魔法少女のなんでも屋

忘れないで。

「プハ、ハア、ハア、ハア。」
梨流華が海から顔を出した。
「センパイ！」
「白瀬君！」
「大丈夫ですか！？」
「へーきだよ～。」
「グス、すいません、僕、何もできくて。」
「ちゃんと柚を助けてくれたでしょ？ありがとう。」
「うわああ！」
「も~泣き虫だにゃー。」
「じゃあ、あっためて？」
「え？」
「ハグして？」
「ええ！？」
「お願い、魔法解けたら温度下がっちゃって。」
「それで、センパイのためになるなら。」
「カッコいいねー。」
センパイの腰に手を回して強く抱きしめる。
しばらく経って、大問題に気づいた、いつ放せばいいんだ？
「センパイ、いつ放せば？」
「じゃあ、オデコくっつけてから。」
「おでこ？」
「キスはドキドキするでしょ？だから、おでこ。」
「はい。」
「行くよ。」

「白瀬君はあったかいねえ。」
「センパイの、方が…あったかいすよ。」
「ん、私…」
「リルちゃーん、初音ちゃん起きた！」
「おー、よく頑張ったねー！初音ちゃん！」
梨流華が初音を抱きしめる。
「お姉ちゃん、痛い。」
「あー、ごめん、ごめん！」
「でも、ホントに偉いよ、おじいちゃんに会いたいってちゃんと忘れないで思ってたんだもん！」
「じいじ様への気持ち…」
「そうだよ、初音ちゃんが諦めなかったから、私は初音ちゃんのところに行けたの、忘れないで。」