ハーミタリアン

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Romans 8:28 And we know

Day80 Distant view(遠物見)

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Day80 朝10時 村の北の街1の商店
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

従者  :「総長 皮のなめしが終わりました」
老人  :「そうか そうか ご苦労」

100枚以上ある狼の毛皮
服を作るか、敷物にするか、飾り物にするか
選択肢が広がる

老人  :「大きさとかは分けてあるのか?」
従者  :「一通り分けましたが 山猫や賢者様のつけた傷痕もあるので
      そっちで分けた方がいいかもしれません」

確かに傷がついている
罠でとらえた狼との違いはそこにある
しかし、それでもこれだけ大量の毛皮

老人  :「本当に久しぶりだ こんな数に囲まれたのは
      遠物見の方はどうなっている?」
従者  :「今だに動きは無いですね」
老人  :「約3日前か
      山猫の食欲がどのくらいか判らんが
      そろそろか? それともあと数日か?」
若旦那 :「お爺ちゃん! 賢者様ならあえて山猫を少しだけ飢えさせるかもよ」
従者  :「流石 若旦那! さといですね」
老人  :「まー わしの孫じゃからのー」
若旦那 :「お爺ちゃん 毛皮どうするのー?」
老人  :「えて待ってみようと思うんじゃが」

森の賢者様が狼の森を襲うのであれば
また大量に毛皮を購入する事が出来るであろう
それならば その毛皮を購入したうえで
どの毛皮を使うか? を選別した方が
多くの数から質を求めるには適切なのではないか?

問題は賢者様が何時いつ 狼達を襲うのか?
その日が判らないのが困る
直接 訊きに行くのが早いのであろうが
あの森の中 早馬が生きて帰ってくる事はまずないであろう

仕方がないので、見張りを2人、狼の森が見える丘に
2人いれば1人が馬で伝えに行っている間
もう1人が事の成り行きを見続ける事が出来る
また万が一 1人が休憩中でも見過ごす事の無い為
今日から派遣しているのであるが

文官  :「あのー 今 宜しいですか?」

入口を見てみると西の国の文官がいる

老人  :「なんじゃ? おぬし達が森の狼共を退治してくれるのか?」
文官  :「いえいえ そうじゃなくて今日きたのは」
老人  :「剣の長の鎧か?」
文官  :「はい そうです」
老人  :「森の賢者様が着ておったぞ 鎧もその方が嬉しいのではないか?」
文官  :「剣の長が殺されたんですぞ!!」
老人  :「。。。。。。。。。。。」
文官  :「しかも南の砦の騎士達も皆殺しにされた
      そんな野蛮やばんな人間を総長ともあろうお方がかばい立てるのですか?」
老人  :「実際に会ったからのー
      言葉が通じんでも伝達は出来る
      賢者様の家から物を盗み出した
      そして切りかかった 
      殺されて当然だと思うがのー」
文官  :「そんな訳がない! 誇りある西の国の騎士団の英雄の剣の長
      お金にも困っているはずがない」
老人  :「すまぬが 貰った骨細工を持って来てくれんか?」
若旦那 :「わかった お爺ちゃん」

***数分後*** 
若旦那と呼ばれる少年が男から貰った角ウサギの骨細工を持ってくる

老人  :「これを見てもらえんか?」
文官  :「ん なんです。。。これは 角ウサギ しかもこの精巧せいこうな彫り物
      彫っている物は。。。なんだ この大きな船は。。。
      素晴らしい! さすがの業物わざものです!」
老人  :「賢者様はそれを 何事もないかのようにくれよったんじゃよな?」
若旦那 :「そうだよ お爺ちゃん」
老人  :「この様なものが沢山あるから できる行動であるのであろう」
文官  :「。。。。。。。。。。。。。」
老人  :「このような業物わざものが沢山ある ならば
      剣の長とて賢者様の家は見た事もない宝の山であったのであろうな」
文官  :「。。。。。。。。。。。。。」
老人  :「これ以上 あの方の怒りを買わぬ事じゃ」
文官  :「そんな」
老人  :「国が亡びるぞ!!」
文官  :「まさか。。。たった1人の存在で」
老人  :「そのたった1人がここにある狼の毛皮
      野原を埋め尽くさんばかりの狼ども
      それを10分も掛けずに倒しのけたのじゃぞ」
文官  :「それだけじゃなくて 残りの狼も逃げて行ったよねー お爺ちゃん」
老人  :「おお そうじゃった」
文官  :「。。。。。。。。。。。。。」
老人  :「剣の長 ドレイク 森の主 それらを倒すすべを持っている
      それがどれ程の事か? おぬし 分からん訳もないだろう」
文官  :「。。。。。。。。。。。。。」
老人  :「おぬしが剣の長を気にしているのは分かる
      ワシも剣の長の達人的な剣捌けんさば
      正しく英雄とは あーであるものと思っている
      でもな 賢者様も同じ感動をワシに与えてくれた
      追い先短いこのワシが、音楽で涙する何て事
      考えもせんかった」
文官  :「。。。。。。。。。。。。。」
老人  :「おぬしの立場も分かる
      西の国は英雄を失ったから これから大変になる事も
      でも 悪い事は言わん
      森の賢者様の事は放っておけ」
文官  :「総長の言わんとする事は分かります ですが」
老人  :「あの 我儘わがまま王子か?」
文官  :「。。。。。。。。。そうです 私が言ったって言わないで下さいよ!」
老人  :「言わん言わん おぬしの苦労も分かる
      ただ、お主が止めなければ必要のない大量の血が流れる事になるぞ」
文官  :「肝に銘じます」
老人  :「あと 騎士団長達の復讐等 起こさせぬようにな」
文官  :「私にアレを止めろというのですか?」
老人  :「お主意外におらんじゃろ」
文官  :「。。。。。。。。わかりました
      お時間 頂き 誠にありがとうございました」

そう言って 文官が帰ろうとするのを

老人  :「おい ちょっと待て ほれ」
老人は1つ狼の毛皮を取って文官に投げてやる

文官  :「え? よろしいのですか?」
老人  :「持って行け」
文官  :「ありがとうございます」 そう言って出ていく西の国の文官
若旦那 :「えー お爺ちゃん ただであげちゃうの」
老人  :「板挟みに居る文官、心が折れかねん
      だから ワシから褒美をやらねばならない」
文官  :「そういうもんなの? お爺ちゃん」
老人  :「そういうもんじゃ
      あの者は良心を持っている
      だからこそ 防ぐ事は出来んじゃろうて
      でも 時間稼ぎにはなるじゃろう」

それから 文官は胃が痛い日々を繰り返す事になる
でも 良識ある文官1人ではどうしようも無い事も事実である
実際に彼1人では止める事は出来ず仕舞いになる


総長たちが次に男に合うのは
若旦那と呼ばれる少年が考えたように少し時間が経ってからであった




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