43 / 43
あなたしかいない4
しおりを挟む
とうとうバンコクへ行く日が来た。どきどきしながら、フライトの約2時間前に空港へ来た。
チェックインをオンラインでしていなかったので、自動チェックイン機でチェックインするために並んでいた。すると、誰かに腕を掴まれた。誰だろう、と思って振り返ると、そこには怖い顔をして、息を切らせている颯矢さんがいた。
なんで? なんで颯矢さんがここにいるの?
「ちょっと来い」
そう言って腕を引かれるので一度列から離脱し、近くの椅子に座る。
「なに? 俺、チェックインしなきゃいけないんだけど」
「そんなにバンコクへ行きたいのか」
「行きたいよ。それが悪い?」
「そんなにあの男のところへ行きたいのか?」
は? あの男? あの男って誰? バンコクで知り合いなんて小田島さんしかいないけど。颯矢さんが知っているはずがない。
「撮影でバンコクへ行ったとき、一緒にいたよな」
あの撮影のときバンコクで一緒にいた人? それは小田島さんしかいない。なんで颯矢さんが小田島さんのことを知っているんだろう。バンコクで小田島さんと会ったのは、一緒に食事をした一度きりだ。もしかして、そのとき颯矢さんは見ていたというのか。
「ショッピングモールで一緒にいたところを見た。柊真はバンコクに知り合いなんていなかっただろう。あの男とはどうやって知り合ったんだ? そういった店か?」
なに言ってるんだ? バンコクでそんな店に行ったと思ってるの? そう思われてることに腹がたった。
「小田島さんはスリにあいそうになったときに助けてくれたんだよ! そんな店なんかに行くはずないだろ! いくら颯矢さんでも俺怒るよ」
「でも、今回行くのはあの男だからだろう」
は? あの男だから行くってどういう意味? 確かに小田島さんには世話になることは決定しているし、そう伝えてもいる。
だけど、バンコクへ行く理由にはなっていない。颯矢さんはなにを勘違いしているんだろう。
「なにか勘違いしてない? 確かにバンコクではお世話になるけど、でもバンコクへ行く理由なんかにはなってない」
「あの男が好きだから行くんだろう。仕事も辞めて」
は? 俺が小田島さんのことを好きでバンコクへ行くって思ってるのか。しかも仕事を辞めて?
「お前、俺には旅行だって言ってたよな。でも、それは嘘だよな。芸能界を引退してまであの男のところへ行くんだろう」
旅行で間違いないと思う。ちょっと長いけど、日本には帰国するんだから。ただ、それと小田島さんは関係ない。
「そんなことするくらいにあの男のことが好きか? あんな男に柊真を渡してたまるか!」
「なにをどう勘違いしているのかわからないけど、俺、小田島さんのことは別に好きじゃない。いい人だとは思うけどそれだけだ。それに! もし小田島さんのことを好きだとしても颯矢さんには関係ない!
あと、引退じゃない! 休暇だよ!」
そうだ。俺が誰を好きだろうと関係ない。颯矢さんは別に俺の恋人でもないし、それよりも香織さんと結婚するんだから。そんな人に誰のことを好きだろうと、とやかく言われる筋合いはない。
それに引退だなんて誰に聞いたんだ。
「関係あるさ。好きなやつが、他の男のところへ行くのを誰が指をくわえて見ていると思う? 少なくとも俺はできない。それに、お前は俺のことが好きだったんじゃないのか? でも、今は俺なんかよりあの男の方が好きということか」
え? ちょっと待って。今、好きなやつって言った? 誰が誰のことを好きだって? 颯矢さんは香織さんのことが好きなんでしょう? だから結婚するんでしょう? そうしたら、俺が誰を好きだって関係ないんじゃないか?
「颯矢さんが好きなのは香織さんだろ」
「俺が好きなのは柊真だ」
「バカなこと言わないでよ。颯矢さん、結婚するんでしょう、香織さんと」
「結婚はしない。柊真を失ってまで結婚したくはない」
「勝手だよ、そんなの。俺のことも香織さんのこともバカにしてる!」
そうだ。勝手だ。俺の告白は散々かわして、香織さんとお見合いをして結婚を視野に入れて付き合ってる。そんな人が、俺を誰にも渡したくないから結婚しないって。俺のことも香織さんのこともバカにしてるにもほどがある。
「確かに香織さんには申し訳ない。柊真のことが好きなのに、結婚を前提に付き合っていたのは事実だ。でも、柊真に手を出すことはできないと思っていた。柊真を諦める為だったんだ」
俺には手を出せない? なんで? 俺がタレントだから?
「いくら好きだからって、マネージャーがタレントに手を出していいはずがないだろう。だからずっと我慢していた。俺がいつ手を出すかわからないから結婚しようと思った。実際、香織さんはいい人だから、結婚するならいいと思ったんだ。でも、それも柊真がタレントとして日本にいることが前提だ。柊真を誰かに渡してまで結婚しようとは思わない」
「自分勝手だよ。香織さんに申し訳ないって思わないの?」
「自分勝手なこと言ってるのはわかってるし、申し訳ないと思う。それに関してはいくらでも謝罪する。でも、柊真は誰にも渡さない。柊真が好きだったんだ。ずっと」
言っていることはめちゃくちゃだ。でも、好きだって言われて嬉しい。香織さんには申し訳ないけど、颯矢さんのことはずっとずっと好きだったんだ。そんな人から好きだと言われて嬉しくないはずがない。
「でも、香織さんと結婚するの決まってるんでしょう。今さら反故にはできないでしょ」
「いや、まだ結婚は決まっていない。付き合っているだけだ」
「でも、決まってるようなニュアンスの話聞いたけど」
「誰がそんなことを言った?」
「誰って、知らないけど、事務所の給湯室から聞こえてきた」
そう言うと颯矢さんの顔は余計に怖いものになった。
「まったく。誰がそんなことを言ってるんだか。とにかく俺は結婚しない。決まってもいない。だから、柊真は誰にも渡さない」
ほんとに勝手なことを言ってる。でも、それでも嬉しいってダメかな? 無理だと思ってたんだ。告白さえきちんと受け取って貰えないから。だから颯矢さんはノンケだと思ってた。
でも、そんな颯矢さんが俺のことを好きだと言ってくれて、誰にも渡さないと言ってくれるなんて夢みたいだ。
「だから、バンコクへは行くな!」
そう言って颯矢さんは俺を抱きしめた。颯矢さんの匂いと体温が心地良くて、俺は涙が出てきた。
「ほんと、自分勝手。でも……でも、そんな人でも好きだよ」
「あの男が好きなんじゃないのか?」
「小田島さん? 好きじゃないよ。言ったじゃん、知人だって」
「でも、好きだから追いかけて行くんじゃないのか?」
なんかほんとに壮大な誤解をされている気がする。颯矢さんの中では、俺は小田島さんのことが好きで、それで芸能界を辞めてまで追いかけて行くとなっているのか。
「そんなんじゃないよ。タイ語がわからないし、タイのことよく知らないからお世話にはなるけど、それ以上でもそれ以下でもない。ただの知人だよ」
「そうか。良かった」
「俺が引退してタイに行くなんて誰に聞いたの?」
「社長だ」
「引退はダメな代わりに長期休暇を提案してきたのは社長だよ」
「ハメられたな」
「じゃあ、なかったことにする? そしたら俺は予定通りバンコクに行くけど。で、颯矢さんのことは忘れる」
「忘れられちゃ困るからな。行かせないよ」
そう言って颯矢さんは俺を抱きしめる腕をほんの少し緩めた。
「俺と一緒にいてくれるか?」
「うん……うん。一緒にいる。颯矢さんがいい」
「ありがとう」
そこで颯矢さんは俺を抱きしめる腕を離し、俺の顔を見る。
「すごい顔してるぞ、お前」
「だって……だって、颯矢さんが泣かせるんだもん」
「お前だって俺を泣かせたけどな」
俺が颯矢さんを泣かせた? そんなことしてないのに。
「お前があの男のところへ行くと思ったときの俺の気持ち、わからないだろう」
「そんなの颯矢さんが勝手に誤解しただけじゃん」
「そうだな」
「で、香織さんはどうするの?」
「結婚はできないし、別れてくださいって謝るさ。お前に手を出せないからって付き合った俺が悪いんだ。許してくれるまで謝るよ」
そう言って颯矢さんは優しい笑顔を向けてくれた。今まで見たことのない、明るくて優しい笑顔だった。
「さぁ、帰るぞ」
「ねぇ、1週間でいいから行っちゃダメ? 」
「安心しろ。仕事ならすぐに予定いれてやるよ」
「やり手だね」
「柊真は人気あるからな。だから休みは返上だ。ぐだぐだ言ってないで帰るぞ」
身勝手な、それでも愛しい男はそう言って俺の手を引いて歩き出した。
END
◇◇◇◇
今までお読み頂きありがとうございました。
次作は遅れているため少し間があいてしまいますが、良ければお読み頂ければと思います。
公開などに関しては、Xにて告知いたします。
フォローして頂けたらと思います。
https://twitter.com/anela45668209
またお会いできますように
チェックインをオンラインでしていなかったので、自動チェックイン機でチェックインするために並んでいた。すると、誰かに腕を掴まれた。誰だろう、と思って振り返ると、そこには怖い顔をして、息を切らせている颯矢さんがいた。
なんで? なんで颯矢さんがここにいるの?
