赤髪の年上女王は年下の宝石のような王子を愛でている【完結】

クリム

文字の大きさ
上 下
34 / 35

33 三王子の父

しおりを挟む
 王子達の外交デビューが道徳的人道行為であり、また、彼らの瞳を見て多くがアルビオンこそがブリタニアの統一王国だと思っていて更に求心力が高まっていた。

 ーースコリア以外は。

「ルイはマーサ達を呼んで、死体を運ばせて。フィリップは母様を呼んできてくれないか。僕は父様を城の温泉に運ぶ」

 ルイが先に走り出すと、フィリップが残りのパンやチーズを配りながら、エドワードの後に続きそれから消えた。

 城は石造りの古いものだが地熱の為全体が暖かい。その中庭に温泉があり、風呂がわりに浸かるのだ。

「さあ、父様。服を脱がします」

「エドワード様、自分で脱げます」

 森とは違い柔らかな光がさす中庭の石造りのテラスで、服を脱ごうとするシャルルゥは、かたかたと震える自分の指を握りしめた。

「父様、震えている。怖かったでしょう。ボタンを外します」

 大人びた指でボタンを外され、服を脱がされると、裸のエドワードに抱かれたまま湯に入る。

 光指す中庭の中の柔らかな草の窪みから蒸気がふわりと上がってきて、癒しの香りがした。

 シャルルゥは温かい泉に残されると、手足を伸ばした。

「父様、体は大丈夫ですか?」

 エドワードに背後から抱きしめられ、その密着に驚いたもののシャルルゥは頷いた。

「だ、大丈夫です」

「マーサを待つように言われていませんでしたか?」

 エドワードに言われて

「少しでも早く渡してあげたかったのです。最近は彼らも落ち着いて……」

と振り向くと、エドワードが肩を竦めた。

「母様にも言われていたのに、父様は」

 苦笑して話すエドワードに戸惑って、シャルルゥは、

「ごめんなさい」

と呟いた。

 エドワードは微笑み、


「父様らしいです」

そう言い、湯に濡れたシャルルゥの白銀の横髪に触れる。

「あ……っ」

 微かに触れられて、ぞくりと身を震わせた。その甘美な刺激は、鼓動を痛いほど跳ね上げ、体中を甘い性の衝動が駆け巡る。

「父様、大丈夫ですか?」

 そこに肌触りのよいバスローブをはだけたままアンジュリカが、呼びにやったフィリップと中庭に入って来た。

「フィリップに聞いた。シャルルゥ、私以外の者に触れられたな。エドワード、フィリップ、許可しよう。罰を与えよ」

 エドワードがシャルルゥを背後から抱きしめた。

「アンジュリカ様、まだ子どもです!この子達っ」

 言葉に吃りつつ劣情を感じて、背後のエドワードを押しのけようとして、その手を取られる。

「あっ…」

 エドワードに触られたところから、淫靡な火が点いたような、淫惑する身体をシャルルゥは両手で抱き留めた。

「これは罰だ。我が夫よ」

 その言葉に、体が意思を失ったように、抵抗が出来なくなる。

 エドワードに背後から抱きしめられて、体中の体液が沸騰しそうになった。

 首筋を触られただけで、ペニスが立ち上がる感覚に、シャルルゥは思わず足を閉じる。

「お前は私の宝石だ。見せよ、その瞳を」

 耳元で低く囁かれて、はしたなくアヌスが疼いた。シャルルゥは顎を掴まれのアンジュリカの口付けに背を震わせる。

「うんっ……」

 啄むような接吻を何度かされて、頤に手をかけられ、口腔を深く塞がれた。

 舌を強く吸われ、唾液を絡められると、急に体が火照り出す。

 ぞくぞくっと、強烈な快楽が足先に走り、シャルルゥは

「ま、待って……っ」

と、熱い息を吐いた。

 口付けだけで高ぶり、背後から乳首に愛撫を受けるだけで、達しそうになる体に耳まで赤く染めた。

「こんなっ」

 明らかな屹立とアヌスの潤み、物欲しげに奥が扇動しているのがわかる。

「私以外の者に触れられるとは許し難いな。シャルルゥ、お仕置きだ。子ども達に抱かれ、瞳を晒すがよい。エドワード、フィリップ」

 湯の中で広げられた足の中に上身を入られ腰を掴まれて、とろとろになったペニスを掴まれると、上下に扱かれる。

「ふぁっ、ダメっ!出て……ひっぁっ」

 その灼熱の快楽が脳天を駆け巡り、シャルルゥはエドワードの手から逃れようとする。ペニスを咬んでいる金の輪が吐精を阻み、苦しくてたまらない。

「あ、やめて…」

 敏感なペニスの繊細な孔を指先でいじめられ、ぶるり…と肩を震わせる。

「悦い顔だ。そそられる」

 アンジュリカの言葉嬲りに顔を真っ赤にした。

 そしてとろとろに溶け切ったアヌスの襞の一枚一枚をエドワードの指の腹で広げて行く痺れる感覚に、シャルルゥは泣きそうな程の声を上げた。

「エドワード様っ、やめてっ。アンジュリカ様……っ」

 シャルルゥはアンジュリカの許しを請い求めて、アンジュリカに瞳を向ける。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】 嘘と後悔、そして愛

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
伯爵令嬢ソニアは15歳。親に勝手に決められて、一度も会ったことのない10歳離れた侯爵リカルドに嫁ぐために辺境の地に一人でやってきた。新婚初夜、ソニアは夫に「夜のお務めが怖いのです」と言って涙をこぼす。その言葉を信じたリカルドは妻の気持ちを尊重し、寝室を別にすることを提案する。しかしソニアのその言葉には「嘘」が隠れていた……

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

ルミエール・ヴェールの輝き―キャンディ職人と彫刻家の物語―

ねむたん
恋愛
芸術を愛する街、ルミエール・ヴェール。 そこで飴細工工房を営むメリー・フロレンティーナは、心に響く美しい作品を作ることを夢見る繊細な職人だ。 彼女が挑戦を決意したのは、街の芸術祭の目玉「光と影」をテーマにしたアートコンテスト。だが、その審査員は冷徹な美の天才彫刻家、セシル・ルーヴェルだった。 厳しい評価に怯えるメリーだが、実はセシルは密かに彼女の飴細工に魅了されていた。

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。

五月ふう
恋愛
 リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。 「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」  今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。 「そう……。」  マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。    明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。  リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。 「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」  ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。 「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」 「ちっ……」  ポールは顔をしかめて舌打ちをした。   「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」  ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。 だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。 二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。 「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

とまどいの花嫁は、夫から逃げられない

椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ 初夜、夫は愛人の家へと行った。 戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。 「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」 と言い置いて。 やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に 彼女は強い違和感を感じる。 夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り 突然彼女を溺愛し始めたからだ ______________________ ✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定) ✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです ✴︎なろうさんにも投稿しています 私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

処理中です...