魔法少女のなんでも屋

呪環

「お兄ちゃん！」
前に倒れ込みかけたエイトを、クインが抱きしめた。
「お、元気になったな！」
「うん、エイトお兄ちゃんのおかげ。」
「はは、そりゃよかった。
「撫でて。」
「おう。」
隣に座り直し、頭を撫でる。
「ブラコン女神が生まれたと、神宮に報告を上げましょうか？」
「神が人間を兄と呼ぶのは少し問題だけれど、とにかく消滅は防げたし、大宮司に電話しておいて。」
「はい。」
月読は思考を巡らせた。
この子は初めて生まれたプログラムが神格となった神、インターネット空間に神力の影響を及ぼす存在だ。
そして、おそらくこのゲーム内に悪霊がいる。
「この子をゲームから隔離することはできる？」
「月読様、それは運営に問い合わせないと…」
「じゃああなた一回落ちて電話しなさい。」
「はい。」
「はい、神格が…すぐに用意を！」
運営は快く応じてくれた。
「それでは悪霊がよって来ないように、耳を塞いで目も瞑っていてください、俺も結界の用意を致しますので。」
月読が舞いを舞い、神宮寺は笛を吹く、儀式だ。
「ぐぁ！」
神宮寺が切られた、プレイヤーだ。
「まさか、この子を媒介して！」
「キヒ、キヒヒ！」