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オメガとして3

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 ヒートが落ち着いてからバース検査を受け、結果を聞きにバース科へ行った。結果は、やはりオメガに変わっていた。

「そうですね。ベータとして出生が記録されていますから、後天性オメガということになります。非常に稀なケースです。オメガのヒートはご存知ですね」
「はい」
「これからは三ヶ月に一度ヒートが来ます。番契約を結んでいれば、その番にのみフェロモンが感じられるので問題ありませんが、番がいない場合は不特定多数のアルファを誘ってしまうので外出は避けた方が賢明です。番候補はいますか?」
「先日、ヒートが来たときに番契約をしました」
「それではヒートに関して心配することはありませんね」

 そうやって、医師からオメガについて、そしてヒートについての説明を受けた。
 そして夜、樹くんにやはりオメガになったことを告げた。すると、良かったね、と言ってくれた。

「これで優斗が俺の前からいなくなる可能性がなくなった。もう、自分のこと出来損ないとか言わないでね」
「うん、言わない」
「実家の方にはオメガになったこと言ったの?」
「言ってない。僕は家のためにオメガになったわけじゃない」
「そっか。俺としてもその方が安心かもしれない。まぁ、番契約してるから大丈夫だと思うけど」

 番契約をしているアルファとオメガが別れた場合、アルファは他のオメガと番になることはできる。でも、オメガの方は他のアルファと番になることはできないのだ。そしてフェロモンは番の相手にしか向かないので、ヒートのときにとても苦しむと言う。なので、ほとんどの番は結婚しているのがほとんどだ。
 父はオメガを多く見てきているから、樹くんと引き離すことはしないと思うけれど、何を言ってくるかわからない。だから家には黙っておくことにしたのだ。

「オメガになったから就職はオメガ枠で探すことになるのか」
「うん。今まで普通に探してたから、また一から求人見なくちゃ」
「卒業したら結婚しよう」
「樹くん……」
「番契約してるんだから当然でしょう。そうしたら無理に就職しなくてもいいし」

 大学四年生の今、内定を貰っている人は多い。だから、今からオメガ枠で求人を探すのはちょっと遅い。でも、できれば一度は就職して社会を見たいという気持ちがあるので、結婚してすぐに家庭に入るのは避けたい。

「でも、その前に結婚なんてご両親に話したの?」
「ベータの子と付き合っていることは話してる。だから明日にでも後天性オメガになって番契約をしたって伝えるよ」
「反対されないかな? 勝手に番になって、結婚までなんて」
「反対されるもなにも、番になったんだから結婚するのは当然だと思うよ」
「そうだけど」
「いいから。心配しないの。うちの親は子供の意見を尊重するから大丈夫だよ」
「うん……」

 これで、樹くんと結婚できるかもしれないんだ。そう思うけれど、ずっとベータだったから、どこか現実味がなかった。
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