60 / 141
アレ
しおりを挟む
黒曜ユイトはいわゆる陰キャであった、友達もおらず、授業でも発言せず怒ることなど滅多にない。
だが彼にも地雷というものがあった、妹を泣かされることだ。目の色をバカにしてくる者がいたら前に立って守ってやった。妹のミヤは背が小さかった、気は強いがケンカなどしないし、怖くなったらすぐに泣いてしまう。
だが正義感のあるやつで、迷子の子供は放っておかない、猫やら何やら弱っていたらすぐに連れて帰ってくる。
優しくて純粋な子供。だから泣き虫で甘えんぼ。守ってやりたかった。
故に体が動いた、夢であるとわかっていても倒れる妹を放っておけなかった。
「無理すんなよ、泣いてるじゃねえか。」
「ごめ…なさい、みんなを助けたくて。」
「ああよく頑張ったな、次は俺の番だ。」
手を握り締め、祈る、元気になるように。
「ふう、ハア、ハア、キッツ。デカい魔法使うのってこんなに体力いるんだな。ハア。」
「お兄大丈夫?」
「心配すんな、お前の方がしんどかっただろ?この世界を壊そうってんだから、一人で、ハア、ハア。」
「妹が立てねえほど一生懸命やったのに、アニキがのんびりってわけには行かねえよ。ハア、ハ、ハア。」
「ハア、ハア、にいちゃんの全部やるからな、ふぅ、ハア。ぐうぅ。」
「ダメだよ、お兄一人で頑張るなんて、ボクのもあげるよ、ううう!」
「優しいな、お前。俺は戦えねえのに。」
「戦えるようにボクのチカラあげるんでしょ、ゔゔゔ!!!!」
「熱!」
「我慢して!」
不思議だ、体が、心臓が熱い、これが火の聖霊の力。
ミヤがおでこをくっつけてきた。
「おなかの底から声出して!はあああ!」
「おおお!」
「ハアハア、すげえな、お前こんなに強かったのかよ。」
「お兄もね!」
「よっし!二人で戦おう!」
「うん!」
目の前の虚空に拳を抜き出す。
「ゔっぐうう、あああ!」
「おらあ!!」
風景にヒビが入り、穴が開く。
「ハア、ハア、ハ、お兄、アレやろう!」
「おう!」
「「極大魔法バーニングファイヤー!!」」
だが彼にも地雷というものがあった、妹を泣かされることだ。目の色をバカにしてくる者がいたら前に立って守ってやった。妹のミヤは背が小さかった、気は強いがケンカなどしないし、怖くなったらすぐに泣いてしまう。
だが正義感のあるやつで、迷子の子供は放っておかない、猫やら何やら弱っていたらすぐに連れて帰ってくる。
優しくて純粋な子供。だから泣き虫で甘えんぼ。守ってやりたかった。
故に体が動いた、夢であるとわかっていても倒れる妹を放っておけなかった。
「無理すんなよ、泣いてるじゃねえか。」
「ごめ…なさい、みんなを助けたくて。」
「ああよく頑張ったな、次は俺の番だ。」
手を握り締め、祈る、元気になるように。
「ふう、ハア、ハア、キッツ。デカい魔法使うのってこんなに体力いるんだな。ハア。」
「お兄大丈夫?」
「心配すんな、お前の方がしんどかっただろ?この世界を壊そうってんだから、一人で、ハア、ハア。」
「妹が立てねえほど一生懸命やったのに、アニキがのんびりってわけには行かねえよ。ハア、ハ、ハア。」
「ハア、ハア、にいちゃんの全部やるからな、ふぅ、ハア。ぐうぅ。」
「ダメだよ、お兄一人で頑張るなんて、ボクのもあげるよ、ううう!」
「優しいな、お前。俺は戦えねえのに。」
「戦えるようにボクのチカラあげるんでしょ、ゔゔゔ!!!!」
「熱!」
「我慢して!」
不思議だ、体が、心臓が熱い、これが火の聖霊の力。
ミヤがおでこをくっつけてきた。
「おなかの底から声出して!はあああ!」
「おおお!」
「ハアハア、すげえな、お前こんなに強かったのかよ。」
「お兄もね!」
「よっし!二人で戦おう!」
「うん!」
目の前の虚空に拳を抜き出す。
「ゔっぐうう、あああ!」
「おらあ!!」
風景にヒビが入り、穴が開く。
「ハア、ハア、ハ、お兄、アレやろう!」
「おう!」
「「極大魔法バーニングファイヤー!!」」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

シチュボ(女性向け)
身喰らう白蛇
恋愛
自発さえしなければ好きに使用してください。
アドリブ、改変、なんでもOKです。
他人を害することだけはお止め下さい。
使用報告は無しで商用でも練習でもなんでもOKです。
Twitterやコメント欄等にリアクションあるとむせながら喜びます✌︎︎(´ °∀︎°`)✌︎︎ゲホゴホ
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる