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初恋編

13話 聖神祭の儀式 *

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*今話はちょと視点を変えて、エルミナール帝国の一大イベント「聖神祭」の儀式のお話です。
※ヒロイン以外と絡みがありますので、ご注意ください。
 口淫がありますので苦手な方はスルーしてください。
 本編をすぐにお読みになりたい方は次話へどうぞ。


 * * *

 宮殿では、聖神祭が始まり、カイル皇子は公式行事に追われていた。
 聖神祭は、エルミナール帝国の始祖である光の神の末裔である皇子が民に聖水を与えるという儀式から始まる。
 この儀式は宮殿の再奥にある特別な神殿で、この儀式の時だけ開帳される。カイル皇子と神官と選ばれた巫女の数名のみで隔離された空間で行なわれ、その儀式の内容は秘密にされ、また神格を持つ者以外、部外者が入ることは許されていない。

 それもそのはず、光の神の末裔とされる皇子が、神殿にある泉の中で、一糸まとわぬ姿でその魔力によって、泉の中に聖水を満たし、神官と巫女らがその聖水を恭しく祭壇に捧げる儀式だ。

 この泉は計算されたかのように丁度1年で枯渇し、また次の聖神祭が来るとこの儀式が行われ皇子の魔力によって聖水が満たされる。

 そして儀式の最後には、この日のために毎年、神殿の巫女の中でも徳の高い清廉なる巫女姫が選ばれ、カイルはその巫女姫の口淫により自身の精を与えるという数百年前から連綿と続く儀式が待ち受けている。
 子孫繁栄という意味合いがあり、神と同格の皇子は、巫女姫の奉仕によりその精を褒美として分け与えるのだという意味合いがある。

 カイルは、年に一度のこの儀式に嫌悪感を抱いていた。
 まだ裸になって(これもなぜ裸になる必要があるのか全く理解できないが。)聖水を満たすのはいい。全然、許容範囲だ。

 だがなんで、神官とはいえ他人が凝視している中、自身のアレを口でしごかれ、射精させられるなどという行為、全く悪趣味以外のなにものでもない。

 さらには口の中に出した精液を巫女姫が聖杯にいれ祭壇に祀るという、全く意味不明なおかしな儀式である。

 カイル皇子はこれを世界3大ヘンテコ儀式に入ると思っていた。
 こんな儀式が数百年も続いているなんて馬鹿馬鹿しいにもほどがある・・・!
 自分は神の末裔でもなく、魔力が強いだけの普通の人間と変わらないと思っている。しかも健全な男だ。男の生理的現象として、女性にアレを口でそこそこしごかれれば、好きな女でなくとも私だって達してしまう。

 代々世継ぎの皇子が15歳になるとこの儀式をしなければならないが、最初の時は事前に何が行われるのかは、教えられていなかった。

15歳になった年の儀式の日、生まれて初めてあれを口でしごかれるという体験をし、一、二度じゅるじゅると吸い上げられただけですぐに達してしまい、あまりに早すぎて妙齢の巫女姫にクスッと笑われた。

 さすがに今はそんなことはないが、あの時は、コトの後、神官からなるべく儀式を長引かせるため、射精を我慢し、じっと立って自分からは動かずにされるがまま耐えろと言われたのだ。
 今思うと未熟な少年に向かって、まるで拷問のような「しごき」である。

 なんで嫌な儀式をわざわざ長引かせねばならないのか。神官とは、たいして意味のないものをさも意味ありげに勿体振るものだ。

 私が口で存分にしごかれたい相手は、一人だけだ・・・!
 リゼルの小さな可愛らしい口に自身を咥えさせたらどんな感覚が襲うのか…。
 その前に私がリゼルの蜜を吸い尽くしたいのだが…そんな不埒な想いに耽っていると、女官が迎えの使者の来訪を告げる。

 女官は、カイル皇子が部屋の椅子に長い足を組んで椅子に腰掛け、手を顎について一人物思いにふける様子を目にすると、儀式を前に心を鎮めているようにも見え、その美しい表情が憂いを秘めた様子に目を奪われた。

 まさか、皇子が世界3大ヘンテコ儀式について考えているとは到底想像できなかった。

「皇子様、お支度はよろしいでしょうか。これより神殿へ参ります・・・」
 一年で最も格式のある高潔で荘厳な(と神官らが思っている)儀式のため、神殿の最高神官が迎えに来た。
 カイルは、勤めて慇懃に頷くと、今年は、さっさと終わらせてほしいと思いながら部屋を後にした。
 何しろ巫女姫達は一様にちまちまと控えめに舐めて長引かせ、ようやく自身が張り詰めて達きそうになると今度は口を離すのだ。

 人気のない宮殿の奥の神殿に着くと、最高神官が重い鎖と鍵で施錠された大きな扉を恭しく開ける。
 最高神官に続いて中に入ると、神殿の中は、ひんやりとした神殿特有の清廉な空気が漂う中、後から付いてきた神官らが祭壇や、部屋の所々にある燭台に次々と蝋燭を灯すと、一気に明るくなり一年ぶりの空間が現れた。

 不思議なことに泉の聖水は、本当に1年きっかりで無くなっている。
 最高神官が蝋燭に灯された祭壇の前に跪き、祈りを唱える。
 祭壇の中央には光の神とされる男性神の彫刻が、その裸身を晒していた。

 祭壇の手前にある大理石の浅いプールのようになっている四角い人工的な泉には、その4辺に神官が一人一人立って儀式を見届けるのだ。

 カイルは、一呼吸入れると儀式モードに頭を切り替える。この泉に自身の魔力で聖水を放出させ泉を満たすのには、それなりの精神力が必要になる。

 薄布を一枚まとっているだけの皇子が、泉の底に続く階段の前に来ると、身にまとった布をふぁさっと取り去った。

 仄かに日に焼けた褐色に塗り込められたよう滑らかな肌、均整のとれた美しく精悍な裸体が露わになる。
 カイルの黄金色の髪と褐色の肌が不思議と調和し、蝋燭の灯りに照らされ輝きを放っている。

 研ぎ澄まされた一切の無駄のない、完璧な造形の筋肉は息をのむほど神々しい。

 非の打ち所のない稜線を描く逞しい肩のライン。女性であれば思わず唇を這わせたくなるベルベッドのようなベージュ色の小ぶりの乳首。その下に続く引き締まった腰に深く割れた腹筋の全てが、高貴な色香を醸し出す。

 骨ばった男らしい腰骨の中央にある臍の下から伸びる金色の恥毛は、男の象徴が近づくにつれ密集し濃い茂みになる。その下には、スラリした筋肉質の肢体がしなやかに伸びる。

 神官たちは、カイル皇子の彫刻のような美しい裸体に、まるで伝説の光の神が降臨したような感覚に陥った。

 静かに、だか確かな足取りで一歩一歩階段を降り、泉の中央に進むと、金細工のような長い睫毛に縁取られた双眸を静かに閉じて、手のひらをすうっと上に向け低い声で呪文を唱える。

 それを合図に神官らも四角い泉の4辺に一人づつカイルを囲むように立つと、手のひらを上に向け、カイルと同じように呟くように呪文を唱え始めた。

「・・聖水よ、来れ!」

 水魔力の呪文を唱え、カイルが渾身の力を込め魔力を解放すると、泉の天井で水がパシャーンと弾け、泉の底から聖水がごぽごぽと溢れ出し、あっという間にカイルの膝上まで満ちた。泉は十分に満ち、水面はゆらゆらと揺れさざ波が立っている。

 ふぅ・・・・問題は次だ。

 金色の前髪にかかった水を手で振ってはらう。ポタポタとカイルの肌に雫が垂れ、蝋燭の光に照らされ、煌めきながらつぅーっと筋肉の稜線に沿って臍の下の茂みに吸い込まれた。
 カイルは、先ほどの魔力の解放で力が漲り、自身がすでに硬く張り詰めて長剣のようにそそり立っていた。

 やがてヴェールを被り、薄布の長衣をまとった巫女姫が、しずしずと階段から泉に降りてくる。

 ・・・・いよいよ、だ。

 4人の神官が泉の周りで見守る中、巫女姫はちゃぽん、と泉に足をいれ、俯き加減でカイルの前まで進むと、静かにひざまづいた。

 巫女姫から漂うむせ返るような甘い香りが鼻を刺激すると、カイルは思わず眉をしかめた。

 巫女姫は恭しく両手をカイルの屹立した硬いものに触れると肉竿の根元から指先をかすかに這わせてベルベッドのような感触の亀頭を円を描くように撫でる。
 今度は肉竿の下側に指を這わせ同じように先端に指を滑らせると括れのまわりをぐるりと撫でた。その感触にカイルの屹立がビクンと跳ね上がる。

 ・・・くそっ!また長引かせる気だ。
 早くさっさと終わらせろ!

 心の中で毒吐くと、アイスブルーの瞳を苦しげに歪めた。

 カイルの殺気を感じたのか、巫女姫がふと顔を上げると、ヴェールがはらりと落ち水の中に沈んだ。その巫女姫を見て、驚愕し思わず身じろぎした。

 黒髪、緑の目・・・・!

 今まで、巫女姫はずっとカイルと同じ金髪、碧眼だった。だから巫女姫とはそういう容姿のものが選ばれると思っていた。

 しかし、今回初めて、黒髪、緑目の巫女姫を目にすると、まるでリゼルを彷彿とさせた。

 黒髪の巫女姫は、一瞬、不思議そうな顔をしたかと思うと、また俯いてカイルの先端を小さな舌でそっと舐め上げる。すると先走りの淫水がじわりと溢れた。その淫水を口をすぼめて、ちゅ、ちゅ・・・と吸う。

 上から見下ろすと、黒髪と象牙色のクリームのような肌をした巫女姫が自身の先端を丁寧に舐めとる姿に自分の想い女を重ねずにはいられない。

 ーーー似ている。
 この黒髪の巫女姫は、背格好といい、リゼルに似ている。

 黒髪の巫女姫は、先端を浅くちゅぱっと唇で包むと、柔らかな舌でちゅるりと吸い上げる。
 俯きながら自身をちゅぱちゅぱと舐め上げる巫女姫の肩に黒髪がさらさらと流れ落ちた。

 その光景は、まるでリゼルに舐められているような錯覚を覚えた。
 カイルはその黒髪をそっと撫で目を瞑る。
 巫女姫は、小さな口を開き、鈴口を丸ごと口に含むと、なめらかな舌でぐるりと舐めとりながら吸い上げる。

 くっ・・・リゼル・・・!
 カイルは思わず、巫女姫の髪に手を差し入れ、ぐっと頭を掴んで固定し、そのまま奥までずぶずぶと差し入れ、口の中の柔らかさを堪能すると自身をゆっくりと引き出した。

「あっふ・・・」

 小さな喘ぎが漏れる。

 巫女姫は今度は角度を変えて、根元からぺろりとゆっくり舐め上げたかと思うと先端をちゅぽんと口に含んだ。そのまま喉の奥まで深く咥え込むと舌を絡めながらねっとりと引き抜き、最後に先端をじゅるりと吸い上げる。

 積極的に奉仕する巫女姫と目があうと、彼女は妖艶に微笑んで、自分の口の端についた唾液を舐めとった。

「・・・ふ・・んぁ・・・んぁっ・・・」

 巫女姫は、口内に入りきらない肉竿を自身の唾液をねっとりと纏わせ上下に擦りながら、屹立したもの美味しそうに咥え込む。

 毎年、慎ましやかに、ちまちまと舐めたり吸ったりしていた巫女姫が、今年は淫らに肉竿を喉の奥まで咥えこんで舐めまわし吸い上げる。

 なんなんだ?今年は趣向を変えてきたのか?

 これはリゼルに似ているが、リゼルではない。
 わかっていても、自身が精を迸らせるまではこの拷問のような葛藤から逃れられない。

 カイルはリゼルに酷似した巫女姫の口淫で襲い来る快感と必死に戦っていた。
 ただリゼルに似ただけの女に、快楽を感じながら達したくなかった。

 くそ・・!早く終わりにしよう。この淫魔のような巫女姫はあまりに危険だ。
 この巫女姫に主導権を握らせてはまずい。

「・・・顔を上げよ」
 カイルは儀式で初めて巫女姫に言葉を発した。

 喉奥まで自身を咥え込みながら巫女姫が顔を上げると、緑の目が欲望に潤みながら光る。

 そのまま巫女姫の頭を押さえて、自身をぎりぎりまで引き抜くと、じゅぶっと深く差し入れた。

「今年の巫女姫は中々、面白い・・・」

 そう皮肉ると、カイルは自ら動き、巫女姫の口に自身の硬茎を抜き差しし律動を早める。

「んぁ!・・・あふっ・・・んっく、ん・・」

 巫女姫の喘ぎ声とじゅぽじゅぽという律動が、神殿の中に卑猥に響く。

 カイルが腰を前後に動かすたび、カイルの背中と腿の筋肉が美しく盛り上がる。

「・・・っく」

 カイルは容赦なく巫女姫を蹂躙し攻め立てた。
 カイルの律動に合わせ、巫女姫も自ら頭を動かしながら激しく屹立を吸い上げる。

 さらには、口内に入り切らない自分の根元をぬかりなくその唾液で滑らかにし上下に擦る。

「はぁあ、っふ、ああぁんっ・・・!」

 二人の口淫の激しさに、泉の水面はバシャバシャと波立つ。
 巫女姫の薄布は、すでに聖水でしどとに濡れて肌に張り付き、透けた乳首がピンと尖って、屹立を抜き差しするたびに、たわわな乳房が上下に揺らめく。

