11 / 33
第一章 一度目の異世界
09.街へ
しおりを挟む
8話の最後ミスりました。
すみません、修正してます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「わぁ~これが街か!中世ヨーロッパみたいな建物がいっぱい。まさに異世界って感じだ!」
(冬真がみたら興奮するだろうな)
俺は街の出入り口の門の前で、思っていた以上の街の大きさに圧倒されている。
〈ちょっと~遊びに来たわけじゃないだからね! 妖精王様のお話、忘れてないでしょうね!〉
「ごめん、ごめん。初めて街に来たから興奮しちゃってさ」
〈も~しっかりしてよね〉
俺たちは妖精王からの頼みで、グランティス国の2番目に大きい街、アルティに来ている。
あの日、妖精王から聞かされた話は妖精たちが行方不明になっていることだった。
見つかった妖精たちも居たが、みんな怪我をしていた上、精霊力が奪われた状態だったらしい。
精霊力とは人が持つ魔力とは全く違う。
妖精は清らかな泉や自然豊かな大地が神域となって、そこに集まった力から生まれる存在だ。精霊王はその集まった力を妖精へと変化させる。
そうやって妖精たちは生まれ、増える。
妖精は大地そのもの、妖精が傷つけば大地は荒れ果て厄災が起こる。
だから昔から
【妖精を傷つけべからず。妖精を敬い、愛せよ。さすれば大地は未来永劫豊かなものとなるであろう】という言葉があるらしい。
まぁ、ようは妖精を傷つけば妖精王が黙っていないってことだ。
(妖精王は妖精たちの事を大切にしている。きっと子どものような存在なんだろう)
俺は妖精を見ながらそう思った。
〈ん?なによ〉
「いや、何でもないよ。行こうか、ルル」
ルル——
それはこの火の玉の姿をした妖精の名前だ。
あの日、妖精王から話を聞いた後。俺と一緒に妖精たちを探す手伝いをしてくれる事になったのが、あの火の玉の妖精だ。
『俺、この世界の事含めてまだわからない事が多いから、教えてくれるかな?』
〈あら、そうなの。仕方ないわね~〉
『ありがとう。 そういえばキミの名前は何ていうの?』
〈名前?名前なんてないわ〉
『え、そうなの?名前ないと不便じゃない?』
〈別に~〉
『そうなんだ……。 ねぇ俺が付けてもいい?』
〈え?べ、別にいらないわよ!〉
『え~それだと火の玉って呼ぶよ~?』
〈それは嫌よっ!〉
『じゃあ付けてもいい?』
〈っ、変な名前だったら承知しないわよっ!〉
はいはいと、俺はこの妖精の名前を考える。
『ルル……ルルなんてどうかな?』
〈ルル……〉
『気に入らない?』
無言の妖精。
『じゃあやっぱり火の玉って……』
〈ちょっと!誰も嫌なんていってないわっ〉
『てことは気に入ってくれたんだ。よかった』
〈べっ別に気に入ってなんかないわ!ただ……火の玉よりマシだと思ったのよっ〉
顔を真っ赤にしてルルは言った。
『ツン強めのデレだ』
◇◆◇
俺たちは街を歩いて進み。ある路地裏についた。
「ここが妖精が見つかった場所」
〈えぇ、怪我はなかったけど精霊力を奪われた状態だったわ〉
妖精が見つかった場所はゴミ溜めだった。まるで不要になったから捨てた……そんな感じだった。
「……ひどい」
こんなところにひとり、辛かっただろう。
しゃがみ込んでその場所を見ていた俺の側にルルが近づいてきた。
〈シューヤはお人好しよね〉
「え?どうしたのいきなり」
〈今回の事、本来ならアナタには一切関係ない事。でもアナタじゃないとダメだったし、何より妖精王様直々のお願いだった。それをアナタは嫌な顔をせずに引き受けた〉
「まぁ……困ってる人が居たらやっぱり助けたいって思うし、最初はただの正義感だったよ。でもこんなの見たら許せないよ」
〈そんなシューヤだから妖精王様は今回の事が解決したら、アナタに褒賞を与えると言ったのでしょうね〉
「あー、畏れ多いことだよ」
〈ふふっでも結局断りきれず、困ったアナタはあの獣人の子どもために貴重な妖精王様からの褒賞を使うといった。あの子はアナタに愛されてるわね〉
「そういってもらえて嬉しいよ。ユリウスは俺の大切な弟だからね」
〈弟ねぇ〉
「ん?」
〈いや…ここに来る前凄かったなって思って〉
「あはははは……」
今回の件で、ユリウスの安全のためにシスターに預けて街へやってきた。
しかし街へ来るまでが大変だった。
ユリウスが泣いて叫んで俺から離れなかったのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
体調不良で更新が遅れました。
長くなりそうなので、ここで一度きります。
後ほどもう一話更新します。
こっから頑張って巻き返したい。
すみません、修正してます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「わぁ~これが街か!中世ヨーロッパみたいな建物がいっぱい。まさに異世界って感じだ!」
(冬真がみたら興奮するだろうな)
俺は街の出入り口の門の前で、思っていた以上の街の大きさに圧倒されている。
〈ちょっと~遊びに来たわけじゃないだからね! 妖精王様のお話、忘れてないでしょうね!〉
「ごめん、ごめん。初めて街に来たから興奮しちゃってさ」
〈も~しっかりしてよね〉
俺たちは妖精王からの頼みで、グランティス国の2番目に大きい街、アルティに来ている。
あの日、妖精王から聞かされた話は妖精たちが行方不明になっていることだった。
見つかった妖精たちも居たが、みんな怪我をしていた上、精霊力が奪われた状態だったらしい。
精霊力とは人が持つ魔力とは全く違う。
妖精は清らかな泉や自然豊かな大地が神域となって、そこに集まった力から生まれる存在だ。精霊王はその集まった力を妖精へと変化させる。
そうやって妖精たちは生まれ、増える。
妖精は大地そのもの、妖精が傷つけば大地は荒れ果て厄災が起こる。
だから昔から
【妖精を傷つけべからず。妖精を敬い、愛せよ。さすれば大地は未来永劫豊かなものとなるであろう】という言葉があるらしい。
まぁ、ようは妖精を傷つけば妖精王が黙っていないってことだ。
(妖精王は妖精たちの事を大切にしている。きっと子どものような存在なんだろう)
俺は妖精を見ながらそう思った。
〈ん?なによ〉
「いや、何でもないよ。行こうか、ルル」
ルル——
それはこの火の玉の姿をした妖精の名前だ。
あの日、妖精王から話を聞いた後。俺と一緒に妖精たちを探す手伝いをしてくれる事になったのが、あの火の玉の妖精だ。
『俺、この世界の事含めてまだわからない事が多いから、教えてくれるかな?』
〈あら、そうなの。仕方ないわね~〉
『ありがとう。 そういえばキミの名前は何ていうの?』
〈名前?名前なんてないわ〉
『え、そうなの?名前ないと不便じゃない?』
〈別に~〉
『そうなんだ……。 ねぇ俺が付けてもいい?』
〈え?べ、別にいらないわよ!〉
『え~それだと火の玉って呼ぶよ~?』
〈それは嫌よっ!〉
『じゃあ付けてもいい?』
〈っ、変な名前だったら承知しないわよっ!〉
はいはいと、俺はこの妖精の名前を考える。
『ルル……ルルなんてどうかな?』
〈ルル……〉
『気に入らない?』
無言の妖精。
『じゃあやっぱり火の玉って……』
〈ちょっと!誰も嫌なんていってないわっ〉
『てことは気に入ってくれたんだ。よかった』
〈べっ別に気に入ってなんかないわ!ただ……火の玉よりマシだと思ったのよっ〉
顔を真っ赤にしてルルは言った。
『ツン強めのデレだ』
◇◆◇
俺たちは街を歩いて進み。ある路地裏についた。
「ここが妖精が見つかった場所」
〈えぇ、怪我はなかったけど精霊力を奪われた状態だったわ〉
妖精が見つかった場所はゴミ溜めだった。まるで不要になったから捨てた……そんな感じだった。
「……ひどい」
こんなところにひとり、辛かっただろう。
しゃがみ込んでその場所を見ていた俺の側にルルが近づいてきた。
〈シューヤはお人好しよね〉
「え?どうしたのいきなり」
〈今回の事、本来ならアナタには一切関係ない事。でもアナタじゃないとダメだったし、何より妖精王様直々のお願いだった。それをアナタは嫌な顔をせずに引き受けた〉
「まぁ……困ってる人が居たらやっぱり助けたいって思うし、最初はただの正義感だったよ。でもこんなの見たら許せないよ」
〈そんなシューヤだから妖精王様は今回の事が解決したら、アナタに褒賞を与えると言ったのでしょうね〉
「あー、畏れ多いことだよ」
〈ふふっでも結局断りきれず、困ったアナタはあの獣人の子どもために貴重な妖精王様からの褒賞を使うといった。あの子はアナタに愛されてるわね〉
「そういってもらえて嬉しいよ。ユリウスは俺の大切な弟だからね」
〈弟ねぇ〉
「ん?」
〈いや…ここに来る前凄かったなって思って〉
「あはははは……」
今回の件で、ユリウスの安全のためにシスターに預けて街へやってきた。
しかし街へ来るまでが大変だった。
ユリウスが泣いて叫んで俺から離れなかったのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
体調不良で更新が遅れました。
長くなりそうなので、ここで一度きります。
後ほどもう一話更新します。
こっから頑張って巻き返したい。
12
お気に入りに追加
226
あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた!
どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。
そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?!
いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?!
会社員男性と、異世界獣人のお話。
※6話で完結します。さくっと読めます。

