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第2章 青の色
第73話 重さの色
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「ショウさん、他の人と食べるご飯。おいしかったですか?」
いつもの食卓の風景、リーフェさんの家のリビングで彼女は悲しそうな表情でそう言っていた。
「私のことを....」
「いえ....ちが....っ」
忘れてしまったんですか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「....ハァ....ハァ....」
目がさめると、辺りは空気がひんやりとした森の中で、軽く霧がかかっている。そばには未だに消えていない焚き火の炎。そして横を見るとレギナはじっとこっちを見ていた。
「....うるさい」
「すみません....」
一言だけ文句を言うと、彼女は水筒に溜めてあった水で軽く顔を洗う。俺も寝床から出て、軽く伸びをしているとレギナから水筒を渡された。
「夜中にずっとうなされてぞ。何を見ていた」
「....イニティウムの....」
リーフェさん、ガルシアさん、そしてメルトさん。夢に現れているのはリーフェさんだけではない。全員が全員出てきて、自分のことを責める。『なんで生きているんだ』と、死ねるものなら死んでしまいたい。だが、そうさせてくれない、俺を生かしてくれたリーフェさんのためにという汚い自己解釈でここまでズルズルと生きてきた。
「そうか」
「....」
まるで興味がないといった感じに。まるで昨日の地球に関しての問いかけみたいに興味なさげに返事をした。
レギナから水筒を受け取り、その中の水で顔を洗う。しかし、どうも気分はスッキリしなかった。
「さぁ、始めるぞ」
「始める....て」
レギナが背負っていたカバンに挿してある二本の木剣。レギナからその片方を投げられ受け取る。
「もう忘れたか。言っただろう、私が貴様を鍛えると」
「....そうでしたね」
木剣を構える。このやり場のない感情をどこかへぶつけたかった気分だ。こういう時こそ、何か一つに集中した方が吹っ切れるだろう。
「来い」
「では、お願いします....っ」
レギナが正面に構え、俺がそれに向かって行く。
結果から行くと、俺のボロ負けだった。一太刀も彼女に当てることなく、地面に突っ伏している結果になった。
だが、少しだけだが気持ちが軽くなったのは事実だ。ちゃんと体も痛むし、自分を守るために剣を振っているのも悪くないと思えたのは事実だった。
「それでは、そろそろ出発しますか」
「あぁ」
荷物をまとめ上げ、その場を後にする。当然火を消すのは忘れていない。
森の中を進むと、霧はだんだんと晴れてきて視界が見通せるようになった。木漏れ日の中を進んで行く。先頭を歩いているのは俺だ、後ろでレギナが付いてくる。荷物はそれほど多いわけではないが調理器具の類は俺が、日用品で必要なものはレギナがという分担になっている。
にしても、静かな森である。動物なんかは姿を見せるが魔物の類は一切見えない。一応ではあるが動物と魔物には違いがある。単純な説明をすれば、微弱な魔力を持っているのが魔物や魔獣と呼ばれるもので、動物は魔力を一切持たないものである。基本的に、魔獣や魔物は好戦的で、人間の姿を見たらまずは襲いかかる、多少頭のいいゴブリンや、オークといった魔物はその人間の身につけていた武器や防具を剥いで自分の装備とする。あとは餌になるかのどちらかだ。
「静かですね、ここの森は」
「そうだな」
後ろを向くと、レギナも辺りを見て魔物がいないかどうかを確認している。だがそれらしきものは出てきそうにもない。
「さっきの話の続きだが、何を見たんだ」
「あぁ....別に大したことでは....」
「夜中にあんな人の名前を叫ぶような夢を大したことがない、とは言わない」
寝言まで言ってたのか、そう考えると少し恥ずかしいと思ったが、ここまで自分の精神状態が深刻だとは思わなかった。
「イニティウムでお世話になった人がいて、この世界に来たばっかで右も左もわからない時に本当にお世話になってた人なんです」
「....」
「僕の作った料理を美味しそうに食べてくれて、恋とかそう言ったものではなく、そばにいて本当に嬉しいと思える人だったんです」
忘れたくても忘れてはいけない。一生背負っていくかもしれないこの想いを解決させる方法なぞどこにも存在しない。
「でも、あの火事で、その人は僕をかばって死んでしまったんです。魔物に襲われて」
できることといえば、あの時の後悔を引きずって生きることだけだ。
