魔法少女のなんでも屋

運命

「どうやら予定外にことが運んでいるようだ、門がすでに開いている。」
道満はあくまでも冷静に、何処か面白がるように状況を分析していた。
「まぁ問題ない、石が壊れるならそれもよし、石を抜いた愚かな人間が死ぬならそれはそれで面白い、どんな声をあげるかな？」
「うおおお！」
優斗は一つのことを考えていた、悪霊を切ること。
,,姉ちゃんとの約束,,
「多分だけど石を守ってる結界は私も壊せない、だけど…別の世界のヤツならどうにかなっちゃゆうかもしれない。」
「そこで出番だ弟よ！」
顔を指さされる。
「あんた石抜きなさい。」
「ええ！？」
石を抜いたら災いが襲ってくるのではないのか？
「いや～な気配がするのよ、私より強くはないけど、なんていうかゴキブリみたいな…」
「ゴキブリだったら私捕まえますよ！」
ムギが元気に手を上げる。
「むぎむぎにはちょっと無理かな、なんか呪ってくるっぽいし。」
「呪い！？」
そいつが石を抜く前にあんたが抜いて、そいつのことは姉ちゃんがやっつける、ね？」
,,姉ちゃんの笑顔は、いつも勇気をくれる,,
「俺は！姉ちゃんを信じる！！」
暗い城の中で、一人で摘んだクッキーはなんの味もしなかった。
長いだけで誰とも合わず、なんの刺激もない人生で哀しみは慢性的に胸を塞ぎ、次第にそれすら感じなくなり、世界は色を失った。
「つまんないなぁ、ほんとにつまんないよ姉ちゃん。」
どれほど時が流れても、異界で生を受けようと、自分は常にあの子の姉だ。
「ちょっと待ってよ、ユウが私と会う前に死ぬわけない！それは運命が許さない…」
「う！起きたか…お嬢さん？」
気づくと、男の頭を掴んでいた。
「あの子に何をしたの？」