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第6章 3 クラーケンの倒し方
伝説の漁師? 詐欺師?
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そんなこんなで翌日、俺とミライとイツモフさんは、三人で海が遠くまで見渡せる崖の上に来ていた。
さすがに危険ということで、ジツハフくんはお留守番だ。
「ん? でもどうやってクラーケンに近づくんだ?」
クラーケンがいるのはずっと沖の方。
しかも警戒心が強く、ちょっとやそっとのことでは近づいてこない。
さすがに俺も海の中では戦えないし、危険だと知った上でクラーケンのいるところまで船を出してくれる、向こう見ずな人もいないだろうし。
「そこは心配しなくて大丈夫です」
イツモフさんはにやりと不敵に笑った。
あくどいことを思いついた詐欺師のようなほくそ笑み方に、俺は不安を覚えずにはいられない。
「相手の得意フィールドである海上で戦うなんて、私はそんなバカな真似はしません」
「じゃあどうするんだよ?」
「クラーケンをここまでおびき寄せるのです」
「だからさ、クラーケンは警戒心が強いんだろ? そんな魔物がわざわざ自分から、しかも自分の得意フィールドから離れてくれるわけないだろ」
「秘策があるんですよ」
「秘策?」
オウム返しで聞き返すと、イツモフさんはすでに勝利を確信したかのように口角を吊り上げた。
よほど自信があるのだろう。
まあ、そうじゃなければクラーケンと戦うなんて、そんなこと言いださないか。
「クラーケンと言えばイカ! イカと言えば釣り! ということで今回は凄腕のプロ釣り師にクラーケンを釣ってもらうのです!」
「バカな真似じゃなくて正真正銘のバカだろ! あんな巨大なクラーケンが釣れるわけねぇだろうが」
はぁ。
一回でもイツモフさんの言うことを信じた俺がバカでした。
「ちっちっちっ。釣れるわけがない? 私が呼んだプロをそんじょそこらのプロと一緒にしないでください」
イツモフさんは探偵が推理を披露しているかのように得意げにしゃべりながら、円を描くように歩いている。
イツモフさんが釣るわけじゃないのに、どうしてイツモフさんがそんなに自信満々なのか。
「今回私が呼んだプロは、釣ることに対して命を懸けたと言っても過言ではないお方なんです! こんなクラーケンなんか朝飯前でしょう」
「……ほぉ」
なんか、ちょっとだけなら信じてみてもいいかなという思いが、また俺の中に生まれていた。
命を懸けたと言い切ってほしい気持ちはあったが、イツモフさんがここまで言うなら信頼できるかもしれない。
日本にだって、巨大マグロを一本釣りして生計を立てている漁師がいるもんね。
だったら異世界にも、巨大なクラーケンを簡単に釣ることのできるプロフェッショナル漁師がいても、おかしくはない。
「では、その超プロフェッショナルな方に満を持して登場していただきましょう」
イツモフさんがおもむろに歩みを止めた。
「今回、私がお呼びしたプロの釣り師がこちらです! どうぞ!」
高らかに宣言して期待感をあおった後、体を開いて近くにあった大きな木を指さす。
その大きな木の陰から出てきたのは。
「どうもー、みんなのプリチーアイドルのホンアちゃんでーす! きゃぴきゃぴっ!」
「いやなんでホンアちゃんなんだよ!」
「私の魅力で、みんなのこといっぱい釣っちゃうぞ。ずきゅーん!」
「そういう意味の釣り師かよ! 俺たちは謎かけをしに来てんじゃねぇからな!」
もはや頭を抱えるしかない。
魚を釣るじゃなくてファンを釣るって意味ね。
ここは浅草の寄席ですか?
なんてしょうもない言葉遊びなんだ。
さすがに危険ということで、ジツハフくんはお留守番だ。
「ん? でもどうやってクラーケンに近づくんだ?」
クラーケンがいるのはずっと沖の方。
しかも警戒心が強く、ちょっとやそっとのことでは近づいてこない。
さすがに俺も海の中では戦えないし、危険だと知った上でクラーケンのいるところまで船を出してくれる、向こう見ずな人もいないだろうし。
「そこは心配しなくて大丈夫です」
イツモフさんはにやりと不敵に笑った。
あくどいことを思いついた詐欺師のようなほくそ笑み方に、俺は不安を覚えずにはいられない。
「相手の得意フィールドである海上で戦うなんて、私はそんなバカな真似はしません」
「じゃあどうするんだよ?」
「クラーケンをここまでおびき寄せるのです」
「だからさ、クラーケンは警戒心が強いんだろ? そんな魔物がわざわざ自分から、しかも自分の得意フィールドから離れてくれるわけないだろ」
「秘策があるんですよ」
「秘策?」
オウム返しで聞き返すと、イツモフさんはすでに勝利を確信したかのように口角を吊り上げた。
よほど自信があるのだろう。
まあ、そうじゃなければクラーケンと戦うなんて、そんなこと言いださないか。
「クラーケンと言えばイカ! イカと言えば釣り! ということで今回は凄腕のプロ釣り師にクラーケンを釣ってもらうのです!」
「バカな真似じゃなくて正真正銘のバカだろ! あんな巨大なクラーケンが釣れるわけねぇだろうが」
はぁ。
一回でもイツモフさんの言うことを信じた俺がバカでした。
「ちっちっちっ。釣れるわけがない? 私が呼んだプロをそんじょそこらのプロと一緒にしないでください」
イツモフさんは探偵が推理を披露しているかのように得意げにしゃべりながら、円を描くように歩いている。
イツモフさんが釣るわけじゃないのに、どうしてイツモフさんがそんなに自信満々なのか。
「今回私が呼んだプロは、釣ることに対して命を懸けたと言っても過言ではないお方なんです! こんなクラーケンなんか朝飯前でしょう」
「……ほぉ」
なんか、ちょっとだけなら信じてみてもいいかなという思いが、また俺の中に生まれていた。
命を懸けたと言い切ってほしい気持ちはあったが、イツモフさんがここまで言うなら信頼できるかもしれない。
日本にだって、巨大マグロを一本釣りして生計を立てている漁師がいるもんね。
だったら異世界にも、巨大なクラーケンを簡単に釣ることのできるプロフェッショナル漁師がいても、おかしくはない。
「では、その超プロフェッショナルな方に満を持して登場していただきましょう」
イツモフさんがおもむろに歩みを止めた。
「今回、私がお呼びしたプロの釣り師がこちらです! どうぞ!」
高らかに宣言して期待感をあおった後、体を開いて近くにあった大きな木を指さす。
その大きな木の陰から出てきたのは。
「どうもー、みんなのプリチーアイドルのホンアちゃんでーす! きゃぴきゃぴっ!」
「いやなんでホンアちゃんなんだよ!」
「私の魅力で、みんなのこといっぱい釣っちゃうぞ。ずきゅーん!」
「そういう意味の釣り師かよ! 俺たちは謎かけをしに来てんじゃねぇからな!」
もはや頭を抱えるしかない。
魚を釣るじゃなくてファンを釣るって意味ね。
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なんてしょうもない言葉遊びなんだ。
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