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第5章 1 私はぷりちーアイドル!
ホンアちゃんの思惑
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「そう、ですか」
力が抜けたのか、崩れ落ちるようにして椅子に座るホンアちゃん。
「でもさ、ホンアちゃん。そもそもこっちの世界もアイドルって恋愛禁止なんでしょ? ファンを裏切るのはよくないと思うけど」
「恋愛禁止……ではありませんが、そういう風潮ですね。でも、そんなのどうでもいいんです」
いままでの猫なで声ではなく、ものすごく低い声で呟くホンアちゃん。
「私はアイドルである間に、絶対に、ファンのみんなに隠れて彼氏を作りたかったんです」
机に突っ伏して、わんわん泣きはじめるホンアちゃん。
あれれー、このクソアイドルものすごい爆弾発言したんですけどー。
一瞬にして俺の中の恋のバキュームーカーが廃車になっちゃった。
俺が告白を断ったことで女の子が傷心して泣いているのに、全然同情もできないし、後悔もしてねぇ。
こんな不誠実なアイドル、こっちからお断りだよ!!
「物語の中のぶりっ子アイドルには必ず裏があるってのは常識だけどさぁ、ホンアちゃんだけは信じたかったよ!」
「なに言ってるんですか? 物語の中だけではなく現実のぶりっ子アイドルには必ず裏があります。あと、すべてのアイドルはプロヂューサーかイケメン俳優とPでPのPしてます」
「お願いだからその夢だけは守らせてぇ。お願いしますなんでもしますからぁ」
なぜか俺も机に突っ伏して泣きたい気持ちなんだけど。
いま、地球で活躍している全アイドルに次ぐ。
お願いだからスキャンダルだけは止めてくれよ。
若い子なんだから恋愛して当然だって意見もわかるけど、アイドルが恋愛禁止だとわかった上でアイドルを目指したって事実もあるからな。
ホンアちゃんはなおもわめきつづけている。
「なんで、どうしてつき合ってくれないんですかぁ。私はこんなにぷりちーなのに。私の彼氏になれば、私のファンたちを『こいつに彼氏がいるとも知らずに、人の彼女に散財してやがるぜ……』って心の底から侮蔑してバカにして優越感に浸ることができるのにぃ。私も、私のことを身を削って応援している人たちのことを、心の中でバカにしながら心の底から笑顔で歌って踊れるのにぃ」
「こいつ本性出しやがったな。相当なクズじゃねぇか。お前のために俺に突っかかってきたあのファンの男に土下座して謝れよ!」
「どうしてぇ。ファンに隠れて別の男と交際してるって背徳感がほしくてアイドルになったのにぃ。ここまで頑張って有名になったのにぃ」
「頑張る理由が不純すぎるぞてめぇ!」
ああ、ホンアちゃんのことをもうてめぇって呼びはじめてるけどいいよね?
相手は人間のクズなんだから、呼び方に気を使う必要はないよね?
「それに、石川誠道さんはプータロー引きこもりじゃないですか。だからこそ私の彼氏に最適だと思って選んだのにぃ」
「なんで引きこもりが最適なんだよ。そんなわけねぇだろ! 引きこもりとつき合いたいやつなんていねぇわ!」
「誠道さん。勢い余って自分で自分を突き刺してます」
「…………俺もいま気がついたわ」
ミライに指摘されてようやく気づく。
なんか、人から言われるよりも胸が痛いです。
「もしかして誠道さん」
「なんだよミライ」
「いまのって高度な自家発電ですか? ドMが進化して、自分で自分を傷つけて興奮してたんですか? それを女性二人の前でやることで、さらに興奮度が増すという」
「なわけねぇだろ!」
「そんなに溜まってるなら言ってくださいよ。いつでも鞭で縛る準備ならできてますから」
「だから人の話を聞けぇ!」
あとホンアちゃんが俺を下卑た目で見て、ガチで引いてるんですけど。
「やっぱり彼氏役、頼むのやめようかなぁ。プータロー引きこもりな上にドMで、しかも他人の前で自家発電って……石川さんがここまで人間のクズだとは」
「てめぇだけには言われたくねぇよ!」
力が抜けたのか、崩れ落ちるようにして椅子に座るホンアちゃん。
「でもさ、ホンアちゃん。そもそもこっちの世界もアイドルって恋愛禁止なんでしょ? ファンを裏切るのはよくないと思うけど」
「恋愛禁止……ではありませんが、そういう風潮ですね。でも、そんなのどうでもいいんです」
いままでの猫なで声ではなく、ものすごく低い声で呟くホンアちゃん。
「私はアイドルである間に、絶対に、ファンのみんなに隠れて彼氏を作りたかったんです」
机に突っ伏して、わんわん泣きはじめるホンアちゃん。
あれれー、このクソアイドルものすごい爆弾発言したんですけどー。
一瞬にして俺の中の恋のバキュームーカーが廃車になっちゃった。
俺が告白を断ったことで女の子が傷心して泣いているのに、全然同情もできないし、後悔もしてねぇ。
こんな不誠実なアイドル、こっちからお断りだよ!!
