ハーミタリアン

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Romans 8:28 And we know

Day77 The grand son's wish(孫の頼み)

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Day77 朝8時半 ちょいすぎ 街南東 野原の見える丘へ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

可愛い孫の頼みを聞き 
朝食を取り終わってから馬屋へ向かう老人と若旦那と呼ばれる少年
そして念の為 護衛としてついてくる従者3人
それぞれが馬に乗り 若旦那と呼ばれる少年の後を付いて行く

元々 老人は少年の言う通りの出来事が今日 起こるとは考えていない
それでも可愛い孫との馬の遠乗り
孫が飽きるまで付き合う予定であった
そして農家の家を通り過ぎ丘に着く

若旦那 :「お爺ちゃん! ここ!
      ここで あっちの森から賢者様が歩いてきたんだ!」
老人  :「ほー そうかいそうかい」

若旦那と呼ばれる少年は昨日見た事を興奮した様子で再度 話始め
老人はそれを にこやかに聞いている
馬屋で働いている従者3人もその姿を にこやかに見ている

そしてから じっと森を見続ける少年


***数分後***
鈍く青く光る鎧を着た人間が森から歩いてくる
それはまぎれもない剣の長の鎧
そして柵のようなものを手前に降ろし
背負っていた物をその横に降ろす
そして その後についてきたのが山猫の群れ
そして男が線を引き山猫の群れを 一直線に並べるよう指図している

若旦那 :「ほら お爺ちゃん 言ったとおりでしょ」
老人  :「あれは まさしく剣の長の鎧」
従者  :「まさか山猫と話す事が出来るとは」

そして男は棒のような物を両手で水平に持ち
”ターン ターン” と乾いた音を奏でる
全員がそれを見守る

従者  :「いったい何をやっているのでしょう?」
老人  :「いや 分からん」

それでも男は乾いた音を立て続ける
最初に殺していた狼は森の入口の木が邪魔していた為
気付かなかったが

***数十秒後***
野原にのそのそと現れる狼達が
男の乾いた音の後に倒れていく
それを従者の1人が見つける

従者  :「総長! 反対側の森の入口を見てください!」
そこには倒れている狼が複数

老人  :「まさか 本当に魔法で狼を倒している」
若旦那 :「あれが 賢者様の魔法」

次の瞬間 草原が黒と白で覆われていく
約150匹の狼が男と山猫に向かって走り始める
それは壮大な光景であった

従者  :「まさか あんなに数がいるとは!!」

それでも乾いた音を立て続ける男

老人  :「あの数じゃ無理であろう」

次の瞬間 男は杖を持ち帰る

”ダン ダン ダン ダン ダン ダン ダン ダン ダン”

別の乾いた音が響き それと同時に無数の狼が
血しぶきをあげ 宙を舞う

従者  :「凄い」
若旦那 :「でも 狼が賢者様の所に」

それでも近づいてきた狼をスパイクトラップで押さえつける

全員  :「うまい」

そして逃げずに遥かに多い数の狼に対し乾いた音を立て続ける
狼と山猫が交戦し始める
それが当たり前の様に 次に迫りくる狼達の波に攻撃を仕掛けている
そして山猫達は善戦している

次の狼達が前線に合流するが 
男がかもし出す乾いた音が変わる
引く事の無い圧倒的な存在
そしてまるで絶対的な信頼を置いているかのような森の番人達

暫くしてから男が叫び、狼達が逃げ出していく
それを山猫達が狩っていく

10分にも満たない戦い

従者  :「あの数の狼を相手に勝った!」
若旦那 :「流石 森の賢者様だ!!」
老人  :「いやはや 凄い物を見てしまった!」

そして男が山猫達と狼の死体を集め
山猫を手当てして
狼の死体を解体して毛皮にしている
そして肉を山猫に乗せているが
大量の狼の死体を目の前にして男は天に向かい話している
確かにアレでは時間がかかるであろう
そう老人が思っていたら
若旦那と呼ばれる少年が馬で走り出していた

従者  :「あ! 若旦那」
老人  :「おい! 急いで後を追うぞ!」
従者  :「え? でも森の賢者様と山猫相手では」
老人  :「聞いた話だと礼を尽くせば問題ないらしい」
従者  :「本当でしょうか?」
老人  :「嫌ならここに残ればいい」

そして老人が馬で少年の後を追う
仕方なしに従者も老人の後を追う

”ぎーー ぎーーー”
まず少年に敵意を向けている山猫を手で制す
次に言葉は伝わらないが 馬上からではなく馬から降りた少年
男は屈んで目を合わせる事で 誠意を表す

男   :「Do you know how to skin the wolf?(狼の皮剥ぎのやり方わかる?)」
男は狼を指さし ナイフで切る動作をする

若旦那 :「はい こう見えても慣れております」
言葉は伝わらないが少年はコクコク 頷く

男   :「Do you have a knife?(ナイフ持ってる?)」
男がナイフを軽く掲げる 少年も自分のナイフを掲げる

男   :「Do you have gloves?(グローブは?)」
男はグローブを指さす
グローブを持っていない少年
そしたら後ろから馬に乗った老人とその従者らしき3人が来る

”ぎーー ぎーーー”

再び唸り始める山猫
それを手で押さえる男
そして

若旦那 :「お爺ちゃん! 手袋 貸して!」
そしたら従者の1人が少年に手袋を渡す

そして老人に向かい男が狼を切る動作をする

老人  :「おい! そこの二人は解体の手伝いだ
      そして お前! 街に戻り 人手を5人連れてこい
      この量をさばくのは人数が必要だ
      あと 馬車で桶と樽に入った水
      あと エール等の飲み物と食べ物も持ってくるように」
従者  :「わかりました!」

そして身振りと手振りで意志の伝達をする
男は狼の死体から内臓を取り出し、山猫に与える
そして内臓の無くなった死体を
少年、老人、従者2人の前に

それぞれが狼の毛皮を剥ぎ 終わったら毛皮を野原に
男が次の内臓が無い死体を置いていく
そして4人が毛皮を剥いでいる間
肉を男がハンドハチェットで半分にして山猫に乗せる

***1時間後***
23枚の毛皮ができる
男は1度皆に手袋を外すように
そして手袋を外した4人に男がリュックから取り出したリンゴを投げてくる
そして自分用に取りだした1つのリンゴを男はゆっくり味わいながら噛んでいく

若旦那 :「あー 助かる 水分が欲しかったんだ」
従者  :「まだまだ結構な数ありますね?」
老人  :「いやはや これだけの狼を倒すなんて
      これで町の東側は少しは平和になるな」
従者  :「いやでも まだ森には狼の群れが」
若旦那 :「ねー 賢者様 森にいる狼は?」

少年が狼を指さし 森を指さす
そしたら 男がリュックからタブレットで絵を描き始める

老人  :「おーー あれがガラスの石板と噂されたものか」
若旦那 :「えーと 狼の死体の肉
      それを山猫が食べる
      それが無くなる
      その後 森の狼を退治する」

そして男が狼の森を指さす

若旦那 :「え? 森の狼も退治してくれるのですか?」

男は言葉が判らないが頷く
ただ タブレットで山猫が食べる肉が無くなるのをトントンと数回 指さす

若旦那 :「山猫が肉を食べ終わってから だから数日から1週間後かな?」
老人  :「とりあえず 東の森へは 誰も訪れないようにしないとな」
従者  :「あー そーですね 総長」

そんな話をしていたら 男がタブレットをしまい
グローブを付け作業を再開する
リンゴを食べ終えた皆も作業を再開する

老人  :「もう少し したら人手も増える」
      とは言え これだけの数だ! それまで出来るだけ数を減らすぞ!」
若旦那 :「わかった お爺ちゃん!」
従者  :「はい 総長!」






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