私は逃げます

恵葉

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エドワード

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私は、この国の第一王子エドワードとして生まれ、物心つく前から厳しく育てられた。
勿論、両親ともに可愛がってくれたし、周囲の他の人たちも大切にはしてくれた。
しかし常に「あなたは上に立つ立場なのですから」と言われ続け、様々な事を制限された。
そして三つ下にジョージが生まれたが、何も変わらなかったが、大きく変わった。

同じ両親から生まれた、同じ兄弟なのに、弟は自由だった。

「ジョージは良いのに、どうして私はダメなのですか?!」

何回もそう言った。
その度に帰ってくる言葉は

「ジョージ殿下は第二王子です。
あなたは第一王子なのですよ。その自覚をお持ちください。」

やがて私は、諦めた。
でも自分とは違うのだと思って諦めるより他に無かった。
「にぃに」「にぃに」とよちよち歩きで私を追い掛けてくる弟は可愛かったし、弟が悪いわけでは無い。

ただ諦めなければいけないということに気が付いてしまった事は辛かった。
私自身に対する周囲の対応は何も変わらないのに、比較する弟が出来た事で、気が付いてしまった。
知らなければ、王族とはそういうものと思って生きていけたのに…。


ある時、母の茶会に目を引く令嬢が居た。
その子は、家の都合で政略的な婚約をさせられそうになっているのだが、その相手として挙がっている公爵家の次男と、公爵家の嫡男が、それぞれに望んで婚約を申し出ていて、何らかの問題があり、公爵家から頼まれた父上経由で母上が茶会に招待したと聞いていた。
貴族の政略結婚なんて珍しくもない。
そのご令嬢は、まだ10歳らしいが、10歳で婚約も珍しくもない。
ヘタしたら赤ん坊の頃に婚約させられてしまっていることもある。
そんなものだ。

しかし当事者である公爵家次男と、侯爵家嫡男が、ともに自分の意志で婚約を望んでいるというのが興味を引いた。
そのご令嬢は、大したことのない、田舎の伯爵家の末娘と聞く。
いったいどんな魅力的なご令嬢なのだろうと思った。

ところが当日、見てみると、何のことは無いご令嬢だった。
…と思っていたのだが、母上に挨拶に来た後、エスコートをしてきた公爵家次男は、他のご令嬢に連れ去られ、一人取り残されてしまった。
近くに侯爵家嫡男も居たのだが、彼女に近寄る前に、多くのご令嬢に取り囲まれ。
そして一人ぽつんと取り残された、そのご令嬢は、何と!寂しそうな顔をするでもなく、むしろ嬉しそうにも見えた。
そして何と、一人で抜け出してしまったのだった。

その姿を目で追っていると、茶会の会場近くの林の中に逃げ込み、更に適当な木に登って行ってしまった。

ドレスで林に逃げ込む令嬢もどうかと思うのだが、それ以上にドレスで木に登るって…。
何かの見間違いかと瞬きしてみたが、あっという間に登って行って、葉の陰で見えなくなってしまった。

ちらちらと、そちらを気にしていても、茶会が終わりに近付いても、降りてくる様子は全く無く。
好奇心半分、心配半分で、そっとその木の方へ歩いて行ってみた。

ただし弟だけはついてきてしまった。

「兄上、どうかしたのですか?」

「今日は面白いご令嬢が参加しているんだよ。
始まって間もなく、誰にも見られないように林に逃げ込んで、そのまま木に登って降りてこないんだ。」

「え!?暗殺者か何かですか?!」

「いや…身元はハッキリしているし、子供だから違うと思うよ。」

木の下から声を掛け、彼女を捕まえた。
…捕まえたと思ったのに、ジョージが一瞬油断した隙に、何と、木の途中から飛び降りて走って逃げられた。
本当に間者かサルかと思うほどの身軽さだった。

逃げられてしまったものの、どうしても捕まえて話をしてみたくなった私は、何とか探し出し、再度捕まえた。

まずは公爵家と侯爵家からの婚約の申し入れの裏を聞きだした。
驚くことに、公爵家のアルフレッドとは、利害関係が一致して、いずれ婚約解消するつもりの偽装婚約を企んでいた。
当主はその事は知らず、当人同士の企みだった。
聞けば彼女にとってのメリットは、親の言いなりの政略結婚から逃げられることだった。
あまりにも面白いので、だったら王子妃候補になっているという噂が出れば、誰かと婚約しなくても居られるのではと提案した…拒否されたが。

拒否されて、更に彼女ともっと話してみたくなり、その機会を作るために、話し相手にしようとしたのだが、まるで野生動物か何かのように警戒心を露にされ、拒否された。
普通は王子と親しくなれる機会があれば、大抵のご令嬢は喜ぶだろうに、彼女は、興味が全く無さそうだった。
それでそのまま王子宮へ連れて行き、一晩、軟禁し、話し相手という事に首肯させた。
初めて王族の権威を使った。


やがて彼女が、非常に賢いという噂を聞き、母に話したところ、その能力を見るためにも、ジョージの仕事を手伝わせてみることになったのだが、本人と、そして公爵家と侯爵家があまり良い顔をしなかった。
どうもかなり警戒されているようだ。

母上は、彼女の能力が高いのであれば、王家にとって都合の良くない家に取り込まれることは、阻止したいという考えであった。
王家に取り込むか、若しくは王家にとって都合の良い家に取り込ませるか。
それで年齢を考えると、少し…いや、結構難しい仕事の手伝いをと話を持って行ったのだが。
どうやら弟は失敗した。

仕事の手伝いそのものは、ちゃんと遂行したのだが、彼女とその手伝い…私は監視と見ているが…に一緒に登城していたアルフレッドとレイモンドの仕事のやり方が気に入らなかったジョージは、彼らに対して低い評価を下し、ジョージがなのか、ジョージの側近のドルフがなのか、悪評を王宮内に流してしまったのだ。
陛下が公爵と侯爵を呼び、直々に成果を褒めたたえたのだが、既に両家には王家に対する警戒感が湧いてしまっていた。


私は、弟をお茶に誘い、真意を聞いた。

「マリーナ嬢たちの仕事…何が気に入らなかったのだ?」

「先日、母上も居た時にも申し上げましたが、仕事に対する熱意が感じられなかったのです。
仕事は遊びでは無いのですよ!
なのに熱意は無いし、いう事は聞かないし…。」

「王宮内に彼らの悪評を流したのは、お前か?それともドルフか?」

「…私では無いですよ…。」

「でもお前も知っていたのでは?」

「どうでしょうね…。」

ジョージの態度に、心の中で盛大にため息をついた。


「まず…熱意が感じられないって…それは彼女たちがどうしても自分たちがやりたいと言ってきた仕事だったか?
それとも半ば無理やり引き受けさせた仕事だったか?」

「そ…それは…確かに無理やり引き受けさせましたけど…。
でも!引き受けたからには精いっぱい取り組むべきでは?」

「引き受けた…のではなく、無理やり押し付けた仕事だろう?
お前は無理やり引き受けた、やりたくない仕事に対し、自分の時間やあらゆるものを犠牲にして取り組めるのか?」

「そ…それは…でもどうしても嫌なら受けなければ良いじゃないですか!」

「彼らにその仕事を断るという選択肢はあったか?王宮から、それも王家直々に言われて、断れると思うのか?」

「…無理です…。」

「いう事は聞かないって例えば?」

「時間になれば仕事があっても帰ってしまうし…。」

「念のために聞くが…今回の手伝い、彼女たちに何か、礼をするとか対価を支払うとかしたか?
若しくは何か彼らの利になる事を引き受けるとかしたか?」

「…兄上…何を言っているのですか?!
彼らは臣下ですよ!臣下が王家のために働くのは当然の事でしょう。」

流石に耐え切れずに心の中ではなく、思い切りため息をついてしまった。

「はぁ…あのな…国王陛下からの仕事でも、皆、対価なり何なり出ているんだよ。
王宮で働く者たちは、時間とか内容に見合った給金を貰っている。
更にそれ以上に頑張ったものには、特別な褒章があったり、出世出来たりしている。
お前はそれをマリーナ嬢たちには無償で働かせて、しかも通常の時間以上に働けと言ったのか?
おまけに無理やりやらせた仕事だというのに?

…他にそんな貴族令嬢や令息…10歳やそこらのものがどこに居る?」


「…。…私は認識を間違えていたのでしょうか…どうすれば良かったのでしょう…。」


それからジョージと暫く話し、もう一度、よく考えるように言った。

弟は、何故、臣下やその子弟、国民は王家のいう事は当たり前に絶対と思うようになってしまったのだろう。
少なくとも両親は、そこまで傲慢ではない。
いや、母上は傲慢なところがあるが、少なくともあの人はなかなかに腹黒く、相手によって使い分けることによって、自分の好きな様に動かしている。
内心はどうであれ、誰彼構わず高慢な態度を取るような事は無い。

そして私は知っている…私は第一王子だが、王太子ではない。
まだ次期国王が私と決まっているわけではない。
弟がという可能性もあるわけで、今の弟があのまま国王になったらこの国はどうなるのだろう…。



数日後、悩んだのだが、こっそりと側近だけを連れてお忍びで、馬で公爵家別邸へマリーナ嬢に会いに行った。
恐らく別邸には、アルフレッド殿かレイモンド殿の片方くらいはいるだろうとも考えていた。

運が良いのか悪いのか、マリーナ嬢しか居なかった。
悪いかなとは思ったが、どうしても今回の件について話を聞きたくて、二人きりでの面会を申し入れた。
流石に未婚のご令嬢と二人きりというのもなのだが、公爵家や侯爵家のものにいて欲しくは無かったので、連れてきていた側近の身を立ち会わせた。

マリーナ嬢は、自宅に居た事もあり、カジュアルに小花柄で、足首の見えるフワッとしたワンピースだった。

「急に来ちゃってごめんね~。」

「…えっと…大丈夫です。」

「それとこの前はジョージの仕事を手伝ってくれて、ありがとうね!」

「いえ…あまりご満足は頂けなくて、申し訳ございませんでした。」

「陛下や宰相殿は満足していたよ、とても分かりやすい上に、良くまとめられているって。
にも拘わらず、ジョージとドルフの対応はあまり良くなかったみたいで、申し訳ない!」

