ハーミタリアン

ICMZ

文字の大きさ
上 下
114 / 219
Romans 8:28 And we know

Day80 Distant view(遠物見)

しおりを挟む
Day80 朝10時 村の北の街1の商店
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

従者  :「総長 皮のなめしが終わりました」
老人  :「そうか そうか ご苦労」

100枚以上ある狼の毛皮
服を作るか、敷物にするか、飾り物にするか
選択肢が広がる

老人  :「大きさとかは分けてあるのか?」
従者  :「一通り分けましたが 山猫や賢者様のつけた傷痕もあるので
      そっちで分けた方がいいかもしれません」

確かに傷がついている
罠でとらえた狼との違いはそこにある
しかし、それでもこれだけ大量の毛皮

老人  :「本当に久しぶりだ こんな数に囲まれたのは
      遠物見の方はどうなっている?」
従者  :「今だに動きは無いですね」
老人  :「約3日前か
      山猫の食欲がどのくらいか判らんが
      そろそろか? それともあと数日か?」
若旦那 :「お爺ちゃん! 賢者様ならあえて山猫を少しだけ飢えさせるかもよ」
従者  :「流石 若旦那! さといですね」
老人  :「まー わしの孫じゃからのー」
若旦那 :「お爺ちゃん 毛皮どうするのー?」
老人  :「えて待ってみようと思うんじゃが」

森の賢者様が狼の森を襲うのであれば
また大量に毛皮を購入する事が出来るであろう
それならば その毛皮を購入したうえで
どの毛皮を使うか? を選別した方が
多くの数から質を求めるには適切なのではないか?

問題は賢者様が何時いつ 狼達を襲うのか?
その日が判らないのが困る
直接 訊きに行くのが早いのであろうが
あの森の中 早馬が生きて帰ってくる事はまずないであろう

仕方がないので、見張りを2人、狼の森が見える丘に
2人いれば1人が馬で伝えに行っている間
もう1人が事の成り行きを見続ける事が出来る
また万が一 1人が休憩中でも見過ごす事の無い為
今日から派遣しているのであるが

文官  :「あのー 今 宜しいですか?」

入口を見てみると西の国の文官がいる

老人  :「なんじゃ? おぬし達が森の狼共を退治してくれるのか?」
文官  :「いえいえ そうじゃなくて今日きたのは」
老人  :「剣の長の鎧か?」
文官  :「はい そうです」
老人  :「森の賢者様が着ておったぞ 鎧もその方が嬉しいのではないか?」
文官  :「剣の長が殺されたんですぞ!!」
老人  :「。。。。。。。。。。。」
文官  :「しかも南の砦の騎士達も皆殺しにされた
      そんな野蛮やばんな人間を総長ともあろうお方がかばい立てるのですか?」
老人  :「実際に会ったからのー
      言葉が通じんでも伝達は出来る
      賢者様の家から物を盗み出した
      そして切りかかった 
      殺されて当然だと思うがのー」
文官  :「そんな訳がない! 誇りある西の国の騎士団の英雄の剣の長
      お金にも困っているはずがない」
老人  :「すまぬが 貰った骨細工を持って来てくれんか?」
若旦那 :「わかった お爺ちゃん」

***数分後*** 
若旦那と呼ばれる少年が男から貰った角ウサギの骨細工を持ってくる

老人  :「これを見てもらえんか?」
文官  :「ん なんです。。。これは 角ウサギ しかもこの精巧せいこうな彫り物
      彫っている物は。。。なんだ この大きな船は。。。
      素晴らしい! さすがの業物わざものです!」
老人  :「賢者様はそれを 何事もないかのようにくれよったんじゃよな?」
若旦那 :「そうだよ お爺ちゃん」
老人  :「この様なものが沢山あるから できる行動であるのであろう」
文官  :「。。。。。。。。。。。。。」
老人  :「このような業物わざものが沢山ある ならば
      剣の長とて賢者様の家は見た事もない宝の山であったのであろうな」
文官  :「。。。。。。。。。。。。。」
老人  :「これ以上 あの方の怒りを買わぬ事じゃ」
文官  :「そんな」
老人  :「国が亡びるぞ!!」
文官  :「まさか。。。たった1人の存在で」
老人  :「そのたった1人がここにある狼の毛皮
      野原を埋め尽くさんばかりの狼ども
      それを10分も掛けずに倒しのけたのじゃぞ」
文官  :「それだけじゃなくて 残りの狼も逃げて行ったよねー お爺ちゃん」
老人  :「おお そうじゃった」
文官  :「。。。。。。。。。。。。。」
老人  :「剣の長 ドレイク 森の主 それらを倒すすべを持っている
      それがどれ程の事か? おぬし 分からん訳もないだろう」
文官  :「。。。。。。。。。。。。。」
老人  :「おぬしが剣の長を気にしているのは分かる
      ワシも剣の長の達人的な剣捌けんさば
      正しく英雄とは あーであるものと思っている
      でもな 賢者様も同じ感動をワシに与えてくれた
      追い先短いこのワシが、音楽で涙する何て事
      考えもせんかった」
文官  :「。。。。。。。。。。。。。」
老人  :「おぬしの立場も分かる
      西の国は英雄を失ったから これから大変になる事も
      でも 悪い事は言わん
      森の賢者様の事は放っておけ」
文官  :「総長の言わんとする事は分かります ですが」
老人  :「あの 我儘わがまま王子か?」
文官  :「。。。。。。。。。そうです 私が言ったって言わないで下さいよ!」
老人  :「言わん言わん おぬしの苦労も分かる
      ただ、お主が止めなければ必要のない大量の血が流れる事になるぞ」
文官  :「肝に銘じます」
老人  :「あと 騎士団長達の復讐等 起こさせぬようにな」
文官  :「私にアレを止めろというのですか?」
老人  :「お主意外におらんじゃろ」
文官  :「。。。。。。。。わかりました
      お時間 頂き 誠にありがとうございました」

そう言って 文官が帰ろうとするのを

老人  :「おい ちょっと待て ほれ」
老人は1つ狼の毛皮を取って文官に投げてやる

文官  :「え? よろしいのですか?」
老人  :「持って行け」
文官  :「ありがとうございます」 そう言って出ていく西の国の文官
若旦那 :「えー お爺ちゃん ただであげちゃうの」
老人  :「板挟みに居る文官、心が折れかねん
      だから ワシから褒美をやらねばならない」
文官  :「そういうもんなの? お爺ちゃん」
老人  :「そういうもんじゃ
      あの者は良心を持っている
      だからこそ 防ぐ事は出来んじゃろうて
      でも 時間稼ぎにはなるじゃろう」

それから 文官は胃が痛い日々を繰り返す事になる
でも 良識ある文官1人ではどうしようも無い事も事実である
実際に彼1人では止める事は出来ず仕舞いになる


総長たちが次に男に合うのは
若旦那と呼ばれる少年が考えたように少し時間が経ってからであった




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】

一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。 追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。 無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。 そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード! 異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。 【諸注意】 以前投稿した同名の短編の連載版になります。 連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。 なんでも大丈夫な方向けです。 小説の形をしていないので、読む人を選びます。 以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。 disりに見えてしまう表現があります。 以上の点から気分を害されても責任は負えません。 閲覧は自己責任でお願いします。 小説家になろう、pixivでも投稿しています。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

処理中です...