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救出…レイモンド視点
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リーナが再び狙われるだろう事は分かっていた。
寧ろそれを逆手にとって、犯人を一網打尽にするつもりだった。
正直に言えば、私は反対だった。
失敗したらリーナの身が危ない。
「リーナを攫いやすい状況にして、敢えて攫わせて…そして敵を見失ったら、リーナの監禁場所が分からなくなったらどうするんだ!
平気で薬とか盛る奴らだぞ!
この前は私との既成事実を企まれたから、回避できたが、次は分からないんだぞ!
それに次は既成事実どころか、命を狙われる可能性だってあるだろ!」
「いや…命を狙うなら、攫ったりはしない。その場で殺れば良いだけだから。
攫うのは誰かに知らしめたいか、リーナを傷付けたいかのどちらかだ。」
「どちらにしてもダメだろう!
リーナに何かあったらどうするんだ!」
「だったらこの先、どうするんだ?リーナはいつまでも狙われる事になるんだぞ?」
アルの言うことは分かっていた。
敵を捕まえるには、現場を押さえるしかないって事くらい、分かっていた。
でもリーナが危険な目に遭うとか、堪えられない。
「レイ…私、やるよ…。このままで私は逃げ切れたとしても、次は他の誰かに同じような陰湿な事をするんだよ、相手は。
私は攫われたとき、レイが居たから無事に逃げ出せたし、アルが探しに来てくれたから無事に逃げ切ったよ。
でも次の人にはレイやアルの様な人たちは居ないかもしれないでしょ。
彼奴ら、捕まえなくちゃダメなんだよ。」
リーナは言った。
リーナがやるというなら、私は彼女が少しでも傷付かないように、彼女が監禁される先を見失わないようにするしかない。
でも怖かった。
リーナが一人の時に、何かあったら、誰かがリーナを傷付けたらどうしようかと。
そして当日、茶会の警備はリーナの姉一家がやってくれる…茶会の主催者なので、どうとでも出来るとの事だった。
更にはリーナに張り付き、リーナが攫われた後を付けるのと、現場での突入は、公爵家の騎士達がやることになった。
というのも信じたくはないが、リーナを狙っている奴らの中には、我が愚妹が居るかもしれず、侯爵家の者が動くと、敵に知られてしまうかもしれないからだ。
予想通りにリーナは一人になった途端に攫われた。
リーナに張り付いていた影によると、上手く外へ誘導され、出た瞬間に薬を嗅がされ、荷馬車に放り込まれたらしい。
しかしその荷馬車も途中までは付けられたらしいが、途中の街の市場かどこかで撒かれてしまったそうだ。
こちらの罠かもしれないという事は読まれていたのか。
私たちは焦りながら必死に探した。
探したが、居所を掴めず、焦りばかりが増していった。
だから反対だったんだ…何でもっと強く反対して止めなかったのか、私は。
本当に悔やんでも悔やみきれなかった。
翌日も朝から探すが、全く見付けられず、アルも私もイライラしていた。
こうしている間にも、リーナは酷い目に遭っているかもしれない。
しかし何の手がかりも得られず。
するとある街道で、前方から見慣れた姿が馬で駆けてきた。
「アンドリュー!アンドリューじゃないか!こんな所で何をやっているんだ?!」
「兄上!良かった!助けて下さい!!!」
リーナが攫われた時、弟のアンドリューは、ミシェリーナに付き纏われていた。
とにかく撒くのに必死だったと言った。
そして茶会の翌日も邸へやってきたのを見た瞬間、軽く殺意も湧いたと言っていた。
しかしそれはアンドリューに会いに来たわけではなかったと知り、今度は違和感を感じたそうだ。
ミシェリーナはアンジェリカの部屋で、侍女達も追い出し、何かコソコソとやっていたらしい。
彼女の事は嫌いだが、何か不審に思い、自分の部屋のベランダからアンジェリカの部屋のベランダへ飛び移り、窓の外から、こっそり話を盗み聞きしたらしい。
誰かを攫って監禁している事が分かり、彼女たちが馬車で出掛けると、急いで馬小屋から自分の馬を出して鞍もつけずに追ったのだそうだ。
すると馬車で数時間程度の港町の、更にその奥の誰かの別荘のような邸に到着し、暫く様子を見ていたそうだ。
アンジェリカとミシェリーナが乗った馬車が門の中へ入ると、邸の中からまるで盗賊のような男たちが出てきて出迎えているようだったと。
これはまずいと思い、すぐに馬で引き返し、私たちに遭遇したのだった。