僕だけの番
五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。
その中の獣人族にだけ存在する番。
でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。
僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。
それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。
出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。
そのうえ、彼には恋人もいて……。
後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)

完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

異世界へ下宿屋と共にトリップしたようで。
やの有麻
BL
山に囲まれた小さな村で下宿屋を営んでる倉科 静。29歳で独身。
昨日泊めた外国人を玄関の前で見送り家の中へ入ると、疲労が溜まってたのか急に眠くなり玄関の前で倒れてしまった。そして気付いたら住み慣れた下宿屋と共に異世界へとトリップしてしまったらしい!・・・え?どーゆうこと?
前編・後編・あとがきの3話です。1話7~8千文字。0時に更新。
*ご都合主義で適当に書きました。実際にこんな村はありません。
*フィクションです。感想は受付ますが、法律が~国が~など現実を突き詰めないでください。あくまで私が描いた空想世界です。
*男性出産関連の表現がちょっと入ってます。苦手な方はオススメしません。

勇者になるのを断ったらなぜか敵国の騎士団長に溺愛されました
雪
BL
「勇者様!この国を勝利にお導きください!」
え?勇者って誰のこと?
突如勇者として召喚された俺。
いや、でも勇者ってチート能力持ってるやつのことでしょう?
俺、女神様からそんな能力もらってませんよ?人違いじゃないですか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる