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第二章 二度目の異世界
26.番※
しおりを挟む※前半R指定・背後注意
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あっあん」
真っ暗な寝室で喘ぎ声と肌と肌がぶつかる音が響く。
「シュウ、シュウっ」
「ゆり、うす……もう、くるしぃ やだぁぬいてぇ」
俺のお腹はユリウスが出したものでぽっこりと膨らんでいた。
「まだだ、まだ足りない」
そう言ってユリウスは更に腰を激しく動かし、俺の奥に入ってきた。
「ひゃあっあん」
目にはチカチカと星が飛び、部屋にはお互いが出した精液とユリウスの甘い匂いが充満して、俺はただ喘ぐことしかできなかった。
「シュウ、好きだ。愛してる」
「あっ、あっ、んんんっ」
「誰にも渡さない。俺の花嫁、俺の番」
そう言ってユリウスは俺のうなじに噛みついた。
「~~~~~っ!!!!」
全身に電気が走り、まるで体が作り替えられたような感覚に襲われた。
俺はそのまま意識を手放した。
◇◆◇
それが、昨夜の出来事だ。
「くぅ~~~~!」
思い出して更に恥ずかしくなり、俺はソファの脇にあったクッションに顔を埋めた。
(恥ずかしすぎて死ぬっ)
思わず足をバタバタとさせ唸っていると
「シュウ……」
ユリウスが俺のうなじを撫でまたピリッと電気が走った。
がばっと起き上がりユリウスを見た。
「そういえば昨日、ユリウスにうなじを噛まれたんだけど、どうして噛んだの?」
「ん~ 強いて言うなら本能?」
と、めっちゃ嬉しそうに言った。
「本能って……」
(獣人だからなのかな? 昔、猫の盛りの時期にオス猫がメス猫の首筋を噛んでるのを見たことあるけど)
「ん?」
(待って、これ知ってる気がする)
「これでシュウは俺だけの花嫁だ。子どもいっぱい作って、大家族もいいな~」
嬉しそうに俺のお腹をさするユリウス。
いい笑顔でとんでもないことを言ったと同時に俺は瑠夏の言葉を思い出した。
『最近このシリーズにめっちゃハマってるんだけど、お兄ちゃん読んでみて~♪』
瑠夏は最近ハマっているというジャンルの小説と漫画を俺に手渡してきた。
『読んだら感想聞かせてね~』
と、瑠夏は俺に渡して部屋から出ていった。まぁ、毎度のことであるので慣れっこだ。
(へぇ~異世界ものに現代もあるのか)
ちなみに俺は瑠夏の影響でBLも普通に読む。が、瑠夏が勧めるのは過激なものが多いから感想を聞かれるのは正直つらい。
『男も妊娠出来る世界なのかぁ』
とパラパラと読んでいると、瑠夏がまた本を抱えてやってきた。
『あ、それおすすめのやつだよ~ その世界だとお兄ちゃんは絶対Ωだよね~そんで、執着強めのαに溺愛されて毎晩はら『わぁーーーーーーっ!瑠夏!!なんて事言うの!!お兄ちゃん泣くよっ』
あ………思い出した。
「これオメガバースだ………」
「おめがばーす?」
「嘘だろ……俺、Ωになっちゃったの?そしてユリウスはαで………うなじを噛んだから俺とユリウスは番になったってことは追々………」
つまりこの世界は実はオメガバースで、俺は本当にユリウスの子どもを産めるという事だ———
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オメガバースではありません笑
でも作者はオメガバース好きなのでいつか書きたいです。
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