上 下
14 / 141

質問責め

しおりを挟む
「諸君、おめでとう君たちの雇用が決まったよ!」
「い~よっしゃあ~!!」
ブライトの言葉を聞いた一同は飛び上がって喜んだ、評議会から連絡があるまでサイト001の一室から出る事を許されず監禁状態だった上、雇用されなかった場合、終了処分を受けると告げられ、気が気でなかった。
「早速だが、最初の仕事だ、インタビューを受けて貰う。」
「インタビューですか?」
ミヤがブライトに質問した。
「ああ、君たちのいた異世界について質問に答えてもらう。」
警察署の取り調べ室のような部屋に通され、椅子に座るよう言われる。机の向かい側にはブライトが座っている。
「では、名前を。」
「はい、黒曜ミヤです。」
「よろしい、では質問をさせて貰う。まずその世界の人々はどのような共同体に属していたんだ?」
「はい、教皇という人が収める、えっと…絶対王政?の国だと思います。」
「ふむ、教皇ということは…」
「では、そちらの学校では大聖霊による世界創造を歴史として習うんだね?」
「医療は主に薬草による症状緩和、補助的に魔法が使われていたんだね?
「皇都以外では大規模な農業は行われていない、では流通網もなし…ということでいいかな?」
「亜人種との国交はなし、と。」
「加護の対象となる善人には基準があるのかな?…なるほど、それでは…」
「みんな、お疲れ様、これで終わりだ。」
「あ~キンチョーしたー」
梨流華が伸びをした、祖父が異世界人ということもあり、三時間以上質問されたのだ。
「すまないが、30分休憩したら神学部門に行って貰う、君達と共生している神格実体、つまりは聖霊に関する検査と、こちらの世界の魔術コミュニティや、サーキックとの儀式手順の類似点の有無ついての聞き取り調査が…」
「だからあ、生贄なんてやらないってば!!」
「リルちゃん落ち着いて~」
研究員に梨流華が噛み付いているのを、実弥がなだめている。
「このような図形を見たことはありますか?」
「いえ、ありません。」
「それでは次に、死者についてはとのような価値観がありましたか?」
「遺体を傷つけることは重い罪とされていたそうです。」
「死者を甦らせる、あるいは憑依させるといった儀式は?」
「大聖霊の御意志に反すると、でも声を聞くことは!」
「何かしらの儀式的行為を必要とするのでしょうか?」
「亡くなられた方の遺品を…」
「ほら、菫ちゃんあんなに真面目に答えてるんだから!」
「フーフー💢」
「いくつか神話をお見せするので、類似点をお答えください。」
「なんか…すげえな。」
自分の妹と同年代の少女たちを白衣をきた大人が質問責めにする様子見たユイトは、そんなことを言った。
「それではみなさん、移動してください。みなさんと共生状態にある、神格実態にどの程度のことができるか、検査を行います。」
一人の職員がそう言ったので、ユイトは慌てて周囲を見渡した。
ミヤを見つけ、すいません、ごめんなさい。と言いながら人混みを掻き分け、近くに行く。
「おい、頑張ってこいよ!」
不安そうにしている妹の背中を叩く、泣きそうになっているので頭をわしゃわしゃと撫でながら笑いかける。
「大丈夫!離れててもにいちゃんがついてる、眼帯持ってるだろ?」

「うん!」
「よっし、思いっきりやってこい!」
兄妹は拳を合わせた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

処理中です...