アンドリューに案内してもらい、すぐにその邸へ案内してもらったものの、到着したのはリーナが攫われた日から三日目の午前中だった。
騎士たちも連れていたので、門を強引に破ったその瞬間、邸の玄関の扉が開き、飛び出してきた人物を見てアルも私も、そして誰が攫われたのかは知らなかったアンドリューも目を見張った。
着ていたものは、ベストは無く、ワンピースは背中を腰の下まで引き裂かれ、何とか身体に下がっているようなボロボロの状態で、服も彼女自身もあちこち汚れ、目の下はクマで真っ黒になり、髪もボサボサだった。
よく見ると、その汚れも、所々は血のようだった。
彼女は、私たちの姿を目にすると、その瞳には涙が溢れてきて、そのまま倒れた。
隣にいるアルは、その眼差しに怒りの炎を燃やし、邸を睨みつけた。
アンドリューは驚きで立ち尽くしていた。
アルと私は走り出した。
「レイモンド!リーナを頼む!全員、邸を取り囲んで突入せよ!鼠一匹逃すな!」
アルは叫んで先頭を切って突入していった。
意識の無いリーナを抱き起し、私が着ていたジャケットを彼女に着せ、ハンカチで汚れた彼女の顔を拭きながら、呼び続けた。
「リーナ!リーナ!ごめんね!もっと早くに駆け付けなくてはいけなかったのに。
ごめんね!よく頑張ったね!リーナぁ…目を開けて!」
気が付くと私は泣きながらリーナの名を呼び続けていた。
その横には呆然としたままのアンドリューが膝をついていた。
「兄上…何でこんな事に…姉上は何をやったのですか…?」
「私は…あいつらを絶対に許さない…アンジェリカの事も絶対に許さない!」
リーナを抱きしめ、言った。
邸内から聞こえていた騒々しさが、だいぶ静かになったと思ったら、アルが出てきた。
「全員、捕まえた…。」
騎士が二人出てきて、一人は王都の騎士団へ走り、もう一人はこの街を納める侯爵家の騎士団へ走った。
ミシェリーナとその兄、その家門である子爵家の令嬢、そしてアンジェリカ、更には驚くことに、王都から離れた、隣国との国境に面した領を治めるラピーレ伯爵家の当主が捕まり、一旦、彼らはこの街の領主である侯爵家の邸へ連行された。
彼らは一応、客間にそれぞれ監禁され、その下で働いていた、まるで盗賊のような手下たちは、牢へ入れられた。
連行される時、ミシェリーナとその兄、アンジェリカ、そして何故ここに居たのか分からない、伯爵は暴れて暴言を吐きまくっていた。
「ふざけるな!俺を誰だと思っているんだ!次期侯爵だぞ!」
「離しなさいよ!私は侯爵家の娘よ!絶対に許さない!お父様に言って、絶対にあんたたちを罰してやるんだから!
アンドリュー様!何で私にこんな仕打ちをするの?!私ほどアンドリュー様に相応しい令嬢は居ないのに!」
アルは憎々しげに言い返していた。
「…次期侯爵?!だから何だ?うちの父は公爵だ。ふざけるな!お前らみたいな奴らは反吐が出る!」
アンドリューはただ黙って憎々しげに睨みつけていた。
邸内に居た、ラピーレ伯爵も騒ぎ立てた。
「何故私まで捕らえる!私は関係ないぞ!」
そして一番悲しかったのは妹の事だ。
「レイモンドお兄様!助けてください!何故私をこんな目に遭わせるの?!私は何もしていないのに!お兄様!」
「アンジェリカ…お前は…やってはいけない事をやってしまったんだ…。何でこんな事をしたんだ…。」
「だって!あの女がアルフレッド様を取るから!お兄様もいけないのよ!お兄様があの女をさっさと自分のものにしてしまえば良かったのに!そうしたら私がアルフレッド様と一緒になれたのに!」
私の妹は、どこでこんな自己中で我儘、常識の欠片も無い人間になってしまったのだろう。
盗賊のような手下たちはこのままここで尋問を受け、ラピーレ伯爵や、ミシェリーナとその兄、アンジェリカは、王宮で裁判を受けることになった。
リーナはあの後、近くの宿屋へ運び、宿屋のおかみさんに頼んで取り敢えず身体を綺麗にしてもらい、綺麗な寝間着に着替えさせてもらった。
リーナは…夜になっても目覚めなかった。
私は…今回の妹の事を考えると、リーナとの婚約は諦めなければいけないかもしれない…。
「リーナ…本当にごめん…。」
諦めなければいけないけもしれないけど…もう暫くだけ側にいさせて…そう心から願った。
寧ろそれを逆手にとって、犯人を一網打尽にするつもりだった。
正直に言えば、私は反対だった。
失敗したらリーナの身が危ない。
「リーナを攫いやすい状況にして、敢えて攫わせて…そして敵を見失ったら、リーナの監禁場所が分からなくなったらどうするんだ!
平気で薬とか盛る奴らだぞ!
この前は私との既成事実を企まれたから、回避できたが、次は分からないんだぞ!
それに次は既成事実どころか、命を狙われる可能性だってあるだろ!」
「いや…命を狙うなら、攫ったりはしない。その場で殺れば良いだけだから。
攫うのは誰かに知らしめたいか、リーナを傷付けたいかのどちらかだ。」
「どちらにしてもダメだろう!
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「だったらこの先、どうするんだ?リーナはいつまでも狙われる事になるんだぞ?」
アルの言うことは分かっていた。
敵を捕まえるには、現場を押さえるしかないって事くらい、分かっていた。
でもリーナが危険な目に遭うとか、堪えられない。
「レイ…私、やるよ…。このままで私は逃げ切れたとしても、次は他の誰かに同じような陰湿な事をするんだよ、相手は。
私は攫われたとき、レイが居たから無事に逃げ出せたし、アルが探しに来てくれたから無事に逃げ切ったよ。
でも次の人にはレイやアルの様な人たちは居ないかもしれないでしょ。
彼奴ら、捕まえなくちゃダメなんだよ。」
リーナは言った。
リーナがやるというなら、私は彼女が少しでも傷付かないように、彼女が監禁される先を見失わないようにするしかない。
でも怖かった。
リーナが一人の時に、何かあったら、誰かがリーナを傷付けたらどうしようかと。
そして当日、茶会の警備はリーナの姉一家がやってくれる…茶会の主催者なので、どうとでも出来るとの事だった。
更にはリーナに張り付き、リーナが攫われた後を付けるのと、現場での突入は、公爵家の騎士達がやることになった。
というのも信じたくはないが、リーナを狙っている奴らの中には、我が愚妹が居るかもしれず、侯爵家の者が動くと、敵に知られてしまうかもしれないからだ。
予想通りにリーナは一人になった途端に攫われた。
リーナに張り付いていた影によると、上手く外へ誘導され、出た瞬間に薬を嗅がされ、荷馬車に放り込まれたらしい。
しかしその荷馬車も途中までは付けられたらしいが、途中の街の市場かどこかで撒かれてしまったそうだ。
こちらの罠かもしれないという事は読まれていたのか。
私たちは焦りながら必死に探した。
探したが、居所を掴めず、焦りばかりが増していった。
だから反対だったんだ…何でもっと強く反対して止めなかったのか、私は。
本当に悔やんでも悔やみきれなかった。
翌日も朝から探すが、全く見付けられず、アルも私もイライラしていた。
こうしている間にも、リーナは酷い目に遭っているかもしれない。
しかし何の手がかりも得られず。
するとある街道で、前方から見慣れた姿が馬で駆けてきた。
「アンドリュー!アンドリューじゃないか!こんな所で何をやっているんだ?!」
「兄上!良かった!助けて下さい!!!」
リーナが攫われた時、弟のアンドリューは、ミシェリーナに付き纏われていた。
とにかく撒くのに必死だったと言った。
そして茶会の翌日も邸へやってきたのを見た瞬間、軽く殺意も湧いたと言っていた。
しかしそれはアンドリューに会いに来たわけではなかったと知り、今度は違和感を感じたそうだ。
ミシェリーナはアンジェリカの部屋で、侍女達も追い出し、何かコソコソとやっていたらしい。
彼女の事は嫌いだが、何か不審に思い、自分の部屋のベランダからアンジェリカの部屋のベランダへ飛び移り、窓の外から、こっそり話を盗み聞きしたらしい。
誰かを攫って監禁している事が分かり、彼女たちが馬車で出掛けると、急いで馬小屋から自分の馬を出して鞍もつけずに追ったのだそうだ。
すると馬車で数時間程度の港町の、更にその奥の誰かの別荘のような邸に到着し、暫く様子を見ていたそうだ。
アンジェリカとミシェリーナが乗った馬車が門の中へ入ると、邸の中からまるで盗賊のような男たちが出てきて出迎えているようだったと。
これはまずいと思い、すぐに馬で引き返し、私たちに遭遇したのだった。
アンドリューに案内してもらい、すぐにその邸へ案内してもらったものの、到着したのはリーナが攫われた日から三日目の午前中だった。
騎士たちも連れていたので、門を強引に破ったその瞬間、邸の玄関の扉が開き、飛び出してきた人物を見てアルも私も、そして誰が攫われたのかは知らなかったアンドリューも目を見張った。
着ていたものは、ベストは無く、ワンピースは背中を腰の下まで引き裂かれ、何とか身体に下がっているようなボロボロの状態で、服も彼女自身もあちこち汚れ、目の下はクマで真っ黒になり、髪もボサボサだった。
よく見ると、その汚れも、所々は血のようだった。
彼女は、私たちの姿を目にすると、その瞳には涙が溢れてきて、そのまま倒れた。
隣にいるアルは、その眼差しに怒りの炎を燃やし、邸を睨みつけた。
アンドリューは驚きで立ち尽くしていた。
アルと私は走り出した。
「レイモンド!リーナを頼む!全員、邸を取り囲んで突入せよ!鼠一匹逃すな!」
アルは叫んで先頭を切って突入していった。
意識の無いリーナを抱き起し、私が着ていたジャケットを彼女に着せ、ハンカチで汚れた彼女の顔を拭きながら、呼び続けた。
「リーナ!リーナ!ごめんね!もっと早くに駆け付けなくてはいけなかったのに。
ごめんね!よく頑張ったね!リーナぁ…目を開けて!」
気が付くと私は泣きながらリーナの名を呼び続けていた。
その横には呆然としたままのアンドリューが膝をついていた。
「兄上…何でこんな事に…姉上は何をやったのですか…?」
「私は…あいつらを絶対に許さない…アンジェリカの事も絶対に許さない!」
リーナを抱きしめ、言った。
邸内から聞こえていた騒々しさが、だいぶ静かになったと思ったら、アルが出てきた。
「全員、捕まえた…。」
騎士が二人出てきて、一人は王都の騎士団へ走り、もう一人はこの街を納める侯爵家の騎士団へ走った。
ミシェリーナとその兄、その家門である子爵家の令嬢、そしてアンジェリカ、更には驚くことに、王都から離れた、隣国との国境に面した領を治めるラピーレ伯爵家の当主が捕まり、一旦、彼らはこの街の領主である侯爵家の邸へ連行された。
彼らは一応、客間にそれぞれ監禁され、その下で働いていた、まるで盗賊のような手下たちは、牢へ入れられた。
連行される時、ミシェリーナとその兄、アンジェリカ、そして何故ここに居たのか分からない、伯爵は暴れて暴言を吐きまくっていた。
「ふざけるな!俺を誰だと思っているんだ!次期侯爵だぞ!」
「離しなさいよ!私は侯爵家の娘よ!絶対に許さない!お父様に言って、絶対にあんたたちを罰してやるんだから!
アンドリュー様!何で私にこんな仕打ちをするの?!私ほどアンドリュー様に相応しい令嬢は居ないのに!」
アルは憎々しげに言い返していた。
「…次期侯爵?!だから何だ?うちの父は公爵だ。ふざけるな!お前らみたいな奴らは反吐が出る!」
アンドリューはただ黙って憎々しげに睨みつけていた。
邸内に居た、ラピーレ伯爵も騒ぎ立てた。
「何故私まで捕らえる!私は関係ないぞ!」
そして一番悲しかったのは妹の事だ。
「レイモンドお兄様!助けてください!何故私をこんな目に遭わせるの?!私は何もしていないのに!お兄様!」
「アンジェリカ…お前は…やってはいけない事をやってしまったんだ…。何でこんな事をしたんだ…。」
「だって!あの女がアルフレッド様を取るから!お兄様もいけないのよ!お兄様があの女をさっさと自分のものにしてしまえば良かったのに!そうしたら私がアルフレッド様と一緒になれたのに!」
私の妹は、どこでこんな自己中で我儘、常識の欠片も無い人間になってしまったのだろう。
盗賊のような手下たちはこのままここで尋問を受け、ラピーレ伯爵や、ミシェリーナとその兄、アンジェリカは、王宮で裁判を受けることになった。
リーナはあの後、近くの宿屋へ運び、宿屋のおかみさんに頼んで取り敢えず身体を綺麗にしてもらい、綺麗な寝間着に着替えさせてもらった。
リーナは…夜になっても目覚めなかった。
私は…今回の妹の事を考えると、リーナとの婚約は諦めなければいけないかもしれない…。
「リーナ…本当にごめん…。」
諦めなければいけないけもしれないけど…もう暫くだけ側にいさせて…そう心から願った。
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