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第6章 6 絶世の美女と真実の愛
本気を出してなかっただけ
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「だってそうでしょう」
ムキになったオリョウが言い返してくる。
「あなたはおっぱいを凝視しているのに私には惚れていない。つまり私ではなく大きなおっぱいそのものに見惚れていた。誰のでもいいのよ。大きなおっぱいが好きなだけなのよ。スカートの中をのぞこうとしたのも、単に女性のスカートの中をのぞきたかっただけ。つまりあなたは、ただの巨乳大好きエロ大魔神なのよ!」
「そんな称号貰うくらいなら引きこもり様って呼ばれた方がましだな!」
俺がそうツッコんだときだった。
「誠道さ――いえ、巨乳大好きエロ大魔神さん。誰のおっぱいでもいいなんて、正直かなり引いてますし、かなりショックです」
後方から声がしたので振り返ると、観客席の最前列にごみを見るような目をしたミライが立っていた。
その隣には聖ちゃんもいて。
「誠道さん。あなたの睾丸はもうないものだと思ってください。そんなに巨乳がいいんですか! そもそも私はまだ成長する余地を残していますからね!」
そういや、監視の目を盗んで潜入できるなら潜入するって言ってたんだっけ。
でもなんでこんな最悪なタイミングなんだよ!
「違うんだ二人とも! これはこいつのただの妄言で」
「妄言? 真実に決まってるじゃない」
ミライと聖ちゃんに弁明しようとしていたのに、オリョウがそれを阻止しやがった。
「二人とも! こいつは敵なんだ! こいつの言葉を信じちゃいけない! 全部嘘なんだ!」
「私だってこんなこと信じたくはないのよ!」
オリョウがこめかみを押さえながら叫ぶ。
また胸の中央に手を添えてもだえ苦しみ出す。
「私だってわけがわからないの。この胸の中にふつふつと湧き上がってきた、狂おしくも愛おしい感情が説明できないんだから!」
ん?
なんか、オリョウが変なことを言い出しはじめたぞ。
流れが変わったな!
「だって、私は絶世の美女で、スタイルも抜群。そんな私に見惚れない男なんていなかった。私に見惚れない人は、悔しいけど……この男がはじめてなの」
オリョウは頭を抱えてうずくまる。
「私にとって、男を惚れさせるのなんて簡単だった。すべての男を惚れさせて、意のままに操ることができたから……ずっと虚しかったの。どいつもこいつも単純すぎて、本当の恋なんて無理だと思って、お金だけが私のすべてになっていたのに!」
突然動きを止めたオリョウが、ゆっくりと顔を上げる。
「なに、この感情は」
オリョウの頬はピンク色に染まっていた。
とろんとした目で俺のことを見ている。
女の顔、というより純情な乙女の顔だ。
「こんなの、はじめて」
えっと、あの、これってもしかして。
これまで恋愛経験皆無――恋愛経験に乏しかった俺でもわかる。
こいつは、俺の目の前にいる絶世の美女、ゼイ・ダッツ・オリョウは。
「私の心をこんなにも乱す男はあなたがはじめてなの! 石川誠道くん!」
ヤバい。
マジでマジでマジで?
「本当にわけがわからないけれど、私も私の心がわからないけど、私はあなたに惚れちゃったみたいなの!」
「ひゃっほーーーーーーい!!」
なぜかわからないけど、絶世の美女に告白される俺。
惚れられている俺。
こんなのテンション爆上がりだよね。
ついに俺の真の実力が顕現しちゃったか。
俺が本気を出せば、絶世の美女を惚れさせることなんて、昼夜逆転生活を送ることより簡単なんだよなぁ。
俺はこれまで本気を出していなかっただけなんだよなぁ。
ムキになったオリョウが言い返してくる。
「あなたはおっぱいを凝視しているのに私には惚れていない。つまり私ではなく大きなおっぱいそのものに見惚れていた。誰のでもいいのよ。大きなおっぱいが好きなだけなのよ。スカートの中をのぞこうとしたのも、単に女性のスカートの中をのぞきたかっただけ。つまりあなたは、ただの巨乳大好きエロ大魔神なのよ!」
「そんな称号貰うくらいなら引きこもり様って呼ばれた方がましだな!」
俺がそうツッコんだときだった。
「誠道さ――いえ、巨乳大好きエロ大魔神さん。誰のおっぱいでもいいなんて、正直かなり引いてますし、かなりショックです」
後方から声がしたので振り返ると、観客席の最前列にごみを見るような目をしたミライが立っていた。
その隣には聖ちゃんもいて。
「誠道さん。あなたの睾丸はもうないものだと思ってください。そんなに巨乳がいいんですか! そもそも私はまだ成長する余地を残していますからね!」
そういや、監視の目を盗んで潜入できるなら潜入するって言ってたんだっけ。
でもなんでこんな最悪なタイミングなんだよ!
「違うんだ二人とも! これはこいつのただの妄言で」
「妄言? 真実に決まってるじゃない」
ミライと聖ちゃんに弁明しようとしていたのに、オリョウがそれを阻止しやがった。
「二人とも! こいつは敵なんだ! こいつの言葉を信じちゃいけない! 全部嘘なんだ!」
「私だってこんなこと信じたくはないのよ!」
オリョウがこめかみを押さえながら叫ぶ。
また胸の中央に手を添えてもだえ苦しみ出す。
「私だってわけがわからないの。この胸の中にふつふつと湧き上がってきた、狂おしくも愛おしい感情が説明できないんだから!」
ん?
なんか、オリョウが変なことを言い出しはじめたぞ。
流れが変わったな!
「だって、私は絶世の美女で、スタイルも抜群。そんな私に見惚れない男なんていなかった。私に見惚れない人は、悔しいけど……この男がはじめてなの」
オリョウは頭を抱えてうずくまる。
「私にとって、男を惚れさせるのなんて簡単だった。すべての男を惚れさせて、意のままに操ることができたから……ずっと虚しかったの。どいつもこいつも単純すぎて、本当の恋なんて無理だと思って、お金だけが私のすべてになっていたのに!」
突然動きを止めたオリョウが、ゆっくりと顔を上げる。
「なに、この感情は」
オリョウの頬はピンク色に染まっていた。
とろんとした目で俺のことを見ている。
女の顔、というより純情な乙女の顔だ。
「こんなの、はじめて」
えっと、あの、これってもしかして。
これまで恋愛経験皆無――恋愛経験に乏しかった俺でもわかる。
こいつは、俺の目の前にいる絶世の美女、ゼイ・ダッツ・オリョウは。
「私の心をこんなにも乱す男はあなたがはじめてなの! 石川誠道くん!」
ヤバい。
マジでマジでマジで?
「本当にわけがわからないけれど、私も私の心がわからないけど、私はあなたに惚れちゃったみたいなの!」
「ひゃっほーーーーーーい!!」
なぜかわからないけど、絶世の美女に告白される俺。
惚れられている俺。
こんなのテンション爆上がりだよね。
ついに俺の真の実力が顕現しちゃったか。
俺が本気を出せば、絶世の美女を惚れさせることなんて、昼夜逆転生活を送ることより簡単なんだよなぁ。
俺はこれまで本気を出していなかっただけなんだよなぁ。
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