魔法少女のなんでも屋

火の温もり

「やああ！」
鬼の顔を蹴り上げる。
「舐めるな、呪術も扱えぬ小娘が！」
辻斬りが穴から出てくる。
「死霊は死なん、当たり前だがね。」
男の声は苛つきを孕んでいる。
「たかだか十と少しの娘に、私が倒せるはずもない。」
「私は、アンタなんかに負けない！」
「君が強いのは認めよう、温羅から逃れたんだ、だがね…」
黒い穴から大量に怨霊が現れる。
「彼らは私の式神の一部に過ぎない、そして今の私はこの依代の術を使うことができる。」
「指を鳴らす。
「きゃ！」
首を絞められる。
「私の時代にはいなかった怪異だ、足を求めているようだが。」
「綺麗な…長い、あし。」
「…っあ！」
「ぐぇ！」
腹を蹴り上げ、手から逃れる。
「無駄だ、私の式神は…」
「やあああ！」
剣を折り、胴に蹴りを入れる。
「ちぃ、お前たち！」
振り下ろされるいくつもの刀は拳の一撃で折る。
「やるじゃないか、だが疲れたんじゃないか？」
「はあ、はぁ、舐めないで！持久力あるんだから！」
「どれだけ持つかな？」
男がニヤニヤと笑っている。
「う…あ、ふらついて…」
「コレが呪いだ、キツいだろう。」
体が震える、寒い、意識が…遠く…
「君が倒れたら適当な人間を依代にするよ、私もそれほど時間はない。」
,,ああ、なんて言ってるのかわかんない,,
「綺羅さん！」
「あったかい、コタちゃん？」