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第一章 一度目の異世界
11.影
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遅くなりました、すみません。
今回長いです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「最近、妖精たちの数が少ないって聞いたのですが、何か知らないですか?」
「知らないね~ そもそも妖精の姿はみんな見れるもんじゃないし、見れても見て見ぬふりをするのが当たり前だからね~」
(きっとあの言葉もあって、人は必要以上に関わらないようにしてるのか。まさに【触らぬ神に祟りなし】だなぁ)
〈確かに、昔と比べて人間はアタシたちの姿をみれる者は減ったわね。ましてや会話が出来るのは、それこそ今じゃ獣人くらいよ〉
ルルが俺の右肩に乗って、うんうんと首を振っている。
(獣人かぁ…確かにユリウスもルルの姿と声が聞こえてたな)
「俺は?」
〈アナタは例外よ〉
(例外ね~)
「ありがとうございました」
俺は話を聞いてくれた果物屋さんのオジサンにお礼を言い、みかんに似たオレッドという果物を買ってその場を後にした。
〈ほんと律儀よね~話を聞いた店、全部で買い物するなんて〉
ルルは呆れながら言った。
「ただでさえお仕事中に話聞いてもらってるんだから、何か買わないと失礼だよ」
〈ふーん〉
しかし、これだけ妖精が発見された場所と聞き込みをしても何も出ないんとなると、先は長いなぁ。
(そもそも妖精王が見つけだせないのに、俺が見つけられるはずないか……これはもう長期戦覚悟だな)
〈いっその事ことここで歌っちゃえば?〉
「何言ってるの。こんな広場で歌うとか、どんな公開処刑だよ……。 ねぇルル、妖精王様が言ってた事本当なのかなぁ」
俺たちは街の広場をぬけて大通りを歩いて次の聞き込み場所に移動している。周りには食品から防具、武器屋などのお店が軒並み営業している。
まさに異世界って感じだ。
〈何を今更……実際やって確認したでしょ〉
ルルが俺の右肩に乗ったまま呆れたように言う。
「そうだけど~まさか子守唄に妖精たちの精霊力を回復させる力があるなんて信じられないよ」
そう、あの子守唄にそんな力がある事がわかった。きっかけはルルだった。
〈アタシがアナタの歌を聞いて回復したのは事実よ〉
ルルも精霊力を奪われたそうだ。なんとか逃げ出したが、ふらふらで力が尽きかけた時、俺の子守唄を聞いて力が回復したと。
〈でもあの結界のせいで、中に入れないし確認も出来ないでやきもきしたわ。確証はなかったけど、一刻の猶予もなかったから妖精王様に相談したのよ〉
そして、俺は妖精王に呼び出されたのだ。聞いてもいまいちピンっと来なかった俺に妖精王は、精霊力を奪われた妖精たちで一度試してみよと言われた。
半信半疑の俺は言われるまま子守唄を歌った。そしたら妖精たちが目を覚ましたのだ。
本来妖精たちの力は自然に回復するのを待つしかないが、それだと100年、200年かかるらしい。
「俺って実はチート持ちだったのかな~」
〈何をぶつぶつ言ってるのよ。さぁこの店で何も情報が得られなかったら今日はもう帰るわよ〉
「了解」
最後のお店は武器屋だった。
「なんで武器屋?」
〈本当は冒険者ギルドとかに行って聞いた方がいいんだけど、アナタいろいろと危なっかしいからよ。ここも冒険者が来るお店だし、何かしら情報は得られるはずよ〉
(危なっかしい?)
