41 / 47
本編
38
しおりを挟む
無事復学をした二人は、卒業のその時まで寮生活をすると決めた。
生き急いでいたような二人にそれを勧めたのは、驚くことにサシャだ。
思わぬ場所で思わぬ人と出会い、そして友情を育めるから。と。
驚くカナメに「ただし、週末は我が家に、我が家に、帰ってくるように」と言い、兄をブラコンだと思ったことが一度もない隠れブラコンと囁かれるカナメは、迷いもなくすぐさま大きく頷いた。
これでカナメの週末に、マチアスとのデートという予定は入らなくなっただろう。
それをマチアスがどう思っているか、そしてどう行動するのかは分からないところだけれど、弟のためなら不敬という言葉を頭から投げ捨てる嫌いのあるサシャだ。
マチアスが小細工を仕掛けてくれば、きっと堂々と立ち向かうに違いない。
実に、恐ろしい事である。
「さて……寮生活でもこれは変わりがないと……」
カナメが寮生活に使う部屋は、王族が寮を利用する際に使われてきた部屋の一つ。
一番警備がしやすく、セキュリティが最も高い部屋の一つだ。
王族が複数人寮生活をした時代もあり、それもあって王族のための部屋は五部屋ある。
カナメの隣の部屋はマチアスの部屋。
マチアスの朝はカナメの部屋に向かうところから始まり、その部屋で先んじて部屋を出たアルノルトと、カナメの従者であるアーネが朝食を用意してくれる。
マチアスはその間カナメの寝ている寝室へと向かい入るが、これにやましい理由などひとつもない。
カナメは非常に残念ながら、どれほど教育されようとも、どれほど注意を受けようとも、自力で起床することができず誰かが起こさないといけない。
同じ建物内にいる時は、マチアスが起こす役目を担う。
つまり、カナメが城に泊まった際は、王子殿下であるマチアスが起こしに行ったということである。
幼少期からずっと、これはマチアスの朝のお勤めであった。
「驚異的なスピードで王太子妃教育を終わらせたくせに、どうしてこれだけは治せないのだろうな」
ふわふわとカーテンが揺らぐ。そしてマチアスの鼻の頭に僅かにピリッとした痛みが走る。
「すまないが、無言の抗議をされても俺には全く理解できない。そもそも今のは抗議であっていたのだろうか?それとも『全くもってその通り』という同意であったのだろうか?君たちが何か文字にしてくれれば考えることも返事もできるのだが……この辺りはどうにかならないものなのだろうか」
これには、マチアスの髪が左右から吹いた優しい風でふわふわと揺れた。
「どうにもならないと言っているのか、それともどうにかなるだろうとこちらに望んでいるのか……さっぱり分からん。俺の髪の毛で遊んでいるのは構わないが、一応聞いておこう。俺がカナメを揺さぶり起こしても、怒らないだろうな?」
精霊相手に脅迫まがいのことを言うのもどうかと思うが、二体の精霊は気にせず、ベッドを揺らし始めた。
「なるほど……。役目を譲る気はないという自己主張と受け取ろう」
ぐわん、と揺れたベッドに驚き跳ね起きるのはカナメ。いつも通りの起こされ方である。
マチアスがいない時は、アーネが「では、お願いいたします」と頼む。
カナメ自身もそうだが、彼の周りの人間は皆、精霊の使い方を間違っているだろう。
精霊はこれでいいと思っているのか、それともちゃんと使役してほしいと思っているのか。マチアスは聞いてみたいと思っていた。
しかしもし意思の疎通が可能になった時、二体の精霊が自分たちは“神の雫”であると言い出したらまた大変なことになると、口には出さないようにしている。
起きてぼんやりしていたカナメも、しばらくすれば目も覚める。
難しそうな顔をして顔を擦り、のっそりと立ち上がった。
「おはよう」
「いい加減、自分で起きる方がいいぞ」
「でも起こしてくれるから」
「俺はもうカナメの婚約者として堂々といられるのでな、わざわざ婚約者の時間を作るために起こしにくる必要はなくなっているんだ」
「でもいいでしょ?婚姻後だってアルは起こしてくれるはず。自分で起きる必要性を、俺はあまり感じない……必要性を感じたら努力はするよ」
「どういう自信だ……王妃になろうとしているのに、この寝汚なさ……」
言葉はこれだが、マチアスの顔は案外と柔らかい。言っているほどには、深刻に思っていないのだろう。もしかしたら寝汚いなんて何とも思っていないのかもしれない。
精霊たちは何を思うかカーテンを揺らしている。
どことなく楽しそうに揺らしている気がするとマチアスが感じるのは、彼の気持ちの問題だろうか。
「俺たち、婚姻後は同じベッドでおやすみなさいするわけだから、起こしてくれてもいいじゃん?起きれる人が起きれない人を起こす。それでいいと思うよ」
へろっと言うカナメにマチアスは言う。
「なるほど。どれだけ喧嘩をしても俺と床を共にしてくれるというわけだな」
カナメから表情がごっそり抜けた。
「そのいいかた……なんだかやらしいからやめて」
「言葉は間違っていないだろう。そう言うことを想像する方がいやらしいんだ」
精霊たちの琴線に触れたのか、ベッドが揺れた。面白いと思っているのか、それともいい加減アーネを呼んで支度をしろと言っているのか、残念ながら二人には伝わらない。
「お願い、ちょっとでいいから言い方考えて。時々変な顔をする婚約者とか言われてもいいの?」
「安心しろ。カナメの顔はどんな時も美しいと思うし、ほかに思うならば愛らしいと思う。変な顔にはならない」
「なる。なります。仮にならなくても気持ちの問題。俺の精神的な問題。普通の顔を持続させる俺の精神的負担を、考えて」
「そうか……、わかった。善処しよう」
納得したカナメが満足そうに笑うと、マチアスは
「しかし、ははは……早く共に寝れるようになるといいな。今から待ち遠しい。俺たちにも蜜月をきちんと用意してくれるらしいぞ。父上と母上のそれと同じほどらしい。ゆっくりできそうだ」
再びカナメは無表情になり、絶句したのは仕方がないだろう。
(ゆっくりできそうってなに?できそうって、ゆっくりおちつてすごせるとか、そういう想像して言い訳?それともそう言う意味か!?そもそも、今、今お願いしたばっかり!!!)
それにしてもなぜ、この男は平然と顔色ひとつ変えずにこんなことを、しかも堂々と言えるのか。理解できないカナメはもう一度釘を刺すことにした。
「俺に愛されてる自信があるからって、言わなくていいこととか、言わなくていいから。俺の精神的ないろいろを考えてって言ってるの!」
しれっとした顔で「想像する方が悪いんだと思う」と言うマチアスにカナメは「もういやだ」とベッドにつっぷす。
どうにも理解してもらえていないようで、涙も出そうだ。
「すまない、泣かないでくれ」
「泣いてません!泣きそうなだけです」
ガバッと起き上がったカナメは、自分の指で目を指す。
泣いていないだろう、と言うアピールだろう。
「いつかほんとう、やりかえす」
「そうか。楽しみにしている」
笑う王太子に、婚約者はその足を思い切り踏んでやったのである。
生き急いでいたような二人にそれを勧めたのは、驚くことにサシャだ。
思わぬ場所で思わぬ人と出会い、そして友情を育めるから。と。
驚くカナメに「ただし、週末は我が家に、我が家に、帰ってくるように」と言い、兄をブラコンだと思ったことが一度もない隠れブラコンと囁かれるカナメは、迷いもなくすぐさま大きく頷いた。
これでカナメの週末に、マチアスとのデートという予定は入らなくなっただろう。
それをマチアスがどう思っているか、そしてどう行動するのかは分からないところだけれど、弟のためなら不敬という言葉を頭から投げ捨てる嫌いのあるサシャだ。
マチアスが小細工を仕掛けてくれば、きっと堂々と立ち向かうに違いない。
実に、恐ろしい事である。
「さて……寮生活でもこれは変わりがないと……」
カナメが寮生活に使う部屋は、王族が寮を利用する際に使われてきた部屋の一つ。
一番警備がしやすく、セキュリティが最も高い部屋の一つだ。
王族が複数人寮生活をした時代もあり、それもあって王族のための部屋は五部屋ある。
カナメの隣の部屋はマチアスの部屋。
マチアスの朝はカナメの部屋に向かうところから始まり、その部屋で先んじて部屋を出たアルノルトと、カナメの従者であるアーネが朝食を用意してくれる。
マチアスはその間カナメの寝ている寝室へと向かい入るが、これにやましい理由などひとつもない。
カナメは非常に残念ながら、どれほど教育されようとも、どれほど注意を受けようとも、自力で起床することができず誰かが起こさないといけない。
同じ建物内にいる時は、マチアスが起こす役目を担う。
つまり、カナメが城に泊まった際は、王子殿下であるマチアスが起こしに行ったということである。
幼少期からずっと、これはマチアスの朝のお勤めであった。
「驚異的なスピードで王太子妃教育を終わらせたくせに、どうしてこれだけは治せないのだろうな」
ふわふわとカーテンが揺らぐ。そしてマチアスの鼻の頭に僅かにピリッとした痛みが走る。
「すまないが、無言の抗議をされても俺には全く理解できない。そもそも今のは抗議であっていたのだろうか?それとも『全くもってその通り』という同意であったのだろうか?君たちが何か文字にしてくれれば考えることも返事もできるのだが……この辺りはどうにかならないものなのだろうか」
これには、マチアスの髪が左右から吹いた優しい風でふわふわと揺れた。
「どうにもならないと言っているのか、それともどうにかなるだろうとこちらに望んでいるのか……さっぱり分からん。俺の髪の毛で遊んでいるのは構わないが、一応聞いておこう。俺がカナメを揺さぶり起こしても、怒らないだろうな?」
精霊相手に脅迫まがいのことを言うのもどうかと思うが、二体の精霊は気にせず、ベッドを揺らし始めた。
「なるほど……。役目を譲る気はないという自己主張と受け取ろう」
ぐわん、と揺れたベッドに驚き跳ね起きるのはカナメ。いつも通りの起こされ方である。
マチアスがいない時は、アーネが「では、お願いいたします」と頼む。
カナメ自身もそうだが、彼の周りの人間は皆、精霊の使い方を間違っているだろう。
精霊はこれでいいと思っているのか、それともちゃんと使役してほしいと思っているのか。マチアスは聞いてみたいと思っていた。
しかしもし意思の疎通が可能になった時、二体の精霊が自分たちは“神の雫”であると言い出したらまた大変なことになると、口には出さないようにしている。
起きてぼんやりしていたカナメも、しばらくすれば目も覚める。
難しそうな顔をして顔を擦り、のっそりと立ち上がった。
「おはよう」
「いい加減、自分で起きる方がいいぞ」
「でも起こしてくれるから」
「俺はもうカナメの婚約者として堂々といられるのでな、わざわざ婚約者の時間を作るために起こしにくる必要はなくなっているんだ」
「でもいいでしょ?婚姻後だってアルは起こしてくれるはず。自分で起きる必要性を、俺はあまり感じない……必要性を感じたら努力はするよ」
「どういう自信だ……王妃になろうとしているのに、この寝汚なさ……」
言葉はこれだが、マチアスの顔は案外と柔らかい。言っているほどには、深刻に思っていないのだろう。もしかしたら寝汚いなんて何とも思っていないのかもしれない。
精霊たちは何を思うかカーテンを揺らしている。
どことなく楽しそうに揺らしている気がするとマチアスが感じるのは、彼の気持ちの問題だろうか。
「俺たち、婚姻後は同じベッドでおやすみなさいするわけだから、起こしてくれてもいいじゃん?起きれる人が起きれない人を起こす。それでいいと思うよ」
へろっと言うカナメにマチアスは言う。
「なるほど。どれだけ喧嘩をしても俺と床を共にしてくれるというわけだな」
カナメから表情がごっそり抜けた。
「そのいいかた……なんだかやらしいからやめて」
「言葉は間違っていないだろう。そう言うことを想像する方がいやらしいんだ」
精霊たちの琴線に触れたのか、ベッドが揺れた。面白いと思っているのか、それともいい加減アーネを呼んで支度をしろと言っているのか、残念ながら二人には伝わらない。
「お願い、ちょっとでいいから言い方考えて。時々変な顔をする婚約者とか言われてもいいの?」
「安心しろ。カナメの顔はどんな時も美しいと思うし、ほかに思うならば愛らしいと思う。変な顔にはならない」
「なる。なります。仮にならなくても気持ちの問題。俺の精神的な問題。普通の顔を持続させる俺の精神的負担を、考えて」
「そうか……、わかった。善処しよう」
納得したカナメが満足そうに笑うと、マチアスは
「しかし、ははは……早く共に寝れるようになるといいな。今から待ち遠しい。俺たちにも蜜月をきちんと用意してくれるらしいぞ。父上と母上のそれと同じほどらしい。ゆっくりできそうだ」
再びカナメは無表情になり、絶句したのは仕方がないだろう。
(ゆっくりできそうってなに?できそうって、ゆっくりおちつてすごせるとか、そういう想像して言い訳?それともそう言う意味か!?そもそも、今、今お願いしたばっかり!!!)
それにしてもなぜ、この男は平然と顔色ひとつ変えずにこんなことを、しかも堂々と言えるのか。理解できないカナメはもう一度釘を刺すことにした。
「俺に愛されてる自信があるからって、言わなくていいこととか、言わなくていいから。俺の精神的ないろいろを考えてって言ってるの!」
しれっとした顔で「想像する方が悪いんだと思う」と言うマチアスにカナメは「もういやだ」とベッドにつっぷす。
どうにも理解してもらえていないようで、涙も出そうだ。
「すまない、泣かないでくれ」
「泣いてません!泣きそうなだけです」
ガバッと起き上がったカナメは、自分の指で目を指す。
泣いていないだろう、と言うアピールだろう。
「いつかほんとう、やりかえす」
「そうか。楽しみにしている」
笑う王太子に、婚約者はその足を思い切り踏んでやったのである。
0
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
【完結】運命さんこんにちは、さようなら
ハリネズミ
BL
Ωである神楽 咲(かぐら さき)は『運命』と出会ったが、知らない間に番になっていたのは別の人物、影山 燐(かげやま りん)だった。
とある誤解から思うように優しくできない燐と、番=家族だと考え、家族が欲しかったことから簡単に受け入れてしまったマイペースな咲とのちぐはぐでピュアなラブストーリー。
==========
完結しました。ありがとうございました。
【完結】前世は魔王の妻でしたが転生したら人間の王子になったので元旦那と戦います
ほしふり
BL
ーーーーー魔王の妻、常闇の魔女リアーネは死んだ。
それから五百年の時を経てリアーネの魂は転生したものの、生まれた場所は人間の王国であり、第三王子リグレットは忌み子として恐れられていた。
王族とは思えない隠遁生活を送る中、前世の夫である魔王ベルグラに関して不穏な噂を耳にする。
いったいこの五百年の間、元夫に何があったのだろうか…?
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
記憶の欠けたオメガがヤンデレ溺愛王子に堕ちるまで
橘 木葉
BL
ある日事故で一部記憶がかけてしまったミシェル。
婚約者はとても優しいのに体は怖がっているのは何故だろう、、
不思議に思いながらも婚約者の溺愛に溺れていく。
---
記憶喪失を機に愛が重すぎて失敗した関係を作り直そうとする婚約者フェルナンドが奮闘!
