ハーミタリアン

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Psalm 4:5 Offer the sacrifices of righteousness

Day98 Distribution neighborhood(ご近所さんへの分配)

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Day98 昼2時 ちょいすぎ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

”パカパカパカパカ”
中までキチンと焼かれた大量の魚の身が乗った板が荷車に乗せられ
男とハリネズミは川の北側を森に向かって進んでいる

男はあらかじめ言葉は通じないが馬に伝えている
男   :「Charlie and Beamer (チャーリー ビーマー)
      I know it might scare you, but (怖いかもしれないが)
      I will share this fish to the Mountain lions(山猫に魚を分けに行く)」
”ぶるるるる”
まるでそれを理解したかのように だたおびえる事なく
鼻息で男に了解し行為をうながす馬2頭
もし 山猫が襲ってくるならば 男が守ってくれる
絶対的な信頼が馬達にはあった
男にとって予定外だったのがハリネズミが付いて来るとの事
その為 従者の1人から鎧1式を借りた物をハリネズミがつけている
ハリネズミは今日 彼女が男から貰い受けた鎧を着けていなかった為だ

森の中に入る

荷車の魚は少し焦げるぐらい焼いている
これは寄生虫などが山猫に入るのを男が恐れていたからだ
マウンテンライオン。。。山猫達
猫のようなしなやかさ
なら猫の様に魚が好きなのであろう と男は予想していた
実際に以前 揚げた後 衣を剥いだフライの中身を がつがつ と食べていたし
森の中 道なき道を 荷車が通れる木の間を探しながら進んでいく

***30分後***
男は荷車の向きを変えさせる
そして 魚の切り身をハリネズミと男がそれぞれ1つづつ持つ

男   :「Hey Girl, whatever you do(いいか 絶対に)
      DO NOT MOVE    (自分から動くな)」

手振りでも教え ハリネズミは動いてはいけない事を理解する

男   :「GOOD AFTERNOOON (こんにちわーー)」

男は叫んでみる
その男の叫び声により 何処どこからともなく山猫達が集まってくる
幾つかは木の上から、いくつかは茂みから、いくつかは森の木の間から

BeamerとCharlieの2頭の馬は警戒する
ハリネズミは驚いているが動いていない

***数秒後***
数匹が男に すりすり しているので男は優しく撫でてやる
そして 焼き魚をゆっくりと目の前に置く
スンスンと匂いをいでから パクッ
パクパクパクパク と食べ始める
それを見ていた別の山猫がハリネズミの方に近づく

”ギャー―――― ぎゃー――” と威嚇いかくをする

それを見た男はハリネズミに
男   :「Hey Girl Don’t Move Let it come (動くなよ 相手に来させろ)」

そしてから
男   :「Hey GUYS!! (山猫達よ)  
      HORSES and this GIRL are with me(馬と女は俺の連れだ)」

それでも 山猫達のハリネズミに対する威嚇の態度と警戒はおこたわらない

***数分後***
魚の切り身を食べ終わった山猫がハリネズミの方へ
そしてしばらくしてから スリスリ ハリネズミの足へ
そして 口を開ける
男がハリネズミに向かいうなず
そしてハリネズミが本当にゆっくりと焼き魚の切り身を置く
そして山猫が食べ始める

男はゆっくりと荷車の方へ 
そして 荷車から少しずつ板を降ろそうとする

男   :「Hey Girl Help me out(おい 手伝ってくれ)」
男がそう言い ハリネズミがゆっくりと荷車へ
そして 大量の焼き魚が乗った板を二人で荷車から降ろす

男   :「These are for you guys(これもお前達の分だ)」

最初に数匹 気が付いたら殆ど全ての山猫達が
大量に板の上の焼き魚をこれでもか とむさぼり始める
そして 言葉が通じないが それでも男は続ける

男   :「Tomorrow I will bring 1 more batch(明日も持って来るからな)」
食べるのを止め 男の言葉を聞き入る賢い森の番人達
手振りと身振りで何となく理解は出来たであろう森の番人達

男   :「Later guys(じゃあなー)」
そして振り向く事なくハリネズミと男は馬に乗り
荷車と共に来た道を戻るのであった

ハリネズミのような ぼさぼさな髪型の女
教養があり 風呂に入った後は気品に満ち溢れている女
その女は知っていた
その昔 巨大都市と東の国が道を作る時に
行商人などが狼達に何度も何度も襲われていた事を

自然の獣はつねに お腹が空いていると言ってもいい
そして 今日 湖の主を捕えた
これでもか! という量の食料
そしてうたげ
調理という名の香り 笑い声という名の喧騒けんそう
大量の食べ物が ここに居ますよ! ありますよ! と宣伝している行動

お腹の空いた森の番人は村人達と従者達を襲いかねない
ただお腹がふくれていたら別だ!

あの大量の焼き魚
そして 頭のいい 動物は必要以上の殺生せっしょうはしない

禁断の森の中を流れる川の先にある湖
山猫達には取り分を貰う権利がある
そこで取れた獲物の分け前を男が与えた
森の番人である山猫達は村人を襲う理由がない
それを さも当たり前に行っている男

***30分後***
森を抜け 川を下る
揚げ魚と薫製の匂いと 共に村人達の笑い声が聞こえてくる

そして 男は焼き魚の従者に銅貨を数枚握らせ
また明日 同じ量を頼む事を伝える

針ネズミ:「ねぇ 本当に大事な事だから
      今日と同じ量を明日の朝 焼いてちょうだい」
従者  :「分かってます」
針ネズミ:「あなた達の命に関わる事だから 絶対に守ってね」
従者  :「命に関わるんですか? はは まさか」

ただ ハリネズミの真剣な目に 従者は笑い声を止め

従者  :「本当なんですね? 分かりました 総長!!」

そして老人がやってくる
従者  :「明日も先程と同じ量の焼き魚を必ず焼くように言われています」

男が身振り手振りで伝えハリネズミが大事な事だからと念押しする
老人  :「わかった  おーい皆!! 
      川に入れている魚の切り身には手を絶対に出すなよー」
全員  :「わかりましたーー」

そして次に男は 巨大な切り身を荷車に載せるのを手伝ってと伝える
CharlieとBeamerの荷車に1つ
そして従者から借り受けた荷車に1つ
それをシロ馬を含めた馬3頭でつなぎ合わせる

そして幾つか言葉を交わした後
ハリネズミと男はゆっくりと崖沿いに進んでいく

***3時間後***
途中で馬達の休憩
其の間に鳥を数匹仕留める
そしてから進む 休む 進むを繰り返し
坂の前にやってくる

日が沈んでいく
そんな中 男とハリネズミは馬の力を借りつつ
巨大な魚の切り身をゆっくりと坂の前に降ろしていく
馬の力が無ければ無理な 巨大な巨大な重い湖の主の塊肉

この行為に意味があるのかは分からない
ただ なんとなく 本当になんとなく やらなければいけないのでは?
そう直感。。。言葉にならない何かを感じた男 

何をしているか全く理解 出来ないが男に考えがあるのであろう
そう思いながら手伝うハリネズミ

それを降ろしてから 2人と3頭は家路へ
塊肉の移動で魚の匂いがある為 軽く水浴びをしてから
馬とヤギ達にブラシ そして 
シロ蛇に魚の切り身を一口サイズに切ったのを幾つか渡す
匂いの付いたハリネズミが借りていた鎧を洗い 荷車を洗い 小屋を洗い
そして しっかりとシャワーを浴びる
ハリネズミと風呂上りにエールで乾杯してからベッドへダイブ


***数時間後 朝日が昇る前***
夜中にトイレの為に起き上がったハリネズミ
トイレで用を足した後、水を飲もうとキッチンへ
そしたらニョロっとシロ蛇が
そして頭を上げ ハリネズミをじっと見ている

***数秒後***
再び進み始めるシロ蛇
付いて来い そう理解したハリネズミがシロ蛇の後を追い野原側の庭に出る
そして シロ蛇がじっと見ている先
先程 男と共に湖の主の肉塊を落とした坂を見ている

笑い声と調理の音と火の光で宴が続いている湖
子供達や疲れた従者は天幕の下や テント内や 敷いた布の上で寝息をかいている
その反対側 
森の主の住処から川を渡った南側の坂


月明りや星明りのない曇り空の下
本当の静寂が野原を包みこんでいた
動物の鳴き声はおろか 虫一匹すら音を出さない異様なまでの静けさ
風ひとつ吹かない純粋なる無音
音と光がそこだけ届いてないような深淵


男   :「Hey What are you looking at(なー 何を見てるんだ?)」
気が付いたら後ろに男が居た
1匹と2人が暗闇の中をじっと見ている

闇を見続けてはいけない
フト 酔っぱらっている時に叔父さんが言った何気ない 一言
何気ない 一言だが 酔っぱらって本心から言ったのであろう
だからこそ 男は 叔父さんの言葉を覚えていた

男   :「We need to go(家に戻るぞ)」
その言葉を理解したかのようにシロ蛇も向きを変え
男と共に家に向かう

その時 ピカっと 稲光が
そして ハリネズミは見てしまった
この世に在ってはならない存在の輪郭りんかく
そして 数秒後にくる 雷の音

”ゴロゴロゴロ ド―――――――――――――――――――ン”

それは まるで王の中の王を招き入れたがゆえの宴の喝采かっさいの様であった



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