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第二章
終了式と謝恩会 後編
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王宮の侍女の方が、あちこちに出来た傷に触っても痛くないような、柔らかな生地のドレスを持ってきてくださいまして、着替えさせてくださいました。
髪も下ろして顔が多少、隠れるように片側に緩いみつあみで整えてくださって、今夜、お世話になる客間へ案内されました。
広すぎる王宮で、どこを歩いているのかも分かりませんでしたが、アルの部屋と、アンドレア義兄様の部屋、そしてお義父様とお義母様の滞在する部屋を挟んでその向こうに私が泊めていただく部屋と並んでおりました。
リサお義母様は、予想通り、王妃様に呼ばれまして、侍女の方にどこかへ連れていかれてしまいました。
私が今夜、滞在する部屋へ入る瞬間、お義母様が連れていかれるのが視界に入りましたので、お義父様は暇かなと、私はお義府様たちの部屋へ顔を出しました。
それが失敗だった…。
応接スペースには、お義父様と、アルやお義兄様だけでなく、何故か宰相様と第三王子殿下がいらっしゃいました。
「リーナちゃん、もう大丈夫なの?」
ノックをして返事があったので扉を開けたものの、他にも人が居ることに気付いて、慌ててそのまま扉を閉めようとしたものの、お義兄様が聞いてきたので、そうも出来ず。
「ご心配をお掛けしました。かすり傷ですので大丈夫です。」
中へは入らずに答えると、殿下から中へ入るように言われてしまいました。
今回の件、王宮でのパーティーでということと、養女とはいえ公爵家の令嬢をということで、軽くは済ませられないようです。
それで事情が聞ければと来ていらっしゃいました。
私、飛んで火にいる夏の虫ってわけね…どうも危険を回避する能力は私には欠けているようで。
「それで…あの時、何があったのか、話してもらえるかな?」
宰相様から即されて、話しました。
「あの時、ちょっと人酔いというか、疲れてしまって、夜風に当たりたくて、一人でベランダへ出たのです。
ベランダには人はあまり居なかったように思います。
それで手すりに寄りかかって、ベランダの向こうの庭園を、仲睦まじい様子で何かを語りながら歩く方々や、座って語り合う方々を見ていたんです。
そして両肩を押された感覚を感じた時にはもう手すりの向こう側に倒れるように頭から落ちて…。
気が付いた時には頭から手すりの下に運良く?運悪く?あったバラの生垣に突っ込んでいて…。」
「ベランダに出た時に、誰が居たとかは覚えていないかな?」
「…人が居るという事だけは見ていたのですが、お顔とか全く見ていませんし、それぞれの方々も、しっかりとは見ていなかったので、全く分かりません…。」
「そうか…。」
「リーナちゃんを突き落した犯人は見付からないのですか?」
「それが…突き落す瞬間を見ていたものは、いるには居るのだが、遠かったのと、室内からの光で逆行になっていて、女性という以外は全く分からないのです。
マリーナ嬢が手すりから見ていた、ベンチに座って語り合っていたカップルは、彼らもベランダを何となくだけ見ていたんだ。
あ、女性が一人出てきて夜風に当たっている…疲れたのかなと思っていたら、その背後にドレス姿の女性が3人ほど来て、お友達が心配してきたのかと思って見ていたら、いきなり中の一人が君を突き飛ばしたらしい。
でも…遠すぎて顔も何も分からないらしいんだよ。
更にはあちこち聞き込みをして、君が落ちた直後と思われる時に、ベランダから室内へ戻って去って行った人物を見ていた人も居るには居るんだが…。」
「誰なんだ?」
お義父様が怖い顔で聞いた。
「高位貴族の娘で、簡単に問い詰める事は出来ないんだ…。」
「高位というなら、リーナだって公爵令嬢じゃないか!」
「…向こうもそうだ…。しかも向こうは別の娘が隣国の王家に嫁いでいる…。」
「うちに泣き寝入りしろという事か…。」
お義父様も、お義兄様も、アルも凄い怒ってる…。
私は顔も手足も、あちこちに引っかき傷があって痛いし、疲れたし、もう寝たい…。
腹が立つより疲れた…。
結局、今回については、ハッキリした目撃者が無く、私も見ていない為、どうしようもないという結果に。
公爵家として、騒ぎ立てると、私に良くない噂が流れる可能性があり、さりとて完全に泣き寝入りは公爵家が舐められる。
という事で、王家としても何もしないというわけにもいかず、恐ろしい事に、第三王子殿下が気に留めているという体を取るという事に。
第三王子殿下は、私たちと同じ学園の専門課程に在籍しているものの、選択する授業も異なるため、アルもお義兄様も顔を知っている程度だったらしいです。
私はもっと知らない。
第三王子は、緩く波打つ、シルバーに近い、プラチナブロンドの髪を一本の三つ編みにして背中の真ん中あたりに垂らしていて、透き通るような水色に近い青い目にモノクルを掛けた、物静かな王子様です。
正直言って、怖いから、あまりお近づきになりたくない…。
でも暫くは、学園内で殿下が私に声を掛ける事や、夜会のパートナーを殿下が務める事になるから、そのつもりでと。
要するにそれによって、私に攻撃を仕掛けた、どこぞの高位貴族のお嬢様若しくは家を牽制するのだそうです。
面倒くさいなと思いながらも、宰相様と殿下に、頭を下げました。
「出来るだけお手を煩わせることの無いように努力致しますので、申し訳ございません…。」
深々と頭を下げると、宰相様は優しい声で慰めてくださいました。
「マリーナ嬢が気にすることは無いよ…。
これでもう何も起こらなければそれで良し、もしも何かあったら…何か動けば動くほど、こちらは犯人に近づくだけだから。
もしまたやったら、次はただでは済まさないから。
ただ学園でもくれぐれも気を付けるようにね。」
正直に言えばモヤっとします。
私、生垣に顔から突っ込んで、よりにもよってバラの生垣で、かなり痛かったんです。
なのに犯人は野放しって…。
しかも私は暫くは冷たそうな第三王子に気に留められているふりをしなくちゃいけないって。
それでは私が罰ゲーム受けているみたいじゃない?!何か、違くない?
まあ良いや…暫く引きこもりでもして、大人しくしていよう…。
「殿下にまでお手を煩わせてしまって、申し訳ございません。
出来るだけこれ以上、殿下にご迷惑をお掛けしないように気を付けますので…。」
「いや…君が悪いわけではない。それにこれは父に言われた事でもあるし、気にする事ではない。
少なくとも数ヶ月は君が夜会とか出かける時には、出来るだけエスコートをするようにするので、城へ連絡をしてくれ。
他にもエスコートが必要な時は、必ず行くとは言えないが、出来る限りは何とかするので、言ってくれ。
あぁ…一度、学校でも生徒たちが居るところで、君と私が親しくしているように見せかける場を設けた方が良いか?」
「学校では私たちがおりますので、ご安心を。」
「…そうか…分かった。」
こうして折角の王城での謝恩パーティーは…終わった…。
終わったって事で良いですよね?まだ王城に居ますけど…明日の朝まで帰れないようですけど…。
あぁ疲れた…。
朝、起きると、流石王城のお医者様の薬だけあって、効き始めたのか、顔から手足…あちこちにある傷が…痒い…。
でも掻いてはダメって言われている…傷跡が残るから。
痒い!!!痒いよ!痒いよ!!!
髪も下ろして顔が多少、隠れるように片側に緩いみつあみで整えてくださって、今夜、お世話になる客間へ案内されました。
広すぎる王宮で、どこを歩いているのかも分かりませんでしたが、アルの部屋と、アンドレア義兄様の部屋、そしてお義父様とお義母様の滞在する部屋を挟んでその向こうに私が泊めていただく部屋と並んでおりました。
リサお義母様は、予想通り、王妃様に呼ばれまして、侍女の方にどこかへ連れていかれてしまいました。
私が今夜、滞在する部屋へ入る瞬間、お義母様が連れていかれるのが視界に入りましたので、お義父様は暇かなと、私はお義府様たちの部屋へ顔を出しました。
それが失敗だった…。
応接スペースには、お義父様と、アルやお義兄様だけでなく、何故か宰相様と第三王子殿下がいらっしゃいました。
「リーナちゃん、もう大丈夫なの?」
ノックをして返事があったので扉を開けたものの、他にも人が居ることに気付いて、慌ててそのまま扉を閉めようとしたものの、お義兄様が聞いてきたので、そうも出来ず。
「ご心配をお掛けしました。かすり傷ですので大丈夫です。」
中へは入らずに答えると、殿下から中へ入るように言われてしまいました。
今回の件、王宮でのパーティーでということと、養女とはいえ公爵家の令嬢をということで、軽くは済ませられないようです。
それで事情が聞ければと来ていらっしゃいました。
私、飛んで火にいる夏の虫ってわけね…どうも危険を回避する能力は私には欠けているようで。
「それで…あの時、何があったのか、話してもらえるかな?」
宰相様から即されて、話しました。
「あの時、ちょっと人酔いというか、疲れてしまって、夜風に当たりたくて、一人でベランダへ出たのです。
ベランダには人はあまり居なかったように思います。
それで手すりに寄りかかって、ベランダの向こうの庭園を、仲睦まじい様子で何かを語りながら歩く方々や、座って語り合う方々を見ていたんです。
そして両肩を押された感覚を感じた時にはもう手すりの向こう側に倒れるように頭から落ちて…。
気が付いた時には頭から手すりの下に運良く?運悪く?あったバラの生垣に突っ込んでいて…。」
「ベランダに出た時に、誰が居たとかは覚えていないかな?」
「…人が居るという事だけは見ていたのですが、お顔とか全く見ていませんし、それぞれの方々も、しっかりとは見ていなかったので、全く分かりません…。」
「そうか…。」
「リーナちゃんを突き落した犯人は見付からないのですか?」
「それが…突き落す瞬間を見ていたものは、いるには居るのだが、遠かったのと、室内からの光で逆行になっていて、女性という以外は全く分からないのです。
マリーナ嬢が手すりから見ていた、ベンチに座って語り合っていたカップルは、彼らもベランダを何となくだけ見ていたんだ。
あ、女性が一人出てきて夜風に当たっている…疲れたのかなと思っていたら、その背後にドレス姿の女性が3人ほど来て、お友達が心配してきたのかと思って見ていたら、いきなり中の一人が君を突き飛ばしたらしい。
でも…遠すぎて顔も何も分からないらしいんだよ。
更にはあちこち聞き込みをして、君が落ちた直後と思われる時に、ベランダから室内へ戻って去って行った人物を見ていた人も居るには居るんだが…。」
「誰なんだ?」
お義父様が怖い顔で聞いた。
「高位貴族の娘で、簡単に問い詰める事は出来ないんだ…。」
「高位というなら、リーナだって公爵令嬢じゃないか!」
「…向こうもそうだ…。しかも向こうは別の娘が隣国の王家に嫁いでいる…。」
「うちに泣き寝入りしろという事か…。」
お義父様も、お義兄様も、アルも凄い怒ってる…。
私は顔も手足も、あちこちに引っかき傷があって痛いし、疲れたし、もう寝たい…。
腹が立つより疲れた…。
結局、今回については、ハッキリした目撃者が無く、私も見ていない為、どうしようもないという結果に。
公爵家として、騒ぎ立てると、私に良くない噂が流れる可能性があり、さりとて完全に泣き寝入りは公爵家が舐められる。
という事で、王家としても何もしないというわけにもいかず、恐ろしい事に、第三王子殿下が気に留めているという体を取るという事に。
第三王子殿下は、私たちと同じ学園の専門課程に在籍しているものの、選択する授業も異なるため、アルもお義兄様も顔を知っている程度だったらしいです。
私はもっと知らない。
第三王子は、緩く波打つ、シルバーに近い、プラチナブロンドの髪を一本の三つ編みにして背中の真ん中あたりに垂らしていて、透き通るような水色に近い青い目にモノクルを掛けた、物静かな王子様です。
正直言って、怖いから、あまりお近づきになりたくない…。
でも暫くは、学園内で殿下が私に声を掛ける事や、夜会のパートナーを殿下が務める事になるから、そのつもりでと。
要するにそれによって、私に攻撃を仕掛けた、どこぞの高位貴族のお嬢様若しくは家を牽制するのだそうです。
面倒くさいなと思いながらも、宰相様と殿下に、頭を下げました。
「出来るだけお手を煩わせることの無いように努力致しますので、申し訳ございません…。」
深々と頭を下げると、宰相様は優しい声で慰めてくださいました。
「マリーナ嬢が気にすることは無いよ…。
これでもう何も起こらなければそれで良し、もしも何かあったら…何か動けば動くほど、こちらは犯人に近づくだけだから。
もしまたやったら、次はただでは済まさないから。
ただ学園でもくれぐれも気を付けるようにね。」
正直に言えばモヤっとします。
私、生垣に顔から突っ込んで、よりにもよってバラの生垣で、かなり痛かったんです。
なのに犯人は野放しって…。
しかも私は暫くは冷たそうな第三王子に気に留められているふりをしなくちゃいけないって。
それでは私が罰ゲーム受けているみたいじゃない?!何か、違くない?
まあ良いや…暫く引きこもりでもして、大人しくしていよう…。
「殿下にまでお手を煩わせてしまって、申し訳ございません。
出来るだけこれ以上、殿下にご迷惑をお掛けしないように気を付けますので…。」
「いや…君が悪いわけではない。それにこれは父に言われた事でもあるし、気にする事ではない。
少なくとも数ヶ月は君が夜会とか出かける時には、出来るだけエスコートをするようにするので、城へ連絡をしてくれ。
他にもエスコートが必要な時は、必ず行くとは言えないが、出来る限りは何とかするので、言ってくれ。
あぁ…一度、学校でも生徒たちが居るところで、君と私が親しくしているように見せかける場を設けた方が良いか?」
「学校では私たちがおりますので、ご安心を。」
「…そうか…分かった。」
こうして折角の王城での謝恩パーティーは…終わった…。
終わったって事で良いですよね?まだ王城に居ますけど…明日の朝まで帰れないようですけど…。
あぁ疲れた…。
朝、起きると、流石王城のお医者様の薬だけあって、効き始めたのか、顔から手足…あちこちにある傷が…痒い…。
でも掻いてはダメって言われている…傷跡が残るから。
痒い!!!痒いよ!痒いよ!!!
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