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結局、いろんな料理に歯形をつけなかった私である。

あの期待した目で見られると何故かちょっと決意がぐらついてしまうが、あのまま遠慮なくかじって、歯形をあちこち残していたら、その料理を永久保存されそうな気がしたので止めておいた。

………というか永久保存できるようにするスキルってあるんだろうか?

最近、いりこの人が変態化している気がするのは気のせいだろうか?

………というか、変人と変態って何が違うんだろう?あまり変わらない気が最近してきたぜ。

…………………………………気にしないようにしよう。うん。ははは。

「………ある。」

え?

「料理を永久保存できる方法ならある。料理だけではないがな。その他美術品とか色々できるようだぞ。」

まじか(汗)かじらなくてよかった。私のかじった料理が本当に永久保存されるところだったぜ。

「ちょっと残念だった。」

………それ、ちょっとの顔じゃないだろ。すごーく残念だったって顔に書いてあるぞ(汗)

「バレてしまったか(笑)」

分かりやすすぎるだろ!それ(汗)

ぐわしっ!

…ん?

少しずついりこの人との距離をあけていった私だか突然いりこの人に胴体を掴まれた。

あ、やべっ!

「さあ、食べようか!」

いりこの人はパンを器用に片手でちぎるとスープに浸して私の前に持ってきた。

ぁぁああ!!今日は自分で食べるはずだったのに!!

っていりこの人、嬉しそうだなおい(汗)
………まあいっか。私もいりこの人に食べさせてもらうの好きだし。

人の姿だったら恥ずかしいが、あいにく今は猫の姿だしな。

自分で食べるのを諦めたのがわかったのか、いりこの人は胴体掴むのを止めてメインの肉を切り分けると私に差し出した。

目元を緩めて肉を差し出すいりこの人がちょっと可愛く見えたぜ。

「にゃあ(いただきます)!」

かぷっ!

もぐもぐもぐもぐ。ごっくん。

これはヒレステーキだな。柔らかくて赤身のほんのりとした甘さが際立つそれはなんとも幸せの味だった。肉質はきめ細かいし、舌触りのよさもいい。脂肪が少ないのでとても食べやすい。
シンプルな味付けだから肉そのものの味が楽しめるし、肉汁のなんとも美味いことか。

いりこの人から今度はパンをちぎって食べさせてもらうと肉をもう一口もらう。

もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ。

ああ、何て美味い!幸せだあぁぁぁ!

「……………(本当に美味しそうに食べる)」

ん?いりこの人も食べようぜ!美味いぞ。ぺろり。

何だったら切り分けようか?フォークで固定してくれたらできそうだぞ。

「………いや遠慮しておく。」

危なっかしいからダメって顔してるぜ。
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