とりあえず、夏

浅羽ふゆ

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…乃愛ちゃんが宮野の部屋から帰ってきた…







「チョコチップ入れていいってー」

「OK、ありがとう。カナタ何してた?」


「カナタ、筋トレするって言って、プロテインもってた」

「そっか・・・」



結衣さんが疑問を感じてる。

なんだろう。







あ、プロテイン”持ってた”ってところかな。


あんまり詳しくないけど、プロテインって粉だよね。

粉を持ってたのかな。 




いや、そんなことないでしょ。

粉が入った容器を持ってたってことだよね、きっと。







・・・宮野、粉のまま飲むのかな。 

絶対にむせるじゃん。 二階に水ないよね。



確かに、不思議だ。  

どういうことだろう。










「大きさこれくらい?」

「うーん。もうちょっと大きくてもいいかなー」



まぁ、いいや。 

たぶん、何かの勘違いだ。 


そんなことより、クッキーが大事だ。




乃愛ちゃんが作ったクッキーだよ。


いくら払えば手に入るんだろう。 

いや、たぶん、金銭的な価値には置き換えきれない。






オーブンの待ち時間が長いので、生クリームを泡立てることにした。


チョコチップありとなしの両方作った。

生クリームはお好みでトッピング。


チョコチップクッキーに生クリームはオーバーキルだと思うけど、乃愛ちゃんは甘党だ。






生クリームを泡立てる。

だんだん、硬くなっていって、昨日のボディーソープみたいになる。








…昨日のお風呂はエッチだったなー





…今日はどうなるかなぁ





いや、結衣さんと乃愛ちゃんの裸が見れる時点でえっちだな。



乃愛ちゃんが できた生クリームをつまみ食いしてる。  

幸せそうだ。






…乃愛ちゃんのおっぱい、甘かったなー





…生クリーム食べたから、今はもっと甘かったりしないかなー











って、何考えてるんだ私。

そんなわけないじゃん。 




クッキーが焼けたので、宮野を呼びに行こうと思ったら、乃愛ちゃんに止められた。

筋肉増強の邪魔はしてはいけないらしい。






普通のクッキーもいいけど、できたての暖かいのも特別感あっていいよね。


生地の甘さは控え目にしてあるんだけど、乃愛ちゃんはこれも好きみたいだ。

ただ甘ければ良いってわけじゃないのがいい。


たまにいるじゃん。

お前、甘味感じないだけなんじゃねっていうタイプの甘党。







乃愛ちゃんが生クリームの絞り袋を手に取る。










…でないみたいだ。  



生クリームって詰まることあるっけ。

たぶん、袋の切り口が小さいだけだろうけど。














…あっ、覗き込んじゃだめだよ。   



先生が危ないって言ってたでしょ。




















ドビュッ!



あー、言わんこっちゃない。











生クリームが・・・









非常に・・・









えろい・・・





おでこ、鼻の上、ほっぺ、口元にぶっかかってる。


そして、その白いのを浴びた乃愛ちゃんは、なんだか嬉しそうだ。



いや、こんなの見たら、連想しちゃうよ。 

何をとは言わないけどさ。











「彩葉ちゃん!」


「はい!」 びっくりした。





「お風呂行くよ!」


「はい!」  賛成。








乃愛ちゃんは、まだクッキーを食べたそうにしてたけど無理やり連れていく。


両手にクッキーを持っていた。  

かわいい。








ーーー





脱衣所に着いた。



このままでは服を脱がせられないので、人差し指でほっぺのクリームをぬぐってみる。




昼間は梨央ちゃんに先を越されちゃったから・・・食べていいよね。









パクッ


指が暖かく濡れる。
















でも、私の口じゃない。  





乃愛ちゃんの口だ。


乃愛ちゃんが私の指をくわえてる。  

ちょっと背伸びしながら。













え、なにこの思ってもいないボーナス。

めっちゃエロ可愛いんですけど。



ペロッ じゃなくて、パクッ なんだよ。

しかも、口の中で乃愛ちゃんの舌がクリームの甘味を吸いきるように絡みついてくる。







快感が指からねっとりと昇ってくる。

快楽物質が腕を伝わり、肩から全身へ流れ出し、染み渡るような。


なんだろう、エッチな快感というよりは、幸せの極みみたいな感じ。







これと似たような感覚を味わったことがある。


昨日の学校のトイレで、乃愛ちゃんのアソコを拭いていた時だ。

少し違うけど、今日おっぱいを舐めた時もこんな感じだった。





乃愛ちゃんが指から離れる。




ただ甘いのが食べられて嬉しいといった表情だ。

突然指舐めなんて、天然小悪魔がすぎるよ、乃愛ちゃん。


離れてもまだ 乃愛ちゃんの口内の感触が色濃く指に残っている。





手を洗って待機していた結衣さんが、振り向きざまの乃愛ちゃんのクリームをぬぐう。


そして、私と同じように指舐めが始まり、結衣さんはとろけていった。















その間に考える。


あの不思議な感覚のことだ。







共通点を探す。


1.乃愛ちゃんのあそこを拭いたとき


2.乃愛ちゃんのおっぱいを舐めたとき


3.乃愛ちゃんに指を舐めてもらったとき





乃愛ちゃんに触れた時なのは確実だ。

でも、頭をなでたりしても、特になんともない。




乃愛ちゃんのエッチな部分を触ったとき?


いや、それなら3番が当てはまらない。 

舌をエッチな部分と捉えるなら当てはまるけど、違う気がする。











…うーん。









もうちょっと詳しく1~3を見てみようか。


1.乃愛ちゃんのアソコに私に指が接触


2.乃愛ちゃんの乳首に私の舌が接触


3.私の指に乃愛ちゃんの舌が接触


















・・・ 粘膜。


そうだ、粘膜かもしれない。



全部のパターンに私か乃愛ちゃんの粘膜が登場してる。 

舌や口も粘膜みたいなものだろう。




そして、不思議な感覚は、体感的には、

なんとなく 1,3のパターンと2のパターンに分けられる気がする。




それも、粘膜接触説なら説明がつく。


1,3は乃愛ちゃんの粘膜が私に接触したとき。

2は私の粘膜が乃愛ちゃんに接触したときだ。





感覚的には


1,3は、私が感じる些細な快感が何倍にも増幅する感じ。(超絶感度アップみたいな)


2は、1,3の症状に加えて、乃愛ちゃんが感じているであろう感覚がリンクして、シェアしてる感じ。





前者はそのままなんだけど、後者をそう思ったのは、

あの時、おっぱいを舐めて、乃愛ちゃんが感じて震えるたびに、私も気持ちよくなったからだ。




すべてパターンが非日常的な快感だった。

指が気持ちいとかありえないし、おっぱい舐めてあんなに気持ちよくなるのもありえない。








もちろん、ただの勘違いかもしれない。

でも、乃愛ちゃんの存在自体があり得ないことなんだから、ハッキリと否定はできない。





それでね、今ちょっと思っちゃったんだ。


粘膜と粘膜が接触したらどうなるのかなって。



































今、エッチなことを考えた人は反省してくださいね。

私は清らかなキスのことを思い描いたんですからね。



確かに、そういうコトも興味はあるけど、乃愛ちゃんにそんなことさせられません。


例えば、乃愛ちゃんにクン・・・  絶対にダメです。  

私が死んでしまいます。










でも、もしこれが本当なら、なんでそんな風になってるんだろう。

乃愛ちゃんが敏感すぎるのが関係するのかな。














あっ、もしかして 敏感すぎて快感に耐えられないから、誰かに快感を肩代わりしてもらうため…


要するに、自分の体が快楽で壊れるのを防ぐための自己防衛反応だったりして。






どっちの粘膜がとかは関係なくて、

無理そうになったら、接触した粘膜から誰かに快楽を渡す。 



渡すときに、相手が興奮してると渡しやすいとかの理由があるんだとしたら、

渡すと同時に粘膜が相手の体に触れたときに、相手の感度を上げて興奮させるっていう説もあり得る。








この説は今までの体験にも当てはまるぞ。


1と3、つまり、あそこを拭いた時と指を舐めたときは、乃愛ちゃんは感じていないはず。

だから、乃愛ちゃん側から送られる快感はなくて、自身の感度アップのみ。



2のおっぱいを舐めたときは、乃愛ちゃん、すごく感じてたから、

乃愛ちゃんからの快感の輸送と感度アップ。








そういう事なのかな。

2が一番気持ちよかったから、十分あり得る。




じゃあ 1,3のパターンひどいな。


相手だけ欲情して、乃愛ちゃんは何ともない。

かといって、乃愛ちゃんを襲うことはできないから、生殺し状態が続くわけだ、







この説がホントだとしたら、乃愛ちゃんはとんでもない快楽製造マシーンだ。



乃愛ちゃんからのキスとかエッチなことを断るなんてできるわけないし、

したら、乃愛ちゃんから渡される快感と自身の感度アップで大変なことになる。


あまりないだろうけど、乃愛ちゃんを舐めたり、舐められたりする時は気を付けないと。






それと、たぶん、この機構の最大の目的は・・・夜の営みの時の自己防衛だよね。


そのトキって、お互いの一番エッチな粘膜が接触するトキだから。






どんな感じになるんだろう。

















あぁ… 男子になりたくなってきた。





乃愛ちゃんの体は防御のためにやってるんだろうけど、相手はひたすらに気持ちよくなるんだよ。

そんなの抜け出せるわけないじゃん。






まぁ、今のところは全部、妄想の域を出ないけど用心するに越したことはない。


乃愛ちゃんが性犯罪とかに巻き込まれないように、私たちがしっかりしなきゃ。




















「いろは どうしたの? 大丈夫?」

「うん、何でもない。 ちょっと考え事してただけ」


結衣さんが液体になりそうなくらい、とろけきっている。




私に緊急ミッションができた。

「粘膜接触時エロ不可避説」 の調査だ。








結衣さんが床に崩れ落ちて、トロトロすぎるので、背中をさすろうと手を当てると


ビクゥッ

と震えて、腰を前後にを揺らしている。




早速だけど、もう、説立証でいいんじゃないかな。











乃愛ちゃんの顔にクリームは残ってなかった。


私も、少しだけにしておかなかったら結衣さんみたいになってただろうな。
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