ハーミタリアン

Romans 8:28 And we know

Day７６ The Gardian（番人）

Day７６　朝６時半　ちょいすぎ
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川岸に置いていたソリ　それを引っ張り始める
鎧を着こんでいる為　男は川の少し上流の岩のでっぱりから渡河とが
そして対岸に居た山猫の場所へ

男の言葉など分かるはずがない
それでも山猫はそこに居た

男はまずタオルを川で濡らし　沁みこませたタオルを絞しぼる様にし
山猫に水を取らす
次にタオルを　ねじる様にし　山猫に噛ませる
バケツに水を入れ　スポンジを濡らす
鎧を着こんだ手で山猫を抱きかかえるように

血が足りないのか、既に諦めているのか、山猫は男になされるがまま

男は左手で、山猫の首を固定し、山猫の傷をスポンジで洗っていく
次に消毒液を傷口にかけていく
痛みがある　その為　嫌そうな顔をしている山猫
ただし　噛まれる痛みよりは遥かにマシな為　鳴声などはあげない
男は少し大き目なバンドエイドを救急箱から取り出し貼り　その上から包帯を巻く
包帯だけは後で取ってやらないとダメだが
バンドエイドは自然に剥はがれていくであろう

応急手当が終わってから男は山猫の口からタオルを取り
代わりに角ウサギの肉を噛ませる

口に放り込まれた肉
血が必要と本能から悟っていた山猫はその肉を懸命に嚙み始める

軽く頭を撫でてやってから
男は狼の死体を集め　ある程度　血を抜いてからソリに乗せる

流石に　１度に全部は無理だな

数匹の狼の死体はそのまま
男は銃火器すべてをリロードとチェィンバリング
そして手にはショットガンを持って少し待つ
山猫が角ウサギの肉を食べ終わってから　男は言葉が通じないが山猫に尋ねる

男　　　：「Can you walk？　　　（歩けるか？）
　　　　　　 Do you want me to carry you？（それともソリに乗せて欲しいか？）」

山猫は言葉は判らないが立ち上がって歩き始める
男はソリを引きながら　そのまま山猫と共に北西へ

＊＊＊１０分後＊＊＊
山猫が歩みを止める
そして身構える
曇り空の下　ほんの少しの太陽に照らされている森の茂みが揺れ始める

”ガサガサガサ”

次の瞬間　３匹の狼が走ってくる
２匹は男に向かって　１匹は山猫に向かって

”ダンダンダン”

男は僅わずかな狙いだけでショットガンを撃ち始める
２匹は即死
１匹は撃たれても尚なお　男に飛び掛かるが　男は軽く腕を上げるだけ
男の鎧に覆われた腕を思いっきり噛みつける狼
そして全く　びくともしない騎士の鎧
男は両手で持っていたショットガンの右手を離し
噛みついている狼の鼻を強引に右手で掴つかみ引きはがす

その反動で狼の牙が抜ける
そのまま狼を持ち上げ地面に叩きつける
叩きつけられたとしても土の上の為　狼にはダメージはない
が　その次に男は鉄製の騎士のブーツで狼の顔を踏みつける

”グギッ”

叫ぼうとしても声がでない狼
1度目で死んでいるであろう　
でもその確認はしないで数度狼の顔を踏みつける

”グシャ”

リュックからナイフを取り出し３匹の狼の腱と首に穴を空ける
そこから血が噴き出してくる

一度　鎧のグローブを脱いでショットガンをリロードしておく
死骸は　そのままにして男は山猫が歩いていた方角にソリを引きながら歩いて行く
その後を追う包帯を巻いた山猫

＊＊＊数分後＊＊＊
ある程度歩いた
この辺りはまだ来た事が無い
いや　一度だけコヨーテ達と近くまで来た事がある
ここから北に行けば鹿の朽ちた死骸があった辺りか
多分　山猫の縄張りなのであろう

茂みが揺れる
山猫の方を見ると身構えている
男はショットガンを構える
狼が２匹

”ダンダンダン”

最初の２発で１匹は仕留める
３発目で２匹目を
血抜きを開始してから再び北西へ

＊＊＊１５分後＊＊＊
７匹の狼が集まっている
何かを食べているのであろう
後ろ姿だけ

”ダンダンダンダン”

男はそこそこの狙いで狼のケツを撃ち続ける
死にはしない　でも今まで感じた事の無い痛みを受けた狼
そして振り返って　頭を見せた瞬間

”ダンダンダンダンダン”

痛みを受けて振り返った狼に更に男がショットガンの雨を降らせる
４匹は死亡　３匹の内１匹は重体　２匹は男に向かって走ってくる

今まで感じた事の無い痛みからの殺気を放つ狼
騎士の鎧が有る為まったく恐怖を感じていない男

鎧のグローブをしている為　イーグルを即構えて撃つ事は出来ない
その為、男はハンドハチェットをリュックの脇から取り出し
敢えて狼に襲わせる
鎧に向かって飛び掛かる狼
全く　びくともしない　
そしてショットガンの弾を受けている為　
生きているとしても　そこまで速く動けない狼に
男は容赦なくハンドハチェットで叩き落とす

”グシュン”

１匹はそれで死亡
もう1匹は少し離れた場所へ退避
次の瞬間　包帯を巻いた山猫が襲い掛かる
そして赤い血が首から流れる
狼の目に光は無い

男　　　：「In the name of Samson (サムソンの名において）」

”グサ”　重体な１匹の首にナイフを突き刺す
血が溢あふれると共に狼の目から光が消えていく

男は即グローブを脱いでショットガンに弾を込め始める

”カチャ　カチャ　カチャ　カチャ　カチャ　カチャ　カチャ　カチャ”
ラッキング
”カチャ”

８発＋１発　コンバットショットガンの計９発

次の瞬間　狼達が男の方へ走ってくるのが見える
ある程度　近づくまで待ってから

”ダンダンダンダンダンダンダンダンダン”

男はショットガンを空にする
そしてイーグルに手を掛ける

”ドン　ドンドン　ドン　ドン　ドンドン”

男に撃ち漏らしは無い
無いが　男は気づいていなかった
狼の群れが前と左側から来ている事を

そして左からの群れに対応できない男

”ぎゃーーー”　包帯を巻いた山猫が叫びをあげる
”ぎゃーーー”　それに呼応するように木の上の１匹の山猫が叫ぶ
”ぎゃーー　ぎゃーー　ぎゃーーー　ぎゃーー　ぎゃーーー”

男は上を向いてみる　それは狼達も同じ
そこには多くの山猫の姿が
ここまで山猫が居るのに狼が我が物顔で山猫の仲間を食べていた狼達
屈辱に耐えていた怒りを解き放ったかのように
山猫が木から狼に飛び降り襲い始める

１対１で負けない自信のある山猫
１対１では必ず仕留める自信のある山猫

生き残る為とは言え自分達の縄張りで同胞を食べられる屈辱に耐えていた山猫
それが狼達に襲い掛かる

数の利が無くなった事に気づかない狼達は抵抗はしたものの
全て噛み殺され、えぐり殺され、嬲なぶり殺されるのには５分もかからなかった
そして　その異変に気付いたのか　残りの狼達は深緑の森から撤退し始める

＊＊＊５分後＊＊＊
リロードとラッキングを済ませている男

山猫達は男が脅威である事を知っている
山猫達は男が森の主を倒した事を知っている
山猫達はもし男に襲われたら決死の覚悟で戦う事は決めている
ただし自分達から手を出す事はしない

男はしばらく警戒していたが　山猫の群れが手を出してこないのを確認してから
ソリに乗せていた狼の死体の皮をナイフで剥ぎ始める

”シュッ　シュッ　シュ―――　サクサク　シュ―”

それを見ている山猫達
皮を剥ぎ終わった狼の死骸を山猫の群れに向かって放る
少し様子をみていたが、そのうち1匹の山猫がその肉を食べ始める
それが開始の合図の様に他の山猫達も肉を食べ始める
男は２匹めの死骸の皮を剥ぎ終えたら山猫達の元へそれを持っていく
３匹目も同じ

風で木々の葉が舞う中
男の狼の皮を剥ぐ音と山猫の肉を食べる音のみが場を支配する

男はソリの死骸、銃で撃った群れ、山猫に襲われた群れ
その順で皮を剥いでいく

＊＊＊９０分後＊＊＊
一通りすべての狼の皮は剥ぎ終わった
リュックから水筒を取り出し水をごくごく

コーヒーを入れてくるべきだった

男　　　：「I will be back（直ぐに戻ってくるから）」

言葉は通じるはず等がない
それでも　声は　一応かけておく

男は毛皮を乗せたソリを引いて川に戻る
そして毛皮を川の横に置き
道中で倒していた狼の死骸をソリに乗せ
山猫の前で皮を剥ぎ　死骸は山猫へ
それを数回繰り返す
川を超えた狼は全て処理が出来たのは昼　少し前であった