「物語の中のぶりっ子アイドルには必ず裏があるってのは常識だけどさぁ、ホンアちゃんだけは信じたかったよ!」
「なに言ってるんですか? 物語の中だけではなく現実のぶりっ子アイドルには必ず裏があります。あと、すべてのアイドルはプロヂューサーかイケメン俳優とPでPのPしてます」
「お願いだからその夢だけは守らせてぇ。お願いしますなんでもしますからぁ」
なぜか俺も机に突っ伏して泣きたい気持ちなんだけど。
いま、地球で活躍している全アイドルに次ぐ。
お願いだからスキャンダルだけは止めてくれよ。
若い子なんだから恋愛して当然だって意見もわかるけど、アイドルが恋愛禁止だとわかった上でアイドルを目指したって事実もあるからな。
ホンアちゃんはなおもわめきつづけている。
「なんで、どうしてつき合ってくれないんですかぁ。私はこんなにぷりちーなのに。私の彼氏になれば、私のファンたちを『こいつに彼氏がいるとも知らずに、人の彼女に散財してやがるぜ……』って心の底から侮蔑してバカにして優越感に浸ることができるのにぃ。私も、私のことを身を削って応援している人たちのことを、心の中でバカにしながら心の底から笑顔で歌って踊れるのにぃ」
「こいつ本性出しやがったな。相当なクズじゃねぇか。お前のために俺に突っかかってきたあのファンの男に土下座して謝れよ!」
「どうしてぇ。ファンに隠れて別の男と交際してるって背徳感がほしくてアイドルになったのにぃ。ここまで頑張って有名になったのにぃ」
「頑張る理由が不純すぎるぞてめぇ!」
ああ、ホンアちゃんのことをもうてめぇって呼びはじめてるけどいいよね?
相手は人間のクズなんだから、呼び方に気を使う必要はないよね?
「それに、石川誠道さんはプータロー引きこもりじゃないですか。だからこそ私の彼氏に最適だと思って選んだのにぃ」
「なんで引きこもりが最適なんだよ。そんなわけねぇだろ! 引きこもりとつき合いたいやつなんていねぇわ!」
「誠道さん。勢い余って自分で自分を突き刺してます」
「…………俺もいま気がついたわ」
ミライに指摘されてようやく気づく。
なんか、人から言われるよりも胸が痛いです。
「もしかして誠道さん」
「なんだよミライ」
「いまのって高度な自家発電ですか? ドMが進化して、自分で自分を傷つけて興奮してたんですか? それを女性二人の前でやることで、さらに興奮度が増すという」
「なわけねぇだろ!」
「そんなに溜まってるなら言ってくださいよ。いつでも鞭で縛る準備ならできてますから」
「だから人の話を聞けぇ!」
あとホンアちゃんが俺を下卑た目で見て、ガチで引いてるんですけど。
「やっぱり彼氏役、頼むのやめようかなぁ。プータロー引きこもりな上にドMで、しかも他人の前で自家発電って……石川さんがここまで人間のクズだとは」
「てめぇだけには言われたくねぇよ!」
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