不思議な顔をしている俺にルルはため息をついた。
〈とにかく行きましょう〉
この時、俺たちの後ろに何かの影が付いてきていることに気づいていなかった。
◇◆◇
「知らねぇな~ ここに来る冒険者は上位だが、妖精はたまに気まぐれで助けてもらったという話しか聞かねぇよ」
「そうですか……お時間いただきありがとうございました。あ、この砥石を頂けますか?」
〈ここでも買うのね……〉
カランカラン……——
俺たちは武器屋を出た。
「ここも収穫なしだったか」
〈そうね……ん?〉
「どうしたのルル?」
〈今ちょっと気配が……。 !!シューヤはここで待ってて!〉
〈え?どうしたのルル〉
慌てたようにルルは俺から離れて辺りをウロウロし始めた。
〈いい?アナタはここを動いちゃだめよ?知らない人間に声をかけられてもホイホイとついてい行っちゃダメだからねーーっ〉
ルルは飛び去ってしまった。
「知らない人にって……子どもじゃないんだから」
20分経過——
「ルルのやつ何処まで行ったんだ?そろそろ日が暮れる頃だよ。ユリウスが心配するから帰りたいのに」
俺はさっきの武器屋から3m程しか離れていない場所で待機していた。その時
「なぁにーちゃん、アンタ妖精を探してるらしいな?」
ちょっとガラが悪そう……いやかなり悪い男が2人、声をかけてきた。
「人違いでしょう。俺はもう帰る所ですので、それではしつれ……っ」
ガシッと男に手を掴まれた。
「……離してもらえませんか?」
こわい、早くここから離れたいのに足がすくむ。
「そう言わずに、俺たちの話も聞いでくれよ~」
「っ、はなして!」
抵抗虚しく俺は路地裏に連れて来られた。
「げへへ……にーちゃん綺麗な顔してるな。黒い髪と瞳か珍しい、こいつぁ高く売れるぜ! でも奴隷商に売る前にちょっと味見させてもらうぜ」
(緊急事態発生!!! え?待って??俺奴隷として売られるの??そしてその前にヤられる??)
『まぁ兄ちゃんは冒険ものの世界もダメだろうな~即捕まって売られて奴隷とかにされそうだし』
『あ~わかる……性奴隷として買われそうになったところをスパダリ溺愛激重めの執着束縛系攻めが助けてくれるんだよね!』
『だってお兄ちゃん、昔から押しに弱いところあるから危なっかしいのよね。異世界行ったらほんと気をつけてね!変な人にホイホイついて行かないでね!!お尻、気をつけてね!!』
今あの時の瑠夏と冬真の会話が走馬灯となって思い出した。まさかのフラグをここで回収とか嫌なんですけどおおおおおおおおっ
「やっ、やめて」
「ヒュ~そんな顔して俺たちを煽ってるのか?お望み通りたっぷり可愛がってやるぜ」
(いやいやいやいやっ!誰も煽ってないから!!!)
男たちの手が俺の体を弄り、片方が俺の顔を舐めた。
ゾッとした。
(ゔっ臭い、気持ち悪い……嫌だ、嫌だっ! ユリウスっ!!!)
「ぐああああああああっ」
「ぐええええええええっ」
気がつけば男たちが火だるまになっていた。
「え?一体何が?」
その時誰かが俺に抱きついてきた。俺が大好きな陽だまりのようないい匂い。
「ユリ……ウス?」
「おまえらシュウになにをした?」
グルルルルと、唸り声をあげるユリウス。
「ひぃぃっ」
「た、助けてくれ!俺たちが悪かった、見逃してくれっ」
「ゆるさい……シュウをきずつけるやつは」
ユリウスはさっきよりも大きな火をだし構えた。
「ユリウス!だめっ」
俺は慌ててユリウスを後ろから抱きしめた。
「俺は大丈夫だから、助けてくれてありがとう。ユリウス」
「……」
「ひぃぃ、助けてくれーーー」
「バケモンだーーーっ」
男達は逃げ出した。
「ユリウス……」
ピクッと動いたユリウスは恐る恐る俺を見た。
「……ごめんなさい」
「どうして謝るの? ユリウスは俺を助けてくれたじゃない」
俺はユリウスを抱きしめた。
「だって……かあさまとシュウとのやくそく、やぶっちゃった」
街へ行ってはいけない約束。
「そうだね。約束は破っちゃダメだね。でもそのおかげで俺は助かった。だからありがとう、ユリウス」
もう一度抱きしめて頭を撫でた。
「ゔぅ~ひっく……あいつらシュウにさわった。ゆるさない」
ユリウスの金色の瞳から涙が溢れ、声を上げて泣き出した。
俺は大丈夫、大丈夫だよと言いきかけるようにユリウスの背中を優しくポンポンとたたいた。
ユリウスは泣き疲れて眠ってしまった。そこへルルが帰ってきた。
〈あれ?なんでユリウスがいるの?〉
「あー…話せば長くなるんだけど」
俺はさっきあった出来事をルルに話した。
〈アタシが離れたばかりに……ごめんなさい〉
「いや、ルルのせいじゃないよ。俺がもっと抵抗出来てたらよかったんだ」
「それでもよ…ずっとアタシたちの後をつけてたヤツね、きっと」
「え?ずっとつけてたの知ってたの?教えてよ~~じゃあなんでルルは離れたの?」
〈それについては後で話すわ。今日はもう帰りましょう〉
そして俺たちは家へ帰った。
◇◆◇
「くそっ!えらいめにあったぜ」
「あぁ、それにしてもあの獣人のガキはなんなんだ?珍しい金色の瞳をしていたが」
「確かに、あの金色の瞳はめずらしかった。くっそぉあの可愛子ちゃんと一緒に売ったらかなりの大金になっただろうなぁ」
「失礼。そのお話、詳しく聞かせてくれませんか?」
現れたのは黒色のコートにフードを被った男だった。
「なんだてめえ!」
「先程のお話、詳しく聞かせていただけるのであればこちらを差し上げます」
じゃらりと、男が何かが入った袋を地面に投げた。
「すげえ、大金貨がこんなに!」
「話していただけますね?」
男たちはニヤリと笑い、フードを被った男に話した。
後日、路地裏で男の死体が2体見つかり、ちょっとした騒ぎになったらしい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
秋也は綺麗系っていうのを作者も忘れてました。笑
補足:お金は秋也の持ち物を換金したり、行商人に野菜を買い取ってもらったりたまに孤児院で臨時職員として働いて稼いだお金です。
買ったものはあのバッグに入れてます。
ちなみにこの世界のお金の価値は
銅貨=100円
銀貨=1,000円
金貨=10,000円
大金貨=1,000,000円
白金貨=10,000,000円
あとちょっとで第一章が終わります。
この3連休中に終わらす予定です。
今回長いです。
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「最近、妖精たちの数が少ないって聞いたのですが、何か知らないですか?」
「知らないね~ そもそも妖精の姿はみんな見れるもんじゃないし、見れても見て見ぬふりをするのが当たり前だからね~」
(きっとあの言葉もあって、人は必要以上に関わらないようにしてるのか。まさに【触らぬ神に祟りなし】だなぁ)
〈確かに、昔と比べて人間はアタシたちの姿をみれる者は減ったわね。ましてや会話が出来るのは、それこそ今じゃ獣人くらいよ〉
ルルが俺の右肩に乗って、うんうんと首を振っている。
(獣人かぁ…確かにユリウスもルルの姿と声が聞こえてたな)
「俺は?」
〈アナタは例外よ〉
(例外ね~)
「ありがとうございました」
俺は話を聞いてくれた果物屋さんのオジサンにお礼を言い、みかんに似たオレッドという果物を買ってその場を後にした。
〈ほんと律儀よね~話を聞いた店、全部で買い物するなんて〉
ルルは呆れながら言った。
「ただでさえお仕事中に話聞いてもらってるんだから、何か買わないと失礼だよ」
〈ふーん〉
しかし、これだけ妖精が発見された場所と聞き込みをしても何も出ないんとなると、先は長いなぁ。
(そもそも妖精王が見つけだせないのに、俺が見つけられるはずないか……これはもう長期戦覚悟だな)
〈いっその事ことここで歌っちゃえば?〉
「何言ってるの。こんな広場で歌うとか、どんな公開処刑だよ……。 ねぇルル、妖精王様が言ってた事本当なのかなぁ」
俺たちは街の広場をぬけて大通りを歩いて次の聞き込み場所に移動している。周りには食品から防具、武器屋などのお店が軒並み営業している。
まさに異世界って感じだ。
〈何を今更……実際やって確認したでしょ〉
ルルが俺の右肩に乗ったまま呆れたように言う。
「そうだけど~まさか子守唄に妖精たちの精霊力を回復させる力があるなんて信じられないよ」
そう、あの子守唄にそんな力がある事がわかった。きっかけはルルだった。
〈アタシがアナタの歌を聞いて回復したのは事実よ〉
ルルも精霊力を奪われたそうだ。なんとか逃げ出したが、ふらふらで力が尽きかけた時、俺の子守唄を聞いて力が回復したと。
〈でもあの結界のせいで、中に入れないし確認も出来ないでやきもきしたわ。確証はなかったけど、一刻の猶予もなかったから妖精王様に相談したのよ〉
そして、俺は妖精王に呼び出されたのだ。聞いてもいまいちピンっと来なかった俺に妖精王は、精霊力を奪われた妖精たちで一度試してみよと言われた。
半信半疑の俺は言われるまま子守唄を歌った。そしたら妖精たちが目を覚ましたのだ。
本来妖精たちの力は自然に回復するのを待つしかないが、それだと100年、200年かかるらしい。
「俺って実はチート持ちだったのかな~」
〈何をぶつぶつ言ってるのよ。さぁこの店で何も情報が得られなかったら今日はもう帰るわよ〉
「了解」
最後のお店は武器屋だった。
「なんで武器屋?」
〈本当は冒険者ギルドとかに行って聞いた方がいいんだけど、アナタいろいろと危なっかしいからよ。ここも冒険者が来るお店だし、何かしら情報は得られるはずよ〉
(危なっかしい?)
不思議な顔をしている俺にルルはため息をついた。
〈とにかく行きましょう〉
この時、俺たちの後ろに何かの影が付いてきていることに気づいていなかった。
◇◆◇
「知らねぇな~ ここに来る冒険者は上位だが、妖精はたまに気まぐれで助けてもらったという話しか聞かねぇよ」
「そうですか……お時間いただきありがとうございました。あ、この砥石を頂けますか?」
〈ここでも買うのね……〉
カランカラン……——
俺たちは武器屋を出た。
「ここも収穫なしだったか」
〈そうね……ん?〉
「どうしたのルル?」
〈今ちょっと気配が……。 !!シューヤはここで待ってて!〉
〈え?どうしたのルル〉
慌てたようにルルは俺から離れて辺りをウロウロし始めた。
〈いい?アナタはここを動いちゃだめよ?知らない人間に声をかけられてもホイホイとついてい行っちゃダメだからねーーっ〉
ルルは飛び去ってしまった。
「知らない人にって……子どもじゃないんだから」
20分経過——
「ルルのやつ何処まで行ったんだ?そろそろ日が暮れる頃だよ。ユリウスが心配するから帰りたいのに」
俺はさっきの武器屋から3m程しか離れていない場所で待機していた。その時
「なぁにーちゃん、アンタ妖精を探してるらしいな?」
ちょっとガラが悪そう……いやかなり悪い男が2人、声をかけてきた。
「人違いでしょう。俺はもう帰る所ですので、それではしつれ……っ」
ガシッと男に手を掴まれた。
「……離してもらえませんか?」
こわい、早くここから離れたいのに足がすくむ。
「そう言わずに、俺たちの話も聞いでくれよ~」
「っ、はなして!」
抵抗虚しく俺は路地裏に連れて来られた。
「げへへ……にーちゃん綺麗な顔してるな。黒い髪と瞳か珍しい、こいつぁ高く売れるぜ! でも奴隷商に売る前にちょっと味見させてもらうぜ」
(緊急事態発生!!! え?待って??俺奴隷として売られるの??そしてその前にヤられる??)
『まぁ兄ちゃんは冒険ものの世界もダメだろうな~即捕まって売られて奴隷とかにされそうだし』
『あ~わかる……性奴隷として買われそうになったところをスパダリ溺愛激重めの執着束縛系攻めが助けてくれるんだよね!』
『だってお兄ちゃん、昔から押しに弱いところあるから危なっかしいのよね。異世界行ったらほんと気をつけてね!変な人にホイホイついて行かないでね!!お尻、気をつけてね!!』
今あの時の瑠夏と冬真の会話が走馬灯となって思い出した。まさかのフラグをここで回収とか嫌なんですけどおおおおおおおおっ
「やっ、やめて」
「ヒュ~そんな顔して俺たちを煽ってるのか?お望み通りたっぷり可愛がってやるぜ」
(いやいやいやいやっ!誰も煽ってないから!!!)
男たちの手が俺の体を弄り、片方が俺の顔を舐めた。
ゾッとした。
(ゔっ臭い、気持ち悪い……嫌だ、嫌だっ! ユリウスっ!!!)
「ぐああああああああっ」
「ぐええええええええっ」
気がつけば男たちが火だるまになっていた。
「え?一体何が?」
その時誰かが俺に抱きついてきた。俺が大好きな陽だまりのようないい匂い。
「ユリ……ウス?」
「おまえらシュウになにをした?」
グルルルルと、唸り声をあげるユリウス。
「ひぃぃっ」
「た、助けてくれ!俺たちが悪かった、見逃してくれっ」
「ゆるさい……シュウをきずつけるやつは」
ユリウスはさっきよりも大きな火をだし構えた。
「ユリウス!だめっ」
俺は慌ててユリウスを後ろから抱きしめた。
「俺は大丈夫だから、助けてくれてありがとう。ユリウス」
「……」
「ひぃぃ、助けてくれーーー」
「バケモンだーーーっ」
男達は逃げ出した。
「ユリウス……」
ピクッと動いたユリウスは恐る恐る俺を見た。
「……ごめんなさい」
「どうして謝るの? ユリウスは俺を助けてくれたじゃない」
俺はユリウスを抱きしめた。
「だって……かあさまとシュウとのやくそく、やぶっちゃった」
街へ行ってはいけない約束。
「そうだね。約束は破っちゃダメだね。でもそのおかげで俺は助かった。だからありがとう、ユリウス」
もう一度抱きしめて頭を撫でた。
「ゔぅ~ひっく……あいつらシュウにさわった。ゆるさない」
ユリウスの金色の瞳から涙が溢れ、声を上げて泣き出した。
俺は大丈夫、大丈夫だよと言いきかけるようにユリウスの背中を優しくポンポンとたたいた。
ユリウスは泣き疲れて眠ってしまった。そこへルルが帰ってきた。
〈あれ?なんでユリウスがいるの?〉
「あー…話せば長くなるんだけど」
俺はさっきあった出来事をルルに話した。
〈アタシが離れたばかりに……ごめんなさい〉
「いや、ルルのせいじゃないよ。俺がもっと抵抗出来てたらよかったんだ」
「それでもよ…ずっとアタシたちの後をつけてたヤツね、きっと」
「え?ずっとつけてたの知ってたの?教えてよ~~じゃあなんでルルは離れたの?」
〈それについては後で話すわ。今日はもう帰りましょう〉
そして俺たちは家へ帰った。
◇◆◇
「くそっ!えらいめにあったぜ」
「あぁ、それにしてもあの獣人のガキはなんなんだ?珍しい金色の瞳をしていたが」
「確かに、あの金色の瞳はめずらしかった。くっそぉあの可愛子ちゃんと一緒に売ったらかなりの大金になっただろうなぁ」
「失礼。そのお話、詳しく聞かせてくれませんか?」
現れたのは黒色のコートにフードを被った男だった。
「なんだてめえ!」
「先程のお話、詳しく聞かせていただけるのであればこちらを差し上げます」
じゃらりと、男が何かが入った袋を地面に投げた。
「すげえ、大金貨がこんなに!」
「話していただけますね?」
男たちはニヤリと笑い、フードを被った男に話した。
後日、路地裏で男の死体が2体見つかり、ちょっとした騒ぎになったらしい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
秋也は綺麗系っていうのを作者も忘れてました。笑
補足:お金は秋也の持ち物を換金したり、行商人に野菜を買い取ってもらったりたまに孤児院で臨時職員として働いて稼いだお金です。
買ったものはあのバッグに入れてます。
ちなみにこの世界のお金の価値は
銅貨=100円
銀貨=1,000円
金貨=10,000円
大金貨=1,000,000円
白金貨=10,000,000円
あとちょっとで第一章が終わります。
この3連休中に終わらす予定です。
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