 淫らに腰を動かしながらカイルの肢体に自身の乳房を押し当て、屹立を咥えながら、その尖った乳首を、カイルの太腿に擦りつけはじめた。
 屹立を握っていない方の手は、カイルの腿や臀部をせわしなく撫で回すと、屹立の下にある形の良い二つの丸いものの感触を楽しみ始める。

 ーーーっつ!なんていう女だ!

 これまでの儀式では、巫女姫が喘ぎ声をあげたり、屹立以外を触れたりすることもなく、ただ黙って皇子に奉仕していた。
 この女は、本当に巫女姫なのか!?

 泉を囲む4人の神官たちは、このあまりに淫靡で扇情的な激しい男女の口淫の光景を目の当たりにし、息を飲み、ただ呆然と見つめていた。

 くっ・・・。カイルは達しそうになると、巫女姫の頭を掴み顔を上げさせた。

「・・・もうすぐだ、だすぞ。飲み込むなよ」

 その緑の瞳に言い聞かせる。

 飲み込まれたら、聖杯に入れられなくなる。
 もう一度はお断りだ!

「んぁ・・・!」

 喘ぐ巫女姫の頭を押さえて腰を深く突くと、巫女姫の中でビクンビクンと脈動しながら、どくどくと熱い精を口の中に迸らせた。


 ーーーカイルは精液と唾液にまみれた身を沐浴で清めた後、神殿を後にし、自分の執務室に戻ると珍しくどさりとソファーに横たわった。

 はぁ、疲れた・・・精力というか、精神的に。
 あのリゼルに酷似した女はなんなんだ?淫売にもほどがある。

 カイルは、リゼルと見まごう黒髪、緑目の巫女姫との口淫で、自分の欲望と葛藤がせめぎ合い、精魂疲れ果てていた。

「おい、今年は一味違ったんじゃないか?」

 そんなカイルの様子をリゼルの兄であり自分の補佐官のランスロットが意味ありげに見る。

 カイルはその言葉を聞いて、がばっと起き上がった。

「おまえ、何を知っている?」

「・・・数日前、親父が最高神官を呼び出して密談しててるのが聞こえてな。皇子ももう15の少年じゃないから、おまえが、その、なかなか達かないと、午後の公務に支障が出るから、早めに達かせるために、もっと積極的に奉仕する巫女に代えろと話してたのが聞こえてしまって・・・・ふっ」

 ランスは、可笑しそうに目に涙を溜めながら、堪え切れずに「ふははっ!」と笑った。

「ひそかに高級娼婦を神殿に招いて、今日のために巫女姫にそっちの技巧を伝授したようだよ」

 一瞬、カイルは信じられない思いでいたが、あの儀式は、数百年も続いているのだ。
 帝国の重鎮は、あの密室で何が行われているかぐらいは知っているだろう。

 あれはすべて、ダークフォール宰相の画策だった…
 あのリゼル似の娼婦のような替え玉をわざと用意させたのだ。
 私を困惑させるために!

 しかも人の事をまるで遅漏のように話すとは!

「あの、タヌキ・・・・!」

 カイルは双眸に怒りを滾らせながら、ずかずかとダークフォール公の執務室に向かう。

 取り次ぎを無視して、扉を乱暴に開けた。

「おや、カイルス皇子、ご用ですかな? そろそろ謁見の時間ですぞ」

 張本人のダークフォール公が、涼しげな顔で事も無げに言う。

「そうそう、そういえば、先日、我が家に出た虫の話ですが・・・」

 ふと思い出したように切り出す。

「私も神聖な聖神祭の間は、殺生は控えようと思いましてな。虫のために、甘い香りを放つ花を用意したのですよ。虫達が美しい花に吸い付くように」

「甘い香りの美しい花はいかがでしたかな?」宰相は不敵な笑みを浮かべた。

 まんまと罠に嵌められた・・・・。

「・・・あれは、甘い香りの美しい花などではない。美しい花を擬態して虫をおびき寄せる食虫植物だ・・・!」

 カイルは、屈辱と怒りに声を震わせた。


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