ハーミタリアン

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Romans 8:28 And we know

Day66 Windy(天気 強風)

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Day66 朝7時 ちょいすぎ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

”ぐきょーーう がぎょーーぐ ぐげあーーー がーーーー”

凄く変な鳴声を聞いて朝起きる
空はオレンジ色で赤みが掛かっているがまた日が上がり切っていない
眠い目を擦りながらも まー 起きてしまったので仕方がない
餌やり 水やりなどの作業をする
ヤギの乳しぼりをやって置く
シロ蛇に餌をやり
そして馬が起き始めたので撫でながら放牧、ヤギも同じ

”ガランガランガランガランガランガラン
”ざーーざーーざーーーざーーーーーーーざーーーーーーーーーー”
風が強い

”ヒューひゅー ひゅー ガタッ ガタっ”
鳥小屋の箱と樽が倒れたっぽい

ケガをしている鳥とかは居ない
が 中の巣とかも風で吹き飛ばされたりしているのもある
家にある竹を全て使って 倒れないように鳥の柵内の
木箱やら住処やらを竹で支えるようにする

”ガランガランガランガランガランガラン”
”ざーーざーーざーーーざーーーーーーーざーーーーーーーーーー”

森が揺れていく
野原もまるで波打っているように見える
ただ 空を見上げると雲が無い
だから どれだけ速い風が吹いているかなどは判らない

そして コーヒーを作る
ポータブル電源をガレージからだして充電開始
ここで充電中の電源にコンロをつなげ乳を加熱殺菌
そしてフィルターでろ過させピッチャーを満たす
ミルクを半分近く使ったコーヒーをテラスで飲む
風呂場に行く
生暖かいシャワーを浴び 眠気をなんとか取り払う

腰にはガンベルト 手にはコーヒー
庭を見てみる

”ざーーざーーざーーーざーーーーーーーざーーーーーーーーーー”
”ガランガランガランガランガランガラン”

ノイズトラップが柵から はち切れんばかりに揺れている
風が気持ちいい

”ざーーざーーざーーーざーーーーーーーざーーーーーーーーーー”
”ガランガランガランガランガランガラン”

このままではトマトが落ちかねない
竹は全て使ってしまった
アライグマ対策の竹を少し移動して何とかトマトを支えるようにする

竹か?
いや 村の卵屋さんから木の板をもう少し買いたい
鳥の柵を広げると共に鳥のエリアを移動したい
鳴くのが仕事なのは分っているがもう少し遠くにしたい
あと 馬小屋とヤギ小屋も拡張が出来る

ただ今日は狩りは無理だな
風が強すぎる
ライフルは当たらないであろう
村には明日か明後日に行こう
村に行く途中 狩れる獲物も今日じゃ無理だ

そうして男は内職をして1日を過ごすのであった

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
***2日前 午前中***
村にある唯一の商店の主は 男が大人買いした為
北の街へ商店の仕入れをしに
そして色々買いそろえている時に街の店の定員との会話

店員  :「随分いっぱい買いますね? 騎士団が買い占めたのですか?」
村の店主:「森の賢者様が殆ど買い占めちゃってね」
店員  :「森の賢者様?」
村の店主:「見た事も無い道具を使い
      大鹿、ドレイク、そして森の主を倒したらしい」
店員  :「へ? ドレイクと森の主?」
村の店主:「少なくとも子供達はそう言っていた
      俺からしたら言葉が通じない奇妙な服を着ているので
      東の国の貴族か何かだと思ったのだが
      これで足りるか?」
店員  :「あー 丁度ですね
      馬車に運ぶの手伝いますね?」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
***2日前 午後***

店員  :「カンパーイ 仕事終わりのエールはうまい」

そういいながら、酒場の給仕を口説こうとする北の街の店の店員
なにか珍しい話で気を引こうとする 
そこで話したのが 南の村 に現れた森の賢者様

給仕  :「嘘だー 大鹿、ドレイク、それに森の主――」
店員  :「いや 俺もそう思うんだけど 子供によると森の賢者様らしい」
給仕  :「本当に――?」

それを後ろで聞いてた騎士の1人
食事が終わり、酒も飲み、ほろ酔いになりながら派出所に戻る
そして他の騎士との会話

当直  :「おいおい また飲んできたのかよ?」
騎士  :「なー 森の主が討伐されたって知ってるか?」
当直  :「へー 剣の長がやってくれたか」
騎士  :「いや 森の賢者様が退治したらしい」
当直  :「森の賢者様ーーー?? なんだそれ?」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
***1日前 午前中***
騎士団長:「は? そんな訳あるか?」

そう言い放った報告を受けた騎士団長
それでも念の為 中枢と呼ばれる大きな町 経由で西の国の王に連絡を入れるよう
早馬を出す
多分 そんな事は無い
それでも 森の主については
どんな些細な事でも報告するように言われていたのだから


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
***Day66 午後***
西の国の城の門番

”ざーーざーーざーーーざーーーーーーーざーーーーーーーーーー”

あーー 風が強い それでも心地いいな
そんな事を考えていた西の国の城の門番
そしたら 早馬が到着

門番  :「おー どうしたーー」
早馬  :「伝令 森の主関連だ」
門番  :「あー やっとか
      流石 剣の長だ
      お前も馬を飛ばし疲れたろう
      水でも飲んでいくか?」
早馬  :「あー 助かる」

***30分後***
謁見の間

王子  :「お父様 森の主の手紙が来たって本当ですか?」
王様  :「ああ、 ただ成功か失敗かは判らないが」
王子  :「剣の長が行ったのです 成功に決まっています
      おい お前! 手紙を読み上げろ!」

そう言われて 王と王子の前で手紙を読み上げる大臣

そこには1行だけ書かれていた

大臣  :「森の賢者様により森の主が討伐された可能性あり」

”ざーーざーーざーーーざーーーーーーーざーーーーーーーーーー”

全員が言葉を失い 空けた窓から聞こえる風の音だけが場違いのように
いたずらに沈黙を切り裂く

王子  :「森の賢者様ーーー? なんだそれはーーー!!!
      俺の森の主の毛皮はどうした!!」

王子に八つ当たりされ 戸惑う大臣
次の言葉によって 要らない罰を与えかねられない
そこで熟年の大臣は頭をフル回転する

大臣  :「そういえばコヨーテを従えた猛獣使いの報告がありました
      多分 同じ人物なのでは?」

村に派遣された文官の報告書
成果が上がらない理由をコヨーテを従えた男のせいにしていた

王子  :「父上! 手柄を横取りされたのです 全ての派遣隊を殺されたのです
      軍を送り今すぐ八つ裂きにするべきです」
大臣  :「しばし お待ちを 同一人物なら森の主だけでなく
      ドレイクすら倒した猛者
      騎士団ではなく軍を動かすべきです」
王様  :「ただ 軍を動かすとなると北の国と東の国の許可を得る必要がある」
大臣  :「父上! 悪者退治をするのです」
王様  :「いや それでも戦争を起こしかねないと思われ兼ねない
      次の国際会議は何時だ!?」
大臣  :「40日後になります」
王子  :「40日ーーー そんなに待つのですかーーー 父上――!!!」

”ざーーざーーざーーーざーーーーーーーざーーーーーーーーーー”

まるで近い未来に起こる惨劇をあざ笑うかのように
まるで少ない情報で事を進めようとする者共をあざ笑うかのように
風の音が沈黙を切り裂く

ただ その事を男はまだ知らない




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