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Psalm 4:5 Offer the sacrifices of righteousness

Day98 Distribution New Hanoa(新しい村への分配)

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Day98 朝10時 ちょいすぎ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

老人  :「まさか ここまでの大きさだとは」

もともと 老人は大きい魚といっても 豚か牛ぐらいを考えていた
ただ それにしては仰々ぎょうぎょうしい量の手鉤と塩
そして 魚が水面から出したのを目の当たりにした時
本当に腰を抜かしそうであった
ただ まるで当たり前のように 杖を唸らせ攻撃した森の賢者様
そして陣頭指揮を当たり前のように取っていた

そうして馬60匹により引っ張り上げられた超大物の魚
これは本当に魚なのだろうか?
そんな事を考えていたが 記念撮影を終えた後
男は老人に話しかける

可食部分が約半分 10トン
男は2トンは塊のまま欲しい事を伝える
300キロは そのまま焼いたのを150x2で2日に渡り荷車に
700キロはここに居る人と村人が今日と明日 腹いっぱいに食べる
あまったら燻製くんせいにすればよい
どう考えても余るであろう500キロは今からスモークさせる

残りが7トン
北へ運ぶ事を老人が提案し男が承諾する
1トンは北の街へ
6トンはその北の巨大都市へ

従者と野営慣れした近衛兵達により
調理の準備と解体とスモーク用の小屋の作成が行われる
従者の1人は早馬で村へ魚が取れた為 村に居る人達全員を湖に集まる様に連絡
また魚の解体は獣などの皮職人と料理人によって行われる

男はあらかじめ老人に伝えていた
もしも 湖の主を捕えた場合 骨と皮を持ち帰る様に
そう この大きさの骨と皮はまさに超極上のトロフィーである
食べる部分を取り除くと共に皮と骨の保存もしなければならない
そして皮をダメにしない為にもぎりぎりまで肉をこそぎ落とさなければならない
革職人たちは 魚は初めてだとしても この様な極上の獲物である事を理解しつつ 
慣れた手付きでどんどん肉を皮からこそぎ落としていく
ここまでの大物の皮 経験から簡単には傷つくことは無い

ただ 心配なのは塩の量だ

中の内臓 肉 骨を取った後 魚の皮を入念に洗った後
丹念に拭いてから 水分を出来るだけ落とさなければならない
それは塩をもちいる
その為 樽10個分の塩を持ってきているが それで足りるかどうかだ
塩自体は岩塩と海水塩がこの大陸では流通している
安くはないが 流通している
そして その多くを今日の料理と皮の保存のために持ってきていたが
まさか 本当にここまでの大きさだったとは

また このトロフィーを貰えるという事で
今日 必要な物全ては老人が支払っている
男が金貨を渡そうとしたが老人は頑なに断った
ラード 塩 エール 野菜 手鉤 ロープ その他に必要な物
実際には結構な金額になっている
それでも 湖の主の骨と皮はそれをはるかにはるかにはるかに上回る価値がある
下手したら城が買えるぐらいの金額になるやも
明らかに貰い過ぎな為 老人は後で金貨の入った大袋を男に支払う予定でいる

皮の保存作業をしている横で
男は切り身を入念に中まで火を通る様に焼くように従者にお願いしている
これは寄生虫対策だ

そんな横で内臓の処理について言い争いが起こる
もともとの大物 樽 数個分だったら
内臓は持って帰る予定であったが これだけの大きさでは
それでも識者達はぜひ持ち帰りたいと
でも 匂いがきつい為 近衛兵達を含め他の者は直ぐに処理したいと
その為 湖に戻すかどうかの議論である

男はもしも戻すなら 今皆が居る場所から少し離れた所に捨てるように
あらかじめ言っていた
この湖 主意外にも危険な魚が多いから
内臓を湖に戻した瞬間 血のに臭いにより 違う怖い魚が集まってきかねない
子供達に湖の水は飲むな 近づくな と言ってはいる
また数人の野営に手慣れた従者によって簡易的な柵は作られている

また 男が要求した巨大な塊
それを 一時的な貯蔵の為に湖に沈め
それを他の魚に食べられないように囲む形で別の柵も水の中に張ってある

最終的に道具の材料として使えるであろう腸などは
匂いが薄くなるまで洗って持ち帰る事に
ただ 薄くなったとしても それでも 匂いはきつい
なので それらを入れた樽は遠くに置かれる事に
そして残りは少し離れた湖の岸から湖に返す事に


調理組は 4組
場所は湖の主を倒した場所から少し離れた場所
理由は湖の主の内臓の匂いがきつい為 それから離れた場所に
それでも風に乗り多少 匂いはしてくるが
レモンの木のお蔭でそれが緩和されている

2組は 魚の揚げ物 ズッキーニの揚げ物とジャガイモの揚げ物
そしてフラットブレッドとマヨネーズの作成
野菜を切る係たち
簡易的なフィッシュバーガーにサイドをつくる

1組は男の要求の焼き魚 あとは煮魚をつくっている
最後の1組は 保存食の為の薫製ずくりだ
これは野営慣れしている北の国の者達が率先してやってくれている

”じゅーーーー” 魚があげられる
周りにおいしそうな香りが漂う
そして 最初に作られた フィッシュサンドとサイド 
それらは 巨大都市に行く者達に優先に配られる
そして その美味しい魚を食べながら 巨大な魚の塊を荷車に乗せた馬が
巨大都市へと 走り出していく

それが終わったら今度は
事の顛末てんまつを見ていた子供達がフィッシュサンドを食べ始める

村の少年:「おいしーー」
若旦那 :「何これ 凄い」
村の少女:「おさかなーーー おいしーーー おさかなーーー」

村人達も次々と湖にやってくる

村人  :「いい匂いがしている」
村人  :「うわ でっか」
村人  :「でっっっっっっかーーーーーー」
村人  :「これが この湖に居たのか」
村人  :「おーーーーーーー」

村人達が驚いている
そして 子供達が美味しさの余りに喜びにひたっているのを後目に
男は 枝を集め 簡単なイカダを作っている
そして 魚の切り身を取っている人に ほおの肉の切り身を要求する
男は知っていた
カマと呼ばれるほおの部分が魚の肉の中では 一際ひときわ 美味しいという事を
そして そのカマの切り身をイカダに乗せ

男   :「I thank you for today's victory   (本日の勝利に感謝を)
      we will feast today and tomorrow (おかげで今日と明日 宴を開ける)
      For this, I will offer the best part of this fish(魚の一番良い所を捧げる)
      In the name of Able, I offer this (アベルの名において)
      Please accept my offering    (この供物くもつを受け取って頂きたい)」

そう祈ってから 男は切り身をイカダに乗せ 湖の奥へと 流していく

周りが不思議そうに眺めているが
男は両手の人差指2本で空を指さす

それを見た数人の村人達が
空を見ながらひざまずき お祈りを唱えている

そして その後 気品あふれる王族と鎧を洗った専属騎士を見るが
軽く挨拶するだけで跪いたりはしない
それをいさめようと近衛兵達が声をあげようとするが

村の少年:「人に跪いたらダメなんだよーー」
村の少女:「そんな事も知らないのーー」
村の少年:「森の賢者様に跪こうとしたお爺さん すんごい怒られてたー」
村の少女:「天に向かってのみ 跪いていいんだよーー」

そう子供達に言われてしまう

北の王族:「森の賢者様に跪いたら怒られたのか?」
村の少女:「すんごく 怖かった――」
村の少年:「人 偉い人 王様だろうが賢者様だろうが 人に跪いちゃダメだって
      天にのみ 跪いていいんだって」
それを聞いていた 老人と近衛兵達と王族の代表と専属騎士は何も言えないでいた

***30分後***
人々はエールを飲み たらふく 食べ 
調理と解体の作業を手伝い
また エールを飲み たらふく食べる
いい匂いが辺りを充満する

ここまでお腹いっぱいに食べれたのは何年ぶりだろうか?
ここまで美味しい物を食べれたのは何年ぶりだろうか?
そして生まれてから死ぬまで食べる事の等 想像のかなわない
湖の主という極上の魚
舌がとろけるような 極上の魚
それを 油で揚げるという極上の調理方法

老人と従者達と騎士と王族の代表に
なんべんも 何べんも お礼を言う村人達

村人  :「ありがとうねー」
村人  :「本当にありがとう」
村人  :「本当に久しぶりに皆たらふく食べれてる
      ありがとう」
村人  :「あなた達が手伝ってくれたんだって? ありがとう」

最初はひざまずかれない事に違和感を持っていたが
喜び にこやかに本心からのお礼をこれでもか! というぐらい浴びせさせられた
騎士と王族の代表も 次第にこれでいいのか と思い始めたのであった

明後日からは働くように
日常に戻る様に
村の復興作業に戻る様に男に言われている村人達
ただ 今日という日は 夜遅くまでも宴をつづけるのであった
そして この宴は明日も続くのである
そんな笑い声と喜びの声が溢れる宴

でも そこに 男とハリネズミの姿はなかった




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