ボクっ娘と陰キャお兄ちゃんが魔法少女と一緒に義理の妹のscpを取り返しに行く話

綻び

「管理官、682が消失しました！」
何！？一体何が起きた！」
『それが時空間異常に落下したとDクラスより報告が！」
部下からの報告を聞いたサイト管理官は、言葉を失った。
682が時空間異常を発生させた例は存在しない、それ以前に全生物を憎む682が誰にも危害を加えず脱走するなどありえない。ならば、奪われた？　誰がなんのために？アレを使って何をしようと言うのだ。
管理官はなんとか冷静になり、言った。
「O5に連絡を入れろ！アレを放置するわけにはいかない！」
「何、682と076が消失した？」
「はい、収容サイトより報告が。」
O5-1の問いに秘書は冷静に答えた。
「半年前の289収容違反と関連があるかもしれん、他の評議員を呼べ、緊急招集だ！」
「は」
白衣の男が、パソコンを操作している。男の目の前には、VRゴーグルをつけた少女が椅子に拘束されている。
「さて、次はどんな悪夢を見てもらうかな？そうだ、お姉ちゃんに合わせてあげよう。ゾンビだけど」
男がキーボードを叩くと、少女が泣き声を上げた。
「うう、ああ、あっお姉、ちゃん？ひっや、やめて、来ないで…いやあ！！」
「いいねーいい反応だねえ、キミのおかげでいいホラーゲームができるよ。」
トゥルル、男のスマホが鳴った。
「はい、もしもし。ええ、いいサンプルですよ、この子の能力を考えたら、夢をいじれるかは賭けでしたが能力への自制心が働いていたようで、ええ無事に。子供はやっぱりいいですね、想像力豊かで怖いことをたくさん思いつきますし。この子の場合は病院にトラウマがあるみたいですから、新作のテーマにピッタリです。これは売れますよー、はい、失礼しまーす。」
電話を終えた男は、少女に向かって明るい声で言った。
「さあ、もういっちょ行ってみよう！」
暗闇の中に少女がいる、少女に手を伸ばすが闇の奥へと消えてしまう。必死に探すが見つからない。
ただ泣き声だけが聞こえる。
「ハア、ハア、ハッ夢？」
最近この夢ばかり見る、あの子のことを思い出してから不安でたまらない。泣いてしまうこともあった。
だが、今はやれることをやらねばならない。せっかく魔法が使えるようになったのだ、これであの子を助けられるかもしれない。
「とりあえず朝ご飯！」
頬を叩き気合いを入れた