魔法少女のなんでも屋

モブ乙

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月光

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八咫烏、古来より国土を見渡し、人々の営みを見守ってきた神である。
「僕の烏達が呼んでる、新しい子を迎えに行ってあげて?」
「はは!」
神宮はゲームに詳しい若い神職を遣わすことを決めた。
神宮寺涼介、二十五にして最高神より月読に仕えるよう指名を受けた。
「月読様、ゲームわかります?」
「ボールで黄色くてかわいい生き物を捕まえるのでしょう?」
「お言葉ですか…ゲームではあのかわいいのは相棒にはなりません。」
「そうなの!?」
「ぷっ!」
ゴリラはバナナを食べないと初めて知った時の幼馴染を思い出してふいてしまった。
「神罰食らわすわよ?」
「すんません。」
「こういうゴーグルをつけるんすよ。」
「あら、漆喰のお皿みたいでいいわね。」
やはり長く生きている神の感性は独特だ。
「刺身はダメっすよ?醤油かけたら壊れるんで。」
「っ、そんなことしないわよ。」
図星を突かれたような声を出す。
「ほんとに刺身乗っけようとしてました?」
「大宮司にちくったら一生彼女できなくするから。」
目がマジだ。
「すんません」しっかりお教えいたしますので何卒…」
「あら、ようやく思い出したのね、私が神様だってこと。」
主神様はご機嫌だ。
「それじゃ、ログインしましょうか。」
赤い月が空に浮かんでいる、建物は黒く、コウモリが飛び回っている。
「あら、満月じゃない。」
背後に光輪が浮かび、白地五色の刺繍の着物姿、ぼんやりと光っている。
「お美しき御姿でございます主神様。」
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