「その人が毎回僕の夢に出てきて、なんであなただけが生きてるの? って言ってるんです。でも、わかるんです。その人....リーフェさんはこれからの人生を楽しみにしていたはずなんです。僕なんかのために捨てていい命じゃなかったはずなんです」
そう、あんなところで僕を助けるべきじゃなかったんだ。あの後ガルシアさんと一緒に暮らして、結婚してもいい、あの小さなギルドで、メルトさんと一緒に受付嬢をやって。そんな変わらない、でもそんな淡い光溢れた生活を彼女は送るはずだった。
それを奪ったのだ、俺は。
「そうか」
「すみません、今度は少し離れて寝ま....っ!」
後ろ振り向いた途端、右の頬に衝撃が走る。体が飛ばされ、そばの木に体を打ち付ける。揺れる頭で前を向くと、そこには、左手の拳を振り切った状態で止まっているレギナの姿がある。
「レギナ....さん」
「ムカついたから殴った、謝らないぞ」
そう言うとレギナはそそくさと前を横切って行き、先へと進んで行く。右の頬を触ると痛い。口の中に広がる血の味から少し切れたようだ。
森の中を進むが、互いに終始無言だった。俺としても話すことはない。レギナも話すことはさっきの行動を見ればわかるだろう。
「一つだけいうぞ、イマイシキ ショウ」
「え、はい」
前を歩いていたレギナが振り向かずに問いかける。
「自分の命を軽んじている奴を助けて、そのリーフェとやらはさぞ浮かばれないだろうな」
終始無言な状態が続いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
海は親父に連れて行かれて見たことはあるが、湖は初めて見た。パレットソードで見てはいたものの、その雄大な景色やら、透明度の高い水には息を飲んだ。
「着いたはいいが、これからどうする気だ」
「そう....ですね....」
さて、問題はその青の精霊とやらをどうやって見つけるかだ。遊びに来た友人感覚で声をかけるべきなのか、それとも何か呪文みたいなものを唱えなくてはならないのか。
「まぁ、気軽に声をかけてみたらどうだ? その友達感覚とやらで」
「そんなことで良いのか」
「あぁ」
そばにいたサリーがそのように言うが、そんな聖典に伝説となっている精霊がそんな友達感覚で呼べば出てくるとは随分と安い伝説である。さて、友達感覚でどう言ったらいいのか。
「え....と、青の精霊さん?」
「....」
反応はない、何が原因だったのだろうか。
「テメェさ、普通遊びに来たら友達をさん付けするか?」
おいおい、まさかそんなことで出てこなかったとで言うんじゃないよな。
「まぁ、ものは試しだ。やってみな」
「じゃ、じゃあ。お~いっ! 青の精霊っ! 出てこ~いっ!」
....反応は特になかった。一人大声を出して言ったもんだから恥ずかしいことこのうえない。
「おい、出てこないぞ。どうする気だ」
「....ハァ~、しょうがねぇ。どいてなクソガキ」
後ろで見ていたサリーが俺の方を引っ張り、湖の前に立つ。
そして。
『集まりな クソ野郎ども』
ぼそりと何かを言ったと思ったら、サリーは右手を上に掲げる。その手のひらには周囲から何かを集めるかのように赤い光が収束して行き、まるで太陽のようなエネルギーの塊を形成している。それは、あの街で見たイグニスが放ったものと同じものだった。
「おい、まさか....っ」
『ぶっ飛べ』
その手に持った炎の塊ごと前にぶん投げ、そしてそれは湖のちょうど真ん中あたりに着弾し、大爆発を引き起こした。
着弾した時は、湖の底が見え、巻き上がった水しぶきは空で虹を作り、大雨を降らした。もし仮にあれが、本当にあのイグニスが放ったものと同一のものだとしたら、あれをよく受け止めたものだと思った。
「おい、サリー....」
「ほら、お出ましだぞ」
湖では先ほどの爆発で大波が起こっているはずだが、それらがまるでテレビのストップボタンを押したかのように止まっている。そして先ほど大爆発を引き起こした湖の中心で水が盛り上がったり沈んだりしていて、水の動きから何か怒っているのだろうということはわかった。
「よし、あとは頼んだぞ」
「え、ちょ。サリーっ!」
サリーはその様子を見て、満足そうな顔をして消えてしまった。おいおい、こんな最悪な状態で一体俺にどうしろというのだ。
「え、あ。青の精霊さん?」
『どのような道理で、私の住む湖に攻撃をしたのか。答えよ』
頭の中で声がする。ふとレギナを見ると同じような反応だ。
「えっと、あなたに会いたくて来ました。単刀直入に言いますと、僕と契約していただけませんか?」
しばらく無言が続く。それもそうだ、いきなり自分の住む湖を爆発させられ、いきなり自分と契約しろというのだから無理も無い。これは友達の家訪問などではなく、むしろテロなんかに近い。
『答えを言おう』
「はい....」
『その剣、己の力を証明せよ』
....はい?
