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おっぱいをかけた戦い
こうして奴隷になりました
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「なななななわけないだろ!」
こいつ梨本! はめやがったな!
「俺は人命救助のためにだなぁ! ってか俺に女子のトイレ好きの性癖はない!」
そう声高に主張すると、梨本さんはきょとんと首を傾げた。
「あれ、音姫ってあなたを対策するために作られた機能なんじゃないの?」
「なわけあるか! ってかそもそも吉良坂さんを襲う気なんてなかったから!」
「女の子が無防備なまま倒れていて襲う気がない? あのね、そんなこと言うのはその女の子に女性としての魅力がないって言ってるようなものよ。帆乃に対して失礼よ」
え、そ、そうなのか?
「なら正直に言うけど、ほんのちょっとだけおっぱいを触ろうかなとかスカートをめくろうかなとか思いました」
「ようやく認めたわね。よこしまな感情を抱いたって。最低な男だわ」
不敵に笑いながら、ポケットからボイスレコーダーを取り出す梨本さん。
まじかこいつ!
「またはめやがったな!」
「はめてなんかないわ。いまのはあなたが勝手にぼろを出しただけよ」
まあ、それはたしかに一理あるけど。だって思ってしまったんだもん! 吉良坂さんにいたずらしたいって! 男子なら誰だって思うよ絶対!
「変態の宮田下くん。早くそこに正座しなさい。この写真をばらまかれてもいいの?」
「……はい」
俺は女子トイレで正座させられる。こうやって脅されてしまえば従うしかない。あの写真がばらまかれたら俺の人生は終了。ただ人助けをしようと思っただけなのに、どうしてこうなった?
「ちょっと臨。私もそこまでは……」
あまりの傍若無人さを見かねたのか、吉良坂さんが助けに入ってくれる。よく言ってくれました吉良坂さん。もうあなたの倫理観と温情だけが頼りです。
「なに言ってるの? もとはといえばこの作戦は帆乃の発案でしょ?」
「それは……」
違ったぁ! 二人はグルだったぁ! ってかそうじゃないと気絶したふりなんかしないし、そこへタイミングよく梨本さんが現れないよね!
あれ?
ってことは今日の梨本さんからの告白もこのための布石? この女子トイレの前を通るよう仕向けられたってこと?
「とにかく、宮田の変態下くん」
宮田の変態下くんってなんだよ。変態の宮田下くんな。いやそれも違うから!
「あなた、この写真がばらまかれたくなかったら、私の言うことを一度だけなんでも聞くこと。いい?」
「なんなりとお申しつけくださいませ」
ここは従うしかない。何度も言うが、無理に歯向かえば写真流出で俺の人生終わり。梨本さんの機嫌を損なえば、命令がどんどんひどいものになっていく可能性だってある。一度だけ、で許してもらえるうちに従順さをアピールしておくべきだ。
「素直でよろしい。じゃあ、私の命令は」
「はい」
「これから、帆乃の言うことになんでも従うこと」
「それは一回とは呼ばないだろ!」
梨本さんは腹黒い一休さんだったんですか?
「え? 私の願いは一度だけよ。国語の勉強した方がいいんじゃない?」
「お前ら二人はグルなんだから、吉良坂さんに従うイコール梨本さんに従うってことじゃないか!」
「ナニソレイミワカンナイ」
「ヘーイ〇リ……じゃねぇよ! アレ〇サとも話してねぇよ」
「そうだよ臨。私はこんなこと別に」
「帆乃!」
梨本さんが吉良坂さんの方を向き、これまでで一番真剣な声を出した。
「あなたの望みはなに?」
吉良坂さんがごくりと息をのむ。「私の、望みは……」そう呟いた吉良坂さんは、「ああー」と頭をガシガシと書いてから、俺をピッと指差す。
「そう。これは私が仕組んだの。あなたに言うことを聞いてもらうために。あなたはいまから私の奴隷、です」
普段大人しい人ほどやばい本性を持っているっていうけど、本当にその通りだったよぉ! 吉良坂さんの願いは独裁国家を作ることだったのか! それか拷問が趣味なのかもしれない。
「とりあえず明日の放課後、一人で理科準備室に来ること。拒否権はない、です」
「帆乃……あんたは……」
梨本さんががっくりとうなだれているが、そんなのいまはどうだっていい! だって俺の人権が剥奪されたんですよ!
「ああ、こんなことなら梨本さんの奴隷にされる方がましだったよ」
まだ梨本さんの方が常識を持っていそうな気がする。
普通にヤバイ奴は実は真面目って言うからね。
「え? 臨の方が? ってことは宮田下君って臨のことが……」
「ちょっと変態下これ以上変なこと喋るな!」
こうして俺は、思い切り梨本さんのローキックを右頬にくらいましたとさ。
こいつ梨本! はめやがったな!
「俺は人命救助のためにだなぁ! ってか俺に女子のトイレ好きの性癖はない!」
そう声高に主張すると、梨本さんはきょとんと首を傾げた。
「あれ、音姫ってあなたを対策するために作られた機能なんじゃないの?」
「なわけあるか! ってかそもそも吉良坂さんを襲う気なんてなかったから!」
「女の子が無防備なまま倒れていて襲う気がない? あのね、そんなこと言うのはその女の子に女性としての魅力がないって言ってるようなものよ。帆乃に対して失礼よ」
え、そ、そうなのか?
「なら正直に言うけど、ほんのちょっとだけおっぱいを触ろうかなとかスカートをめくろうかなとか思いました」
「ようやく認めたわね。よこしまな感情を抱いたって。最低な男だわ」
不敵に笑いながら、ポケットからボイスレコーダーを取り出す梨本さん。
まじかこいつ!
「またはめやがったな!」
「はめてなんかないわ。いまのはあなたが勝手にぼろを出しただけよ」
まあ、それはたしかに一理あるけど。だって思ってしまったんだもん! 吉良坂さんにいたずらしたいって! 男子なら誰だって思うよ絶対!
「変態の宮田下くん。早くそこに正座しなさい。この写真をばらまかれてもいいの?」
「……はい」
俺は女子トイレで正座させられる。こうやって脅されてしまえば従うしかない。あの写真がばらまかれたら俺の人生は終了。ただ人助けをしようと思っただけなのに、どうしてこうなった?
「ちょっと臨。私もそこまでは……」
あまりの傍若無人さを見かねたのか、吉良坂さんが助けに入ってくれる。よく言ってくれました吉良坂さん。もうあなたの倫理観と温情だけが頼りです。
「なに言ってるの? もとはといえばこの作戦は帆乃の発案でしょ?」
「それは……」
違ったぁ! 二人はグルだったぁ! ってかそうじゃないと気絶したふりなんかしないし、そこへタイミングよく梨本さんが現れないよね!
あれ?
ってことは今日の梨本さんからの告白もこのための布石? この女子トイレの前を通るよう仕向けられたってこと?
「とにかく、宮田の変態下くん」
宮田の変態下くんってなんだよ。変態の宮田下くんな。いやそれも違うから!
「あなた、この写真がばらまかれたくなかったら、私の言うことを一度だけなんでも聞くこと。いい?」
「なんなりとお申しつけくださいませ」
ここは従うしかない。何度も言うが、無理に歯向かえば写真流出で俺の人生終わり。梨本さんの機嫌を損なえば、命令がどんどんひどいものになっていく可能性だってある。一度だけ、で許してもらえるうちに従順さをアピールしておくべきだ。
「素直でよろしい。じゃあ、私の命令は」
「はい」
「これから、帆乃の言うことになんでも従うこと」
「それは一回とは呼ばないだろ!」
梨本さんは腹黒い一休さんだったんですか?
「え? 私の願いは一度だけよ。国語の勉強した方がいいんじゃない?」
「お前ら二人はグルなんだから、吉良坂さんに従うイコール梨本さんに従うってことじゃないか!」
「ナニソレイミワカンナイ」
「ヘーイ〇リ……じゃねぇよ! アレ〇サとも話してねぇよ」
「そうだよ臨。私はこんなこと別に」
「帆乃!」
梨本さんが吉良坂さんの方を向き、これまでで一番真剣な声を出した。
「あなたの望みはなに?」
吉良坂さんがごくりと息をのむ。「私の、望みは……」そう呟いた吉良坂さんは、「ああー」と頭をガシガシと書いてから、俺をピッと指差す。
「そう。これは私が仕組んだの。あなたに言うことを聞いてもらうために。あなたはいまから私の奴隷、です」
普段大人しい人ほどやばい本性を持っているっていうけど、本当にその通りだったよぉ! 吉良坂さんの願いは独裁国家を作ることだったのか! それか拷問が趣味なのかもしれない。
「とりあえず明日の放課後、一人で理科準備室に来ること。拒否権はない、です」
「帆乃……あんたは……」
梨本さんががっくりとうなだれているが、そんなのいまはどうだっていい! だって俺の人権が剥奪されたんですよ!
「ああ、こんなことなら梨本さんの奴隷にされる方がましだったよ」
まだ梨本さんの方が常識を持っていそうな気がする。
普通にヤバイ奴は実は真面目って言うからね。
「え? 臨の方が? ってことは宮田下君って臨のことが……」
「ちょっと変態下これ以上変なこと喋るな!」
こうして俺は、思い切り梨本さんのローキックを右頬にくらいましたとさ。
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