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第4章・玄き竪琴の調べを誰が聴く
その姫君の名は
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地底湖は広かった。鍾乳石のシャンデリアは遠く煌めき。湖底まで見通せるような澄んだ湖水の果ては、薄闇の中に煙るように消えた。
地底湖の中央には鍾乳石の島があり、小さな小屋が建っていた。どうやら飛び岩を利用して、行き来できるようだ。
「……ここ、わたるの?」不安気に見上げるカリオペ姫の眼差しに、ミコトは察した。出番ですよね、わかります。
ミコトは想像する
この場に相応しいモノを
ミコトは創造する
鍾乳石しかないじゃないか、と
「attraversiamo!」
見目の良い鍾乳石製の橋を作ってみました。……今回はぶっちゃけ、"金"属性の『土壌形成』しか使ってない気がする。洞窟探索と相性が良すぎる。加護を授けてくださった白虎神のビャクオン様に、深く感謝する。
……正直に言えば。なんて冒険者に向かない加護なんだ、と思ってました。でも、今回は魔法を使えば使うほど、褒められてうれしい。モチベーションがあがるぅう!
念のため石橋の表面は、滑り止めのザラザラ加工にはしたが。数百年もしたら、ツルッツルッになるんだろうな。……あれ?桁がなんかバグった。きっと、鍾乳石マジックに違いない。
小島に上陸する。見事に小屋しかない。生活に必要なモノはどうしているのかな?
小屋の材質は元々は木だったようだ。その上から石灰が溶け込んだ雨水が滴り落ち。見事な鍾乳石のカバーが形作られていた。ーいったい何年モノだ、コレ?昨日今日の仕上がりではないぞ??
玄関を入ってすぐが小さなキッチンダイニング。奥にまだ部屋があるらしい。
中を覗くと、二人の男女がイチャイチャしてた!あらやだ、ごめんなさい!///
「エウリア姉様!」カリオペ姫が叫んだ。
やっぱりか。ただの駆け落ちだったのね?一同が動揺する中で。
「それは、どなた?」と、エウリア姫が首を傾げた。
「姉様は、エウリア姉様ではないの?」カリオペ姫は重ねて聞いた。
「私の名前はケローネーよ?彼はオルフェ。私達、駆け落ちしたの」と、彼女達は幸せそうに微笑んだ。
「うそよ!だって、ケローネーはおはなしのひとだもの!」カリオペ姫は侍女の鞄から、お気に入りの絵本を取り出して、エウリア姫に見せた。
題名は『とあるくにの むかしばなし』
「エウリア姉様も、だいすきなえほんよ。なんども、いっしょに よんだもの。」おぼえてるでしょ?と、悲しげな目でエウリア姫を見上げます。
エウリア姫は当惑したように、オルフェと、カリオペ姫を交互に見ました。
「彼女はエウリアであり、ケローネーですよ。魂の器が同じなのです。」と。オルフェは長い話を始めました。
地底湖の中央には鍾乳石の島があり、小さな小屋が建っていた。どうやら飛び岩を利用して、行き来できるようだ。
「……ここ、わたるの?」不安気に見上げるカリオペ姫の眼差しに、ミコトは察した。出番ですよね、わかります。
ミコトは想像する
この場に相応しいモノを
ミコトは創造する
鍾乳石しかないじゃないか、と
「attraversiamo!」
見目の良い鍾乳石製の橋を作ってみました。……今回はぶっちゃけ、"金"属性の『土壌形成』しか使ってない気がする。洞窟探索と相性が良すぎる。加護を授けてくださった白虎神のビャクオン様に、深く感謝する。
……正直に言えば。なんて冒険者に向かない加護なんだ、と思ってました。でも、今回は魔法を使えば使うほど、褒められてうれしい。モチベーションがあがるぅう!
念のため石橋の表面は、滑り止めのザラザラ加工にはしたが。数百年もしたら、ツルッツルッになるんだろうな。……あれ?桁がなんかバグった。きっと、鍾乳石マジックに違いない。
小島に上陸する。見事に小屋しかない。生活に必要なモノはどうしているのかな?
小屋の材質は元々は木だったようだ。その上から石灰が溶け込んだ雨水が滴り落ち。見事な鍾乳石のカバーが形作られていた。ーいったい何年モノだ、コレ?昨日今日の仕上がりではないぞ??
玄関を入ってすぐが小さなキッチンダイニング。奥にまだ部屋があるらしい。
中を覗くと、二人の男女がイチャイチャしてた!あらやだ、ごめんなさい!///
「エウリア姉様!」カリオペ姫が叫んだ。
やっぱりか。ただの駆け落ちだったのね?一同が動揺する中で。
「それは、どなた?」と、エウリア姫が首を傾げた。
「姉様は、エウリア姉様ではないの?」カリオペ姫は重ねて聞いた。
「私の名前はケローネーよ?彼はオルフェ。私達、駆け落ちしたの」と、彼女達は幸せそうに微笑んだ。
「うそよ!だって、ケローネーはおはなしのひとだもの!」カリオペ姫は侍女の鞄から、お気に入りの絵本を取り出して、エウリア姫に見せた。
題名は『とあるくにの むかしばなし』
「エウリア姉様も、だいすきなえほんよ。なんども、いっしょに よんだもの。」おぼえてるでしょ?と、悲しげな目でエウリア姫を見上げます。
エウリア姫は当惑したように、オルフェと、カリオペ姫を交互に見ました。
「彼女はエウリアであり、ケローネーですよ。魂の器が同じなのです。」と。オルフェは長い話を始めました。
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