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第6章 5 目指せ! 敗北!
数多の試練を乗り越えて
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「すみません」
「はい。どうなさいました?」
美人の受付嬢が俺を見上げる。
「この、勝者はハーレ……」
大会名を言いかけて……なんか急に恥ずかしくなった。
いや、なんで美人のお姉さんの前で、こんな変態的な大会名を言わなきゃいけないんだ?
「……えっと、その、ここで行われる大会に参加をしたくて」
「ここで行われる大会とは?」
美人の受付嬢さんが聞き返してくる。
いや、お前は受付嬢なんだから言われなくたってわかるだろ!
なんで参加するだけで辱めを受けなきゃいけないんだ……はっ!
そういうことか!
俺はすべてを悟った。
これは、参加者をふるいにかける、第一の試練なんだ。
えっちな気配のする大会名を、美人のお姉さんの前で言わなければいけないという辱めに耐えられるほどの精神力を持っているかを、大会の主催者は試しているんだ!
だったら、ここは堂々と言うのが正解だろう。
俺は小さく息を吐いて、美人の受付嬢さんをまっすぐ見て、力強く宣言した。
「『勝者はハーレム確定? 美女にあーんなことやこーんなこと、なんでも好きなことができる? ドキドキ、真夏のラッキーボーイ決定戦!』に参加したいんですが」
「かっ、かしこまっ、ふふっ……りました」
あれぇ。
なんか受付嬢さんめちゃくちゃ笑いこらえてるんですけど。
もしかいしてただ俺をいじってバカにするために、わざと大会名を言わせたって……そんなわけないだろ!
これは絶対に第一の試練なんだ!
控室に戻った途端、他の受付嬢に腹を抱えながら俺のことを話す姿なんか想像してたまるか!
もう試練だと思わないと、心がどうにかなるから都合よくそう思い込むぞ!
「ごほっ、ごほっ。すみません。少々、気管に息が詰まってしまって」
咳ばらいをした受付嬢さんが、軽く頭を下げる。
ほらね!
俺のことを笑ったわけじゃなかったんだ!
受付嬢さんは淡々とつづける。
「一度エントリーされると、出場辞退する際には百那由多リスズをお支払いいただきますが、よろしいですか?」
「ひゃ、ひゃくなゆた?」
って、どれくらい?
なんかすごい高いってことはわかるけど、那由多ってなんかかわいい女の子の名前みたいだな。
そういや、イツモフさんの技名にもあったような……。
「どうしますか、それでもエントリーなさいますか?」
「当然です。俺は俺の強さをたしかめにきたんですから」
声を大にして宣言する。
きっとこれは第二の試練だ。
百那由多と聞いて怯まないかどうかをたしかめているのだ。
「なるほど。あなたは優勝してハーレムを築き、自身の性欲の強さをたしかめたいのですね」
「ああそうだ――――そんなわけないだろ!」
思わず肯定してしまうところだった。
「俺がたしかめたいのはそんな強さじゃねぇ!」
ったく、強いやつと戦いたいっていう俺の純然たる好奇心をバカにするんじゃねぇ。
その後、エントリー用紙に名前を記入して、無事に『勝者はハーレム確定? 美女にあーんなことやこーんなこと、なんでも好きなことができる? ドキドキ、真夏のラッキーボーイ決定戦!』に参加することができた。
手の甲に参加資格者の魔法陣を刻印してもらい、ちょっとテンションが上がる。
罰金の百を那由多払わずに参加を辞退すると体が爆発する、正確には百那由多を払わずに会場から五キロ離れると爆発するという魔法がかけられたらしいが、辞退するなんてありえないからどうでもいいね。
「はい。どうなさいました?」
美人の受付嬢が俺を見上げる。
「この、勝者はハーレ……」
大会名を言いかけて……なんか急に恥ずかしくなった。
いや、なんで美人のお姉さんの前で、こんな変態的な大会名を言わなきゃいけないんだ?
「……えっと、その、ここで行われる大会に参加をしたくて」
「ここで行われる大会とは?」
美人の受付嬢さんが聞き返してくる。
いや、お前は受付嬢なんだから言われなくたってわかるだろ!
なんで参加するだけで辱めを受けなきゃいけないんだ……はっ!
そういうことか!
俺はすべてを悟った。
これは、参加者をふるいにかける、第一の試練なんだ。
えっちな気配のする大会名を、美人のお姉さんの前で言わなければいけないという辱めに耐えられるほどの精神力を持っているかを、大会の主催者は試しているんだ!
だったら、ここは堂々と言うのが正解だろう。
俺は小さく息を吐いて、美人の受付嬢さんをまっすぐ見て、力強く宣言した。
「『勝者はハーレム確定? 美女にあーんなことやこーんなこと、なんでも好きなことができる? ドキドキ、真夏のラッキーボーイ決定戦!』に参加したいんですが」
「かっ、かしこまっ、ふふっ……りました」
あれぇ。
なんか受付嬢さんめちゃくちゃ笑いこらえてるんですけど。
もしかいしてただ俺をいじってバカにするために、わざと大会名を言わせたって……そんなわけないだろ!
これは絶対に第一の試練なんだ!
控室に戻った途端、他の受付嬢に腹を抱えながら俺のことを話す姿なんか想像してたまるか!
もう試練だと思わないと、心がどうにかなるから都合よくそう思い込むぞ!
「ごほっ、ごほっ。すみません。少々、気管に息が詰まってしまって」
咳ばらいをした受付嬢さんが、軽く頭を下げる。
ほらね!
俺のことを笑ったわけじゃなかったんだ!
受付嬢さんは淡々とつづける。
「一度エントリーされると、出場辞退する際には百那由多リスズをお支払いいただきますが、よろしいですか?」
「ひゃ、ひゃくなゆた?」
って、どれくらい?
なんかすごい高いってことはわかるけど、那由多ってなんかかわいい女の子の名前みたいだな。
そういや、イツモフさんの技名にもあったような……。
「どうしますか、それでもエントリーなさいますか?」
「当然です。俺は俺の強さをたしかめにきたんですから」
声を大にして宣言する。
きっとこれは第二の試練だ。
百那由多と聞いて怯まないかどうかをたしかめているのだ。
「なるほど。あなたは優勝してハーレムを築き、自身の性欲の強さをたしかめたいのですね」
「ああそうだ――――そんなわけないだろ!」
思わず肯定してしまうところだった。
「俺がたしかめたいのはそんな強さじゃねぇ!」
ったく、強いやつと戦いたいっていう俺の純然たる好奇心をバカにするんじゃねぇ。
その後、エントリー用紙に名前を記入して、無事に『勝者はハーレム確定? 美女にあーんなことやこーんなこと、なんでも好きなことができる? ドキドキ、真夏のラッキーボーイ決定戦!』に参加することができた。
手の甲に参加資格者の魔法陣を刻印してもらい、ちょっとテンションが上がる。
罰金の百を那由多払わずに参加を辞退すると体が爆発する、正確には百那由多を払わずに会場から五キロ離れると爆発するという魔法がかけられたらしいが、辞退するなんてありえないからどうでもいいね。
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