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第4章 2 激闘勃発マンティコア!
お楽しみタイム
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俺たちはいま、豪華にライトアップされた猫族の里の中心街を歩いている。
テツカさんが帰ったあと、コハクちゃんに、
「せっかくここまで来たんですから、私たちのことは気にせず、ぜひ猫族の里を楽しんでください」
と言われたのだ。
俺としては、とてもじゃないけどなにかを楽しめるような気分ではなかったのだが、かといってコハクちゃんのそばにいつづけてもなにもできない。
無言がつづいて空気が重くなるだけだと思ったので、お言葉に甘えてミライとマーズと外に出かけることにした。
きっと、ミライもマーズも俺と同じ気持ちだったのだろう。
「人、すくねぇな」
営業している店は煌びやかにライトアップされているのに、その明るさが虚しいと感じてしまうほど、人通りはまばらだった。
シャッターが閉じられたままの店も多い。
本当にここがメインストリートなのだろうか。
さっきマーズが、猫族の里が観光地として廃れた原因を作ったマンティコアを倒してくれたが、その事実が広まるのにはまだまだ時間がかかるだろう。
「誠道くん。ちょっとお話があるのだけど、いいかしら」
先ほどから、なにやら難しい顔をして考え込んでいたマーズが不意に立ち止まる。
俺もミライなにごとかと足を止めた。
話って……やっぱりコハクちゃんのことだろうか。
マーズは俺の前に立つと、俺の手首をギュッと握った。
「誠道くん。あなたはいますぐキャバクラにいくべきよ!」
「なんだそりゃ! 緊張して損したわ! 金がないからいけないんだよ!」
たしかにさっきから、数少ない観光客である俺たちに、客引きがばんばん声をかけてきているけども。
だか、あいにく俺はキャバクラにいくことはできない。
そういう気分じゃないってこともあるし、なにより俺を支援するはずのメイドが作った借金が頭をちらついて仕方ないからだ。
だってそういう店って、お高いんでしょう。
よくそういう店でバカな客がぼったくられてるのを、ニュースで見たことあるし
現実の女ほど怖いものはないよ。
「お金のことなら心配しないでいいわ」
俺の不安を見透かしたようにマーズがポンと胸を叩く。
「ここは私が全額払ってあげるから」
「……え、本当に?」
「ええ、本当よ」
「だったら、仕方がないか」
マーズがどうしても俺にキャバクラにいってほしいなら、本当に仕方がないけど、乗り気はしないけど、いくしかないな。
こういうときの謙遜は罪だ。
素直に奢られてあげて、年上の人間をたてるのも年下の立派な責務だ。
「誠道さん! キャバクラなんてそんな場所にいかなくてもここに美少女メイドの私が」
「わかったよ。マーズがそこまで言うなら俺、キャバクラにいくよ」
慌てるミライを無視して、俺はマーズとがっちり握手を交わす。
「ただし、私が奢るにはひとつだけ条件があるの」
マーズの目がキラリと不気味に光る。
「……条件? いったいなんだよ」
「誠道さん! マーズさんの話に惑わされないでください!」
「誠道くんがキャバクラにいっている間、私はミライさんをお借りしてもいいかしら?」
「なんだそんなことか。好きなだけ連れ回してくれ」
「即断即決で売られたっ! 人身売買反対! 誠道さん考え直してください!」
「ありがとう、誠道くん。これで許可はもらったから…………ではミライさん、今宵は私と一緒にねっとりと楽しみま」
「こうなったら最後の手段です。もちろん私も誠道さんにお供してキャバクラにいきます」
ミライががっちり握手している俺とマーズの手を引き離した。
「なんでだよ。キャバクラだぞ? いくならせめてホストクラブにいけよ」
「ホストクラブになんていきません。あそこは中身がスカスカなナルシストが同じく中身がスカスカなバカ客の金をむしり取る、バカのバカのによるバカのための営業形態なんですから!」
「それ以上言うのはやめろ! 真剣にホストやってるやつもいるんだよ!」
ミライが不満げに頬を膨らませているが、多方面に喧嘩を売るのはやめてね。
「ってかそれ俺が中身がスカスカだって言ってねぇか? ホストクラブもキャバクラも変わらないからね!」
「そんなことはどうでもいいんです」
「いやよくないだろ」
「とにかく私は、こんな貧乏なのか裕福なのかわからない名前の女と一緒に一晩すごすなんてまっぴらごめんです。私は誠道さんと一緒がいいです」
「こんな女なんて卑下された……はうっんっ!」
ええぇ、なんかマーズが身悶えしてるんだけど。
俺は俺で、一緒がいいですなんて言われてちょっと恥ずかしい。
「ああ、もう少しで鼻血が出るところだったわ」
マーズはどうやら冷静さを取り戻したようだ。
「でも、ミライさんがそこまで言うのなら仕方ないわね。じゃあこの作戦はやめて…………そっちの作戦にしようかしら。三人でキャバクラにいきましょう」
とまあそんなやりとりがあって、俺たちは男一人女二人でキャバクラにいくことになった。
なんでだよ!
テツカさんが帰ったあと、コハクちゃんに、
「せっかくここまで来たんですから、私たちのことは気にせず、ぜひ猫族の里を楽しんでください」
と言われたのだ。
俺としては、とてもじゃないけどなにかを楽しめるような気分ではなかったのだが、かといってコハクちゃんのそばにいつづけてもなにもできない。
無言がつづいて空気が重くなるだけだと思ったので、お言葉に甘えてミライとマーズと外に出かけることにした。
きっと、ミライもマーズも俺と同じ気持ちだったのだろう。
「人、すくねぇな」
営業している店は煌びやかにライトアップされているのに、その明るさが虚しいと感じてしまうほど、人通りはまばらだった。
シャッターが閉じられたままの店も多い。
本当にここがメインストリートなのだろうか。
さっきマーズが、猫族の里が観光地として廃れた原因を作ったマンティコアを倒してくれたが、その事実が広まるのにはまだまだ時間がかかるだろう。
「誠道くん。ちょっとお話があるのだけど、いいかしら」
先ほどから、なにやら難しい顔をして考え込んでいたマーズが不意に立ち止まる。
俺もミライなにごとかと足を止めた。
話って……やっぱりコハクちゃんのことだろうか。
マーズは俺の前に立つと、俺の手首をギュッと握った。
「誠道くん。あなたはいますぐキャバクラにいくべきよ!」
「なんだそりゃ! 緊張して損したわ! 金がないからいけないんだよ!」
たしかにさっきから、数少ない観光客である俺たちに、客引きがばんばん声をかけてきているけども。
だか、あいにく俺はキャバクラにいくことはできない。
そういう気分じゃないってこともあるし、なにより俺を支援するはずのメイドが作った借金が頭をちらついて仕方ないからだ。
だってそういう店って、お高いんでしょう。
よくそういう店でバカな客がぼったくられてるのを、ニュースで見たことあるし
現実の女ほど怖いものはないよ。
「お金のことなら心配しないでいいわ」
俺の不安を見透かしたようにマーズがポンと胸を叩く。
「ここは私が全額払ってあげるから」
「……え、本当に?」
「ええ、本当よ」
「だったら、仕方がないか」
マーズがどうしても俺にキャバクラにいってほしいなら、本当に仕方がないけど、乗り気はしないけど、いくしかないな。
こういうときの謙遜は罪だ。
素直に奢られてあげて、年上の人間をたてるのも年下の立派な責務だ。
「誠道さん! キャバクラなんてそんな場所にいかなくてもここに美少女メイドの私が」
「わかったよ。マーズがそこまで言うなら俺、キャバクラにいくよ」
慌てるミライを無視して、俺はマーズとがっちり握手を交わす。
「ただし、私が奢るにはひとつだけ条件があるの」
マーズの目がキラリと不気味に光る。
「……条件? いったいなんだよ」
「誠道さん! マーズさんの話に惑わされないでください!」
「誠道くんがキャバクラにいっている間、私はミライさんをお借りしてもいいかしら?」
「なんだそんなことか。好きなだけ連れ回してくれ」
「即断即決で売られたっ! 人身売買反対! 誠道さん考え直してください!」
「ありがとう、誠道くん。これで許可はもらったから…………ではミライさん、今宵は私と一緒にねっとりと楽しみま」
「こうなったら最後の手段です。もちろん私も誠道さんにお供してキャバクラにいきます」
ミライががっちり握手している俺とマーズの手を引き離した。
「なんでだよ。キャバクラだぞ? いくならせめてホストクラブにいけよ」
「ホストクラブになんていきません。あそこは中身がスカスカなナルシストが同じく中身がスカスカなバカ客の金をむしり取る、バカのバカのによるバカのための営業形態なんですから!」
「それ以上言うのはやめろ! 真剣にホストやってるやつもいるんだよ!」
ミライが不満げに頬を膨らませているが、多方面に喧嘩を売るのはやめてね。
「ってかそれ俺が中身がスカスカだって言ってねぇか? ホストクラブもキャバクラも変わらないからね!」
「そんなことはどうでもいいんです」
「いやよくないだろ」
「とにかく私は、こんな貧乏なのか裕福なのかわからない名前の女と一緒に一晩すごすなんてまっぴらごめんです。私は誠道さんと一緒がいいです」
「こんな女なんて卑下された……はうっんっ!」
ええぇ、なんかマーズが身悶えしてるんだけど。
俺は俺で、一緒がいいですなんて言われてちょっと恥ずかしい。
「ああ、もう少しで鼻血が出るところだったわ」
マーズはどうやら冷静さを取り戻したようだ。
「でも、ミライさんがそこまで言うのなら仕方ないわね。じゃあこの作戦はやめて…………そっちの作戦にしようかしら。三人でキャバクラにいきましょう」
とまあそんなやりとりがあって、俺たちは男一人女二人でキャバクラにいくことになった。
なんでだよ!
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