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猫コスプレをかけた戦い
吉良坂猫爆誕③
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「んにゃあぁあ」
俺の言葉を聞いた吉良坂猫はにんまりと笑ってから、一度俺の身体から離れる。
そしてまた、『んくぅー』と猫特有の伸びをして――これ後ろから見ても前から見ても破壊力抜群だな。谷間やべぇ――から、胡坐をかいている俺のうち太ももを枕にして顔を外側に向けて横になり、身体をキュッと丸めた。
吉良坂猫はいま、おなかの中にいる赤ちゃんの体勢だ。
「んにゃぁああ、んにゃぁあああ」
ご主人様の足、きもちいいにゃぁ。って言ってる気がする。
気のせいかもしれないけど。
よほど眠かったのか、吉良坂猫はすぐにすぅすぅと寝息を立て始めた。
「ほんと、昨日はありがとな」
頭を優しくなでてやると、より一段と嬉しそうな顔をしてくれた。
「……ったくあんたはどうして」
がっくりとうなだれる梨本さん。
「なんでも言うことを聞くって言ってんのに……なにそれ。なにしたっていいんだから、ブラの隙間から手を入れておっぱいくらい揉んでみなさいよ。帆乃のおっぱいはえちえちぷにぷにふわふわよ」
「悪いな。俺はそういうことをしていい人間じゃないから」
「私、自分のことを必要以上に卑下する人ってほんと嫌い。好きな子とシてイキたいって思うのが男でしょ?」
「俺もそう思う。でも俺のはもう癖みたいなもんなんだ」
「楽だからそうしてるだけじゃないの?」
「見栄ばかり張ってるとさ、失望されたときの落差が激しくなるだろ?」
「自分を過剰に下げすぎると、期待に応える前にみんな離れてくわよ」
「それでいいんだよ」
だって俺は、こと男女の関係において、女性の期待に応えられることがないのだから。
「ま、それがあなたの人生観ならもういいわ。でももう一度言う。帆乃を泣かせたら承知しないから」
「わかってるよ」
だから俺はこうして、吉良坂さんのおっぱいを揉まないようにしている。
それをしてしまうと、その先を求めてしまうから。
「はぁ……。せっかくメイドの草飼と協力して、なんでも言うこと聞くことまで見せつけて信じ込ませたのに、ただの膝枕って。帆乃が幸せそうだからいいけど」
梨本さんが俺たちに近づいてきて、愛おしそうに帆乃の頬をつんつんする。
「んじゃ。起きたら適当になにか理由作って言っといて。たぶんこの子、顔真っ赤にしてこの姿のまま部屋を飛び出そうとするから」
梨本さんがすっと立ち上がり、扉の方へ歩いていく。
「え? 帰るの?」
吉良坂さんの寝顔をあんなに幸せそうに見つめていたから、まだここにいて、その寝顔を堪能し続けるものだと思っていた。
「そりゃそうでしょ。あんたらが無意識にまき散らしてる甘ったるい空気の近くにいたら、私の頭がおかしくなるわ」
梨本さんは扉を開けようとしたところで、その動作を止め、
「それに二人っきりにした方が、他人の目がなくなって欲望に忠実になれるかと思ってね」
その言葉を残して梨本さんは去っていった。
「欲望、か」
俺は吉良坂さんの胸の谷間を見る。お尻から太もものラインを見る。白地に黒の水玉模様の下着を見る。
やっぱり俺は……ならないよ。
欲望には。
絶対に。
「どうにかなっちゃいそうだよ。こんなの続けてたら」
吉良坂さんの頬をつんつんしながらそうつぶやいた。
梨本さんの言う通り、いまなら吉良坂さんのおっぱいを揉むことだってできると思う。
好きなだけ、俺の欲望のまま存分に楽しむことができると思う。
――でも、俺には女の子のおっぱいを揉む資格なんてない。
俺はそこら辺の童貞と違って、どんな女の子にも性欲があることを理解している。
女の子がおっぱいを揉ませるということは、当然男側がその気持ちを抱いているように、女側もその先を期待しているということだ。
後で自分を気持ちよくしてくれるから、男におっぱいを揉ませるという行為を許している。
だから、そのおっぱいを揉むという行為の先で、男が女を気持ちよくさせることができないなら、男はおっぱいを揉んではいけないのだ。
だってそれは互いに快楽を共有して悦びあうことではなく、単なる性の消費なのだから。
「ほんと、あなたは可愛すぎるよ。魅力的過ぎるよ。吉良坂さん」
吉良坂さんは無防備な姿で無防備な寝顔をさらしながら、すやすやと眠り続けている。
その頭をなで続けていると、丸めていた足を開いて仰向けになった。
うん、寝相悪すぎだなこの猫。
女の子が足をそんなにがばっと開くものじゃありません。
俺はどこを見てればいいんですか?
そんなことを思っている間に、また吉良坂さんが身体を動かし、今度は俺の身体の方に顔を向ける体勢になった。
そうなってしまったら当然なんだけど、吉良坂猫の「すぅ、すぅ」という規則的な寝息が俺の股間にダイレクトに当たって変な悲鳴上げそうだからもう少しこのままにしときますね。
べ、別に吉良坂猫の温かな寝息が気持ちよすぎて癖になったわけじゃないぞ!
こんなにもぐっすりと眠っている吉良坂猫を起こすわけにはいかないから仕方なくだ!
……本当だよ?
俺の言葉を聞いた吉良坂猫はにんまりと笑ってから、一度俺の身体から離れる。
そしてまた、『んくぅー』と猫特有の伸びをして――これ後ろから見ても前から見ても破壊力抜群だな。谷間やべぇ――から、胡坐をかいている俺のうち太ももを枕にして顔を外側に向けて横になり、身体をキュッと丸めた。
吉良坂猫はいま、おなかの中にいる赤ちゃんの体勢だ。
「んにゃぁああ、んにゃぁあああ」
ご主人様の足、きもちいいにゃぁ。って言ってる気がする。
気のせいかもしれないけど。
よほど眠かったのか、吉良坂猫はすぐにすぅすぅと寝息を立て始めた。
「ほんと、昨日はありがとな」
頭を優しくなでてやると、より一段と嬉しそうな顔をしてくれた。
「……ったくあんたはどうして」
がっくりとうなだれる梨本さん。
「なんでも言うことを聞くって言ってんのに……なにそれ。なにしたっていいんだから、ブラの隙間から手を入れておっぱいくらい揉んでみなさいよ。帆乃のおっぱいはえちえちぷにぷにふわふわよ」
「悪いな。俺はそういうことをしていい人間じゃないから」
「私、自分のことを必要以上に卑下する人ってほんと嫌い。好きな子とシてイキたいって思うのが男でしょ?」
「俺もそう思う。でも俺のはもう癖みたいなもんなんだ」
「楽だからそうしてるだけじゃないの?」
「見栄ばかり張ってるとさ、失望されたときの落差が激しくなるだろ?」
「自分を過剰に下げすぎると、期待に応える前にみんな離れてくわよ」
「それでいいんだよ」
だって俺は、こと男女の関係において、女性の期待に応えられることがないのだから。
「ま、それがあなたの人生観ならもういいわ。でももう一度言う。帆乃を泣かせたら承知しないから」
「わかってるよ」
だから俺はこうして、吉良坂さんのおっぱいを揉まないようにしている。
それをしてしまうと、その先を求めてしまうから。
「はぁ……。せっかくメイドの草飼と協力して、なんでも言うこと聞くことまで見せつけて信じ込ませたのに、ただの膝枕って。帆乃が幸せそうだからいいけど」
梨本さんが俺たちに近づいてきて、愛おしそうに帆乃の頬をつんつんする。
「んじゃ。起きたら適当になにか理由作って言っといて。たぶんこの子、顔真っ赤にしてこの姿のまま部屋を飛び出そうとするから」
梨本さんがすっと立ち上がり、扉の方へ歩いていく。
「え? 帰るの?」
吉良坂さんの寝顔をあんなに幸せそうに見つめていたから、まだここにいて、その寝顔を堪能し続けるものだと思っていた。
「そりゃそうでしょ。あんたらが無意識にまき散らしてる甘ったるい空気の近くにいたら、私の頭がおかしくなるわ」
梨本さんは扉を開けようとしたところで、その動作を止め、
「それに二人っきりにした方が、他人の目がなくなって欲望に忠実になれるかと思ってね」
その言葉を残して梨本さんは去っていった。
「欲望、か」
俺は吉良坂さんの胸の谷間を見る。お尻から太もものラインを見る。白地に黒の水玉模様の下着を見る。
やっぱり俺は……ならないよ。
欲望には。
絶対に。
「どうにかなっちゃいそうだよ。こんなの続けてたら」
吉良坂さんの頬をつんつんしながらそうつぶやいた。
梨本さんの言う通り、いまなら吉良坂さんのおっぱいを揉むことだってできると思う。
好きなだけ、俺の欲望のまま存分に楽しむことができると思う。
――でも、俺には女の子のおっぱいを揉む資格なんてない。
俺はそこら辺の童貞と違って、どんな女の子にも性欲があることを理解している。
女の子がおっぱいを揉ませるということは、当然男側がその気持ちを抱いているように、女側もその先を期待しているということだ。
後で自分を気持ちよくしてくれるから、男におっぱいを揉ませるという行為を許している。
だから、そのおっぱいを揉むという行為の先で、男が女を気持ちよくさせることができないなら、男はおっぱいを揉んではいけないのだ。
だってそれは互いに快楽を共有して悦びあうことではなく、単なる性の消費なのだから。
「ほんと、あなたは可愛すぎるよ。魅力的過ぎるよ。吉良坂さん」
吉良坂さんは無防備な姿で無防備な寝顔をさらしながら、すやすやと眠り続けている。
その頭をなで続けていると、丸めていた足を開いて仰向けになった。
うん、寝相悪すぎだなこの猫。
女の子が足をそんなにがばっと開くものじゃありません。
俺はどこを見てればいいんですか?
そんなことを思っている間に、また吉良坂さんが身体を動かし、今度は俺の身体の方に顔を向ける体勢になった。
そうなってしまったら当然なんだけど、吉良坂猫の「すぅ、すぅ」という規則的な寝息が俺の股間にダイレクトに当たって変な悲鳴上げそうだからもう少しこのままにしときますね。
べ、別に吉良坂猫の温かな寝息が気持ちよすぎて癖になったわけじゃないぞ!
こんなにもぐっすりと眠っている吉良坂猫を起こすわけにはいかないから仕方なくだ!
……本当だよ?
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