「そんな…殿下が頭を下げないでください。そんな簡単に頭を下げてはダメですよ。」

それから色々聞いてみたいことがあり、質問するも、最初はなかなかあまり話してはくれなかった。

「ん…マリーナちゃん、私の事を警戒しているよね?」

「…ごめんなさい。下手な事は口走らないように考えてはおります。」

「あのさ、後から知ったんだけど、今回、ジョージは無報酬で君たちをこき使ったようだね。
しかも時間も長い時間拘束しようとしたのだとか?
あれってどう思う?」

「正直に言えば、私たちに限らず、殿下に限らず、人に仕事とも言えるべき事や、仕事の手伝いをして貰ったら、無報酬はダメですよね。
長い時間の拘束も駄目です。」

そこから、仕事に対するあり方という話になり、警戒していたマリーナ嬢も、多少は話してくれるようになった。

決まった時間になったら帰るようにしていたのは、毎日ダラダラと長い時間、やっても、効率が悪いからと言われた。
それにドルフに至っては、臣下は王家に奉仕して当たり前という態度だったようで、そもそもマリーナ嬢が言われた仕事なのに、アルフレッド殿とレイモンド殿まで突き合わせている以上は、マリーナ嬢は決められた時間以上に二人を付き合わせたくなかったのだそうだ。
それはやりがいの搾取だと言われた。

「『王家のために働かせてもらえて光栄でしょ』
『王子と一緒に働けて嬉しいでしょ』
『王家に自分の能力を見せることが出来て有難いでしょ…その名誉が対価だよ』
…それは…こちらが是非にやらせてください!と言った場合に通る話です。
仕事を依頼する側がいう事じゃないし、上に立つものが下のものから搾取って、やってはいけない事だと思います。」

「…なかなか手厳しいけど…その通りだね…。
でも君たちの方から対価を要求しようとは思わなかったの?」

「下のものから搾取しようと思っている上のものに、下のものから対価を要求すると、不敬とされる場合が多いのですよ。
居ますよね?下の者が発見したものを、あたかも自分が発見したように発表する人だとか、そんな感じの人たちも。

…まあ…ジョージ殿下がそうとは限りませんけど…そこまで殿下を知っているわけではないので…。」

そして実はジョージは、マリーナ嬢が手伝いに必要なものも、王宮で用意せず、マリーナ嬢自身に用意させていたようだ。
アルフレッド殿やレイモンド殿は、その事もマリーナ嬢を心配したらしく、マリーナ嬢は、それ以上は二人に心配させないために、決まった時間以外の手伝いは拒否していたらしい。

更には王宮で三人の評価が下がったことについて、マリーナ嬢は自分の評価が下がるのは別に良いし、寧ろ望むところなのだが、公爵家と侯爵家の二人の評価が下がってしまったのは、申し訳ないと言っていた。

本当に返す返すも申し訳なく思った。

私が落ち込んでいると、マリーナ嬢は大きくため息をついた。
そして言ってくれた。

「もうこの話はお終いにしませんか?
私たちがお手伝いをしたのは、エドワード殿下ではありません。
殿下が気に病むことではありませんよ。」

そう言ってマリーナ嬢は、その話を止めにしてくれた。


「君は…優しいね…。」

「そうでも無いですよ…。
だから私は政略結婚とかから逃げたいわけですから。
優しかったら大人しく、姉さまたちの手駒として、姉さまたちの見つけてくるどうしようもない相手と政略結婚するでしょうから。
でも私は優しくないから、何が何でも逃げようとしているんです。

でも…今回のやり方を誤ったようで、アルフレッド様と企んでいた偽装婚約は、難しくなってしまったんですよね…。」

「レイモンド殿ではダメなの?」

「レイモンド様は、私がアルフレッド様と偽装婚約しようとしているなんて知らないんですよ。
そもそも私が家から逃げて、自由になろうとしているなんて知らないんです。
これ、知っているのはアルフレッド様のほかには殿下だけですから。
どこかから話が漏れたら、殿下が最初に疑われますよ…。」

「なかなか手厳しいね、君。
でも本当に面白いね。
あれ?確か11歳になったんだっけ?」

「はい、10歳児、10歳児言っていたら、11歳になってしまいました。」

「おめでとう!誕生日プレゼントは何が欲しい?」

「私が政略結婚から逃げるための知恵が欲しいです!」

「え!?それを私に考えろと?!」

「考えてください!考えてください!そのくらい考えられますよね?!」

「君…可愛くないね…。」

「お褒めに預かりましてありがとうございます」

彼女は心からの笑顔で言った気がする…。

結局、気が付けば謝罪とか何とかよりも、彼女と話して、私のストレスが発散されただけのような気もする。
本当に不思議な子だな…。

王宮に戻った私は、父や母に、彼ら三人の名誉回復を考えた方がと相談しようと思った。
ジョージとドルフには、暫く反省してもらわなければなるまい…。

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