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“その時のアイツかなり荒れてな……。”

「にゃあ(イメージ湧かないんだがな)。」

“そうだろう?………アイツは精霊や妖精、数多いる他種族、そして古の一族のことをとても大切にしていたからな。闇の一族、まぁ要は穢れという存在が行った行為が許せなかった。報復するにも干渉できる妖精や精霊がこの地に近付けば穢れに取り込まれてしまうから見ているだけしかできなかった。”

「にゃあ(月日流れて闇の一族の赤黒いもやが効かない私がこの遺跡に来て闇の一族の命の石を壊したり、自分の大切にしていた種族の命の石を腕輪に収納していたから、それが彼を助けたってことになったのか)。」

“そうだ。”

「にゃあ(それならやっぱり私は受けとる資格ないと思うんだがな)。」

“?どうしてだ?”

「にゃあ(だって私がそもそもここに来たのはいりこの人やオリガを助けたいって思ったからで、古の一族も助けたいって思ったから助けた)。」

“ほら、やっぱり資格あるじゃ……………。”

でもな…………………。

「にゃあ(私だって猫の姿してるが一応人間なんだぜ)。」

………そして人間は全員ではないにしても闇の一族に手を貸した。そうすることで古の一族をあんな目にあわせた。私本人がしたことではないにしても、それは同じ種族である人間が背負うべき罪だろう?

「にゃあ(それに助けたいと自分が思って助けたんだからそれに対してお礼をもらうのはなんか違うような気がするぜ)。」

“…………これはやっぱりお前が持っておくべきものだ。”

何か黒ちゃんの声が3割増しにやわらかいっていうか、温かいっていうか…………嬉しそうとも違うんだがな。

「にゃあ(どうしてだ)。」

“これは持ち主の心の持ちようによって使える力が変わるアイテムなんだ。”

「にゃ?」

“お前が持てばそのアイテムは呪具の呪いや闇の一族の神殿を破壊するための手助けになるアイテムになるはずだ。そしてお前がいずれ永遠の眠りにつくとき、それを持つべき者に委ねる。お前が選んだ者はそのアイテムの使い方を絶対間違えないし、お前はアイテムを独占しようとは思わないだろう?これを他者のために、古の一族や数多存在する他種族のために使える。このアイテムを持つべき者は私利私欲にこのアイテムを使う存在てはあってならない。”

「にゃあ(うん)。」

“お前だからこれを渡すんだ。…………資格があるとかないとかは関係ないんだ。あの時代に起こったことを忘れずにいるだけでいいんだ。”
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