22 / 35
22
しおりを挟む
何気ない日常がしばらく続くと何となく不安になる。
山根は森さんとよく遊んでいるらしく。
「だからお前も杉川さん誘ってみろって! 多分いけるって!」
と言ってきたがそんな勇気はない。
当たり前の事だが、まだ初めて喋ってから一ヶ月も経っていないのだ。山根のおかげで急接近できたが、自分でアクションは起こしてない事に気づく。
このままじゃいけないなぁ。と思いつつも携帯で杉川さん宛てのメールを作っては消す作業を繰り返していた。昔ならこんな日常が普通だったのに、今ではすごくつまらない。
しかし山根と森さんがよく遊んでいるならば、杉川さんは何処で何をしてるんだろう?
まさかあんなに人気者の杉川さんが俺のように家でぐだぐだしてる筈はないし。
気になり始めたら最後。どんどんマイナス思考になっていく。
まさか他の男子とデ、デートしているんじゃ?
そんな事を考えだしたら、いてもたってもいられなくなって外に飛び出した。
とにかく自転車を思いっ切り漕いで海を目指す。
汗だくになって防波堤に登り、海に向かって叫んだ。
「わからーん! どうしたらいいんだー!」
海は答えるはずもなく一定のリズムで波を運ぶ。ウミネコも変わらず鳴いてはいるが、俺をバカにするだけで答えになっていない。
それでもちょっとスッキリして、あと一歩を踏み出す勇気を出すにはどうしたらいいのかを考えようとポジティブな思考に切り替わる。目を閉じて頭を回転させる。薄く声が聞こえる。
「椎名くーん!」
杉川さんの声だ。まさか幻聴まで聞こえるようになるとは。末期症状だな。
「おーい! 椎名くーん!」
波の音に混ざって聞こえてくる幻聴はどんどん強まる。幻聴でも最早良かった。俺はまぶたの裏の映写幕に出会ってからの映像を映し出す。
「ねぇ! 椎名君!」
すると、すぐ後ろからと聞こえてきた。何というリアル感。俺は自分が恐ろしい。
すると耳元で、おーい! と叫ばれ、俺は慌てて耳を塞ぎ、目を開ける。
「うわっ!」
横を向くと隣に杉川さんがいた。
まさか幻覚? と思う暇もなく、ちょっと無視しないでよー! と杉川さんは怒っている。
まさかさっきから聞こえていたのは本物?
「あまりにも無視するもんだから走って来ちゃったよ!」
杉川さんは走ってきたらしく、息を切らしながらと言った。
やはりそうだ。これは幻覚じゃないし、さっきのも幻聴じゃない。
事態を察した俺はすかさず頭を下げる。
「ごめん! 幻聴だと思ってた!」
「え! どういうこと?」
杉川さんは驚いている。確かに訳分からない。
俺は良い言い訳が思いつかず、暑さにぼーっとしちゃって。とか、考え事をしていて。みたいな事をツラツラと並べていたら杉川さんはパンと手を叩く。
「あ! じゃあちょうどいいね!図書館行こう!」
唐突すぎて返事も出来ないでいる俺の腕を引いて杉川さんは防波堤を降りる。
俺は横山商店の近くに止めていた自転車の事も忘れて、杉川さんに手を引かれるまま図書館に向けて歩き出した。
「てか何で図書館?」
俺は杉川さんの隣を歩きながらようやく落ち着き、まともな事を口にする。
「いや、聡美も山根君と遊びに行っちゃってるし、予定もないからさ。勉強でもしに行こうかなと思って歩いてたら椎名君見つけて、しめた! って思って」
しめた! のは俺の方だ。
外に出といて良かった! と心の中でガッツポーズをした。
「図書館ってなんか集中できるから好きなんだよね! 椎名君はあんまり図書館で勉強したりしない?」
「まぁ、正直あんまり行かないかな」
だからと言って家出する訳でもないのだが。
「そっかぁ」
あれ? もしかしてマズったかな?
「でも部屋にクーラーないから今度から図書館使うわ」
と取り繕ってみる。家で勉強している空気を出しつつ、図書館に興味を持った雰囲気を出す。「案外悪くないとこだからオススメだよ! 椎名君きっと気に入るから!」
正解。
ホッとして歩きながら雑談を続ける。これ以上何もいらない。それだけで幸せだった。
図書館に着くと意外にがいた。みんな涼みに来ているのだろうか。それでも静かだし、クーラーもしっかり効いていて、なんとなく気に入ってしまった。
「あ、いいかも」
「でしょ?」
入って直ぐ、思わず出た言葉にすかさず反応して、笑う杉川さんにドキドキした。
向かい合わせに座って杉川さんはノートとペンをバッグから取り出す。
俺は何も持ってないので、とりあえず図鑑を何冊か持ってきて開いた。こんなの見るの何年ぶりだろうか? 物心ついてからは漫画ばかりの俺にとっては良い機会だ。存分に教養を深めてやろうではないか。
なんとなく鳥の図鑑からペラペラ捲ってみる。全く興味が湧かない。すごくどうでもいい。しかし、これは教養を深めているのだ。これでいいのだ。
あくびを我慢して無理矢理ページを進めていると、杉川さんはふとペンを止めた。
「それ、面白い?」
俺は図鑑をめくる手を止めて正直に言う。
「いや、あまり」
言った瞬間に図鑑を閉じる。限界です。
「ちょっと待ってて」
杉川さんはクスクス笑った後、席を立ち本棚へ向かった。フワッと微かに杉川さんの香りが飛んで来る。一瞬の清涼感に心を奪われながら、言われた通り俺は待った。
「はいこれ!」
五分もしないうちに戻ってきて三冊の本を俺に渡す。両手で受け取ると杉川さんはニコッと笑った。
「私のオススメだから読んでみて? 気に入らなかったら言ってね! 別の持ってくるから」
小説か。読書感想文のために無理矢理呼んだ事しか無い俺にとっては馴染みが薄いのだが、せっかく杉川さんに渡されたので信じて読んでみる。愛は偉大だ。
「――――そろそろ帰ろうか?」
杉川さんの言葉にハッと我に返る。
「え? もういいの? まだ来たばっかだけど」
杉川さんは、何言ってんの! と笑いながら腕時計を見せた。
「もう十七時半だよ?」
「え!」
ビックリして思わず大声を出してしまい杉川さんに「シっ!」と咎められる。
「ご、ごめん」
小声で謝り冷静に見てみると、俺はもう二冊目の終わりにきていた。
「やべー。面白すぎて時間忘れて読んでた」
「ホント!?」
杉川さんが大声を出すので俺が「シっ!」と咎める。
「ご、ごめん」
さっきと立場が逆になった。
じゃあそれ借りてきてあげるね! と三冊目を持って走っていく杉川さんはなんか嬉しそうだった。
しっかり二冊目も読み終えて図書館を出ると杉川さんはやっぱり嬉しそうに言う。
「やっぱり椎名君は趣味合うね! ハマると思ったんだ!」
俺もこんなに時間を忘れて本を読んだのは初めてで何かすごく嬉しかった。
家の近くまで送って、別れ際に、読み終わったら感想聞かせてね! と笑う杉川さん。
「もちろん!」
と答えて、とりあえずまた図書館に行く約束をした。
これはデートか? いや、違うか? 等と考えながらとにかく二人で合う約束に心躍らせて三冊目を家で開く。
心の高揚は止まらない。
気付けば朝になっていて、俺は読み終わった本をそっと閉じた。胸の高鳴りが収まらない。
俺は今すぐにでも伝えたい気持ちを抑えて眠りについた。
山根は森さんとよく遊んでいるらしく。
「だからお前も杉川さん誘ってみろって! 多分いけるって!」
と言ってきたがそんな勇気はない。
当たり前の事だが、まだ初めて喋ってから一ヶ月も経っていないのだ。山根のおかげで急接近できたが、自分でアクションは起こしてない事に気づく。
このままじゃいけないなぁ。と思いつつも携帯で杉川さん宛てのメールを作っては消す作業を繰り返していた。昔ならこんな日常が普通だったのに、今ではすごくつまらない。
しかし山根と森さんがよく遊んでいるならば、杉川さんは何処で何をしてるんだろう?
まさかあんなに人気者の杉川さんが俺のように家でぐだぐだしてる筈はないし。
気になり始めたら最後。どんどんマイナス思考になっていく。
まさか他の男子とデ、デートしているんじゃ?
そんな事を考えだしたら、いてもたってもいられなくなって外に飛び出した。
とにかく自転車を思いっ切り漕いで海を目指す。
汗だくになって防波堤に登り、海に向かって叫んだ。
「わからーん! どうしたらいいんだー!」
海は答えるはずもなく一定のリズムで波を運ぶ。ウミネコも変わらず鳴いてはいるが、俺をバカにするだけで答えになっていない。
それでもちょっとスッキリして、あと一歩を踏み出す勇気を出すにはどうしたらいいのかを考えようとポジティブな思考に切り替わる。目を閉じて頭を回転させる。薄く声が聞こえる。
「椎名くーん!」
杉川さんの声だ。まさか幻聴まで聞こえるようになるとは。末期症状だな。
「おーい! 椎名くーん!」
波の音に混ざって聞こえてくる幻聴はどんどん強まる。幻聴でも最早良かった。俺はまぶたの裏の映写幕に出会ってからの映像を映し出す。
「ねぇ! 椎名君!」
すると、すぐ後ろからと聞こえてきた。何というリアル感。俺は自分が恐ろしい。
すると耳元で、おーい! と叫ばれ、俺は慌てて耳を塞ぎ、目を開ける。
「うわっ!」
横を向くと隣に杉川さんがいた。
まさか幻覚? と思う暇もなく、ちょっと無視しないでよー! と杉川さんは怒っている。
まさかさっきから聞こえていたのは本物?
「あまりにも無視するもんだから走って来ちゃったよ!」
杉川さんは走ってきたらしく、息を切らしながらと言った。
やはりそうだ。これは幻覚じゃないし、さっきのも幻聴じゃない。
事態を察した俺はすかさず頭を下げる。
「ごめん! 幻聴だと思ってた!」
「え! どういうこと?」
杉川さんは驚いている。確かに訳分からない。
俺は良い言い訳が思いつかず、暑さにぼーっとしちゃって。とか、考え事をしていて。みたいな事をツラツラと並べていたら杉川さんはパンと手を叩く。
「あ! じゃあちょうどいいね!図書館行こう!」
唐突すぎて返事も出来ないでいる俺の腕を引いて杉川さんは防波堤を降りる。
俺は横山商店の近くに止めていた自転車の事も忘れて、杉川さんに手を引かれるまま図書館に向けて歩き出した。
「てか何で図書館?」
俺は杉川さんの隣を歩きながらようやく落ち着き、まともな事を口にする。
「いや、聡美も山根君と遊びに行っちゃってるし、予定もないからさ。勉強でもしに行こうかなと思って歩いてたら椎名君見つけて、しめた! って思って」
しめた! のは俺の方だ。
外に出といて良かった! と心の中でガッツポーズをした。
「図書館ってなんか集中できるから好きなんだよね! 椎名君はあんまり図書館で勉強したりしない?」
「まぁ、正直あんまり行かないかな」
だからと言って家出する訳でもないのだが。
「そっかぁ」
あれ? もしかしてマズったかな?
「でも部屋にクーラーないから今度から図書館使うわ」
と取り繕ってみる。家で勉強している空気を出しつつ、図書館に興味を持った雰囲気を出す。「案外悪くないとこだからオススメだよ! 椎名君きっと気に入るから!」
正解。
ホッとして歩きながら雑談を続ける。これ以上何もいらない。それだけで幸せだった。
図書館に着くと意外にがいた。みんな涼みに来ているのだろうか。それでも静かだし、クーラーもしっかり効いていて、なんとなく気に入ってしまった。
「あ、いいかも」
「でしょ?」
入って直ぐ、思わず出た言葉にすかさず反応して、笑う杉川さんにドキドキした。
向かい合わせに座って杉川さんはノートとペンをバッグから取り出す。
俺は何も持ってないので、とりあえず図鑑を何冊か持ってきて開いた。こんなの見るの何年ぶりだろうか? 物心ついてからは漫画ばかりの俺にとっては良い機会だ。存分に教養を深めてやろうではないか。
なんとなく鳥の図鑑からペラペラ捲ってみる。全く興味が湧かない。すごくどうでもいい。しかし、これは教養を深めているのだ。これでいいのだ。
あくびを我慢して無理矢理ページを進めていると、杉川さんはふとペンを止めた。
「それ、面白い?」
俺は図鑑をめくる手を止めて正直に言う。
「いや、あまり」
言った瞬間に図鑑を閉じる。限界です。
「ちょっと待ってて」
杉川さんはクスクス笑った後、席を立ち本棚へ向かった。フワッと微かに杉川さんの香りが飛んで来る。一瞬の清涼感に心を奪われながら、言われた通り俺は待った。
「はいこれ!」
五分もしないうちに戻ってきて三冊の本を俺に渡す。両手で受け取ると杉川さんはニコッと笑った。
「私のオススメだから読んでみて? 気に入らなかったら言ってね! 別の持ってくるから」
小説か。読書感想文のために無理矢理呼んだ事しか無い俺にとっては馴染みが薄いのだが、せっかく杉川さんに渡されたので信じて読んでみる。愛は偉大だ。
「――――そろそろ帰ろうか?」
杉川さんの言葉にハッと我に返る。
「え? もういいの? まだ来たばっかだけど」
杉川さんは、何言ってんの! と笑いながら腕時計を見せた。
「もう十七時半だよ?」
「え!」
ビックリして思わず大声を出してしまい杉川さんに「シっ!」と咎められる。
「ご、ごめん」
小声で謝り冷静に見てみると、俺はもう二冊目の終わりにきていた。
「やべー。面白すぎて時間忘れて読んでた」
「ホント!?」
杉川さんが大声を出すので俺が「シっ!」と咎める。
「ご、ごめん」
さっきと立場が逆になった。
じゃあそれ借りてきてあげるね! と三冊目を持って走っていく杉川さんはなんか嬉しそうだった。
しっかり二冊目も読み終えて図書館を出ると杉川さんはやっぱり嬉しそうに言う。
「やっぱり椎名君は趣味合うね! ハマると思ったんだ!」
俺もこんなに時間を忘れて本を読んだのは初めてで何かすごく嬉しかった。
家の近くまで送って、別れ際に、読み終わったら感想聞かせてね! と笑う杉川さん。
「もちろん!」
と答えて、とりあえずまた図書館に行く約束をした。
これはデートか? いや、違うか? 等と考えながらとにかく二人で合う約束に心躍らせて三冊目を家で開く。
心の高揚は止まらない。
気付けば朝になっていて、俺は読み終わった本をそっと閉じた。胸の高鳴りが収まらない。
俺は今すぐにでも伝えたい気持ちを抑えて眠りについた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
【完結】碧よりも蒼く
多田莉都
青春
中学二年のときに、陸上競技の男子100m走で全国制覇を成し遂げたことのある深田碧斗は、高校になってからは何の実績もなかった。実績どころか、陸上部にすら所属していなかった。碧斗が走ることを辞めてしまったのにはある理由があった。
それは中学三年の大会で出会ったある才能の前に、碧斗は走ることを諦めてしまったからだった。中学を卒業し、祖父母の住む他県の高校を受験し、故郷の富山を離れた碧斗は無気力な日々を過ごす。
ある日、地元で深田碧斗が陸上の大会に出ていたということを知り、「何のことだ」と陸上雑誌を調べたところ、ある高校の深田碧斗が富山の大会に出場していた記録をみつけだした。
これは一体、どういうことなんだ? 碧斗は一路、富山へと帰り、事実を確かめることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる