蒸気している。

 僕が腰を打ち据えて、レイティアの膣へと男根を挿入させる度に彼女の呼気は、はぁはぁと次第に荒くなっていく。

 すると彼女の甘い吐息が鼻腔に纏わりついてきて、それも相まって己の意思で欲望が制御出来ないまでに昂るのを自分自身でも痛い程自覚した。

 それも男根の先端が最早暴発寸前まで張り詰めてしまっているのを、少女の子宮口と思しきコリコリとした感触の部分に密着しながら理解した。

「あっ‥はげしっ‥んんっ‥だめ‥その様にしてはっ‥ああんっ‥」

 だがその溢れる己の獣欲とは対称的に、彼女は僕の責めに対して何処か怯えの感情をその碧眼に覗かせて僅かながらの拒絶の意を示した。

 現に彼女は僕から逃れようとしているのか、膣内へと男根を挿入されている間にも腰が引けている。

 無論既に欲望へと身を委ねている僕にとっては、離れようとするレイティアの尻肉を両手で鷲掴み、更に距離を詰めた。

「んんっ‥すごいっ‥身体の奥が‥あっ‥んん‥あんっ‥」

 そうすると少女はどうやら逃れるのを諦めた様で
 、その四肢から力を抜かせて、応じて身体全体も弛緩した。

「少し我慢してくれよ」

「え‥あっ‥あっ‥あっ‥ああんっ‥」

 だから僕はここぞとばかりにレイティアの胎を、己のオスとしての象徴で幾度となく打ち据えた。

 先程とは異なりそれは緩やかでは無く、多少勢いの乗った腰遣いで僕は少女の膣を蹂躙するのである。

「あっ‥やぁんっ‥んっ‥」

 途端にだめだめ、とまるで駄々っ子の様に首を振っていたのも束の間、そうしているレイティアの余裕も次第に失われていく。

 徐々に僕の背中へと回るレイティアの細い腕が、とても少女の力とは思えない程に力強く締まる。

 少しばかり息苦しいのでふとレイティアと視線を交錯させると彼女は僕を一心に仰見て、そして性交渉から得た耐え難い何かを我慢するかの様に下唇を噛んでいた。

 その艶かしい薄桃色の唇は傍目にも見てやはり色香が漂う。

 ただその中にも何処か幼なげな可愛らしさも内包されており、同時に庇護欲も唆られた。

 けれども、如何しても僕が異性に触れた事が初めてのせいなのか、相手を思いやる気持ちよりも先んじて、獣欲が先行してしまっていた。

 その衝動は自分本意でしか無くて、明らかに恥ずべき感情ではあるのだが、それを自覚して尚も、良心に苛まれながら少女の幼き膣を穢すのをやめられない。

 故に改めて己の自制心の無さと共に、人格の矮小さを身をもって思い知らされた。

「あっ‥あっ‥んっ‥」

「くっ‥」

 加えて唐突に何か罪悪感の様な感情に苛まれたと思えば、その襲いくる嫌な感覚に混じり脳裏へとかの少女騎士の姿が想起された。

 確かイルという名のその少女はレイティアに仕えていて、大層忠誠心を捧げている様であった。

 そんな少女の主であるレイティアを、この世界においての最底辺足るこの僕が犯している。

 その事実を眼前に目の当たりとしては、たちどころに自身でも分かる程にドクンドクンと心臓の鼓動の音が高鳴るのを自覚した。

 それもあの精緻な紋章と、触り心地の良さそうな身に纏う上等な衣服からして鑑みるに、レイティア含めあの少女騎士は二人とも貴族かそれに近しい身分の者であるに違い無いのだから、これを脳裏へと思い浮かべるとより一層の事喜悦も一入だ。

 何せ単純な普段着を買うだけでもこの世界においては莫大な金が掛かる為、オーダメイドの鎧に加えて、其処にあれ程までに精緻な紋様なども施したとあらば、相応の対価を支払わなければならないだろう。

 つまる所特段改めるまでも無く正真正銘このレイティアという少女は貴族の生まれであり、その美貌からしても納得が行く。

 往々にして青い血に連なる者達は、誰一人として例外なく美しい容姿を誇り、そして其処に魔術の適正を持って生まれてくるらしいのだ。

 故に権威を振るえるし、人の上にも立てるという訳だった。

 それは僕が本来住んでいた世界の現代日本足る場所とは異なり、ここは完全な封建社会であり、この世界において貴族に逆らえば即刻不敬罪に処される事もあり得る。

 彼等彼女等貴族にとってはあくまで平民というのは所詮木端でしかないという認識であり、一方的に殺すのもなんら厭わないだろう。

 無論現代日本のサブカルチャー、つまりは漫画やアニメなどに出てくる様に、平民が神官から何か能力を教えられる事など無いし、ある日神から特別な力を与えられるというのも御伽噺だ。

 その為レイティアの様な生粋の貴族である現代日本で言う所の上級国民は、本来僕みたいな有象無象になど話す事すら烏滸がましいと思っている筈。

 にも関わらず、僕はそんな相手に対して今現在も狼藉を働いているという塩梅だった。

 そう無礼を働く所では無く例え相手からの承諾が自前にあったとはいえど、確かに僕は少女を脅して、こうして穢れなきその身体を犯しているのだ。

 そして如何してかそんな趣味は無い筈なのに、あまりに彼女が美しいせいか、それも相まって僕は衝動に身を委ねてしまい、興奮から無粋にもレイティアの身体を相手の事など微塵も考えずに激しく蹂躙しているという具合だった。

 ただ幸いな事にレイティアも痛いだけでは無くて、その艶やかな彼女の唇からは甘ったるい嬌声が溢れ出ている。

 これがもしも代わりに口とされたのが、悲鳴や嫌悪の言葉であったなら、当然ながら僕の異性との初めての体験は、凡そ想像するにおいては最悪な結末と成り果てていたに相違ない。

 その点を鑑みればこのレイティアの身を好きに出来ていて尚且つ、そんな彼女も此方に肯定的な反応を示してくれる瞬間は、僕のこれまで生きてきた人生の中で最も幸せな経験に他ならないだろう。

 これらを踏まえて誠に驚くべき事であるがレイティアという少女は貴族に名を連ねる高い身分にありながら、僕を軽蔑していない。

 そも仮に此方を見下しているのであれば少女自ら身体を差し出す筈も無く、脅しにも応じる訳がない。

 何故ならば貴族は往々にして誰もが世界の常理を捻じ曲げる超常の力を持つが故に、当然それを平民相手に行使する事を厭わない。

 そうしてレイティアも例に漏れず僕を一方的にたった一度の抵抗すらも許さず、殺す事が出来る筈なのだ。

 だが彼女においてはそんな素振りもなく、少女はただ僕に犯されるばかりで、今もその形の良い程よく脂肪の乗った乳房を揺らしている。

 そんな彼女は上位の身分にあるにも関わらずやはり無様にもその美しい裸体を僕という平民の元に晒し、石畳の床にサラサラとした金色の、それこそまるで金糸の如き長髪を四方向に垂らしている。

「あっ‥‥だめっ‥もうっ‥」

「またイクのか?」

 すると僕の興奮をその身に受けて感じ取ったのかレイティアはビクリと肩を震わせて、まるで譫語の様にそう口とした。

「んんッ、はいっ‥わたくしはっ‥」

 どうやら言葉通りらしく、まさか初めて男を知ったのにも関わらず、彼女は再度に渡り絶頂を迎える様だった。

「そのまま果てろ」

 なら快楽を促すためにそう耳元で囁いてやる。

「ひぅっ‥はいっ‥イキますっ‥おおっ‥イグッ‥ああッ‥」

 するといとも容易くレイティアは次の瞬間には達してしまい、そのお嬢様然とした美貌とは対称的なまでの下品な嬌声を挙げた。

 その形の良い金色の眉根を寄せて、碧眼を切なそうに細めると、僕の背中に回していた腕で此方を力強く抱きしめてきて、レイティアはそうして絶頂を迎えたのであった。

 途端、唐突に彼女の膣内は中にある僕の男根をもきゅうきゅうと締め付けて収縮し、その反応はまるで子種を搾り取ろうとでもするかの様だった。

 際してはビクンっビクンっと僕に必死に縋り付いてくるレイティアはその身を大きく痙攣させると共に、腰を浮かせて押し付けてきた。

 だが下半身のその動きとは別に彼女の上半身は快楽から果てると同時に大きく海老反りになって仰反ると、その場で暫くの間静止した。

 どうやら絶頂の余韻からかまともに動けないらしく、レイティアの股間からは無様にもぷしっぷしっと愛液が噴き散らかされていた。

「‥ぁ‥ぅ‥」

「大丈夫か?」

 そんな風に一連の淫らでもあり惨めな姿を晒した少女は僕の掛けた声にも反応は乏しく、恐らくは断続的に襲いきているのであろう快感に打ち震えている。

 そしてその快楽を与えた者こそがこの僕だと思うとより一層己の男根が硬くなり、そろそろ暴発してしまいそうな事を自覚する。

 流石にもう此方も我慢の限界で、ねっとりとしたレイティアの膣粘膜に包まれたその中で僕の陰茎は最早吐精寸前だった。

 射精感というべき感覚が肉体の奥底から湧き上がり、何処か焦燥にも似た強烈なまでの興奮が僕を苛んだ。

 そうしている間にもはぁはぁと息を如何にか継いでいる眼下のレイティアは、やはり快感の余韻を受けて弛緩した美貌を晒していた。

 おまけに力が入らないのか否が応にも四肢は投げ出され、何処か虚な瞳で僕を上目遣いで見上げていた。

 更に其処にはメスとしてオスに媚びる感情の彩が鮮明に浮かび上がっており、自ずと僕は少女にのしかかった。

「あっ‥」

 すると先程までまるで陶酔したかの様に呆然とした表情を露わとしていたレイティアは、再び膣へと男根を深く挿入されたのを受けて、自然その艶やかな唇からは嬌声を漏らした。

 応じて甘ったるい喘ぎ声が僕の耳たぶをうち、同時にこの岩壁に囲まれた同所へと妙に反響して聞こえた。

「あっんんッ‥そんなに強くしてはっ‥いけませんっ‥」

 そう彼女の言の通り、少女の欲望を大いに刺激する声を耳として僕は、次の瞬間には欲望に身を任せてしまっていた。

 気が付けば自ずと手を伸ばして、レイティアの形の良い乳房を鷲掴みにしていた。

 それは柔らかな脂肪が程よく乗った女性的な双丘であり、白い肌はまるで此方の手に吸い付いてくる様にみずみずしい。

 未だ歳幼いながらも確かに其処にはメスとしての女性的温もりが存在していた。

 それこそ思春期真っ盛りの年頃の青い果実を手中へと納め、僕は五指の間からその柔らかな乳肉を溢れさせた。

 それ程までに力強く揉みしだいてしまったのかと思い、けれど獣欲に支配されているせいも相まってオスとしての欲望が否が応にも先行してしまう。

「あんッ‥んんッ」

 だからか自分自身でも分かる重たい、それも勢いの乗った腰遣いでレイティアの膣へと男根を挿入した。

「あっ‥あっ‥あっ‥あぁっ‥んんッ‥」

 そして次第に少女の尻に断続的に打ち付ける腰も早まっていき、その度に彼女の唇からは艶かしい声が溢れてくる。

 改めてそんなレイティアの乳房を鷲掴みにして、乱暴に彼女を犯しているという事実を受けて、僕は己の陰茎が熱を帯びたのを理解した。

 流石にそろそろだと自覚して、膣内へとそのまま出すのは不味いだろうと思い直し、腰を離そうとした。

 けれどもそうしようとした瞬間には如何してか機先でも制するかの様に、レイティアは僕の背後へとその長い脚を回してくる。

 否が応にも避妊を阻止されてしまった僕はそれにより生じた、困惑の感情を自ずと面に出してしまっただろうか。

「どうぞ、そのままわたくしの中に貴方様の御子種をくださいませ」

 などとそんな僕の慌てた素振りを前としてかレイティアはそうこともなげに告げたのである。

「それは‥けど‥」

「何も遠慮をすることは御座いません。何故ならこのわたくしがそれを自ら望んでいるのですから。だって殿方はそれを女性のお腹に注がなくては苦しいままなのでしょう?」

 とはいえそれを厭うていれば、すぐさま此方の躊躇いをまるで見透かしたとでも言わんばかりに其処にレイティアの言葉が与えられる。

「わたくしの中に出したくて堪らないのでしょう?」

「ああ、其処まで言うならそうしてやるッ」

「あッ‥んんッ‥お待ちになってくださいっ、それ程急がずともっ‥ああッ‥」

 そこからはもう只々ひたすらにレイティアのくびれを掴み、それこそまるで理性の無い獣の様な交尾をした。

 ぱんぱんと品性のかけらも無く下品に腰をレイティアの尻たぶへと打ちつけて、膣奥を男根の先端で突いた。

 幾度となく数え切れない程に少女の子宮口を亀頭で打ち据えて、応じて膣の粘膜は此方の子種を絞ろうとしてか執拗にぬるぬると絡み付いてくる。

「出すぞッ」

「‥きてくださいッ、わたくしの中にっ‥貴方様の御子種を出してくださいッ‥あんッ‥あッ‥あッ‥あっ‥あっ‥あっ‥」

 そして漸く遂に溜め続けていた欲望の奔流が白濁液となりて少女の膣内へと解き放たれた

 際してはレイティアの長い脚が僕の腰に絡み付いたまま力強くそのまま締め付けてきて、自ずと彼女の子宮口へと男根の先端である、つまりは亀頭の部分が密着してしまっていた。

 更に少女はまるで子種を貪欲に求めるかの様に自ら腰を浮かせると、その膣へと僕の男根の根元までをも納めた。

 だから必然的に腟内での吐精は避けられず、自然子宮口が僕の男根の先端にちゅうちゅうと吸い付いたままの状態で中出しをする事と相なった。

 途端にビクンっビクンっと己の男根が、レイティアの膣内において大きく痙攣しているのを自覚した。

 そうまるで濁流の如く男根の鈴口部分から白濁液が溢れ出し、どくんっどくんっと少女の膣奥で子種を注いでいた。

 次いであまりの快感の波が押し寄せてくるにも関わらず、僕の意識はそれでも尚鮮明に少女の身体の熱を伝えてくる。

「あ‥んん‥」

 そう訪れた多幸感の余韻に浸っていたのも束の間、不意に彼女の様子も気になって、自ずと美貌の少女へと視線を向ける。

 するとレイティアはその大粒の宝石の様な碧眼を閉じて、長く艶やかな眉毛伏せて、強烈な色香を晒していた。

 そんな彼女は今尚僕の男根を膣内へと納め、確かに欲望の証を受け止めてくれていた。

 それも白濁したドロドロとした僕の体液なんかを、本来であれば不可侵の聖域であるその子を授かる為の子宮にまで迎え入れてくれたのである。

 そして暫くの間僕たちは抱き合ったままでピッタリと身体を密着させ、未だ残る絶頂の余韻に興じていた。

 其処でも少女の張りのあるみずみずしい、まるで白魚の如きすべすべとした肌は僕に吸い付いてくるかの様で、己の身体とは根本的に造りが異なるのだと改めて思い知らされたのであった。




 *




 とはいえそれもあくまで束の間の時間に過ぎず、男の僕は早々に吐精を果たしたせいも相まって理性が戻る。

 まさかこの様な場所で異性との初体験をするなどとは夢にも思わなかった。

 故に先程まで肉体の内で渦巻いていた強烈な獣欲の奔流はなりを潜ませて、早くこの遺跡から脱出せねばならないという事実をすぐさま思い出す。

 すると無論の事僕の内心を読んでの事では無いだろうが、傍らのレイティアも身を起こして動き始めた。

 そう僕達は互いに背を向けて手早くこの場からの脱出の為の準備を整えた。

 といっても主にレイティアが床へと乱雑に置かれていた衣服を改めてその身に纏っただけだ。

 その為それ程の時間を要さずに、僕たちは薄暗い石壁に囲まれた中を既に歩んでいた。

「随分と精緻な絵だけど、この遺跡にも一応は文明があったんだね。これはオークかな?」

「ええ、そうですね。これを見る限り彼等も人間と同等、いいえ、或いはそれ以上の知能を有していたのやもしれませんね」

 などと会話を交わして壁画を横目に遂に遺跡の外へと出た僕たちであったが、レイティアのいうオーク如きが僕達人間よりも賢いというのは流石に眉唾だろう。

 加えてどうしても不思議であった事だが、ここまで一体も魔物との遭遇は無く、ここは本当に謎の多い遺跡であった。

 そして僕達を迎える様にして燦々と天に輝く陽光が此方を照らし、草木生い茂る森林へと足を踏み入れる。

 と、そんな所で不意に青々とした厚い藪を隔てたその先から甲高い女と思しき声がもたらされた。

「私が先頭を行きますので、後について来てください」

「わかった」

 するとレイティアにも聞こえたのか彼女は腰の剣帯に吊るしていた鞘からレイピアを抜き放ち、僕の前に立つと先を歩む。

 際しては金属同士が擦れ合う硬質な音が鬱蒼とした森の中に響き渡り、応じてそれに驚いたのか鳥の群れが大木から飛び立った。

 少女は可愛らしいスカートを翻すと、健康的な剥き出しの太腿を晒し、にも関わらずその少女らしさを感じさせない立ち振る舞いは、流石は貴族として教育を受けてきた身なだけはあるのだと瞬時に理解させられた。

 金色の輝かしい煌めきを帯びた美しい長髪をたなびかせ、レイティアは眼前の茂みの奥から出てくる人影に警戒を怠らない。

 その凛とした立ち姿に加えて、端正な顔立ちの横顔は先程まで情交に溺れて、無様に多幸感からくる快楽を得て、美麗な容姿を歪ませていた少女とは似ても似つかない。

 とはいえ今現在傍らに居る少女は確かにこの僕がその身を蹂躙し、男を刻んだ相手なのだという事が、改めて想起された記憶により理解出来た。

 だがそう疑ってしまう程に少女の容姿は美しく、思わず見惚れるに値するだけの可憐さをレイティアは有していたのだ。

 均整の取れた身体付きは大層男好きのする代物であるし、それは女性的な魅力に満ち溢れているにも関わらず、尚一流の動きが出来るだけに鍛えてある様だった。

 つまりは確かにある筋肉の上に女としての脂肪を程よく乗せた、凡そ男からすれば理想的な身体をしているのがこのレイティアという名の少女であろう。

 そしてより一層これにも増して、大変男受けの良いであろう可憐でもあり尚且つ、未だ幼さの残るあどけない美貌は、これまでの彼女の人生において、さぞ注目を集わせてきたに違いない。

 そんな風に場違いなまでの感慨を内心へと抱く僕を他所にレイティアは対称的に、依然草原の奥の方を見据えてレイピアを正眼へと構えていた。

 細剣の先端は、虚空に澱みなく微動だにせずに構えられていた。

 しかしそれも次の瞬間には要らぬ用意なのだということが理解できた。

 何故ならば─

「お嬢様っ」

 そう、何と驚くべき事であるが今し方に邂逅した相手はかの少女騎士だったのである。

 それ故にすぐさまレイティアは手にしていたレイピアを腰元の鞘に戻すと、それと共にフッと張り詰めていた緊張を柔らかい雰囲気にした。

 応じて次の瞬間には少女もとい、イルという名の少女は眦に大粒の涙を浮かばせて、満面の笑みで此方に駆けてきた。

 正に感動の再会とでも言うべきなのか、否そう言い表す何か他に出来る表現もあるまい。

 そしてこんな思考を巡らせている間にもそれも束の間であり、呆然としている僕など他所にしてイルをレイティアは迎え入れた。

 すると途端に互いに見目美しい少女達は抱き合い、再会により生じた感情を吐露し合った。

「無事だったのですね‥」

「ええ、イル貴女も」

 そうして二人は頬を緩ませて眦を垂れると熱く瞳を交錯させた。

 見つめ合い、確かに其処にある主従を感じ合ったのである。

 これを傍目に見て僕は手持ち無沙汰にしていると、不意にイルは此方へと視線を遣ってきた。

「貴方はあの不審な男っ‥」

 そんな彼女の瞳は警戒というよりかは何方かと言えば困惑に彩られていた。

「彼は、ええと‥」

 次いでイルの訝しげな眼差しを受けた僕を前に、レイティアはすぐさま取り繕う様にして同様に此方へと視線を走らせてきた。

 これに当然応じて反射的に僕は自身の名前を口とした。

「ユウです」

「そう、ユウはわたくしのお付きにします」

 すると傍らのレイティアはイルと僕の間に身体を割り込ませると、唐突に驚くべき事を言った。

「‥お嬢様、お戯を‥。どうか何卒お考え直しくださいませ」

「いいえもう決めました。それに、彼が居なければわたくしは今頃生きてはいないでしょう」

「それは一体どういう‥」

「ユウに助けられたのです」

「それは誠ですか?」

 続いて更に嘘八百な事をサラリと言うレイティアに僕は思わず目を剥いて無論の事イルも、にわかに信じがたいとでも言わんばかりに此方へと視線を注いでいた。

「ええ、オークに襲われた所、彼に助けて貰わなければ今頃わたくしはどうなっていた事か‥」

「オーク‥まさかその様な化け物が居るだなんて‥。御身体は平気なのですか?」

「問題ありません」

 だがそれでも尚彼女達は今上がっている話題の当事者である筈の僕を他所に、一方的に此方の意思などお構いなしに話を進められてしまう。

「それでは良いですね?イル。ユウはわたくしの専属とします」

 それこそ何ら臆した素振りもなくレイティアは毅然とした立ち振る舞いでもってしてイルという自身の従者と真正面から並び立つ様にして向かい合い、そう言い放っていた。

「それは‥」

 大上段の態度を受けて、これにはさしもの少女騎士とて気圧されたらしく、途端弱気になると口篭った。

「何か問題がありますか?」

 そして最後の一押しとでも言わんばかりの堂々とした姿でレイティアは自らの美しい金色の長髪をかきあげて見せると共に、イルへと問い掛ける。

 するとどうした事か前者のレイティアの力強い有無を言わせぬ物言いとは対称的なまでに、後者のイルの言葉は現在ここに至ってはその声色は弱々しくもあり、遂には主の暴虐の前に折れてしまった様である。

「‥いいえ」

 そんな塩梅に僕の処遇は本人の意思など其処に介在する余地もなく、決定されてしまうのであった。


 *



 それからは特段何かトラブルがある訳でも無く、少女二人と僕を含めた三人は、無事に森林を抜けて、街へと帰還していた。

 実に波乱万丈の一日を送り、僕はギルドの受付にて嬢へと本日の報告を行った。

「つまり壁画があったのみだと?」

「さっきから幾度もそう言っているじゃ無いか‥」

 最早色々な出来事が重なり過ぎて疲弊している僕へと容赦なく眼前の怪訝な面持ちの受付嬢の言葉が突き刺さる。

 妙に疑り深い彼女は此方へと疑念の眼差しを注ぎ、更に言い募ろうと今にも口を開こうとしていた。

 どうやら僕の報告に如何しても誤りがあると思いたいらしく、この受付嬢は一切を譲る気がない様だ。

 これでは僕もねぐらに帰る事も出来ず、お陰で辟易としてしまう。

 恐らくはこのままでは了見を得ないだとか適当な文句を付けられて、それを大義名分に僕が例え拒絶しようとも半ば強制的に更なる調書を取らされるに違いない。

 そんな凡そ確定されているであろう目に見えた未来を回避するべくして、何とか両手を大仰なまでに広げて身振り手振りで弁解する。

「そりゃあ、あれだけ大きな遺跡だから信じてもらえないかもしれないけど、事実として魔物一匹いなかった」

「にわかには信じ難いですね」

「それは僕も同じ気持ちだよ。でも本当なんだ」

 だがしかしそうは問屋が卸さないのがこの受付嬢であり、どうやらこの少女は人の事を疑って止まない性格の持ち主の様だった。

「申し訳御座いません。今回の依頼は私の一存では判断出来かねますので、マスターをお呼び致します」

「だから、そんな事をしていられる程こっちも暇じゃないんだ。良い加減にしてくれよ。さっき渡した紙に書いた事が全てだ」

 だから僕たちは自ずと互いに睨み合い、最早一触即発の雰囲気になりかけた。

 否、受付嬢の彼女は淡々とした様子でいて至極冷めた調子だろうか。

 現にその証左として声色には凡そ感情の色というものがなく、愛想がかけらも乗っていない。

 だがそれとは対称的に、主に僕の理性が失われてしまい、このままギルドの登録証を相手に向かって叩き返してやりたい位だった。

 まさか斥候という名の体裁の良い捨て駒にされた挙句、何とかトラブルに巻き込まれつつも、漸く帰ったら調査内容を疑われるなどとは夢にも思わなかった。

 無論レイティアという少女との出来事は流石に他人に言いふらせるものではないので隠しているが、それはあくまであの遺跡とは何の関係もない事だ。

 故にこれ程僕側に一切の非が無いのにも関わらず、こうして一方的に責められるのは到底許容し難い状況だった。

 その様な塩梅に立ち往生していると、最早この場を立ち去る事があたかも最上の選択だとすら思えてきて、だが丁度その時だった。

「わたくしがその御方の言葉を保証致しますわ」

 不意に凛としたまるで鈴の音の様な声が背後から聞こえてきたかと思えば、僕の傍らへとまるで加勢でもするかの様にその人物、つまりはレイティアは隣に並び立った。

 それも彼女は自らの外套を取り払い、その輝かしいばかりの眩き金色の長髪を翻して、美しい顔立ちを面へと晒していた。

 更にはその貴族としての紋章の施されている衣服が傍目に居合わせている者達にも理解出来る様、誇示するかの様にして見せ付けている。

 応じて誇らしげに張った彼女の形の良い美乳がぶるんっ、と柔らかそうに次の瞬間には眼前で弾力的に揺れた。

 確か聞いた話ではお忍びでこの街に来ていると聞き及んでいたのだが、其処ら辺は果たして正体が例え露呈しても平気という事なのだろうか。

 もしや僕のせいで事が露見するなどと言うことはあるまいなと、少なからず心中が面に出さないとしても焦燥に苛まれてしまう。

 否、きっとレイティアが貴族という噂が広まったとて、この街に住む人々は僕も含めて例に漏れず皆一様に誰も彼もが田舎者である。

 その点を鑑みれば貴族の家の名など皆同じ様に見えるに等しい訳であるからして、故に良くない事をする、つまりはレイティアの名なに因んだ悪い噂などを悪戯に吹聴する輩も特別この場には居ないだろう。

 だがレイティアは此方の危惧など何ら御構い無しだとでも言わんばかりの勢いで大上段に構えて、圧倒的な上から目線で、依然受付嬢を見下ろしていた。

「なっ‥か、畏まりました‥。ですが、どうか何卒お待ちください。今上の者を呼んで参りますので。どうぞこちらの応接室へ御案内させて頂きますので、その間お寛ぎくださいませ」

 すると流石に平素から傲慢な受付嬢も、明らかに目上の地位に位置する貴族が相手とあらば、その態度は一転して否が応にも大人しくならざるを得ない。

「いいえ結構です。彼にはこれからわたくしとの用事が控えていますから」

 とはいえレイティアはこの場を譲る気など毛頭無いのか更に言い募り、その切長の碧眼で相手を射竦める。

「で、ですが‥」

 続き可哀想な受付嬢は大粒の宝石の様な瞳に真正面から見据えられてしまい、如何やら一歩退いてさしもの彼女もたじろいだ様だ。

「‥何か問題が?」

 そしてここで決め手の一言の、最後の一押しとでも言わんばかりにたっぷりと圧力を掛けたレイティアの冷たい有無を言わせぬ至極強引な一声がここぞとばかりに同所へと炸裂した。

「うっ‥」

 そんな貴族としての顔を露わとしたレイティアは貴族としての特権を惜しみ無く行使して、都合ただ一人の独壇場と次第にこの場は変化していった。

 とはいえそれだけでは無く、確かに彼女が併せ持つそのカリスマ性の本領もここに発揮して、それが相まって居合わせた場を共にする者達全員の心身を掌握して支配していたのだ。

「御話はもうお終いですよね?」

 だから既にこれ以上の言葉は必要無いのだが、それでも尚レイティアは、受付嬢への最後のトドメとして毅然とした振る舞いで再び言い放った。

「‥は、はい」

 そう終いにやり取りを交わしてレイティアは相手の降参の意を受けて大層満足したのか微笑をその場で浮かべると共に、傍らに居た僕の腕を取った。

 それこそ先程まで話していた筈の、今現在ここに至っては呆然とした表情を晒している受付嬢の事など目も向けずにレイティアには意に介した素振りがない。

 次いで彼女は此方に改めて向き直り、妙に少女にしては力強く僕の腕を両手で掴むと言った。

「それでは行きますよ。ユウ」

 レイティアの美しい宝石の様な瞳は今も眩く輝きを宿し、其処には他者を魅了してしまうだけの妖しさとて同時に内包して見える。

 そんな美しい顔立ちの中にも何処かあどけなさの若干残る、可憐な少女から鼻先に息も掛かる程の至近距離で、その双眸に見据えられてしまえば否が応にも、そう気が付けば既にもう心は決まっていた。

「ああ」

 僕は彼女からのその暖かみの感じられる言葉を受けて、今し方受付嬢と対峙していたあまりの温度差から一転、与えられた柔らかな声色に驚いた。

 けれども別段拒絶する必要も感じられず、どうせなる様にしかならないのだと理解して、レイティアが何故僕をこれ程気にかけるのかは未だ判然とはしないものの、自ずと一つ頷いて応じる事にしたのであった。


 *




 それからレイティアとイルの彼女達は如何やら暫くの間ここに逗留する事と決めた様であり、驚きに値するが何と僕はその間もずっと関わりを持っていた。

 それは最早既に数年に及びさえして、如何してこれ程までに付き合いがあるかといえば─

「‥じゅる‥れりょぉ‥んんっ‥やはりあなたとの交わりは昂りますね。ユウ」

 そう、レイティアが僕を傍付きへと任命してからこれまで、毎夜彼女の部屋に呼ばれているからに他ならない。

 つまりは依然少女と僕は肉体関係にあり、それは少女騎士であるイルには秘密である。

 否、ああも鈍い彼女だから言われなければ一生気付く事は無いに違いない。

「んんっ‥申し訳ございませんっ‥わたくしもう果ててしまいそうですっ‥」

「構わない」

 言葉と同時にレイティアの身体は大きく痙攣して、正常位で向かい合ってしていた為そんな彼女の健康的な張りのある乳房が上下に揺れる。

 そして少女は僕の首へと両腕を回し、まるで甘える様に縋り付いてくるが、その際に脇の部分に金色の毛を視界へと納める。

 どうやら彼女はお嬢様という身分でありながら、あまり自身の無駄毛の処理はしていない様で、やはり隠し切れない奔放さが透けて見える。

 とはいえそれもむりからぬ事であり、眼前の輝かしいブロンドの少女は完全な美少女であるのだが、何せ彼女は己の容姿に無頓着なのだ。

 故に次第に大人の女性へと成長を遂げつつあるレイティアの身体には少しばかり毛深いと言わざるを得ない濃い隠毛が下腹部の下の辺りに生え揃っていた。

 だがそれでも尚少女の美は損なわれる事は当然ながらあり得ない。

 何せそれ程までにレイティアという少女は他の欠点など目に付かなくなる位には美しく、スッと通った鼻筋に、形の良い金色の眉、大粒の宝石の如きくりくりとした瞳は殊更に他者を惹きつける。

 加えて健康的な張りのある、そしてみずみずしい肌を併せ持つ艶やかな肢体は、至極男好きのする身体で、否が応にも何にも増して注目を集わせてしまう。

 まず其処らの商売女や、例え高級娼婦と比較しても圧倒的にレイティアの容姿の方が傍目にも見て遥かに美しい。

 そう言わざるを得ないまでに、やはり少女はお嬢様然とした美麗さをその身に称えていた。

「おッ゛‥イッグッ゛‥イグッ‥おおおぉッ‥イグッ‥」

 ただ、そんな彼女にしてはあまりに嬌声が大きい事や、何ら人目を憚らない無様な絶頂の迎え方は、いつ見ても慣れない。

 否、これはこれで寧ろ新鮮ですらあるのだが、レイティアの平素からの気品ある立ち振る舞いと、この夜の時間に晒す惨めなイキ顔とを見比べてしまうと、露呈するギャップが大き過ぎるせいかそれも相まって、お陰で僕の陰茎も疲れ知らずに幾度も勃起を果たす。

 そんな再度に渡り熱を帯びてレイティアの膣内に納められたままに限界まで張り詰めた状態で固くなった男根は、今尚彼女の子宮口にちゅうちゅうと吸い付かれていた。

 そう、お嬢様はスキンなどを付けての交尾がお気に召さないらしく、如何やら生でするのがお好きな様なのだ。

 その為普段から中出しをしてレイティアの胎へと子種を毎日の様に注いでいるのだが、けれども彼女曰く、避妊魔術を使っているので御子はできませんよ、との事である。

「あっ‥んんっ‥出ていますよ‥貴方様のあついのがこのわたくしのなかに‥」

 それなら幸いだとして、こんな塩梅に僕とて何ら遠慮する事なく、膣内での吐精を厭わなくて済むのだから有り難い。

 何せこれ程の美貌のお嬢様との関係、結ぼうと思ってもそう容易く結べる縁ではあるまい。

 ならばこうして暫くの間、求められるがままにレイティアとの濃密な肉体関係に溺れるのもまた一興と思って気が付けば相応に年数が経過していたという具合であった。
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