魔法少女のなんでも屋

不問

「なぁ、ウチのアニキ来てるかも。」
テツが心底気まずそうに言った。
「は？」
梨流華がすでにキレ気味に聞き返す。
「いや、あのさ、外で女の子が泣いてんだよ、お嬢に似た声の。」
「それって要するに…」
「いや、待ってくれ！子供はみんな声高いし、別のガキかもしれねえ。」
かなり苦しいことをいう。
「それってテツさんを連れ戻しにきた番長さんが殺気立ってたから、勘違いで防衛システムに捕まったってことですよね？」
「…」
「ですよね！」
「ハイ。」
「じゃあ早く行きなさい！」
白瀬は思った、,,絶対センパイの方が殺気出てる,,と。
テツは随分と弱々強い背中で下の階に降りた。
「アニキ、久しぶり。」
片手を上げ、笑って見せる。
「久しぶりじゃねえ！このタコ！」
誤魔化せなかった。
タタッ。
誰かが足に飛びついた。
「わああん、寂しかったよお、テツ兄！」
「お久しぶりっす、お嬢、背伸びました？」
「抱っこしてえ！」
「はーい。」
,,妹,,を抱き上げ、頭をポンポンする。
「たっく、しゃあねえ、こりゃ不問だな。」