「ちょっと来い」
そう言って腕を引かれるので一度列から離脱し、近くの椅子に座る。
「なに? 俺、チェックインしなきゃいけないんだけど」
「そんなにバンコクへ行きたいのか」
「行きたいよ。それが悪い?」
「そんなにあの男のところへ行きたいのか?」
は? あの男? あの男って誰? バンコクで知り合いなんて小田島さんしかいないけど。颯矢さんが知っているはずがない。
「撮影でバンコクへ行ったとき、一緒にいたよな」
あの撮影のときバンコクで一緒にいた人? それは小田島さんしかいない。なんで颯矢さんが小田島さんのことを知っているんだろう。バンコクで小田島さんと会ったのは、一緒に食事をした一度きりだ。もしかして、そのとき颯矢さんは見ていたというのか。
「ショッピングモールで一緒にいたところを見た。柊真はバンコクに知り合いなんていなかっただろう。あの男とはどうやって知り合ったんだ? そういった店か?」
なに言ってるんだ? バンコクでそんな店に行ったと思ってるの? そう思われてることに腹がたった。
「小田島さんはスリにあいそうになったときに助けてくれたんだよ! そんな店なんかに行くはずないだろ! いくら颯矢さんでも俺怒るよ」
「でも、今回行くのはあの男だからだろう」
は? あの男だから行くってどういう意味? 確かに小田島さんには世話になることは決定しているし、そう伝えてもいる。
だけど、バンコクへ行く理由にはなっていない。颯矢さんはなにを勘違いしているんだろう。
「なにか勘違いしてない? 確かにバンコクではお世話になるけど、でもバンコクへ行く理由なんかにはなってない」
「あの男が好きだから行くんだろう。仕事も辞めて」
は? 俺が小田島さんのことを好きでバンコクへ行くって思ってるのか。しかも仕事を辞めて?
「お前、俺には旅行だって言ってたよな。でも、それは嘘だよな。芸能界を引退してまであの男のところへ行くんだろう」
旅行で間違いないと思う。ちょっと長いけど、日本には帰国するんだから。ただ、それと小田島さんは関係ない。
「そんなことするくらいにあの男のことが好きか? あんな男に柊真を渡してたまるか!」
「なにをどう勘違いしているのかわからないけど、俺、小田島さんのことは別に好きじゃない。いい人だとは思うけどそれだけだ。それに! もし小田島さんのことを好きだとしても颯矢さんには関係ない!
あと、引退じゃない! 休暇だよ!」
そうだ。俺が誰を好きだろうと関係ない。颯矢さんは別に俺の恋人でもないし、それよりも香織さんと結婚するんだから。そんな人に誰のことを好きだろうと、とやかく言われる筋合いはない。
それに引退だなんて誰に聞いたんだ。
「関係あるさ。好きなやつが、他の男のところへ行くのを誰が指をくわえて見ていると思う? 少なくとも俺はできない。それに、お前は俺のことが好きだったんじゃないのか? でも、今は俺なんかよりあの男の方が好きということか」
え? ちょっと待って。今、好きなやつって言った? 誰が誰のことを好きだって? 颯矢さんは香織さんのことが好きなんでしょう? だから結婚するんでしょう? そうしたら、俺が誰を好きだって関係ないんじゃないか?
「颯矢さんが好きなのは香織さんだろ」
「俺が好きなのは柊真だ」
「バカなこと言わないでよ。颯矢さん、結婚するんでしょう、香織さんと」
「結婚はしない。柊真を失ってまで結婚したくはない」
「勝手だよ、そんなの。俺のことも香織さんのこともバカにしてる!」
そうだ。勝手だ。俺の告白は散々かわして、香織さんとお見合いをして結婚を視野に入れて付き合ってる。そんな人が、俺を誰にも渡したくないから結婚しないって。俺のことも香織さんのこともバカにしてるにもほどがある。
「確かに香織さんには申し訳ない。柊真のことが好きなのに、結婚を前提に付き合っていたのは事実だ。でも、柊真に手を出すことはできないと思っていた。柊真を諦める為だったんだ」
俺には手を出せない? なんで? 俺がタレントだから?
「いくら好きだからって、マネージャーがタレントに手を出していいはずがないだろう。だからずっと我慢していた。俺がいつ手を出すかわからないから結婚しようと思った。実際、香織さんはいい人だから、結婚するならいいと思ったんだ。でも、それも柊真がタレントとして日本にいることが前提だ。柊真を誰かに渡してまで結婚しようとは思わない」
「自分勝手だよ。香織さんに申し訳ないって思わないの?」
「自分勝手なこと言ってるのはわかってるし、申し訳ないと思う。それに関してはいくらでも謝罪する。でも、柊真は誰にも渡さない。柊真が好きだったんだ。ずっと」
言っていることはめちゃくちゃだ。でも、好きだって言われて嬉しい。香織さんには申し訳ないけど、颯矢さんのことはずっとずっと好きだったんだ。そんな人から好きだと言われて嬉しくないはずがない。
「でも、香織さんと結婚するの決まってるんでしょう。今さら反故にはできないでしょ」
「いや、まだ結婚は決まっていない。付き合っているだけだ」
「でも、決まってるようなニュアンスの話聞いたけど」
「誰がそんなことを言った?」
「誰って、知らないけど、事務所の給湯室から聞こえてきた」
そう言うと颯矢さんの顔は余計に怖いものになった。
「まったく。誰がそんなことを言ってるんだか。とにかく俺は結婚しない。決まってもいない。だから、柊真は誰にも渡さない」
ほんとに勝手なことを言ってる。でも、それでも嬉しいってダメかな? 無理だと思ってたんだ。告白さえきちんと受け取って貰えないから。だから颯矢さんはノンケだと思ってた。
でも、そんな颯矢さんが俺のことを好きだと言ってくれて、誰にも渡さないと言ってくれるなんて夢みたいだ。
「だから、バンコクへは行くな!」
そう言って颯矢さんは俺を抱きしめた。颯矢さんの匂いと体温が心地良くて、俺は涙が出てきた。
「ほんと、自分勝手。でも……でも、そんな人でも好きだよ」
「あの男が好きなんじゃないのか?」
「小田島さん? 好きじゃないよ。言ったじゃん、知人だって」
「でも、好きだから追いかけて行くんじゃないのか?」
なんかほんとに壮大な誤解をされている気がする。颯矢さんの中では、俺は小田島さんのことが好きで、それで芸能界を辞めてまで追いかけて行くとなっているのか。
「そんなんじゃないよ。タイ語がわからないし、タイのことよく知らないからお世話にはなるけど、それ以上でもそれ以下でもない。ただの知人だよ」
「そうか。良かった」
「俺が引退してタイに行くなんて誰に聞いたの?」
「社長だ」
「引退はダメな代わりに長期休暇を提案してきたのは社長だよ」
「ハメられたな」
「じゃあ、なかったことにする? そしたら俺は予定通りバンコクに行くけど。で、颯矢さんのことは忘れる」
「忘れられちゃ困るからな。行かせないよ」
そう言って颯矢さんは俺を抱きしめる腕をほんの少し緩めた。
「俺と一緒にいてくれるか?」
「うん……うん。一緒にいる。颯矢さんがいい」
「ありがとう」
そこで颯矢さんは俺を抱きしめる腕を離し、俺の顔を見る。
「すごい顔してるぞ、お前」
「だって……だって、颯矢さんが泣かせるんだもん」
「お前だって俺を泣かせたけどな」
俺が颯矢さんを泣かせた? そんなことしてないのに。
「お前があの男のところへ行くと思ったときの俺の気持ち、わからないだろう」
「そんなの颯矢さんが勝手に誤解しただけじゃん」
「そうだな」
「で、香織さんはどうするの?」
「結婚はできないし、別れてくださいって謝るさ。お前に手を出せないからって付き合った俺が悪いんだ。許してくれるまで謝るよ」
そう言って颯矢さんは優しい笑顔を向けてくれた。今まで見たことのない、明るくて優しい笑顔だった。
「さぁ、帰るぞ」
「ねぇ、1週間でいいから行っちゃダメ? 」
「安心しろ。仕事ならすぐに予定いれてやるよ」
「やり手だね」
「柊真は人気あるからな。だから休みは返上だ。ぐだぐだ言ってないで帰るぞ」
身勝手な、それでも愛しい男はそう言って俺の手を引いて歩き出した。
END
◇◇◇◇
今までお読み頂きありがとうございました。
次作は遅れているため少し間があいてしまいますが、良ければお読み頂ければと思います。
公開などに関しては、Xにて告知いたします。
フォローして頂けたらと思います。
https://twitter.com/anela45668209
またお会いできますように
23
お気に入りに追加
40
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
Please,Call My Name
叶けい
BL
アイドルグループ『star.b』最年長メンバーの桐谷大知はある日、同じグループのメンバーである櫻井悠貴の幼なじみの青年・雪村眞白と知り合う。眞白には難聴のハンディがあった。
何度も会ううちに、眞白に惹かれていく大知。
しかし、かつてアイドルに憧れた過去を持つ眞白の胸中は複雑だった。
大知の優しさに触れるうち、傷ついて頑なになっていた眞白の気持ちも少しずつ解けていく。
眞白もまた大知への想いを募らせるようになるが、素直に気持ちを伝えられない。
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
【完結】遍く、歪んだ花たちに。
古都まとい
BL
職場の部下 和泉周(いずみしゅう)は、はっきり言って根暗でオタクっぽい。目にかかる長い前髪に、覇気のない視線を隠す黒縁眼鏡。仕事ぶりは可もなく不可もなく。そう、凡人の中の凡人である。
和泉の直属の上司である村谷(むらや)はある日、ひょんなことから繁華街のホストクラブへと連れて行かれてしまう。そこで出会ったNo.1ホスト天音(あまね)には、どこか和泉の面影があって――。
「先輩、僕のこと何も知っちゃいないくせに」
No.1ホスト部下×堅物上司の現代BL。
イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話
タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。
瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。
笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
【BL】記憶のカケラ
樺純
BL
あらすじ
とある事故により記憶の一部を失ってしまったキイチ。キイチはその事故以来、海辺である男性の後ろ姿を追いかける夢を毎日見るようになり、その男性の顔が見えそうになるといつもその夢から覚めるため、その相手が誰なのか気になりはじめる。
そんなキイチはいつからか惹かれている幼なじみのタカラの家に転がり込み、居候生活を送っているがタカラと幼なじみという関係を壊すのが怖くて告白出来ずにいた。そんな時、毎日見る夢に出てくるあの後ろ姿を街中で見つける。キイチはその人と会えば何故、あの夢を毎日見るのかその理由が分かるかもしれないとその後ろ姿に夢中になるが、結果としてそのキイチのその行動がタカラの心を締め付け過去の傷痕を抉る事となる。
キイチが忘れてしまった記憶とは?
タカラの抱える過去の傷痕とは?
散らばった記憶のカケラが1つになった時…真実が明かされる。
キイチ(男)
中二の時に事故に遭い記憶の一部を失う。幼なじみであり片想いの相手であるタカラの家に居候している。同じ男であることや幼なじみという関係を壊すのが怖く、タカラに告白出来ずにいるがタカラには過保護で尽くしている。
タカラ(男)
過去の出来事が忘れられないままキイチを自分の家に居候させている。タカラの心には過去の出来事により出来てしまった傷痕があり、その傷痕を癒すことができないまま自分の想いに蓋をしキイチと暮らしている。
ノイル(男)
キイチとタカラの幼なじみ。幼なじみ、男女7人組の年長者として2人を落ち着いた目で見守っている。キイチの働くカフェのオーナーでもあり、良き助言者でもあり、ノイルの行動により2人に大きな変化が訪れるキッカケとなる。
ミズキ(男)
幼なじみ7人組の1人でもありタカラの親友でもある。タカラと同じ職場に勤めていて会社ではタカラの執事くんと呼ばれるほどタカラに甘いが、恋人であるヒノハが1番大切なのでここぞと言う時は恋人を優先する。
ユウリ(女)
幼なじみ7人組の1人。ノイルの経営するカフェで一緒に働いていてノイルの彼女。
ヒノハ(女)
幼なじみ7人組の1人。ミズキの彼女。ミズキのことが大好きで冗談半分でタカラにライバル心を抱いてるというネタで場を和ませる。
リヒト(男)
幼なじみ7人組の1人。冷静な目で幼なじみ達が恋人になっていく様子を見守ってきた。
謎の男性
街でキイチが見かけた毎日夢に出てくる後ろ姿にそっくりな男。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
颯矢さんの記憶が戻るか心配ですよね。
それが柊真の引退にどう影響するのか。
柊真には幸せになって欲しいですね。
こんにちは😊楽しく拝読しております✨柊真くん😢切ないですね😭颯矢さんもマネージャーと言う立場だからハッキリとした態度が取れないかもだけど ちょっとズルい感じが💦この先も楽しみにしております‼️☺️
読んで頂いてありがとうございます!
そうですよね。
颯矢さん、ちょっと狡いですよね。
大人の狡さが見えますよね。
書いていてもそう思いました(笑)
柊真が笑顔になるのを見守って頂けたら嬉しいです✨