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第3章 4 決意と謝罪の性感帯

責任

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「無駄なあがきを。【氷の氷柱爆弾・連撃アイスエンドボマー・リサイタル】」

 マーズは攻撃の手を緩めない。

 彼女の前に顕現した魔法陣から、ネコさんを爆撃した氷の爆弾が次々に飛んできた。

 聖ちゃんはアイスゴーレムを食い止めるので精いっぱいだし、今度こそもう終わったか。

「俺たちだっているんだぞ! お前ら! 【無謀な鉄壁スクラム】だっ!」

「「「わかりました!」」」

 今度は、心出たちが窮地を覆そうとしてくれる。

 俺たちから少し離れたところに、心出、光聖志、真枝務、五升が肩を組んで立ちはだかった。

 いや、そんなところで突っ立てても意味ない――

「俺たちでなんとしても誠道くんとミライさんを死守するんだっ! 【攻撃吸収ファインセーブ】ッ!」

 心出たちの体から、ワールドカップ決勝のPK戦に臨むキーパーのような迫力が漂いはじめる。

 俺に向かって飛んできていた氷の爆弾が、すべて心出たちの方へ吸い寄せられていった。

「お前らがサッカーボールという名の攻撃に反応してファインセーブするんじゃないんかいっ! ……って、吸い寄せられてるってことは」

 氷の爆弾が次々に心出たちにぶつかって爆発する。

「心出っ! なにやってんだよ!」

 吸い寄せるって、俺の代わりに攻撃をくらってるだけじゃねぇか!

「心配するなっ! 俺たちが気絶しなければ、あいつの攻撃は誠道君には当たらないっ」

 轟音が止んだあと、ボロボロの心出たちが現れる。

「四人で【無謀な鉄壁スクラム】をしているから、防御力も上がっている」

「そういうことを言っているんじゃ」

「大丈夫だと言っているだろう! 俺たちは、誠道くんの力になると約束したのだから!」

 心出が叫び終えたあとに、氷の爆弾の第二陣が心出たちに襲いかかる。

 何発爆弾を受けようと、心出たちは倒れるそぶりすら見せない。

「こんなもの痛くも痒くもない。俺たちには守り通す責任があるのだから!」

「おいマーズ! こんなことはもうやめろ!」

 聖ちゃんが、心出たちが、体を張って俺たちを守ってくれている。

 喉の奥から血の味がした。

「うるさいっ! 黙れぇ!」

「こんなこと、お前の愛したネコさんは望んでなんか」

「ネコたんはもういないの。だから私は……こんな、ネコたんのいない世界なんか、ネコたん以外の人間なんか、どうなったって」

「……我は、ここにおる」

 ネコさんの声がした。

「我はずっと、マーズたんのそばにおる」

 ネコさんがマーズを後ろから抱きしめていた。

最強の締愛コブラツイスト】などかけず、ただぎゅっと抱きしめていた。

「もういいのにゃ。マーズたん。よく頑張ったのにゃ。もう、いいのにゃ」

「やめてっ! 違うっのっ、私は、だってもう私の愛した人は…………この世界にはっ」

「マーズたんの性感帯は……右太ももの内側にゃろ?」

 その瞬間、マーズの目から大粒の涙があふれた。

 って、せいかんたいっ?

 いきなりそんな発言されてもこま――

「どうして、……私の性感帯を、知っているのは……」

 氷の爆弾による攻撃が止まる。

 アイスゴーレムがガラガラと崩れ落ちる。

「我が、マーズたんの愛したネコたんだからにゃ。もう、強がる必要はないのにゃ」

 ネコさんの手が、マーズの性感帯である右太ももの内側に伸びていく。

「……ああっ。そ、んんっ、こはっ!」

 マーズが身悶えして悦ぶ。

「その責め方っ、指遣い……っああっ! あなた、本当に、ネコたん、なのっ?」

「我以外に、公衆の面前でマーズたんの性感帯をばらして、しかもそこを責めるようなドSがおるかにゃ?」

「いいえ、いないわ……んんあっ! ネコたんっ! あなたはネコたんなのねっ!」

 マーズがネコさんを力一杯抱きしめる。

「ネコたん、ネコたん!」

 あの、熱い抱擁交わしているところ悪いんですけど、ここまで死に物狂いで頑張ってきて、みんなが命をかけて戦ってきて、最後の最後が性感帯ってどういうことだよ!

 ……でも。

「ネコたん」

「マーズたん」

 二人が幸せそうだから、ま、それでいいか。
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