次は行き過ぎないぞ!と意気込み、ヤンデレバレを対策。
---
記憶は戻りますが、パッピーエンドです!
⚠︎固定カプです
【魔導具師マリオンの誤解】 ~陰謀で幼馴染みの王子に追放されたけど美味しいごはんともふもふに夢中なので必死で探されても知らんぷりします
真義あさひ
BL
だいたいタイトル通りの前世からの因縁カプもの、剣聖王子×可憐な錬金魔導具師の幼馴染みライトBL。
攻の王子はとりあえず頑張れと応援してやってください……w
◇◇◇
「マリオン・ブルー。貴様のような能無しはこの誉れある研究学園には必要ない! 本日をもって退学処分を言い渡す!」
マリオンはいくつもコンクールで受賞している優秀な魔導具師だ。業績を見込まれて幼馴染みの他国の王子に研究学園の講師として招かれたのだが……なぜか生徒に間違われ、自分を呼び寄せたはずの王子からは嫌がらせのオンパレード。
ついに退学の追放処分まで言い渡されて意味がわからない。
(だから僕は学生じゃないよ、講師! 追放するなら退学じゃなくて解雇でしょ!?)
マリオンにとって王子は初恋の人だ。幼い頃みたく仲良くしたいのに王子はマリオンの話を聞いてくれない。
王子から大切なものを踏みつけられ、傷つけられて折れた心を抱え泣きながら逃げ出すことになる。
だがそれはすべて誤解だった。王子は偽物で、本物は事情があって学園には通っていなかったのだ。
事態を知った王子は必死でマリオンを探し始めたが、マリオンは戻るつもりはなかった。
もふもふドラゴンの友達と一緒だし、潜伏先では綺麗なお姉さんたちに匿われて毎日ごはんもおいしい。
だがマリオンは知らない。
「これぐらいで諦められるなら、俺は転生してまで追いかけてないんだよ!」
王子と自分は前世からずーっと同じような追いかけっこを繰り返していたのだ。
祝福という名の厄介なモノがあるんですけど
野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。
愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。
それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。
ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。
イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?!
□■
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
完結しました。
応援していただきありがとうございます!
□■
第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m
帝国皇子のお婿さんになりました
クリム
BL
帝国の皇太子エリファス・ロータスとの婚姻を神殿で誓った瞬間、ハルシオン・アスターは自分の前世を思い出す。普通の日本人主婦だったことを。
そして『白い結婚』だったはずの婚姻後、皇太子の寝室に呼ばれることになり、ハルシオンはひた隠しにして来た事実に直面する。王族の姫が19歳まで独身を貫いたこと、その真実が暴かれると、出自の小王国は滅ぼされかねない。
「それなら皇太子殿下に一服盛りますかね、主様」
「そうだね、クーちゃん。ついでに血袋で寝台を汚してなんちゃって既成事実を」
「では、盛って服を乱して、血を……主様、これ……いや、まさかやる気ですか?」
「うん、クーちゃん」
「クーちゃんではありません、クー・チャンです。あ、主様、やめてください!」
これは隣国の帝国皇太子に嫁いだ小王国の『姫君』のお話。
魔術師の卵は憧れの騎士に告白したい
朏猫(ミカヅキネコ)
BL
魔術学院に通うクーノは小さい頃助けてくれた騎士ザイハムに恋をしている。毎年バレンタインの日にチョコを渡しているものの、ザイハムは「いまだにお礼なんて律儀な子だな」としか思っていない。ザイハムの弟で重度のブラコンでもあるファルスの邪魔を躱しながら、今年は別の想いも胸にチョコを渡そうと考えるクーノだが……。
[名家の騎士×魔術師の卵 / BL]
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる