289 / 329
239
しおりを挟む
……………でもどっちに置くんだ?
最初の2つは分かりやすかったが、この目の前にある置物と同じ石像はこの階の中心に当たる部分の一階上、ちょうど真上に当たる場所にあった。
「にゃあ(強いて言うなら祭壇から見て右側がそれに近いような気がするけどな)。」
でもそれであっているのだろうか?間違っていたらどうしようか。
……………置いてみるとするか。
かぷっ!
ひょーい、ととととととと。ぴょーん。
「にゃ……………(あ)。」
置物の下を見れば一目瞭然だった。気付かなかったぜ(汗)。
………気にしないことにしよう。うん。
かたん。
他のと同じく部屋の外側に向けて置物を置くとため息をついた。
「にゃあ(残り一つなんだけどな)。」
どこにあるんだよ。
ひゅーーーーーーーーん。
…………上からなんか音がするぞ。なんなんだろ……………ぶへっ!
上から落ちてきた何かが上を見上げた途端、顔面着地しその勢いのまま円柱の台から見事に落下した私は猫にあるまじき頭部で着地するはめになった。
う゛に゛ゃん!!
思わず前足で頭をおさえながら痛みに転げ回る。
右にゴロン、左にゴロン。
……痛てぇ、ほんと痛てぇよ。
右にゴロン、左にゴロン。
…顔も痛いが頭はもっと痛てぇぜ。
しばらく痛みでゴロンゴロンしていたら何かに当たりそちらを向くと置物が一つ転がっていた。
「にゃうぅぅぅ(この痛みを与えた犯人ならぬ犯物はなんだ)!」
そこに転がっていたのは一個の置物。しかもこれまでの置物は移動すれば男女セットになったり、1家族だったりしたが今回のは女性の置物だった。着ている服が見たこと無いような服だったがとても美しかった。
もちろん、どの置物も色はついていなかったからついていればどんな色か気になるところだが、どの置物も石像もそれはもう美しかった。だがこれはそれ以上の美しさがあった。
床につくほどのとても長いストレートのまとまった髪、長い睫毛の下にある物憂げな眼差し、胸で両手を包むようにして祈る様はまさに実際に存在していれば100人が100人振り向くほどの美しい女性だと思う。
咥えるのは申し訳ないと思いつつも、壊さないようにゆっくりと咥えて何も置かれていない祭壇近くの円柱の上になんとか登ると部屋の外側に向けて………、いや、正式には祭壇に祈りを捧げるように置いた。
かたん。
……………………よし、これでいいよな。
円柱から下りると祭壇まで歩いていき、勢いをつけて再び祭壇の上に登った。
最初の2つは分かりやすかったが、この目の前にある置物と同じ石像はこの階の中心に当たる部分の一階上、ちょうど真上に当たる場所にあった。
「にゃあ(強いて言うなら祭壇から見て右側がそれに近いような気がするけどな)。」
でもそれであっているのだろうか?間違っていたらどうしようか。
……………置いてみるとするか。
かぷっ!
ひょーい、ととととととと。ぴょーん。
「にゃ……………(あ)。」
置物の下を見れば一目瞭然だった。気付かなかったぜ(汗)。
………気にしないことにしよう。うん。
かたん。
他のと同じく部屋の外側に向けて置物を置くとため息をついた。
「にゃあ(残り一つなんだけどな)。」
どこにあるんだよ。
ひゅーーーーーーーーん。
…………上からなんか音がするぞ。なんなんだろ……………ぶへっ!
上から落ちてきた何かが上を見上げた途端、顔面着地しその勢いのまま円柱の台から見事に落下した私は猫にあるまじき頭部で着地するはめになった。
う゛に゛ゃん!!
思わず前足で頭をおさえながら痛みに転げ回る。
右にゴロン、左にゴロン。
……痛てぇ、ほんと痛てぇよ。
右にゴロン、左にゴロン。
…顔も痛いが頭はもっと痛てぇぜ。
しばらく痛みでゴロンゴロンしていたら何かに当たりそちらを向くと置物が一つ転がっていた。
「にゃうぅぅぅ(この痛みを与えた犯人ならぬ犯物はなんだ)!」
そこに転がっていたのは一個の置物。しかもこれまでの置物は移動すれば男女セットになったり、1家族だったりしたが今回のは女性の置物だった。着ている服が見たこと無いような服だったがとても美しかった。
もちろん、どの置物も色はついていなかったからついていればどんな色か気になるところだが、どの置物も石像もそれはもう美しかった。だがこれはそれ以上の美しさがあった。
床につくほどのとても長いストレートのまとまった髪、長い睫毛の下にある物憂げな眼差し、胸で両手を包むようにして祈る様はまさに実際に存在していれば100人が100人振り向くほどの美しい女性だと思う。
咥えるのは申し訳ないと思いつつも、壊さないようにゆっくりと咥えて何も置かれていない祭壇近くの円柱の上になんとか登ると部屋の外側に向けて………、いや、正式には祭壇に祈りを捧げるように置いた。
かたん。
……………………よし、これでいいよな。
円柱から下りると祭壇まで歩いていき、勢いをつけて再び祭壇の上に登った。
0
お気に入りに追加
1,756
あなたにおすすめの小説
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
【完結】浮気現場を目撃してしまい、婚約者の態度が冷たかった理由を理解しました
紫崎 藍華
恋愛
ネヴィルから幸せにすると誓われタバサは婚約を了承した。
だがそれは過去の話。
今は当時の情熱的な態度が嘘のように冷めた関係になっていた。
ある日、タバサはネヴィルの自宅を訪ね、浮気現場を目撃してしまう。
タバサは冷たい態度を取られている理由を理解した。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
ヴェルセット公爵家令嬢クラリッサはどこへ消えた?
ルーシャオ
恋愛
完璧な令嬢であれとヴェルセット公爵家令嬢クラリッサは期待を一身に受けて育ったが、婚約相手のイアムス王国デルバート王子はそんなクラリッサを嫌っていた。挙げ句の果てに、隣国の皇女を巻き込んで婚約破棄事件まで起こしてしまう。長年の王子からの嫌がらせに、ついにクラリッサは心が折れて行方不明に——そして約十二年後、王城の古井戸でその白骨遺体が発見されたのだった。
一方、隣国の法医学者エルネスト・クロードはロロベスキ侯爵夫人ことマダム・マーガリーの要請でイアムス王国にやってきて、白骨死体のスケッチを見てクラリッサではないと看破する。クラリッサは行方不明になって、どこへ消えた? 今はどこにいる? 本当に死んだのか? イアムス王国の人々が彼女を惜しみ、探そうとしている中、クロードは情報収集を進めていくうちに重要参考人たちと話をして——?
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います
りまり
恋愛
私の名前はアリスと言います。
伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。
母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。
その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。
でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。
毎日見る夢に出てくる方だったのです。
「婚約を破棄したい」と私に何度も言うのなら、皆にも知ってもらいましょう
天宮有
恋愛
「お前との婚約を破棄したい」それが伯爵令嬢ルナの婚約者モグルド王子の口癖だ。
侯爵令嬢ヒリスが好きなモグルドは、ルナを蔑み暴言を吐いていた。
その暴言によって、モグルドはルナとの婚約を破棄することとなる。
ヒリスを新しい婚約者にした後にモグルドはルナの力を知るも、全てが遅かった。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる