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心がしょんぼり4
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週末の昼間。いつもはほとんど賢人と一緒だけど、今週は大学時代の友人の結婚式ということで昨日から地元に帰っていていない。
1人で過ごす時間なんてめちゃくちゃ久しぶりすぎて何をしたらいいのかわからない。
だから1人でカフェでお茶をしてた。
最初は映画でも観に行こうかと思ったけれど、観たい映画がなかったので行くのをやめた。でも、家にいるのも退屈で。かと行ってどこへ行けばいいのかもわからず、駅の近くのカフェでお茶をしながら外をボーっと眺めていた。
暇だなーと思う。でも、お天気もいいし家の中にいるよりはいいかなと思って外に出てきたんだ。と言ってもカフェの中にいるけれど。
人が駅に向かって歩いて、改札口に吸い込まれていく。みんなどこに行くんだろう。1人の人もいるけれど、家族連れや恋人と一緒という人も多い。
家族か。俺も久しぶりに地元に帰っても良かったかもしれない。
都内から電車で2時間程度で帰れるのに、帰るのはお盆休みと年末年始くらいで、下手したらお盆休みも帰らないことがある。
いつでも帰れるから、つい後回しにしてしまうんだ。
地元はいつも観光客で溢れているけど、観光名所のほんの少し先には落ち着いた住宅街で古い神社仏閣が多い。
歴史を感じるその街並みが俺は好きだった。
だから学生時代、好きだった科目は歴史。そしてそのまま大学では史学地理学科を専攻した。仕事は全然関係ないけれど。
そんなことをつらつらと考えていると、直樹さんが駅に向かって歩いているのが見えた。どこか出かけるのだろうか。
てっきり改札に入っていくと思ったけれど、改札口で立って電車が来るのを待っているようだ。誰かを待っているようだ。
友達でも待ってるのかな? と直樹さんを見ていると、電車が来てたくさんの人が改札口から出てくると、その中から人を探しているようだった。
そして待ち人はいたのだろう。小柄で可愛い女性のそばに歩いて行った。
誰だろう。今は恋人はいないって先週も聞いたけれど、その後で彼女ができたのだろうか。そうかもしれない。
背が高くて優しい顔立ちの直樹さんと小柄でやっぱり優しい顔立ちをしたその女性が並ぶと、とてもお似合いに見える。
そっか。彼女出来たんだな。その彼女を部屋に招くのに迎えに来たのだろう。
そう思うと胸がツキンとする。
これからは賢人に暴力を振るわれても直樹さんのところに行くのはやめよう。週末にはこうやって彼女が来ることがあるだろうから。俺がそれを邪魔したらいけない。
俺に優しく話しかけてくれる直樹さんが、その彼女に優しく話しかける。
その光景を想像するだけで、なんだか鼻の奥がツンとするけれど、それはなかったことにする。
その理由は突き詰めたらいけない気がするから。
ただ、直樹さんに彼女が出来た。その現実を受け止めるのが精一杯だった。
1人で過ごす時間なんてめちゃくちゃ久しぶりすぎて何をしたらいいのかわからない。
だから1人でカフェでお茶をしてた。
最初は映画でも観に行こうかと思ったけれど、観たい映画がなかったので行くのをやめた。でも、家にいるのも退屈で。かと行ってどこへ行けばいいのかもわからず、駅の近くのカフェでお茶をしながら外をボーっと眺めていた。
暇だなーと思う。でも、お天気もいいし家の中にいるよりはいいかなと思って外に出てきたんだ。と言ってもカフェの中にいるけれど。
人が駅に向かって歩いて、改札口に吸い込まれていく。みんなどこに行くんだろう。1人の人もいるけれど、家族連れや恋人と一緒という人も多い。
家族か。俺も久しぶりに地元に帰っても良かったかもしれない。
都内から電車で2時間程度で帰れるのに、帰るのはお盆休みと年末年始くらいで、下手したらお盆休みも帰らないことがある。
いつでも帰れるから、つい後回しにしてしまうんだ。
地元はいつも観光客で溢れているけど、観光名所のほんの少し先には落ち着いた住宅街で古い神社仏閣が多い。
歴史を感じるその街並みが俺は好きだった。
だから学生時代、好きだった科目は歴史。そしてそのまま大学では史学地理学科を専攻した。仕事は全然関係ないけれど。
そんなことをつらつらと考えていると、直樹さんが駅に向かって歩いているのが見えた。どこか出かけるのだろうか。
てっきり改札に入っていくと思ったけれど、改札口で立って電車が来るのを待っているようだ。誰かを待っているようだ。
友達でも待ってるのかな? と直樹さんを見ていると、電車が来てたくさんの人が改札口から出てくると、その中から人を探しているようだった。
そして待ち人はいたのだろう。小柄で可愛い女性のそばに歩いて行った。
誰だろう。今は恋人はいないって先週も聞いたけれど、その後で彼女ができたのだろうか。そうかもしれない。
背が高くて優しい顔立ちの直樹さんと小柄でやっぱり優しい顔立ちをしたその女性が並ぶと、とてもお似合いに見える。
そっか。彼女出来たんだな。その彼女を部屋に招くのに迎えに来たのだろう。
そう思うと胸がツキンとする。
これからは賢人に暴力を振るわれても直樹さんのところに行くのはやめよう。週末にはこうやって彼女が来ることがあるだろうから。俺がそれを邪魔したらいけない。
俺に優しく話しかけてくれる直樹さんが、その彼女に優しく話しかける。
その光景を想像するだけで、なんだか鼻の奥がツンとするけれど、それはなかったことにする。
その理由は突き詰めたらいけない気がするから。
ただ、直樹さんに彼女が出来た。その現実を受け止めるのが精一杯だった。
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