赤髪の年上女王は年下の宝石のような王子を愛でている【完結】

クリム

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6 いたぶり躾け

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 いつでも、どこでもは、真実だった。毎晩以外にも、政務の合間や、一緒に浸かる浴室でも求められる。

 夜は当たり前のように繰り返される甘い攻め苦のような情事。

 シャルルゥはアンジュリカの胸に突っ伏し、尻にはアンジュリカの愛撫として無骨な二本の指が深々と刺さり、それから生み出される悦楽を感じながら、怖ず怖ずと胸を顔から上げる。

「良い色だ。では、もう一度胤を出せたら終わらせてやろう」

 真っ赤な瞳で挑戦的に囁かれ、シャルルゥはぞくぞくと下肢を震わせる。

 言葉に煽られ手足の指先まで痺れるような快楽に支配されて、シャルルゥは自らの腰をアンジュリカの恥骨に擦り付けるように揺らし始めた。

「可愛いな、シャルルゥは」

 アンジュリカの声に荒い息と甘さを感じて、シャルルゥは悦さに呻く。

 突き上げるとアヌスの中に入る指が前立腺を刺激し泣きながら、

「アンジュリカ様っ、出ますっ」

とぶるぶると脚を震わせながら、アンジュリカの胎内に精液を放ち、アンジュリカの前立腺への刺激に悲鳴を上げた。

 何度も節太な骨な指で暴かれた最奥は熱を持ち、シャルルゥは痙攣を繰り返す。

 尻孔だけで達してしまうように躾られた体は、アンジュリカに求められれば、簡単に仔胤を噴き出し達してしまう体になった。 

「あっ、はぁっ……」

 シャルルゥは最後の一滴までアンジュリカの中に放つと、アシャルルゥの体をきつく抱きしめてくる。

「よい交合であった。子が出来るとよいがな」

 アンジュリカがシャルルゥの唇に、合わせて囁いた。疲れ切って果てたシャルルゥは、ものも言えずに頷く。

 楔になっていたペニスが柔らかくなり、アンジュリカの膣圧に負け弛緩して抜け出ると、アンジュリカの横にくたりと横たわったが、まだ指がアヌスに入っていてアンジュリカに懇願した。

「指が、あの……アンジュリカ様?んっ……」

 ぐったりと手足を投げ出したシャルルゥは、アンジュリカがアヌスをさらにいたぶる指に感じて啜り泣いた。

「ひっ……んっ……んっ」

「ふふ……また感じてるな、ほら」

 アンジュリカに半勃ちのペニスを舐め吸われて、アンジュリカの指を締め付けながら、女王の口の中に精も尽きた透明な体液を放ってしまう。

「あっ!ぃっ……んんっ」

 息を詰め解き放たれた快楽に、肩で喘ぐシャルルゥに、

「悦かったか?シャルルゥ」

とアンジュリカが笑った。

 赤い瞳が柔らかく微笑む時が、一番好きだと思う。

「………はい」

 恥ずかしくて、しばらくしてから頷いた。

 余韻に満ちて寝る時は、アンジュリカは饒舌だ。仔胤を満たしてしばらく動かないアンジュリカが、暇つぶしにシャルルゥのアヌスの周りを撫で弄び、シャルルゥはその快楽に悶えてしまう。シャルルゥは恥ずかしくてたまらないが、アンジュリカは喜々として行うから堪らない。

「お前の出自について、気にすることはない。何も知らなかったのだからな」

「……はい」

 もしかして気を遣われたのではないかとシャルルゥは思い、アンジュリカを見つめた。

 シャルルゥは自分がウィル王の子であり非嫡出子であることも、知らなかったのだ。

 ただウィル城へ行くのは、住み込みメイドである母に何かあったのだと思い込んでいたのだから、まさか自分がウィル王国の王子としてアルビオン王国の女王に婿入りするなど全く知らされていなかった。

「はい、でも考えてしまうと……」

 美しい母は平民出身のメイドで、老齢のウィル王に手をつけられた。その母はシャルルゥの婿入りを喜びはしたが、シャルルゥと共にアルビオンに行くつもりはないと語った。

 シャルルゥの落ち込みようは半端がなかったが、アンジュリカがそれも母御前の生き方だと諭し、シャルルゥは泣きながら了承した。多分、シャルルゥの母も同様であったはずだ、と思う。

「アンジュリカ様はわたしの塞ぎ気味な気持ちことを心配なさって、寝台に?」

「……仔胤が欲しかっただけだ」

 アンジュリカがシャルルゥの瞳から目をそらし、あくびをした。アンジュリカが動かないならば、明日まで湯には浸かれない。シャルルゥはアンジュリカの横で両手で抱きすくめられ、乳房に額をつけて小さく丸くなって眠りについた。






 昼過ぎに目をさまし遅い昼食を二人で取っていると、寄港した港での来客の知らせが来た。

 寝台で食事を取っていたシャルルゥは、ひどく動揺する。アンジュリカの助けを借りてシャワーは浴びたが、下着すら付けていないバスローブ姿のシャルルゥは、慌てふためいて着替えに向かおうとして、へたりと絨毯に座り込んだ。

「シャルルゥ、大丈夫か?」

 腰に力が入らなくて、椅子に捕まりながら立ち上がる。

「はい」

 動くと甘い痺れが手足を支配し、シャルルゥは唇を噛んだ。

「今日はこれを着ろ。海の男はセーラーを着るものだ」

 アンジュリカの選んだ服を貰い、シャルルゥは青色吐息で着替える。

「よく似合っている」

 シャルルゥがアンジュリカの後について入った船の客室に通された客は、長い青みがかった銀髪を垂らし瞳は深い青色をしていて、まるでいつでも朗らかな笑いかけるような口角が上がった冴え冴えとした美しい青年で、

「俺の名はグラン。アンジュリカ女王陛下の遠縁だ。ローゼルエルデからの客分医師となる。はじめましてシャルルゥ王配殿下」

とやや低めのテノールで告げ、女王であるアンジュリカを差し置いて、グランはコートをひらりと靡かせて、シャルルゥの手の甲に挨拶の接吻をした。

「シャルルゥです」

 慌てて手を引っ込めると、アンジュリカの座るソファーに逃げる。

「あの赤色女王にドレスを着させた男はどんな男かと思っていたら、なんとまあお可愛いらしい。失礼ながら王配殿下、お年は?」

 アンジュリカが苦笑して、棚のブランデーを出してグラスを用意し、グランに渡した。
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