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血の味
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「兄に~耳!」
莉奈が不満気な声を出す、狼の耳が見たいのだ。
「ほら。」
「わーい、わんちゃん!」
抱きついてくる。
「俺のは狼だよ。」
「えへへ、もふもふしてる。」
寝る前はいつもこうだ、俺が耳を出して、こいつがもふもふする。
そう、いつも通り、だけど、煙草の匂いがした。
「おい!金はろうてもらうで!」
乱暴な男の声、父さんがドアを開ける。
「白狼さん、困りますよ、食料代、きちんと収めてもらわな。」
「今月のはもう払った筈だ!」
「ええ、今月分はね、けど、先月分はろうてないやろが!」
「先月は子供が風邪をひいて治療費が…」
「ええ、ですから上乗せです。」
「そ、そんな!」
「払えへんのやったら、奥さん。」
「待ってくれ、子供がいるんだぞ!」
「そうですねえ、せやったら、娘さん頂きましょか。」
「な!?娘を!??」
「最近ねえ、ゲームでもなんでも擬人化言うんが流行っとるんですわ、娘さん耳生えますやろ?」
「なんてことを!」
「じゃあ、奥さんや。」
「待ってくれ、なんでもする!だから…」
「あかん、奥さんが嫌なら娘や。」
「滅多なこと考えるなよ、こっちにはレンコンがあるんや。」
「ひい!」
「おい!」
「俺が行く。」
気づけばそう言っていた。
「おー、にいちゃんやないか、けど悪いなあ、お客さん女の子がええ言うてはるんや。」
「ガルル、ガウ!」
「なんや!?目ぇが、目ぇが見えへん!」
「クソガキ!撃て!誰か撃て!」
「ガウ!」
「腕が!」
血の味と温かい肉の食感、気味が悪い、でも、莉奈を守らなきゃ。
,,力が欲しいか、小僧,,
,,うん,,
莉奈が不満気な声を出す、狼の耳が見たいのだ。
「ほら。」
「わーい、わんちゃん!」
抱きついてくる。
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そう、いつも通り、だけど、煙草の匂いがした。
「おい!金はろうてもらうで!」
乱暴な男の声、父さんがドアを開ける。
「白狼さん、困りますよ、食料代、きちんと収めてもらわな。」
「今月のはもう払った筈だ!」
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