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公爵
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|単語レイが意識を取り戻すまで、この場を離れたくはないものの、公爵家にお世話になっている以上は、あまりにも勝手な事も出来ず、公爵様に手紙を届けてもらう事になりました。
レイの事で相談したいことがある事。
しかし今すぐにはここを離れることが難しい事。
すると、その日の午後に、公爵様自ら侯爵家を訪れてくださいました。
運良く侯爵様もご在宅でした。
でも先ずは公爵様と私が相談したことがあったので、アンドリュー様に私の代わりにレイの側についていて頂きました。
お部屋を借りて、公爵様と二人だけにしていただきました。
「受験のために忙しい時期なのに、勝手な事をして申し訳ございません。」
先ずは謝罪しました。
「君は優しい子だから、ほっとけないんだろう?
それでこれからどうしたいのかな?」
「私は予定通り受験し、予定通り留学したいと思っております。
ただ…それまでの期間、お願いがあるのです。
レイモンド様の意識が戻るまで、可能であれば留学するまでの間、可能な限りはレイモンド様を見守りたいと思うのです。
本当はアルフレッド様もいらっしゃると、尚良いとは思うのですが、アルフレッド様にはそれ以上に少しでも受験で良い結果を出していただきたいので…。」
「君自身の勉強はどうするつもりかな?」
「私は少なくとも初等レベルはクリア出来る自信があります。
中等レベルでどの辺に食い込めるかだと思っておりますので、レイモンド様の看病をしながら、自主学習をしようと考えております。」
「…それで私が君にそれを許すメリットについてはどう考える?」
「私自身は友人の事について、メリットデメリットで行動するつもりはありませんが、でも公爵様へ提示させていただくのであれば、公爵家と侯爵家は、同じ派閥ではありませんでしたよね?
公爵様がレイモンド様を助けるという事は、侯爵家へ恩を売る事になります。
現ご当主様も、当然、公爵様に恩を抱くことになりますが、次の世代は、特にレイモンドが爵位を継いだ場合は、それこそ強い恩を感じるかと思います。
それはメリットになるのでは?」
正直に言ってしまえば、友人を助ける事を、駆け引きの材料に使いたくはないし、ましてその友人自身が駆け引きの材料にというのは、かなり嫌なことです。
しかし伊達に中身23歳なわけではありません。
世の中、綺麗ごとだけではダメと知っています。
前世…正論を言ったがために、私自身が悪者として貶められて、非常に手痛い目に遭ったことが、何回かあるのですよ…。
苛めに遭っている子を助けたら、次は私が苛めのターゲットになり、しかもいじめは更にエスカレートして、自殺さえも考えるレベルになった事もありました。
その時に私が助けた子は、「ごめんね!でも(苛めの中心グループの)いう事を聞かないと、また私が苛めらるから!」と言ってきました。
あぁ…助けるんじゃなかった…私には関係ないんだからとほっとけば良かった…これ、何と私が小学生の時の経験です。
だから世の中、綺麗ごとだけではダメ…学びました。
私が実家から逃げるために、公爵様に助けていただきました。
その恩は、必ず返すつもりです。
それはまた別の話で、レイを助けるために…公爵様の助けを得るために、メリットだの恩だのと説明し、交渉しました。
まあ更に本当の事を言ってしまうと、実は私を助けてくれた公爵様は、お人好しじゃないかと思います。
アルに頼まれたからといって、お人好し過ぎるのではと思います。
勿論、公爵家当主として、家のためにならないようなことはしないと思います。
でもそれを差し引いてもお人よしではないかなと。
今回、公爵様が私にメリットを聞いてきたのは、私がお人好しばかりせずに、ちゃんと考えるように促すためだけではないのかなという気もします。
何はともあれ、私の受験や留学に支障のない範囲で、レイを看病する許可は頂きました。
「レイモンド君を、公爵家別邸へ戻してはどうかな?」
公爵様が仰いました。
アンジェリカ様が起こした問題…なんて可愛いものでは無かったですけど…が原因で、レイは私との婚約レースから離脱し、別邸を後にしたわけです。
そしてそれから今回のような状態になってしまいました。
精神的な部分を回復させない限りは、身体の方を何とかしても、根本解決にはならないわけです。
根本解決するには、私の側に居た方が良い…しかし私の状況を考えると、私は別邸に居た方が良いわけで。
レイを戻してはというわけです。
しかしレイを別邸に置くには、侯爵様との話し合いも必要だし、何よりもどういった理由付けをするのかという問題が。
「まあそこは侯爵と相談するよ。
私としては、レイモンド君をそこまで手厚く面倒を見れば、それこそ侯爵家に対する貸しを作れるというものだし、君の留学準備もやりやすい。
では君としては別邸でレイモンド君の看病という事には異論は無いね?」
「公爵様には本当に良くして頂いております。その上今回のレイモンド様の事は、私の我儘でもあるので、公爵様にお任せいたします。」
「…ところで君は、うちのアルフレッドとはどうなの?」
「アルフレッド様の事は好きですよ…もしかしたらそれは、異なる種類の好きかもしれませんが…。」
「そうだよね…君たちを見ていると、どうもね…。君たちが何を考えて婚約したいと言い出したのかは、まだ分からないけど…。」
「…。」
とてもにこやかな公爵様に対し、私の微笑みは間違いなく引き攣っていたと思います…。
伊達に公爵家ご当主ではないですね…何か色々読まれている気がします。
「まあとにかく、この後、侯爵と話し合って来るよ。
帰る前に結果を報告するね!」
そう言って私の頭をわしゃわしゃとして、侯爵家執事さんを呼び、侯爵様と話し合うために出ていきました。
「私はレイのところへ戻ろう…。」
レイは相変わらず目を覚まさない…。
栄養失調に脱水…目を覚ましてくれない事には…。
水分だけは、口元に水に浸した綺麗な布を持って行った。
水が気管支へ入ったら大変な事になるから、経口で与えるのは難しい。
でもこの世界、点滴とか出来るほどの医療技術は無い。
「レイモンドの様子はどうだろう?」
侯爵様が公爵様を伴ってやってきました。
「話し合ったのだが、レイモンド君をもう一度、公爵家別邸へ連れて行って看病することになった。
それで何かの判断が必要な時のために、アンドリュー君も一緒に連れていくよ。
意識が戻るまで待ちたいところだが、いつ意識が戻るかもわからないので、今日、このまま連れていくよ。
君はすぐに出られるかな?」
「はい、私はすぐにでも出られます。」
私は公爵様と一緒に公爵家の馬車で戻る事になり、アンドリュー様が意識の戻らないレイを侯爵家の馬車で連れてくることになりました。
別邸へ戻ると、何と!アルが来ておりました。
「アル!久しぶり!元気?どう?受験勉強は?」
「おぅ!順調に進んでいるぞ。間違えてもお前と同じ学年にはなりたくないからな!」
「えぇー良いじゃん!一緒のクラスで仲良く勉強しようよ!」
「まぁそれも楽しいかもしれないけどなぁ!」
「馬鹿者!お前はマリーナ嬢と同じ学年になるようだったら、即刻国へ呼び戻すぞ!
留学させるからには相応の成果は上げてこい!」
久しぶりに会って、少しテンションが上がって、ふざけていたら、公爵様に叱られました…。
そうこうしているうちに、侯爵家の馬車も到着しました。
「レイモンド君が使っていた客室へそのまま運び込んでくれ。」
侯爵家の屈強な騎士の方がレイを抱きかかえて馬車から降ろし、運んでくださいました。
「父上、アンドリュー君は?」
「マリーナ嬢とレイモンド君を二人きりにするわけにいかないので、アンドリュー君にも来てもらったんだ。
暫くこの邸に滞在してもらう事になったよ。」
「だったら俺が戻っても良かったのに…。」
「お前は留学のための試験勉強と準備があるだろう…。」
「…仰る通りです、父上。
レイモンドは?まだ意識が戻らないのですか?」
「…戻る様子が無い…。どうも精神的な事から全てを拒んで閉じこもってしまっているようなんだ…。
栄養失調に脱水状態なのだが、意識が戻らない事には、どうにもならなくてな…。
マリーナ嬢頼みなんだ…。」
「…俺も…時間がある時には別邸にレイモンドに会いに来るよ…。」
レイの事で相談したいことがある事。
しかし今すぐにはここを離れることが難しい事。
すると、その日の午後に、公爵様自ら侯爵家を訪れてくださいました。
運良く侯爵様もご在宅でした。
でも先ずは公爵様と私が相談したことがあったので、アンドリュー様に私の代わりにレイの側についていて頂きました。
お部屋を借りて、公爵様と二人だけにしていただきました。
「受験のために忙しい時期なのに、勝手な事をして申し訳ございません。」
先ずは謝罪しました。
「君は優しい子だから、ほっとけないんだろう?
それでこれからどうしたいのかな?」
「私は予定通り受験し、予定通り留学したいと思っております。
ただ…それまでの期間、お願いがあるのです。
レイモンド様の意識が戻るまで、可能であれば留学するまでの間、可能な限りはレイモンド様を見守りたいと思うのです。
本当はアルフレッド様もいらっしゃると、尚良いとは思うのですが、アルフレッド様にはそれ以上に少しでも受験で良い結果を出していただきたいので…。」
「君自身の勉強はどうするつもりかな?」
「私は少なくとも初等レベルはクリア出来る自信があります。
中等レベルでどの辺に食い込めるかだと思っておりますので、レイモンド様の看病をしながら、自主学習をしようと考えております。」
「…それで私が君にそれを許すメリットについてはどう考える?」
「私自身は友人の事について、メリットデメリットで行動するつもりはありませんが、でも公爵様へ提示させていただくのであれば、公爵家と侯爵家は、同じ派閥ではありませんでしたよね?
公爵様がレイモンド様を助けるという事は、侯爵家へ恩を売る事になります。
現ご当主様も、当然、公爵様に恩を抱くことになりますが、次の世代は、特にレイモンドが爵位を継いだ場合は、それこそ強い恩を感じるかと思います。
それはメリットになるのでは?」
正直に言ってしまえば、友人を助ける事を、駆け引きの材料に使いたくはないし、ましてその友人自身が駆け引きの材料にというのは、かなり嫌なことです。
しかし伊達に中身23歳なわけではありません。
世の中、綺麗ごとだけではダメと知っています。
前世…正論を言ったがために、私自身が悪者として貶められて、非常に手痛い目に遭ったことが、何回かあるのですよ…。
苛めに遭っている子を助けたら、次は私が苛めのターゲットになり、しかもいじめは更にエスカレートして、自殺さえも考えるレベルになった事もありました。
その時に私が助けた子は、「ごめんね!でも(苛めの中心グループの)いう事を聞かないと、また私が苛めらるから!」と言ってきました。
あぁ…助けるんじゃなかった…私には関係ないんだからとほっとけば良かった…これ、何と私が小学生の時の経験です。
だから世の中、綺麗ごとだけではダメ…学びました。
私が実家から逃げるために、公爵様に助けていただきました。
その恩は、必ず返すつもりです。
それはまた別の話で、レイを助けるために…公爵様の助けを得るために、メリットだの恩だのと説明し、交渉しました。
まあ更に本当の事を言ってしまうと、実は私を助けてくれた公爵様は、お人好しじゃないかと思います。
アルに頼まれたからといって、お人好し過ぎるのではと思います。
勿論、公爵家当主として、家のためにならないようなことはしないと思います。
でもそれを差し引いてもお人よしではないかなと。
今回、公爵様が私にメリットを聞いてきたのは、私がお人好しばかりせずに、ちゃんと考えるように促すためだけではないのかなという気もします。
何はともあれ、私の受験や留学に支障のない範囲で、レイを看病する許可は頂きました。
「レイモンド君を、公爵家別邸へ戻してはどうかな?」
公爵様が仰いました。
アンジェリカ様が起こした問題…なんて可愛いものでは無かったですけど…が原因で、レイは私との婚約レースから離脱し、別邸を後にしたわけです。
そしてそれから今回のような状態になってしまいました。
精神的な部分を回復させない限りは、身体の方を何とかしても、根本解決にはならないわけです。
根本解決するには、私の側に居た方が良い…しかし私の状況を考えると、私は別邸に居た方が良いわけで。
レイを戻してはというわけです。
しかしレイを別邸に置くには、侯爵様との話し合いも必要だし、何よりもどういった理由付けをするのかという問題が。
「まあそこは侯爵と相談するよ。
私としては、レイモンド君をそこまで手厚く面倒を見れば、それこそ侯爵家に対する貸しを作れるというものだし、君の留学準備もやりやすい。
では君としては別邸でレイモンド君の看病という事には異論は無いね?」
「公爵様には本当に良くして頂いております。その上今回のレイモンド様の事は、私の我儘でもあるので、公爵様にお任せいたします。」
「…ところで君は、うちのアルフレッドとはどうなの?」
「アルフレッド様の事は好きですよ…もしかしたらそれは、異なる種類の好きかもしれませんが…。」
「そうだよね…君たちを見ていると、どうもね…。君たちが何を考えて婚約したいと言い出したのかは、まだ分からないけど…。」
「…。」
とてもにこやかな公爵様に対し、私の微笑みは間違いなく引き攣っていたと思います…。
伊達に公爵家ご当主ではないですね…何か色々読まれている気がします。
「まあとにかく、この後、侯爵と話し合って来るよ。
帰る前に結果を報告するね!」
そう言って私の頭をわしゃわしゃとして、侯爵家執事さんを呼び、侯爵様と話し合うために出ていきました。
「私はレイのところへ戻ろう…。」
レイは相変わらず目を覚まさない…。
栄養失調に脱水…目を覚ましてくれない事には…。
水分だけは、口元に水に浸した綺麗な布を持って行った。
水が気管支へ入ったら大変な事になるから、経口で与えるのは難しい。
でもこの世界、点滴とか出来るほどの医療技術は無い。
「レイモンドの様子はどうだろう?」
侯爵様が公爵様を伴ってやってきました。
「話し合ったのだが、レイモンド君をもう一度、公爵家別邸へ連れて行って看病することになった。
それで何かの判断が必要な時のために、アンドリュー君も一緒に連れていくよ。
意識が戻るまで待ちたいところだが、いつ意識が戻るかもわからないので、今日、このまま連れていくよ。
君はすぐに出られるかな?」
「はい、私はすぐにでも出られます。」
私は公爵様と一緒に公爵家の馬車で戻る事になり、アンドリュー様が意識の戻らないレイを侯爵家の馬車で連れてくることになりました。
別邸へ戻ると、何と!アルが来ておりました。
「アル!久しぶり!元気?どう?受験勉強は?」
「おぅ!順調に進んでいるぞ。間違えてもお前と同じ学年にはなりたくないからな!」
「えぇー良いじゃん!一緒のクラスで仲良く勉強しようよ!」
「まぁそれも楽しいかもしれないけどなぁ!」
「馬鹿者!お前はマリーナ嬢と同じ学年になるようだったら、即刻国へ呼び戻すぞ!
留学させるからには相応の成果は上げてこい!」
久しぶりに会って、少しテンションが上がって、ふざけていたら、公爵様に叱られました…。
そうこうしているうちに、侯爵家の馬車も到着しました。
「レイモンド君が使っていた客室へそのまま運び込んでくれ。」
侯爵家の屈強な騎士の方がレイを抱きかかえて馬車から降ろし、運んでくださいました。
「父上、アンドリュー君は?」
「マリーナ嬢とレイモンド君を二人きりにするわけにいかないので、アンドリュー君にも来てもらったんだ。
暫くこの邸に滞在してもらう事になったよ。」
「だったら俺が戻っても良かったのに…。」
「お前は留学のための試験勉強と準備があるだろう…。」
「…仰る通りです、父上。
レイモンドは?まだ意識が戻らないのですか?」
「…戻る様子が無い…。どうも精神的な事から全てを拒んで閉じこもってしまっているようなんだ…。
栄養失調に脱水状態なのだが、意識が戻らない事には、どうにもならなくてな…。
マリーナ嬢頼みなんだ…。」
「…俺も…時間がある時には別邸にレイモンドに会いに来るよ…。」
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