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13 アルカディアシードル
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先程までシャルルゥのペニスが押し込まれていたヴァギナはぬるつき熱く、シャルルゥはなんとか舌先で粘液混じりの肉を舐め続けた。
「達しそうよ…クリトリスが気持ちいいわ。早く見せて、その瞳をっ……んっ」
メアリは堪らないといった風情で、シャルルゥの口淫を受けている。
「んっ、んっ、はっ」
アンジュリカの太い剣だこの指を背後から受けて、背中やわやわと唇で愛撫された。
「あっ……あああっ!」
アヌスが痙攣して、シャルルゥは引きずられるように、ただ排出のできないアヌスの孔の奥の奥の快楽に悶える。
「シャルルゥ、顔を上げろ」
アンジュリカはシャルルゥの頷きを待たずに、背後からシャルルゥのプラチナブロンドの髪を引っ張りメアリのヴァギナを舐める顔を引き上げさせられた。
「あっ、んんっ」
背後からアンジュリカの二本の無骨な指を受けて、排精出来ない苦しみと同時に受けるアヌスの喜悦に、涙を流し出した。
「アンジュリカ様っ、出したいです……お願いっ!」
髪を掴まれ後からの責め苦にすすり泣きながら、シャルルゥが二人に見せた瞳は……左が赤紫……。
「まああ……なんてこと!」
シャルルゥの右目は緑のままなのに左目だけが赤紫に染まり、息を止めてアヌスの絶頂感に泣きながら、痙攣する襞の悦さに、シャルルゥはひくりひくりと淫乱に腰を振る。
「虹彩異色……なんて綺麗なの……」
へたりと座り込んだメアリがまるで吸い込まれたように、寝台に崩れ落ち丸くなるシャルルゥを見つめる。
「そうだ、メアリ。我が夫は二つの側面をもつ。ペニスの精の排出の快楽とアヌスで極め悶える快楽が同居するのだ。かの君のように赤茶と青ではないが、まさに覇王の瞳。さあ、我が夫の秘密を知った今、どうするつもりだ?」
メアリは無言で着衣を始め、シャルルゥの瞳に惹きつけられたまままるでマリオネットのようにドレスを着た。
結った髪は乱れていたが、美しいスレンダーの肢体にピタリとしたドレスが美しく、メアリは淑女に戻る。
「ーー私は興味本位で遊びに来ただけではなくてよ」
「ほう?」
アンジュリカは寝台に座ると、薬が切れず震える手で体重を支えられないシャルルゥの頭を膝に抱き寄せシーツを掛けてやる。
「さあ、アルビオン女王に話すが良い」
少し前の時間のことだ。アンジュリカは自分の対応の遅さを歯噛みしていた。パーティーの席でシャルルゥがいなくなったのを知ったのは、ずいぶん経った頃だった。
豊かな市場が広がるアルビオンに対して、商売を始めるため融資を受けようと群がる恥も外聞もない貴族を無言であしらい続け、また商売人の売り込みをどう販路に乗せるか考えるために壁の花を決め込んだ時、グランがやってきた。
「王配殿下がネオポリスの毒蜘蛛に捕まった。あの美姫は薬作りの天才だ。盛られたかもしれん」
メアリはアンジュリカの父の末の妹の嫁ぎ先の姫だ。調薬師の才能を持つらしく、あちらこちらで噂を聞くが、つい最近年の離れた夫を迎えた筈だった……が。
「王配殿下の瞳のことを知ったのやもしれん。どうする?あの女は敵にすると厄介だ」
グラン以上の調薬術を持つメアリは戦わずして薬を燻すだけで、戦局を変えた伝説を持つ。実際アンジュリカがウィルと戦った時にも敵陣の料理に投薬をし、戦闘不能に追い込んだこともあるのだ。
「私はネオポリスで、林檎酒を作っているの。アルカディアシードルって言うのだけれど、買っていただけない?売女達の救済で始めた事業なのよ」
メアリの発言にアンジュリカは無表情に
「それで?」
と尋ねた。
「現在、アルビオンを含むガリアでは食前酒ではシャンパンをお召し上がりになっているでしょう?それにアルカディアシードルを加えていただけないかしら」
奥に隠していた鞄から小さなガラス瓶のアルカディアシードルを
「毒も薬も入っていないわ」
とアンジュリカに差し出す。
「地味な瓶だが、素朴で味わいがある姿だな」
ソーダガラスの瓶はコルクで封をしてあるが、洒落たデコルテのないのっぺりとした容器で、逆にそれがアンジュリカの心を惹いた。
「シャルルゥ王配殿下にも美味しいと言っていただけたシードルよ。アルコール度数が低めで香りが良いの」
「そうか、シャルルゥが……。では、王配に免じ『ロワイヤル』の称号を授けよう」
そして寝台に横たわるシャルルゥを抱き上げ、アンジュリカが立ち上がる。
「そのシードルをアルビオンロワイヤルにしたが、そのあとは?」
赤を見つめる金の瞳を細めた。
「私の林檎酒を、アルビオンからローゼルエルデ王国へ。アルカディアシードルはかの昔、アルカディアの初代女王の弟君が立ち寄った際にお出ししたものですから。大層お気に召されたと文献に書いてあったの。実現させたいわね」
表情を変えないアンジュリカに、更に告げた。
「ローゼルエルデ王国は伝説の弟君の姉上様が女王として統治君臨した系譜。是非その末裔の王族にもお召し上がり頂きたいのよ」
「アルビオンのロワイヤルを得て、ローゼルエルデに乗り込み、ガリアへ売り込むつもりか」
アンジュリカの表情が変化する。
「面白い野心だが……アルビオンのメリットは?」
アンジュリカは無言で、女王の膝を枕にするシャルルゥを見下ろした。時々喉を反らし、吐精できないもどかしさに背を丸める姿に、妙な苛立ちを感じる。
「達しそうよ…クリトリスが気持ちいいわ。早く見せて、その瞳をっ……んっ」
メアリは堪らないといった風情で、シャルルゥの口淫を受けている。
「んっ、んっ、はっ」
アンジュリカの太い剣だこの指を背後から受けて、背中やわやわと唇で愛撫された。
「あっ……あああっ!」
アヌスが痙攣して、シャルルゥは引きずられるように、ただ排出のできないアヌスの孔の奥の奥の快楽に悶える。
「シャルルゥ、顔を上げろ」
アンジュリカはシャルルゥの頷きを待たずに、背後からシャルルゥのプラチナブロンドの髪を引っ張りメアリのヴァギナを舐める顔を引き上げさせられた。
「あっ、んんっ」
背後からアンジュリカの二本の無骨な指を受けて、排精出来ない苦しみと同時に受けるアヌスの喜悦に、涙を流し出した。
「アンジュリカ様っ、出したいです……お願いっ!」
髪を掴まれ後からの責め苦にすすり泣きながら、シャルルゥが二人に見せた瞳は……左が赤紫……。
「まああ……なんてこと!」
シャルルゥの右目は緑のままなのに左目だけが赤紫に染まり、息を止めてアヌスの絶頂感に泣きながら、痙攣する襞の悦さに、シャルルゥはひくりひくりと淫乱に腰を振る。
「虹彩異色……なんて綺麗なの……」
へたりと座り込んだメアリがまるで吸い込まれたように、寝台に崩れ落ち丸くなるシャルルゥを見つめる。
「そうだ、メアリ。我が夫は二つの側面をもつ。ペニスの精の排出の快楽とアヌスで極め悶える快楽が同居するのだ。かの君のように赤茶と青ではないが、まさに覇王の瞳。さあ、我が夫の秘密を知った今、どうするつもりだ?」
メアリは無言で着衣を始め、シャルルゥの瞳に惹きつけられたまままるでマリオネットのようにドレスを着た。
結った髪は乱れていたが、美しいスレンダーの肢体にピタリとしたドレスが美しく、メアリは淑女に戻る。
「ーー私は興味本位で遊びに来ただけではなくてよ」
「ほう?」
アンジュリカは寝台に座ると、薬が切れず震える手で体重を支えられないシャルルゥの頭を膝に抱き寄せシーツを掛けてやる。
「さあ、アルビオン女王に話すが良い」
少し前の時間のことだ。アンジュリカは自分の対応の遅さを歯噛みしていた。パーティーの席でシャルルゥがいなくなったのを知ったのは、ずいぶん経った頃だった。
豊かな市場が広がるアルビオンに対して、商売を始めるため融資を受けようと群がる恥も外聞もない貴族を無言であしらい続け、また商売人の売り込みをどう販路に乗せるか考えるために壁の花を決め込んだ時、グランがやってきた。
「王配殿下がネオポリスの毒蜘蛛に捕まった。あの美姫は薬作りの天才だ。盛られたかもしれん」
メアリはアンジュリカの父の末の妹の嫁ぎ先の姫だ。調薬師の才能を持つらしく、あちらこちらで噂を聞くが、つい最近年の離れた夫を迎えた筈だった……が。
「王配殿下の瞳のことを知ったのやもしれん。どうする?あの女は敵にすると厄介だ」
グラン以上の調薬術を持つメアリは戦わずして薬を燻すだけで、戦局を変えた伝説を持つ。実際アンジュリカがウィルと戦った時にも敵陣の料理に投薬をし、戦闘不能に追い込んだこともあるのだ。
「私はネオポリスで、林檎酒を作っているの。アルカディアシードルって言うのだけれど、買っていただけない?売女達の救済で始めた事業なのよ」
メアリの発言にアンジュリカは無表情に
「それで?」
と尋ねた。
「現在、アルビオンを含むガリアでは食前酒ではシャンパンをお召し上がりになっているでしょう?それにアルカディアシードルを加えていただけないかしら」
奥に隠していた鞄から小さなガラス瓶のアルカディアシードルを
「毒も薬も入っていないわ」
とアンジュリカに差し出す。
「地味な瓶だが、素朴で味わいがある姿だな」
ソーダガラスの瓶はコルクで封をしてあるが、洒落たデコルテのないのっぺりとした容器で、逆にそれがアンジュリカの心を惹いた。
「シャルルゥ王配殿下にも美味しいと言っていただけたシードルよ。アルコール度数が低めで香りが良いの」
「そうか、シャルルゥが……。では、王配に免じ『ロワイヤル』の称号を授けよう」
そして寝台に横たわるシャルルゥを抱き上げ、アンジュリカが立ち上がる。
「そのシードルをアルビオンロワイヤルにしたが、そのあとは?」
赤を見つめる金の瞳を細めた。
「私の林檎酒を、アルビオンからローゼルエルデ王国へ。アルカディアシードルはかの昔、アルカディアの初代女王の弟君が立ち寄った際にお出ししたものですから。大層お気に召されたと文献に書いてあったの。実現させたいわね」
表情を変えないアンジュリカに、更に告げた。
「ローゼルエルデ王国は伝説の弟君の姉上様が女王として統治君臨した系譜。是非その末裔の王族にもお召し上がり頂きたいのよ」
「アルビオンのロワイヤルを得て、ローゼルエルデに乗り込み、ガリアへ売り込むつもりか」
アンジュリカの表情が変化する。
「面白い野心だが……アルビオンのメリットは?」
アンジュリカは無言で、女王の膝を枕にするシャルルゥを見下ろした。時々喉を反らし、吐精できないもどかしさに背を丸める姿に、妙な苛立ちを感じる。
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