いつもの食卓の風景、リーフェさんの家のリビングで彼女は悲しそうな表情でそう言っていた。
「私のことを....」
「いえ....ちが....っ」
忘れてしまったんですか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「....ハァ....ハァ....」
目がさめると、辺りは空気がひんやりとした森の中で、軽く霧がかかっている。そばには未だに消えていない焚き火の炎。そして横を見るとレギナはじっとこっちを見ていた。
「....うるさい」
「すみません....」
一言だけ文句を言うと、彼女は水筒に溜めてあった水で軽く顔を洗う。俺も寝床から出て、軽く伸びをしているとレギナから水筒を渡された。
「夜中にずっとうなされてぞ。何を見ていた」
「....イニティウムの....」
リーフェさん、ガルシアさん、そしてメルトさん。夢に現れているのはリーフェさんだけではない。全員が全員出てきて、自分のことを責める。『なんで生きているんだ』と、死ねるものなら死んでしまいたい。だが、そうさせてくれない、俺を生かしてくれたリーフェさんのためにという汚い自己解釈でここまでズルズルと生きてきた。
「そうか」
「....」
まるで興味がないといった感じに。まるで昨日の地球に関しての問いかけみたいに興味なさげに返事をした。
レギナから水筒を受け取り、その中の水で顔を洗う。しかし、どうも気分はスッキリしなかった。
「さぁ、始めるぞ」
「始める....て」
レギナが背負っていたカバンに挿してある二本の木剣。レギナからその片方を投げられ受け取る。
「もう忘れたか。言っただろう、私が貴様を鍛えると」
「....そうでしたね」
木剣を構える。このやり場のない感情をどこかへぶつけたかった気分だ。こういう時こそ、何か一つに集中した方が吹っ切れるだろう。
「来い」
「では、お願いします....っ」
レギナが正面に構え、俺がそれに向かって行く。
結果から行くと、俺のボロ負けだった。一太刀も彼女に当てることなく、地面に突っ伏している結果になった。
だが、少しだけだが気持ちが軽くなったのは事実だ。ちゃんと体も痛むし、自分を守るために剣を振っているのも悪くないと思えたのは事実だった。
「それでは、そろそろ出発しますか」
「あぁ」
荷物をまとめ上げ、その場を後にする。当然火を消すのは忘れていない。
森の中を進むと、霧はだんだんと晴れてきて視界が見通せるようになった。木漏れ日の中を進んで行く。先頭を歩いているのは俺だ、後ろでレギナが付いてくる。荷物はそれほど多いわけではないが調理器具の類は俺が、日用品で必要なものはレギナがという分担になっている。
にしても、静かな森である。動物なんかは姿を見せるが魔物の類は一切見えない。一応ではあるが動物と魔物には違いがある。単純な説明をすれば、微弱な魔力を持っているのが魔物や魔獣と呼ばれるもので、動物は魔力を一切持たないものである。基本的に、魔獣や魔物は好戦的で、人間の姿を見たらまずは襲いかかる、多少頭のいいゴブリンや、オークといった魔物はその人間の身につけていた武器や防具を剥いで自分の装備とする。あとは餌になるかのどちらかだ。
「静かですね、ここの森は」
「そうだな」
後ろを向くと、レギナも辺りを見て魔物がいないかどうかを確認している。だがそれらしきものは出てきそうにもない。
「さっきの話の続きだが、何を見たんだ」
「あぁ....別に大したことでは....」
「夜中にあんな人の名前を叫ぶような夢を大したことがない、とは言わない」
寝言まで言ってたのか、そう考えると少し恥ずかしいと思ったが、ここまで自分の精神状態が深刻だとは思わなかった。
「イニティウムでお世話になった人がいて、この世界に来たばっかで右も左もわからない時に本当にお世話になってた人なんです」
「....」
「僕の作った料理を美味しそうに食べてくれて、恋とかそう言ったものではなく、そばにいて本当に嬉しいと思える人だったんです」
忘れたくても忘れてはいけない。一生背負っていくかもしれないこの想いを解決させる方法なぞどこにも存在しない。
「でも、あの火事で、その人は僕をかばって死んでしまったんです。魔物に襲われて」
できることといえば、あの時の後悔を引きずって生きることだけだ。
「その人が毎回僕の夢に出てきて、なんであなただけが生きてるの? って言ってるんです。でも、わかるんです。その人....リーフェさんはこれからの人生を楽しみにしていたはずなんです。僕なんかのために捨てていい命じゃなかったはずなんです」
そう、あんなところで僕を助けるべきじゃなかったんだ。あの後ガルシアさんと一緒に暮らして、結婚してもいい、あの小さなギルドで、メルトさんと一緒に受付嬢をやって。そんな変わらない、でもそんな淡い光溢れた生活を彼女は送るはずだった。
それを奪ったのだ、俺は。
「そうか」
「すみません、今度は少し離れて寝ま....っ!」
後ろ振り向いた途端、右の頬に衝撃が走る。体が飛ばされ、そばの木に体を打ち付ける。揺れる頭で前を向くと、そこには、左手の拳を振り切った状態で止まっているレギナの姿がある。
「レギナ....さん」
「ムカついたから殴った、謝らないぞ」
そう言うとレギナはそそくさと前を横切って行き、先へと進んで行く。右の頬を触ると痛い。口の中に広がる血の味から少し切れたようだ。
森の中を進むが、互いに終始無言だった。俺としても話すことはない。レギナも話すことはさっきの行動を見ればわかるだろう。
「一つだけいうぞ、イマイシキ ショウ」
「え、はい」
前を歩いていたレギナが振り向かずに問いかける。
「自分の命を軽んじている奴を助けて、そのリーフェとやらはさぞ浮かばれないだろうな」
終始無言な状態が続いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
海は親父に連れて行かれて見たことはあるが、湖は初めて見た。パレットソードで見てはいたものの、その雄大な景色やら、透明度の高い水には息を飲んだ。
「着いたはいいが、これからどうする気だ」
「そう....ですね....」
さて、問題はその青の精霊とやらをどうやって見つけるかだ。遊びに来た友人感覚で声をかけるべきなのか、それとも何か呪文みたいなものを唱えなくてはならないのか。
「まぁ、気軽に声をかけてみたらどうだ? その友達感覚とやらで」
「そんなことで良いのか」
「あぁ」
そばにいたサリーがそのように言うが、そんな聖典に伝説となっている精霊がそんな友達感覚で呼べば出てくるとは随分と安い伝説である。さて、友達感覚でどう言ったらいいのか。
「え....と、青の精霊さん?」
「....」
反応はない、何が原因だったのだろうか。
「テメェさ、普通遊びに来たら友達をさん付けするか?」
おいおい、まさかそんなことで出てこなかったとで言うんじゃないよな。
「まぁ、ものは試しだ。やってみな」
「じゃ、じゃあ。お~いっ! 青の精霊っ! 出てこ~いっ!」
....反応は特になかった。一人大声を出して言ったもんだから恥ずかしいことこのうえない。
「おい、出てこないぞ。どうする気だ」
「....ハァ~、しょうがねぇ。どいてなクソガキ」
後ろで見ていたサリーが俺の方を引っ張り、湖の前に立つ。
そして。
『集まりな クソ野郎ども』
ぼそりと何かを言ったと思ったら、サリーは右手を上に掲げる。その手のひらには周囲から何かを集めるかのように赤い光が収束して行き、まるで太陽のようなエネルギーの塊を形成している。それは、あの街で見たイグニスが放ったものと同じものだった。
「おい、まさか....っ」
『ぶっ飛べ』
その手に持った炎の塊ごと前にぶん投げ、そしてそれは湖のちょうど真ん中あたりに着弾し、大爆発を引き起こした。
着弾した時は、湖の底が見え、巻き上がった水しぶきは空で虹を作り、大雨を降らした。もし仮にあれが、本当にあのイグニスが放ったものと同一のものだとしたら、あれをよく受け止めたものだと思った。
「おい、サリー....」
「ほら、お出ましだぞ」
湖では先ほどの爆発で大波が起こっているはずだが、それらがまるでテレビのストップボタンを押したかのように止まっている。そして先ほど大爆発を引き起こした湖の中心で水が盛り上がったり沈んだりしていて、水の動きから何か怒っているのだろうということはわかった。
「よし、あとは頼んだぞ」
「え、ちょ。サリーっ!」
サリーはその様子を見て、満足そうな顔をして消えてしまった。おいおい、こんな最悪な状態で一体俺にどうしろというのだ。
「え、あ。青の精霊さん?」
『どのような道理で、私の住む湖に攻撃をしたのか。答えよ』
頭の中で声がする。ふとレギナを見ると同じような反応だ。
「えっと、あなたに会いたくて来ました。単刀直入に言いますと、僕と契約していただけませんか?」
しばらく無言が続く。それもそうだ、いきなり自分の住む湖を爆発させられ、いきなり自分と契約しろというのだから無理も無い。これは友達の家訪問などではなく、むしろテロなんかに近い。
『答えを言おう』
「はい....」
『その剣、己の力を証明せよ』
....はい?
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